2006年10月29日

フレンズ2-21その23

また電話で話をしたい、という弟に、
フィービー: I'm in the book. (私の名前は電話帳に載ってるから。)

電話帳は a telephone directory, a telephone book, a phone book などの表現がありますが、a book だけでも「電話帳」というニュアンスは出るみたいですね。
この場合は特に、フランクが「電話する」と言っているので、book だけで十分なようです。
直訳すると「私は本の中にいるわ」と聞こえるのですが、前後の文脈から判断できるとはいえ、ずいぶんとあっさりした表現ですよね。
「電話帳に私の電話番号が載ってるわ」を英語に訳せと言われると、私なら、
You will (or can) find my telephone number in the telephone book. とか
My number is listed in the telephone book.
とか、書くかなぁ?
英語ではわざわざ my (telephone) number と書かなくても、人を主語にして、I am listed in the telephone book. あるいは I am in the telephone book. で十分らしく、さらに、電話帳を簡単に book と言ったものが、フィービーのセリフになるわけですね。


フィービー: So stilts, huh? (それで、竹馬、だったわよね?)
フランク: If you want, I can show you where he hit his head on the rain gutter. (もし見たいなら、パパが雨樋(あまどい)に頭をぶつけた場所を見せてあげるよ。)

gutter は「(屋根の)とい」、「溝、排水溝、側溝」。
ボウリングの溝のことを「ガター」と言いますが、それもこの gutter のことですよね。(ちなみに、昔は「ガーター」と言っていませんでしたかね? もともとボウリングは得意じゃないし、最近はちっともやらないのでよくわかりませんが。)
やはりお互い、肉親と話せて嬉しいんですね。
別れがたくて、また竹馬の話を持ち出すフィービー、それに応じるフランクの二人が何とも微笑ましいです。


セントラルパークのソファーに座っているロスとチャンドラー。
ロス: We did it. We're here. We're standing our ground. (僕たち、やったぞ。僕たちはここにいる。僕たちのホームグラウンドに立ってるんだ。)
でも言葉とは裏腹に二人はそわそわしています。
ロス: How long does coffee take? (コーヒーにどれだけ時間がかかるんだよ?)
チャンドラー: Would you come on? Come on! (早く持ってきてくれる? 急いで!)
あわてて飲み干す二人。
チャンドラー: There we go. (よし行くぞ。)
ロス: I think we proved our point. (僕らの主張が正しいことは証明されたな。)
チャンドラー: You burn your mouth? (口、ヤケドしてるのか?)
ロス: Cannot feel my tongue. (舌の感覚がないよ。)

日本語のいわゆる「グラウンド(運動場)」は playground と言います。
ですから、この場合の our ground は「僕たちの場所」という感じかと思うのですが、「僕たちのなわばり、エリア、陣地」っぽいニュアンスで「ホームグラウンド」と書いてみました。(ちょっと意訳っぽい。)
(2006.10.30 追記)
We're standing our ground. について、下のコメント欄に追加説明と訂正があります。
また同じフレーズが次の記事、フレンズ2-21その24 にも出てきますので、そこでもさらに詳しく説明してあります。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)

prove one's point は prove a point とも書き、「自分の主張の正しさを示す、言い分を証明する、要点をわかってもらう」という意味になります。
make a [one's] point とも書きます。
cannot feel の後に身体の部位が来ると、「(身体の部分の)感覚がない」という意味になります。
ここでは熱いコーヒーを慌てて飲んだため舌がヤケドして感覚がない、ということ。

cannot feel one's legs だと「脚がしびれる」です。
フレンズ1-1 に、その表現が出てきました。
キャロルに出て行かれた後、男性3人が家具を組み立てているシーン。
しゃがみながら説明書を読んでいるロス。
部品がよくわからなくて、ブツブツ文句を言っています。
ロス: I'm supposed to attach a brackety thing to the side things, using a bunch of these little worm guys. I have no brackety thing, I see no worm guys whatsoever and- I cannot feel my legs. (ブラケットとかいう部品を横の部品に、この小さいワームって部品を使って留めることになってる。そのブラケットっていうものもないし、ワームってやつらも全く見当たらない、その上…脚の感覚もない。)
これは no... no... と「あれもない、これもない」とぼやいていて、最後のオチが「脚の感覚までない」と「ないないづくし」なところが面白いのでしょうね。
フレンズ2-18その17 にも couldn't feel his legs という表現がありましたが、こちらは下半身麻痺のことです。
このように、しびれのような一次的で軽度なものから、麻痺のような重度のものまですべて can't [couldn't] feel を使うのですね。

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posted by Rach at 07:50| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっと、ここまで追いつきました♪
「足がしびれる」とは、My legs are asleep. ともいうんですよね?
以前、英会話サークルのゲストが教えてくれました^^
Posted by Emi at 2006年10月29日 08:03
stand one's groundは成句としてあるようですね。
「一歩も引かない,自分の立場[地歩]を固守する,(断固として)主張を曲げない」The boy stood his ground despite repeated threats of the bully.(少年は度重なるいじめっ子の脅しにもめげす,一歩も引かなかった)脅しとか主義主張に対して使われるようですが、これが暴力、戦闘の意味で使う場合は「hold one's ground」になるそうです。E-DICより
stand one's groundと一所懸命は相通ずるものがあるように思いました。

gutterといえば2-20でMonica :Did you ditch him? を解説されてましたね。
Posted by catch at 2006年10月29日 14:15
Emiさんへ
すごい! よくぞここまでたどり着かれましたねぇ(笑)。EmiさんがフレンズのDVD鑑賞を始められたのは結構最近のことだと思うのですが、一気にここまでご覧になったんですね。
フレンズというドラマが好きで楽しめているってことですから、素晴らしいことですよね。
最近の私の解説は1ヶ月1エピソードペースになってしまいましたので(笑)、あとはEmiさんのお好きなペースで楽しんで下さい。面白いドラマですから、どんどん先が見たくなるんですよねぇ? その気持ちはよくわかりますよ。

asleep 「眠って」だから、「手足がしびれて」という感覚がないことも表せるわけですね。
フレンズ1-19その6 に
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470133.html
フィービー: My butt cheek is waking up! (私のお尻の片方が目覚めつつあるわ!)
という表現が出てきました。これはお尻に麻酔銃を撃たれてしまって、その麻酔が切れかかって、だんだん感覚が戻ってきているさまを表しているのですが、まさに asleep の状態から、wake up しつつある、ってことなんだ。うーん、なるほど。
Posted by Rach at 2006年10月30日 09:30
catchさんへ
そうですねぇ、stand one's ground って確かに成句(a set phrase, an idiomatic phrase)ですね(笑)。
英辞郎にも研究社 新英和中辞典にも、catchさんが上で書いて下さったような意味がしっかり書いてあります。
確か私も意味を調べた気がするのですが、何故その成句としての意味を上に全く書いてないのでしょう?(自分でもよくわかりません)
「僕たちは僕たちの ground に立ってるんだぞー!」というニュアンスで何となくその「脅しにもめげない、自分の主張を曲げない」感じが出ると思ったのかなぁ…?
でも、上の私の説明では言葉足らずで、ただ「陣地に立ってる」という状態のみを指して、その心情までは表現できていない気がしますね。
この場合は「一歩も退かない」が一番合ってそうなので、コメント欄ではありますが、ここに謹んで上の記事中の日本語訳を訂正させていただきます。
ロス: We did it. We're here. We're standing our ground. (僕たち、やったぞ。僕たちはここにいる。僕たちは一歩も退かないぞ。)
こんな感じでいかがでしょう?

「一所懸命」…いざ鎌倉、の御家人ですね。広辞苑には「賜った一ヵ所の領地を生命にかけて生活の頼みとすること」とあります。
中学校(もしかしたら小学校?)で鎌倉時代を習った時、教科書に、「今使われている、一生懸命という言葉は、「一所懸命」という言葉から来たものだ」、と書いてあって、へぇ〜と思った記憶があります。懸命は「命を懸ける」なので、「一生に命を懸ける」って変じゃん、ってことなわけですね、本来は。
今では「一生懸命=物事を命がけですること。必死。(広辞苑より)」の意味ですっかり浸透しておりますので私も普通に使うのですが、こだわる方(文筆活動をされている方など)はそこでも「一所懸命」という言葉を使ったりされますよね。一生懸命という言葉を間違いだと否定するのはどうかと思うけど、そうやって「一所懸命」という言葉にこだわる姿勢は大事だと思います。
話がすっかりずれましたが(笑)、「その場所に立っている、そこから一歩も動かない、死守してみせる」という感覚は、stand one's ground と一所懸命で通じるところが確かにありますね。

そう言えば、ditch も「溝、排水溝」という意味でしたね。
フレンズ2-20その10
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470544.html
で確かに解説しております。過去に似たような意味の単語が出てきた場合は、リンクをはったりするのですが、ditch のことはすっかり忘れておりました。書いた本人が忘れているものをよくぞ思い出して下さいました(笑)。
Posted by Rach at 2006年10月30日 09:38
最近ペースががったり落ちてなかなか先に進めないでいます・・・
(単にバタバタしてるだけなんですが・・・)

フィービー: I'm in the book. (私の名前は電話帳に載ってるから。)
うん、このセリフ聞いた時、これでいいんだぁ〜って感心しました。
勿論話の前後関係にも依るんでしょうが、ほんと、もっと難しく
考えてしまいますよね〜

話は飛びますが、先日ERを観ていたら、患者さんに喉頭鏡(かな?)を入れていて入った時に、I'm in ! って言っていてそれでいいんだぁってびっくりしたのを思い出しました。
Posted by やっちん at 2013年07月25日 14:41
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。

ペースが落ちてしまうことってありますよね。そこを無理してしまうと、学習が嫌になってしまうかもしれませんので、今は気長にゆったりとした気持ちでいて下さい。マイペースでのんびりと続けていただけるのを願っています。

I'm in the book. とか、I'm in! とか、本当に「そんなのでいいの?」と思えるようなフレーズってありますよね。ネイティブには当たり前のように思えるけれど、ノンネイティブの口からはすっと出てきそうにない、というタイプのものが。「なーんだ、これでいいんだぁ」というフレーズを、自分の中に溜め込んで行けるのが、海外ドラマのセリフで学ぶ醍醐味と言えそうですね。
Posted by Rach at 2013年07月26日 12:54
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