モニカのフェイクの胸(難燃性の胸= flame-retardant boobs)をじーっと見つめているジョーイ。
flame-retardant boobs という単語については、フレンズ2-21その19 で説明しています。
モニカ: Joey, they're not real! I start miles beneath the surface of these things, okay, they're fake. See? Honk, honk! (ジョーイ。これは本物じゃないのよ! 本物の私はこの地表の何マイルも下にいるのよ、いい? ニセモノなのよ、わかった? [胸を掴んで]プップー!)
チャンドラー: Wow, it's, it's like porno for clowns! (わぁ、おバカ向けのポルノみたいだね。)
I start という表現が何だか面白いですね。
ニュアンスを出して訳すのが難しいのですが、この表面から何マイルも下の位置から「私は始まっている」でしょうか?
本物の私の身体はそこから始まる、そこに到達するまでには何マイルもある、ということなわけですね。
honk は擬音語です。自動車の警笛(クラクション)の音ですね。
プップー、パフパフ、という感じ。
鳥のガン(wild goose)の鳴き声も honk です。
こういう擬音語シリーズは、各言語によって随分違いますよね。
コケコッコーが cock-a-doodle-doo になるとか…。
日本人の耳にはあのクラクションも「ホンク、ホンク!」とは聞こえない気がしますし・・・。
clown は「道化師」で、この場合は「おどけ者」「ばか」のような悪い意味で使ってるようです。
見るからにニセモノとわかる胸なので、セクシーというよりギャグにしか見えないわけですね。
(2007.10.25 追記)
下のコメント欄でご指摘いただいたのですが、上の clown は元々の意味の「道化、ピエロ」を指しているようです。
下のコメント欄に訂正と追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
(追記はここまで)
レイチェルのバースデー・パーティーに誰を呼ぶか相談しているところ。
シャノン・クーパーという友達を呼ぼうと言ったら、いやがるジョーイ。
フィービー: Why not her? (どうして彼女はダメなの?)
ジョーイ: Because she uh, she steals stuff. (だって、彼女は…盗癖があるから。)
チャンドラー: Or maybe she doesn't steal stuff and Joey just slept with her and never called her back. (もしくは、彼女には盗癖はなくて、ジョーイが彼女と寝てそれから一度も彼女に電話をしなかった、ってだけだよ、多分。)
モニカ: Joey, that is horrible. (ジョーイ、それってひどいわ。)
ジョーイ: Hey, I liked her, alright. Maybe, maybe too much. I don't know. I guess I just got scared. (彼女が好きだったんだ。多分、好きになりすぎたんだ。怖くなったんだと思う。)
フィービー: I'm sorry, I didn't know. (ごめんなさい。知らなかったわ。)
ジョーイ: I didn't think anyone'd buy that, Okay! (こんなこと言ってそれを信じる人がいるとは思わなかったよ。やったね!)
she steals stuff は「彼女はものを盗む」。
「現在の習慣的行為」を表す現在形が使われていますね。
今この時、彼女が何かものを盗んでいる、と言っているのではなく、彼女の習慣を述べている、彼女はこういうことをする人だ、と言っているわけです。
He smokes. 「彼はたばこを吸う人だ。」 I don't smoke. 「私はたばこを吸いません。」などもそうですよね。
ここでは、彼女はものを盗む人だ、盗むという習性、クセがある、盗癖がある、ということになります。
「好きになりすぎて怖くなったから電話できなかった。」なんて、ジョーイにはあまりにも似合わないセリフですよねぇ?
でも、女の子はこういう言葉に弱いので(笑)、フィービーたちは一瞬信じてしまったんでしょうか?
だとしたら、ジョーイってお芝居うまいじゃん。
buy は「買う」ですが、「(意見や提案を)受け入れる、信じる、賛成する」という意味もあります。
日本語でも、「買う」にはそういう意味がありますね。
「彼の才能を大いに買っている」などと言ったりします。
買い被る(かいかぶる)という言葉もあり、それはまさに「実質以上に高く買う、高く評価する」ことを指しますね。
購入するという意味の買うは、お金と引き換えに何かを手に入れることですから、そのお金の価値に見合うほどのものだと判断している、価値があるものだと認めている、ということになるわけですね。
フレンズ2-3その2 にも、こういう意味の buy が出てきました。
(Rach からのお願い)
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なんか最近わざとネタふっとぉみたいやねぇ、レイチさん。
お言葉を返すようですが、「わざとネタふっとぉ」んではなくて、本当にレイチは「わかってへん(=doesn't understand)」のですけど、、、(爆)。
まぁ、FDJさんにこんな風にツッコミを入れて欲しいわぁ〜(神戸弁ならさらに嬉しいわぁ〜)…と思いながら日々記事を書いているのは間違いないのですが、、、いつも意図せぬところでツッコミが入るので、びっくりしております(笑)。
で、
「honk honk だから clowns で」とのコメントで、そう言えば、サーカスのピエロ(道化)がラッパみたいなの持ってたっけなぁ…と思い出しました。(私は、あまりサーカスには詳しくない…)
"clown honk-honk" でぐぐってみると、"It's me, (人名) the Clown! Honk, honk!" というフレーズがヒットしたのですが、これって、「私が、道化の(人名)です! パフパフ!(とラッパを鳴らす)」ということで、道化が登場して自己紹介する時のフレーズなんでしょうね、きっと。
Bozo The Clown Costumes
http://www.costumecraze.com/Traditional-Costumes-Clown-Costumes-Bozo-The-Clown-Costumes.html
に clown の小道具が載っているのですが、リストの最後に Clown Horn というラッパがありますねぇ。ちょうどモニカのフェイクboobs みたいに「押して」音を鳴らすラッパですね。その horn の説明にも、"Honk, Honk, Here I Come!" などと書いてあります。
ってことで、"Honk, honk!" と聞くと、誰もが clown を想像する、故に「道化」なのですね。そっかぁ〜、これまた勉強になりました。ありがとうございます!
clown と言えば、フレンズ2-3(その4)
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470190.html
で、class clown 「クラスの人気者」というフレーズが出てきました。他には、ベンが迷子になった時(2-6)、ベンが着ていた服の柄としても出てきましたねぇ。どちらもいわゆる「道化師、ピエロ」という意味なのに、今回はどうして「ばか」というネガティブな意味にとったのかと言うと…。
アルク刊 起きてから寝るまで表現550 「いまがそのとき転職編」(p.160)に、
I can't stand being bossed around by this clown. 「こんな親父にアゴで使われてたまるか。」
という文が載っており、その説明に「clown には「田舎者、無骨者」など見下したニュアンスがある。」と書いてあったんですよ。
この本は私が大学生の頃に買った本で、とても印象に残っていて、それ以来、clown というと、道化よりも何か他の悪口として使っているのだと勘ぐる癖がついてしまったようです。(←ただの言い訳だった…)
どこか上の説明で間違っているところがあれば「それ、間違っとぉよ、レイチさん」って言うていただけると、うちはうれしおす。(京都弁に意味はおまへんえ…大阪弁は文字にするとちょっと下品に見える気がするよって避けてみただけどす…笑)
私はここのclownは「田舎者」の意味だと理解しています。
2. A coarse, rude, vulgar person; a boor.(thefreedictionaryより)
porno OF clownsなら、道化師、ピエロになるかもしれませんが、
ここはforを使っているので、Monicaがflame-retardant boobsを着て他人をentertainmentし、entertainmentの対象を言っているのは明らかです。道化師は普段entertainment者としての立場だから、
entertainmentされる方ではないと思います。
よって、「粗野な人のためのポルノみたい」の意味だと思います。
(おバカさんより田舎者の方が適切かと思います。
もちろん、Political Correctnessの観点から、田舎者も良くないと思います。)
※中国では、Porno好きと宣言する人が「低级趣味的人」または「俗人」と言われそうですが(「俗」の反対は「雅」です)。
世の中には、「俗人」はダントツ多いかなと思います。(笑)
お返事大変遅くなり、申し訳ありません。
of ではなく for なので、「クラウンに向けての、クラウンのための、クラウン向けの(ポルノ)」と解釈したらいいのかな、と思います。
モニカ自身は、パフパフという音は出していますが、彼女自身がクラウンだと言っているのではなくて、ピエロの人たちを喜ばせるために、ピエロみたいにパフパフという音を出す、という感じでしょうか。
特に porno と言っていることから、もっとお下品な連想をすると、ピエロがラッパをパフパフ鳴らす代わりに、モニカの胸を(モニカがしたように)パフパフして遊ぶことができる、という意味で、「ピエロのためのポルノ(胸を触って、ピエロのラッパのように音を出す)」と言っているように思います。
Clown Horn を鳴らす時に、"Honk, Honk, Here I Come!" などと言うのであれば、やはり、チャンドラーの言っている clown は、ピエロを指すのだろうと思います。
ピエロが使う道具(ラッパ)が胸の部分になっている、という意味で、音を出すことが胸を触ることになる、故に porno for clowns なのかな、ということですね。
これで、以前にいただいていたコメントへのお返事は完了できたかなと思っています。まだお返事できていないコメントが残っていればご指摘下さい。
ご回答有難うございました。
自分はコメントする際、特に質問を記録していません。
いつもトップ画面のコメント欄で見ています。
一応一通りFriendsをすべて見ました。今後また見るなら、
セリフのevery wordの聞き出し、観衆歓声の完全理解を目指して行きたいと思います。
(実施すると、時間が掛かりそうと気がしますが。)
「ピエロの人たちを喜ばせるために、ピエロみたいにパフパフという音を出す」と考えていらっしゃっていますね。
ピエロがパフパフという音を出すのが観衆を喜ばせるからですが、
ピエロ自分自身が別の方からそんな音を聞いても、喜ばれるかどうかについては、
意見を保留させて頂きます。
「ピエロの人たちを喜ばせるために」という私の表現は、確かにちょっと違っていたかもしれません。ピエロの人がいつも使う道具であるラッパが胸になっている、という意味で「ピエロ向きのポルノ」と表現した、ということかな、と思います。