モニカ会場で。
モニカ: Listen you guys, I don't mean to be a pain about this but, um, I've noticed that some of you are just placing them on. You wanna push the caps until you hear them click. (みんな聞いて。このことでうんざりさせるつもりはないんだけど、ただキャップをかぶせてるだけの人が何人かいたのに気付いたの。カチッって音が聞こえるまでキャップを押してね。)
a pain は、「いやな人、うんざりさせる人(あるいは事柄)」を指します。
フレンズ2-3その7 にも同じ表現が出てきました。
click は日本ではすっかり「マウスのクリック」でおなじみですが、「カチッという音」「カチッと鳴らす」という意味です。
その、カチッと音がする感じから、「意気投合する、ウマが合う、フィーリングが合う」という意味にもなります。
フィービー: All right, I can get you out. (わかったわ、私があなたをここから出してあげる。)
ガンター: What? (何だって?)
フィービー: Shh. In a minute, I'm gonna create a diversion. When I do, walk quickly to the door and don't look back. (シーッ。もうすぐ私が気をそらせるわ。その時、ドアへ素早く歩いて行って、振り返らないで。)
パーティーの参加者がうんざりしているのを察したフィービーは、ガンターを脱出させようとします。
diversion は「わきへそらすこと」。
この場合は「誰かの注意をそらすこと」という意味になります。
create a diversion で「(誰かの)気をそらす」という意味になるのですが、create 「創造する」という単語が、何か相手の注意を引くようなことを「生み出す」感じが出ている気がします。
この部屋から抜け出すだけの話なんですが、でも確かにモニカ怖いしね(笑)。
ちなみに、私は create a diversion というセリフをスタートレックで覚えました(笑)。
ここから先は、スタートレックをある程度知っている方しか楽しめないと思うので、知らない方は飛ばして下さい。(今日は脱線したまま終わります…)
映画「スタートレック ファーストコンタクト」(Star Trek First Contact)で、サイボーグのような機械生命体の「ボーグ(Borg)」という、それはもう恐ろしい敵が(笑)、医療室に侵入しようとするシーンがあります。
ビバリーという宇宙船エンタープライズ号の医療部長が、ボーグから逃げる時間を稼ぐために、「ホログラム」(バーチャル空間のキャラクター、立体映像のようなものだが、形もあって触れることもできる)のドクターを使って時間稼ぎをしようとします。
そのドクターの正式名称は EMH といいます。
EMH とは、Emergency Medical Hologram (緊急用医療ホログラム)の略。
通常はただ単に、「ドクター(The Doctor)」と呼ばれています。
EMH は本来は、ヴォイジャー(VGR)というシリーズのレギュラーキャラなのですが、別シリーズの新スタートレック(TNG)の映画版であるこの映画に、ゲスト出演(友情出演?)しているんですよ。(あぁ、どうでもいい話だ…笑)
ビバリー: Is the EMH programme still on-line? (緊急用医療ホログラムは今使える?)
アリサ(助手): It should be. (使えるはずです。)
ビバリー: Computer, activate the EMH programme. (コンピュータ、緊急用医療ホログラムを起動。)
EMH: Please state the nature of medical emergency. (医学的緊急事態の内容を述べて下さい。)
ビバリー: 20 Borg are about to break through that door. We need time to get out of here. Create a diversion! (20体のボーグがそのドアを破って入ってこようとしているの。私たちがここから逃げる時間が必要だわ。やつらの気をそらして。)
EMH: This isn't part of my programme. I'm a doctor, not a doorstop. (そんなことは私のプログラムにありません。私は医者ですよ。ドアのストッパーじゃない。)
ビバリー: Do a dance, tell a story, I don't care, just give us a few seconds. (踊るとか、朗読するとか、何でもいいわ。私たちのために少しの時間を稼いでちょうだい。)
と言って、ビバリーたちは非常口から逃げていく。
残された EMH に迫るボーグたち。
EMH: According to Starfleet medical research, Borg implants can cause severe skin irritations. Perhaps you'd like an analgesic cream. (宇宙艦隊の医療調査によりますと、ボーグのインプラント(機械移植)は深刻な肌の炎症を起こすらしい。鎮痛剤でもいかがですか?)
ビバリーはとにかく焦っていて、大真面目に "Create a diversion!" というセリフを言っているのですが、確かにコンピュータ・プログラムであるドクターには、「相手の気をそらす」ようなプログラムは存在しないのでしょう。
ビバリーは、やけになって、踊りでも朗読でも何でもいい、と言っていますが、まぁ、そういうことがいわゆる diversion なわけですね。
で、困ったドクターが、いかにもお医者さんが言いそうなアドバイスというか世間話をして、時間を稼いでいるのが笑えるのです。
全くの余談ですが、
I'm a doctor, not a doorstop. というセリフですが、この "I'm a doctor, not a ..." という言い回しは、スタートレックの最初のシリーズ(TOS)(邦題: 宇宙大作戦)で、ドクター・レオナルド・マッコイが最初に使いました。
それ以降、別のシリーズのドクターも時々使うそうです。(ビバリーが使ったのは聞いたことがないような…)
マッコイが最初にこのセリフを使ったのは、TOS シーズン1第20話「地底怪獣ホルタ」(原題: The Devil In The Dark)。
ホルタという石にしか見えない生物を治療しろと言われて困ったマッコイが、
I'm a doctor, not a bricklayer. (私は医者だ、レンガ(積み)職人じゃない。)
と言ったのですが、このセリフが日本語吹替版で、「私は医者(いしゃ)だ、石屋(いしや)ではない。」というだじゃれになっていて、その”はまり具合”にファンが喜んだことで妙に有名なセリフなんだそうです。(と、本で読んだ…笑)
Trekkie (トレッキー)にしかウケない話でしたねぇ…すみません。
それとさらにどうでもいい話ですが、映画「スタートレック ファーストコンタクト」のDVDの英語字幕は、実際のセリフと「かなり」違っていました。
フレンズも結構実際のセリフと英語字幕が異なることが多いですが、これはそれ以上でした。
ですから上に書いたセリフは、ディクテーションしたものなので、間違ってるかもしれない(笑)。
でも、何でそこまで字幕を変えてしまうんだろう? そのまま書くほうが簡単だと思うのにねぇ…。
そんな風にかなり違っている字幕でも、聞き慣れない単語がある場合は大変役に立つのですが…(スタートレックは出てくる単語がテクニカルで難しいし)。
それと、このDVDはフレンズ学習を始める前に買ったもので、その頃は英語字幕が実際のセリフと異なっていることなどあまり気にしなかったのに、今ではその違いがむっちゃ気になる…というところに、自分の成長を見ることができて嬉しい気がします。
(Rach からのお願い)
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このEMHが外見はボイジャーのドクターと同じだけれど、本人ではないので、これが最大のdiversionなのですね。なかなかがんばっているではないですか。でも、ボイジャーのドクターであれば、(いちおう、I am a doctor, not a doorstopという苦情は述べた上で)、喜んでオペラの歌を歌いだすことでしょう(笑)。
TOSはあまり見たことがないので、知らないです。すごいトリビアですね。
質問されてこうやればいいのよと教えてあげるときなどの言い方なのですが、だれも質問していないので押しつけがましく聞こえます。3-9のオープニングでレイチェルにMonica : Okay, Rachel, you wanna put the marshmallows in concentric circles. といってレイチェルが不機嫌になります。モニカの几帳面な性格と相手に対して強く言えない性格がでている気がします。
スタートレックネタに反応していただき、ありがとうございます(笑)。
スタートレックの映画は、TNGシリーズ(ピカード艦長が出てる分)は4作ともDVDを所持しているのですが、私もファーストコンタクトが一番好きです。というか、YNさんと同じように、私も他の映画はあまり好きではないです。話の設定に無理があるというか、素直に楽しめない気がしますよねぇ。テレビシリーズの話ではそれはもう「名作」と呼べるエピソードがたくさんあって、あれもこれも…と思い浮かぶのに、映画の方がスケールが小さいように感じてしまうのは私だけでしょうか?
ファーストコンタクトは、ボーグが敵である、タイムトラベルものである、という点でファンが喜ぶ設定がふんだんに出てくるのですが、ボーグが出てくるとどうも画面が陰鬱になるし、全体的に重た〜いトーンになってしまうのがちょっとつらいかなぁ。ですから、何度も見た、というわけでもないのですが、セリフだけは妙に覚えていたりします。バークレーが、英雄であるコクレーン博士とお話したくてもじもじしているのが可愛かったなぁ…(バークレー、好きなんですよ)
YNさんに言われて気付いたのですが、確かにこれはヴォイジャーのドクター本人ではないですね。
このEMHはコンピュータソフトみたいなものだから、それがいろんな場所(宇宙船など)にインストールされていて、EMH の最初のタイプはみんなこのルイス・ジマーマン博士の顔をしてるんでした。EMH-2 (EMH MarkU)とかいう、もっと見かけの若いEMHもいましたよねぇ?
だから、上に書いたドクターは、新しく就航したエンタープライズNCC-1701-E に搭載されているもので、ヴォイジャーのドクターみたいにデルタ宇宙域でいろんな経験も積んでいないし、エンタープライズにはちゃんとビバリーという本物の医者もいるので、普段は全く出番などないのでしょう。言うなればホログラムの新人さんみたいなもので、それにしては頑張ってますよね。
いつもは冷静なあのピカード艦長が、かつて自分がボーグに同化(改造)されてしまった記憶から逃れられず、感情的に動いてしまってクルーが反発する、というストーリーなのに、その恐ろしいボーグにのんきな世間話を振るところがなんとも面白いなぁ、と思って見ていたんですよ。さすがのボーグもホログラムのドクターを同化することはできませんし、ドクターにとっては全く怖い敵ではないんですけれど…。
オペラを歌うという話は聞いたことありますが、実際のドクターの歌声は聞いたことがありません。ヴォイジャーのドクターは恋もするし、どんどん人間に近い存在になっていくんですよねぇ。
私もTOSはよく知りません。全て、本などから得た知識でして(笑)。小説は読まないくせに、スタートレック関係の本は何故かたくさん持っている。そういう本って結構値段も張るのにねぇ…そういう本を読む情熱を洋書に向けたら、どれほど英語が伸びるのかと思うと…とほほ。
最近はそういう趣味の本にはむやみに手を出さないように気をつけております(笑)。
You wanna というのは直訳すると、「あなたは〜したい」ということで、つまり「あなたは〜したいわよね?」とか「あなたは〜したいと思ってるはずよ」というニュアンスが出て、押しつけがましく聞こえるのでしょうね。実際は誰もそんな細かいこと気にしたくはないのに、そこで You wanna を使われると、聞いている人はさらにゲンナリする…という感じでしょうか?
私もこの you wanna にちょっと注目してみたいな、と思ったんですが、うまく説明できそうにないのでスルーしてしまいました。おっしゃるようによく使われる表現なのですね?
3-9 にそんなシーンありましたね。モニカは素直に手伝ってと言えなくて、レイチェルがそれをするのが当然であるかのように You wanna を使ったので、レイチェルは怒って、"No Mon, you want to... I want to do this." (いいえ、モニカ。それをしたいと思ってるのはあなたの方よ。私がしたいのはこれよ。)と仕返ししてました。
You wanna のニュアンスはこのやり取りで確かによくわかります。良い例を示していただいてありがとうございます! 3-9 でここを解説するのが楽しみです。
人にものを頼むのって難しいですよねぇ。だんなへのケータイメールのときや店員さんにちょっとしたものを頼む時はCan you〜?、手間なことを頼むときはCould you〜?の2本立てで済ませてしまってますが、もうちょっと幅を広げんとなぁ。
口論、というか、自分の気に入らないことを言われたときに常套句を「文字通り」にとった「フリ」をして言い返すというのは、かなり効きますよね。
ティーンエージャーの継子が彼女といちゃいちゃするのに、夫婦のベッドを使っているところを仕事中にたまたま帰宅して発見してしまい激怒するお父さん(警察官なので「侵入者か?」と拳銃を構えて踏み込んだ・・んだったと思うけどうろ覚え)が、もそもそと言い訳をする継子の"....., you know."という言葉尻をとらえて"NO, I don't know."と切って捨てるシーンが頭に残ってます。
(これはいつものMat Scudderものではなく、Faye KellermanのPeter Deckerシリーズです。著者はJonathan Kellermanの奥さんで、最近では夫婦合作のミステリ小説も発表したりしてますねー)
口論せにゃいかんシチュエーションに自分をおかなくても済むように、おだやかーに日々過ごしたいもんです。
You wanna... のニュアンスって、どうなんでしょうねぇ…?
「大人が大人に言うもんじゃない」とまでは言い切れない気がするのですが、確かにちょっと威圧的な感じがするので、立場が上の人が下の人に言う雰囲気があるのかもしれません。もしくは言われた方が「何だかえらそうに言われた」と感じる、とか…?
ちょっと改めて辞書で調べてみました。
研究社 新英和中辞典には、
(want+to do)(口語) …すべきである、…したほうがいい
You want to see a doctor at once. すぐ医者に見てもらうべきだ[見てもらったほうがいい]。
You don't want to be rude. 失礼にならないようにしなさい。
特に2つ目の例文は、大人が子供に言いそうな感じですよね。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
want : OUGHT -- used with the infinitive <you want to be very careful what you say -- Claudia Cassidy>
訳すと、「ought (…すべきである)。不定詞と共に用いられる。例) あなたは言葉に気をつけるべきだ[気をつけた方がいい]。」
ロングマン現代英英辞典には、
want : SHOULD [spoken especially BrE(イギリス英語)] used to say that something is sensible or that someone should do it, expecially when giving advice
訳すと、「何かが賢明である(道理にかなっている)、または誰かがそれをすべきである、ということを言う場合(特にアドバイスを与える時)に用いられる。」
may/might want to do sth(=something) 例) You might want to install anti-virus software.
「アンチ・ウイルス・ソフトウェアをインストールした方がいい(だろう)。」
want to do sth 例) You want to see a doctor about that cough. / You don't want to leave that - it'll get wet.
「その咳を、お医者さんに見てもらった方がいいよ。」/「それをそのままにしておかない方がいいよ。濡れちゃう(湿っちゃう)よ。」
辞書を見る限りは、ほとんど should や ought to と同じニュアンスのように書いてあり、言った方と言われた方の立場の違いのようなものは説明されていませんが、実際の You wanna のニュアンスはもう少しきつい感じがするような気がしますよねぇ?
過去記事 フレンズ2-15その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470405.html
で、should と had better との違いについて書いたことがあるのですが、この You want to は You had better のようなニュアンスがあるのかもしれないなぁ…と思ったり。(←実はよくわかりません)
私の勝手な想像を書かせていただくと、You want というと、相手がそれを「欲する、望む」ということを話者が勝手に決め付けているような感じがありますよね。言われた方にしてみたら、それがごくまともなアドバイスなら「そうねぇ、その通りよねぇ…」と素直に聞けるのでしょうが、そのアドバイスが思ってもみないことだったり指摘されたくないことだったりすると、「私が want to かどうかはあなたが決めることじゃないわ、大きなお世話よ!」てな感じに受け止めてしまうのかも、とかねぇ…。
should や ought to を使うと、論理的判断から冷静にアドバイスしている感じがして、You want to だと「あなたもきっとそう思う(望む)はずよ!」と相手の感情に訴えるニュアンスが入るような気もします…が、やっぱりよくわかんない(笑)。
"... you know..." というあまり意味のない、沈黙を避けるために口に出しただけの言葉の言葉尻をとらえる、というのは確かにありそうですよね。日本語で言うと、「単なる言葉の綾(アヤ)だよ。」というところなのでしょうが、ネチネチと絡みたい場合にはよく使われる手でしょうか(笑)。
おちかちゃんとこは、ご夫婦おだやかそうで(ダンナさん、優しそうだしね…)、あんまり口論なんかせーへんのとちゃう? うちも口論することってないですよー。何か私が怒っても、ダンナさんがそれを真剣に取り合おうとしないので、あほらしくて喧嘩にならへんのですわ(笑)。
意見が全く平行線をたどる場合も多いのですが、お互い、相手はそういう考えの持ち主やしなぁ…とわかっているので、今さら説得する気も起こらない、っちゅーところがあるようです。まぁ、私がそういう考えを持っている、とわかってくれればそれでいい(笑)。
というより、元々 want の持つ語感には「大事なものが欠落・不足している状態」という中心的イメージがあって、欠けているからそれを埋めようとする欲求(必要性)がムラムラと生じてくる…、という捉え方をした方が、学校で習う「want=欲する」という単純な捉え方より、実際の生きた英語の感覚に近いような気がします。
you want という言い方が時に offensive なニュアンスを持つのは、やはり「自分に不足しているものを他人が勝手に決め付ける感じ」があるからではないでしょうか?
貴重なご意見ありがとうございます。
「不足・必要」のニュアンスで解釈した方がよいとのお話、その通りだなと思いました。
そういうニュアンスがあるために、他人が You want と言ってしまうと「勝手に決め付ける感じ」がより強く感じられる、ということですね。
ありがとうございました。