2006年12月04日

フレンズ2-23その8+badとfatの話

リチャードがしたベッドメイクをモニカがやり直そうとしているところへ、リチャードがまた戻ってきます。
リチャード: Monica... Hey Mon, I have a question. Is Leroy the baddest man in the whole damn town or the fattest man in the whole damn town? (モニカ…ねぇ、モニカ。質問があるんだよ。リロイは「そのひどい町で一番悪い奴」だったかな、それとも「一番太った奴」だったかな?)
モニカ: Baddest. Otherwise the song would be Fat Fat Leroy Brown. (一番悪い奴、よ。そうじゃないと、その歌のタイトルが「ファット・ファット・リロイ・ブラウン(リロイ・ブラウンは太い奴)」になっちゃうわ。)

damn town ですが、damn は Damn it! 「ちくしょう!」などと使われる罵り(ののしり)語ですよね。
この場合は形容詞で「ひどい、とんでもない」というところでしょう。
「あのひでぇ町ん中で一番の(ワル)」みたいなニュアンスかなぁ、と思うのですが。
昨日の記事にも書いたように、この歌の正式タイトルは "Bad, Bad Leroy Brown" (邦題:リロイ・ブラウンは悪い奴)ですから、リチャードが bad か fat か知らない、ということはないと思います。ただの冗談ですね。
何故こんなつまらない(←失礼!)ジョークをわざわざ言いに来たのかと言うと、モニカがベッドメイクをやり直すんじゃないかと思って、歌詞を忘れたと言いながら様子を見に来たのではないかな、と思います。
I told you. 「前にも言ったでしょ?」と言いながら、ベッドメイクはしなくていい、と言ったモニカの様子に、「しなくていい、んじゃなくて、して欲しくない」というモニカの本音を読み取ったのでしょうね。

bad か fat か、という話ですが、発音は似ているけれど、意味とその言葉から受ける印象は全然違いますね。
bad はかっこいいイメージ、fat は(断言して申し訳ないですが)かっこ悪いイメージでしょう。
実際、fat は太った人に対して使うと、あまりにも露骨で失礼な言葉だと思いますし。

bad と fat を並べると、どうしても、アル・ヤンコビック("Weird Al" Yankovic)がマイケル・ジャクソンの Bad をパロった Fat という歌を思い出してしまいますねぇ。
Amazon.co.jp: Even Worse [from US] [Import] 〜 "Weird Al" Yankovic
この Even Worse というCDの1曲目が Fat です。(試聴もできます)
このCDジャケットは記憶にある方が多いかもしれませんね。
マイケル・ジャクソンの Bad のジャケット(↓)をそっくり真似ています。(アルのと並べてしまったけれど、ファンの人、怒らないでね!)
Amazon.co.jp: Bad [from UK] [Import] 〜 Michael Jackson
振り付けそっくりのPVまでありましたね。
Beat It という曲を Eat It に変えた、ってのもありました。

そのアル・ヤンコビック本人に関しては、詳しくはこちらで(↓)。
Wikipedia 英語版: "Weird Al" Yankovic
このウィキペディアの Reactions from original artists (オリジナル・アーティストからの反応)という項目がなかなか興味深いです。
Positive なものと Negative なものに分かれているのですが、パロディーにされたことで、みんながみんな怒っているわけでもなかったのですね。
ちょっとホッとしました。
ウィアード・アルの話を書いて、アルに対して良い感情を持っていない(オリジナルアーティストの)ファンの機嫌を損ねたらどうしよう…とか心配してましたので…。
(ムッとしてる人、結構いるのかなぁ…?)

ウィキペディアを読むとわかるのですが、マイケル・ジャクソンはアルに、Bad のビデオ撮影に使ったセットを使う許可まで与えたので、あんなそっくりなPVが出来たということだそうです。
そんな風に、Fat と Eat It というパロディーについては許可したマイケルですが、Black or White という曲に関しては、「そのメッセージが非常に重要なものだから」という理由で、その曲のパロディーをレコーディングする許可を与えなかった(ただ、アルのライブ・コンサートでは演奏されている)ということも書いてあります。

Reactions from original artists には、他のアーティストの反応もいろいろ書いてあって、各自がそれぞれのアーティストとしてのこだわりを持っているのを垣間見ることができます。
他のアーティストまで訳しているとキリがないのでこの辺でやめておきますが、興味のある方は是非、上のウィキペディアをご覧下さい。

日本で歌のパロディー(替え唄)というと嘉門達夫さんですが、彼も著作権問題では苦労されているようですね。
Wikipedia 日本語版: 替え唄メドレー
「著作権問題などに関して」という項目にいろいろと詳しく書いてあります。面白いです。
彼も、許可を取ろうとした時のエピソードを、ネタとして時々テレビで話していました。(転んでもタダでは起きない人ですねぇ、やっぱり。)

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posted by Rach at 14:16| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
5-4でのチャンドラーのひよこちゃんとアヒル君に対しての台詞で母性愛を感じます。母親がこどもを怒るときの決まり文句です。
Chandler: How many times have I told you guys, you never watch the cooking channel!
いま車のCMに使われている2曲、コパカバーナは2-24でThe Time of the Seasonは3-6のエンディングで実に効果的に使われてます。
Posted by catch at 2006年12月04日 21:09
コメントいただいて遊びにきました。
アル・ヤンコビック懐かしいですねぇ。確かライオネル・リッチーとかも
やってたと思うんですが(もしかして勘違い?)。
パロディーに関してはアメリカのほうが寛容というか、
真似されることがステイタスぐらいの意識なのかもしれませんね。
プロフィールを拝見させていただきましたが、お子さんを
育てながら英語を勉強されたとのこと、頭が下がります。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by 英語の虎 at 2006年12月04日 22:17
catchさんへ
"How many times have I told..." つまり現在完了形で、「これまでに一体何回言ったことだろうか…」という感じでしょうかね。うちのダンナさんは同じことを何度も尋ねるので、私が彼に言う決まり文句の一つでもあります(爆)。

車のCMの話を出されたのは、前の記事のコメント欄で私が車のCMについて語ったからですね? 車ってイメージが大切なので、CMソングはそのイメージ作りにとても重要な役割を果たしますよね。

コパカバーナ…今、ソフトバンクでキャメロン・ディアスがノリノリで歩いているCMに使われてますよねぇ?(車のCMでも使われてましたっけ?)
この曲はいろんなところでよく聞く曲で、タイトルもアーティスト(バリー・マニロウ)の名前も知らない頃から、音楽だけは知っていた気がします。
これは 2-24 では重要な場面で出てくる曲なので、説明を外すわけにはいきませんよね。解説する時は、またいろいろと脱線する予定です。お楽しみに(笑)。

Time of the Season...
ちょっとぐぐってこの曲の情報を見た時に、あぁ、あの曲か!とわかりました。
日産ティーダで使われていた曲ですよね。
Time of the Season は邦題「ふたりのシーズン」で、歌うのは The Zombies (ザ・ゾンビーズ)。
歌のタイトルは知らなかったんですけど、CMで The Zombies の名前は書いてあったので、そのバンド名で思い出しました。

この曲がかっこいいなぁ、ということで、それが入っているCDを探したことがあったんです。
車のCMのオムニバスCDっていくつかありますよね。息子は車と車のCMが好きなので、それを買ったら喜ぶかなぁ、カーステに最適かなぁ、と思って。
で、
SHIFT - NISSAN CM TRACKS -
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0000VORFI/ref=pd_bxgy_m_text_b/250-4692998-1634608
という日産のCMソングを集めたCDを発見したのですが、何と、そこには「ふたりのシーズン」が収録されてなかったんですよ。
CD屋さんでそれを知って、家族みんなでがっかりして、それからその曲のことはすっかり忘れていたんですが…。
今、アマゾンで見たら、このCDの発売は 2004/2/4 だった。ティーダは2004年秋に発表された車だから、よく考えたら入ってるはずないんだな…(笑)。
ちなみに、この日産のCDには第二弾があるのですが、
SHIFT second-NISSAN CM TRACKS-
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FCCWHW/ref=pd_bxgy_m_text_b/250-4692998-1634608
そこにも、この曲は入ってないですねぇ…ケイコ・リーの We Will Rock You は入ってるみたいですけど。

今日知ったのですが、ザ・ゾンビーズって、60年代イギリスの有名バンドなんですね。何ともインパクトのあるバンド名(ゾンビ…笑)なので、最近の知る人ぞ知る、という感じのマニアックなバンドなのかと思ってて…。
知ってたら、ザ・ゾンビーズを辿ってこの曲を探せたのに…。(やはり”ひとごと”だったのか、真剣にネットで情報を探そう…という気もなかったみたい。)

iTS(iTunes Store)で探したら、The Quinns というグループの Time of the Season は見つかったのですが、The Zombies のは見つからなかった。そのカヴァーも、オリジナルに忠実にカヴァーしてるみたいで、曲の雰囲気はそのままでしたが。今度、オリジナルをレンタル屋さんで探そう(笑)。
今、DVDを見返してはいないのですが、ネットスクリプトを見てどのシーンで使われたか思い出しました。3-6 の解説をする時にDVDを見直して、「あぁ、これってティーダの曲やん!」と一人で大騒ぎするところでした(笑)。
Posted by Rach at 2006年12月05日 11:33
英語の虎さんへ
またお越しいただきありがとうございます。
私が調べた限りでは、ライオネル・リッチーのパロディーはやっていないようですが…(でも、かなりのレパートリーがあるでしょうから、やってないとも限らないですよね)
確かにパロディーにされることはかなりのステイタスでしょうね。有名じゃないと、物真似を見ても面白くないですからねぇ。それは多分日本でも同じなのでしょうが、アメリカの方がよりエンターテインメントとして認識されている気がします。

子育てしながら…と言いましても、そんなに立派な母親でもございませんので(笑)、そんな風に言っていただくと、却って恐縮してしまいます。
会社で働いていた頃は、仕事のことで頭がいっぱいで、何か資格を取ろうとか、仕事とは違う方面の勉強をしようとか、全く考えもしませんでした。ずっと専業主婦で家にいると、子育て以外に「何もしていない」ことに気が付いて、それで英語の勉強を始めたみたいです。(←ひとごとみたいに語ってますが…笑)
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2006年12月05日 11:36
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