妹の卒業式が地獄のようにひどいものだった、というレイチェルに、
モニカ: So what happened? (それで、何が起こったの?)
レイチェル: My parents happened. All they had to do was sit in the same stadium, smile proudly, and not talk about the divorce. But nooo! They got into a huge fight in the middle of the commencement address. Bishop Tutu actually had to stop and shush them. But you know what, you know what the good news is? I get to serve coffee for the next 8 hours. (両親のいつものやつが始まったのよ。ただ、同じスタジアムに座り、誇らしげに微笑んで、離婚について話をしなければ良かっただけなのよ。でも、とんでもない! 卒業式の演説(挨拶)の真っ最中に、喧嘩を始めたのよ。実際、ツツ大司教が二人を止めて、シーッって言って黙らせないといけなかったのよ。でもね、良いニュースもあるのよ。私はこれから8時間もコーヒーをサービスすることになる、ってことよ。)
happen は「(出来事などが)起こる」ですから、普通は人が主語になることはないはずですが、ここでは、「私の両親」が起こった、つまり、またいつものパパとママが始まった、また二人で性懲りもなく口喧嘩を始めた、というニュアンスで使っているようです。
all they had to do was... を直訳すると、「両親がしなければならなかったことの全ては…だ」ということで、つまりは「…だけしていればそれで良かった」という意味になります。
was の後は、「…すること」という意味で、to sit, to smile, and not to talk 「座ること、微笑むこと、そして話さないこと」が来るのですが、この was の後の to はしばしば省略されます。
All you need to do is ask. 「ただ尋ねればよい。」などと同じですね。
ところでちょっとしょーもないことにこだわりますが(笑)、stadium というのはいわゆる「スタジアム、野外競技場、野球場」ってことですよね。
Merriam-Webster Online Dictionary では、
stadium: a large usually roofless building with tiers of seats for spectators at sports events
つまり、「スポーツイベントの観客のために、席が段になっている、たいていは屋根のない、大きな建物」とあります。
アメリカの大学って、そういうところで卒業式をするんでしょうか?
日本だと室内(体育館とか講堂とか)で行われるような気がするのですが…。
commencement は「卒業式、学位授与式」という意味ですが、その基本的な意味は「開始、始まり」です。
何となく、日本語の感覚では、「卒業式」だったら、「始まり」じゃなくて「終わり」じゃないの?って気もするのですが…。
新しい人生が始まる門出の日、ってことなんでしょうかねぇ?
commence という動詞は「・・・を始める、開始する」ですが、begin よりも形式ばった単語で、作戦などの開始に使われます。
私は、映画「インデペンデンス・デイ」(Independence Day)でこの commence という単語を覚えました(笑)。
エイリアンとコミュニケーションを取ろうと試みるシーン。
ヘリコプターが宇宙船に近づいた時のセリフがこれ↓。
Initiating communication sequence. Welcome Wagon has commenced. (コミュニケーションのシークエンスを開始する。ウェルカム・ワゴン作戦、開始。)
Welcome Wagon は日本語では「歓迎ヘリ(作戦)」と訳されていましたが、
英辞郎によると、
welcome wagon =(米)ウェルカム・ワゴン、新人歓迎車(新しく引っ越してきた人に地元の特産品などを贈り歓迎する人たち、またはその車のこと)
ロングマン現代英英辞典によると、
welcome wagon : (AmE = 米語) an event that is organized to welcome someone who has just arrived in a new place
例) The company is bringing out the welcome wagon for the new sales recruits.
訳すと、「新しい場所に着いたばかりの人を歓迎するために開催されるイベント」ということです。
つまり、別に wagon (荷馬車などの車)が存在しなくても良いわけですが、この映画では、ヘリコプターという「乗り物」を使ってコミュニケーションを取るという作戦だったので、ちょうどこの作戦名がしっくりきたんだろうなぁ、と思います。
アメリカでは「作戦名」にとてもこだわりますからねぇ。
士気を高めるために必要なことなのでしょうが。
(脱線、終わり…笑)
address というと、まず「アドレス、住所」を思い出しがちですが、この場合は「(聴衆に向かっての公式の)あいさつの言葉、演説、講演」という意味ですね。
State of the Union Address なら「(大統領が行う)一般教書演説」という意味になります。
bishop は「(カトリックの)司教、(プロテスタントの)監督、(英国国教会の)主教」という意味。
Bishop Tutu は実在の人物です。(まぁ、わざわざ固有名詞を出しているわけだから、当然そうでしょうけど…)
Wikipedia 英語版: Desmond Tutu
↓手っ取り早くわかりたい方は、日本語版もありますよん(笑)。
Wikipedia 日本語版: デズモンド・ムピロ・ツツ
ノーベル平和賞を受賞されている、とても有名な方のようです。(実は知りませんでした、ごめんなさい。)
レイチェルの妹の大学はどこだかわかりませんが、結構有名な学校で、こういう著名人が挨拶に来られたりするんでしょうかねぇ?
日本の卒業式では、学校関係者以外の人が話をすることなんかないような気もするのですが…?
actually は「実際に、現に」。
この場合は「(まさかと思うかもしれないが)本当に」というニュアンスかもしれません。
ノーベル賞を受賞しているような有名な人が話をしているというのに、それに構わず喧嘩をしていたのもすごいと思うのに、その上、その大司教さまに壇上から静かにするようにと注意された、ということですね。
にらんだ、とか、咳払いで静かにするように促した、とかのレベルじゃなくて、本当に「シーッ!(静かに!)」と言った、ということのようです。それってすごいじゃん(笑)。
the good news というのはもちろん皮肉で、そういう両親の喧嘩をグチってばかりもいられなくて、またウェイトレスの仕事がこれから延々続くのでゲンナリしているわけです。
(Rach からのお願い)
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2006年11月06日
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