2006年12月05日

フレンズ2-23その9

リチャードがしたベッドメイクをモニカがやり直そうとしているのに気付いたリチャード。
リチャードのベッドメーキングの仕方が悪いわけじゃない、というモニカですが、
リチャード: Then, you're redoing it because... (じゃあ、君がそれをやり直している理由は・・・)
モニカ: If I tell you, you'll think I'm crazy. (もし私が言ったら、あなたは私をおかしいと思うわ。)
リチャード: You're pretty much running that risk either way. (どっちにしても、ほとんどそんな風に思われる危険があるようだけど。)
pretty much は「だいたい、ほとんど」、run a risk は「危険を冒す」。
理由を言わないで黙っていても、妙な理由を言っても、どちらにしても「変な人」だと思われる危険性がかなりあるよ、言っても言わなくても同じなんだから、しゃべっちゃったらどう?ということですね。


モニカ: Okay, you see, the duvet tag shouldn't be at the top left corner, it should be at the bottom right corner. (わかったわ、羽根布団のタグは上の左端に来ちゃだめなのよ、下の右端じゃないといけないの。)
リチャード: Oh, well that's not so crazy. (そんなにおかしくないじゃないか。)
モニカ: I'm just easing you in. (導入部分は穏やかにしているだけよ。)
リチャード: Oh, alright. (わかった。)
モニカ: Alright, you see these little flower blossoms? They should be facing up, not down, because, well, the head of the bed is where the sun would be. (この小さい花があるでしょ? それは下じゃなくて上を向いてないといけないの。だって、ベッドの上がおひさまのある方角だから。)
我ながらこだわりすぎかも…と心配するモニカ。
モニカ: You don't love me any more, do you? (もう私のこと、愛してないわよね?)
リチャード: Actually, if it's possible, I love you more. (実際のところ、もしそれが可能ならの話だけど、君のことをもっと好きになったよ。)
モニカ: Really? Wow, well then come on! I wanna show you how to fold the toilet paper into a point. (本当? まぁ、それじゃ来て! あなたにトイレットペーパーを三角折りにする方法を教えてあげるわ。)

ease は「(人を)楽にする、安心させる。(苦痛などを)やわらげる」、さらには「…をそっと動かす」という意味もあります。
この場合の ease you in ですが、in はモニカの極端なこだわりの核心部分に案内する(入っていく)という感じなのでしょうか。
安心させつつ、またはそっと、その本質部分を見せていく、という意味なのかと思います。
DVDの日本語では「まだ触り(さわり)だもん。」となっていましたが、つまりまだ本質をみせていない、徐々にこれから本質に近づいていくから、ということですね。
「花が上を向いていないといけない」というのはなんとなくわかります。
ベッドの上に太陽がある…という話ですが、これは単純にベッドの頭が向いている方向が実際に南の方角なのか、それとも頭上には太陽があるものだから、という感じなのかはよくわかりません。(まぁ、ささいな話です)
あまりに偏執的な部分を見せすぎて心配するモニカへのリチャードのセリフが素敵ですね。
I love you more. は「前よりもっと愛してるよ。」ということですが、その前に if it's possible とついています。
つまり、「(その話を聞くまでは)これ以上愛せないほど君を最高に愛してると思っていたけれど、もしそれが可能なことなら、それ以上に君を愛しいと思うよ。」ということですよねぇ。
おぉ、こんなこと言われてみたい(笑)。

そんな情熱的なセリフを言われてまたムーディーな雰囲気になるのか…と思ったら、こんなことを言っても嫌われないとわかって、ますます調子に乗るモニカです。
fold A into B は「AをBの形に折る」。
次の人が使いやすいように三角に折ることを言っているようですが、a point 「(とがった)先端」の形に折る、と表現するんですね。
an arrow 「矢印」でも、a triangle 「三角形」でもなくて、a point なんだぁ・・・と妙な感心をしてしまいました。
ぐぐってみると、triangle を使う表現としては、fold a(the) square into a triangle というものがありました。
折り紙で鶴を折る時みたいに、四角を対角線で折って三角形にする、という折り方のようです(多分)。
英辞郎には、fold A into a paper airplane 「Aで紙飛行機を折る」という表現も載っています。
ちなみに、私はペーパーを三角には折りません。
面倒くさいのもあるけど、用を済ました後、手を石鹸で洗う前にペーパーを触ったら汚いんじゃないか、と誰かが言っていたからです。(これまた、どーでもいい話です)

このリチャードとモニカのやり取りを見ていて思うのですが、相手の欠点だと思われる癖を許せるか許せないかで愛情の深さって測れるもんですよね。
リチャードはちょっとあきれていますが、いやがっている、ってほどでもない。
こういうところが「可愛い」と思える間は大丈夫!って気がするのですが…(笑)。

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posted by Rach at 11:48| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
...if it's possible, I love you more.

 ”もっと好きになった”と言うより

「もし可能なら(最初から)もっと愛しているさ」つまり
「(最初から)これ以上愛せないほど愛してるよ」
 って事ですよね。(*^-^*)


Posted by ぴろろ at 2008年02月10日 05:09
ぴろろさんへ
コメントありがとうございます。
日本語訳で書いた「もっと好きになった」という表現はあまり良い表現とは言えないかもしれません。
I love you more. の直訳は解説記事の中で書いているように「前よりもっと愛してるよ。」ということだと思います。
つまり、I love you more than I did. ということかなと。

フレンズ2-22その7
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470610.html
でも、

レイチェル: Ohh, thank you for my beautiul earrings. They're perfect. I love you. (このきれいなイヤリング、ありがとう。最高よ。愛してるわ。)
ロス: Oh, now you can exchange them if you want, okay? (あぁ、もう、そのイヤリング、他のと交換したかったら交換してもいいんだよ。)
レイチェル: Now I love you even more. (今、あなたのこと、もっと好きになったわ。)

というセリフが出てきます。
more は何と比較しているかと言うと、イヤリングの交換を言い出す前のロスよりも、その交換をすすめてくれたロスがもっと好き!ということですよね。

今改めて気付いたのですが、
モニカ: You don't love me any more, do you?
リチャード: Actually, if it's possible, I love you more.
というセリフは、(not) any more と言ったモニカに対して、more を使って答えています。これを「韻を踏んでいる」と言っていいのかどうかはわかりませんが、同じ more という単語を使って、「もう(もはや)愛してないでしょ?」と尋ねるモニカに、「もっと愛してる」と返している、ということですね。

上の 2-22 のレイチェルのセリフと同じで、Now I love you more. と now が入るようなニュアンスだと思います。「今、君をもっと愛してると思う。」→「今ので、君のことがもっと好きになったよ。」ということかな、と。

「君がそんな風にこだわっているところを見ると(それが可愛くて)もっと君のことを愛しいと思える」という感じだと思います。
そこに if it's possible という前振りをつけているのは、今までは「最高に愛している、これ以上愛せないほど愛している」と思っていたけれど、今の姿を見て、その「最高」以上に君を愛せることを知ったよ、まだもっと愛せることを知ったよ、みたいな感じだと思います。
「もし、love you more することが可能だとしたら、love you more than I did だと言える」ということかなぁ、と。

ぴろろさんのお言葉を借りると、「(最初から)これ以上愛せないほど愛してるよ」と思っていたけれど、今は「それ以上に」君を愛しいと思うよ、ということだと思うのですが…。
Posted by Rach at 2008年02月10日 08:24
いつもしっかりお返事いただけるのでちょっと恐縮してます。
お忙しいときは、サラッと流してくださいね。

私も、気持ち的にはレイチさんの言うとおりの意味だと思います。
たぶん、リチャードはそんなこだわり症のモニカの性格が
かわいいって思ってるわけですよね。

普通に "I love you more." でも
"I love you even more." でも「前よりもっと好き」
という理解ですんなりいくんですけど
私がこだわったのは(モニカほどじゃいですけど、結構
こだわり症かも 笑)"If it's possible," って部分です。

これって一種の反意語で、「いや、不可能だ」みたいな
ニュアンスかなと。
字幕では「これ以上は愛せないよ」になっているくらいなので
意味としてはどっちでも大差はないんですけどね。

"I love you more." は裏を返せば
「前はまだもっと愛する余地があった」って事ですよね。
なんだ、まだもっと愛せたんじゃない!みたいな (笑)

でも "If it's possible.." がつくと断然もっと
強い愛情表現って感じがします。



Posted by ぴろろ at 2008年02月10日 16:35
ぴろろさんへ
お優しいお心遣いありがとうございます。

2-22 のレイチェルのセリフの場合は、ただ単純に「さっきと今」とを比較しているわけですね。「さっきよりももっとあなたが大好きよ!」みたいな感じ。そこに深みはなく、女の子の素直な気持ちが出ている気がします。

リチャードのセリフは、if it's possible が入っているためにすごくその I love you more. が「重たい」わけですね。
素直に訳すと、「もしもそれが可能であるならば、君を前よりもっと愛しいと思う。」ということで、可能であるならばと言っているわけだから、実際は「これ以上君を愛することは不可能だ、これ以上ないほどに君を愛している。(以前からもそして今も)」ということを示唆しているとも言えます。

「これ以上君を愛することは不可能だ。これ以上は愛せないよ。」という現在の心境を普通に表現するとしたら、I can't love you more. みたいになるのでしょうか?
研究社 新英和中辞典にも、
I couldn't agree (with you) more. 大賛成だ。
という例文が載っています。

(以下、紛らわしい話をしますが)
I don't love you anymore. だったら、「もう君を愛していない。」という意味になってしまいますよね。
上のセリフの、
モニカ: You don't love me any more, do you? (もう私のこと、愛してないわよね?)
も、それと同じニュアンスだと思います。
can't more の場合は「これ以上…することが不可能だ」→「今が最高だ」という意味で、not anymore は「今はもう・もはや…しない」という意味になる、ということだと思います。間違っている場合はどなたかご指摘下さい(紛らわしい話はここまで)。

今回の場合は、挿入句的に入っているので、そのままの語順で訳すと、「もし可能ならば、君のことがもっと愛しいと思えるよ(思えるって言えるよ)」みたいな感じかな、と思ったのです。

今も昔も変わらず同じくらい愛しているのか、それとも、モニカが「こだわっているところとそれを気にして嫌われたんじゃないかと心配しているところ」を見て「もっと」愛しいと思うようになったのか?がこの場合の焦点になるかもしれません。
私は、「もっと」愛しいと思うようになった、ということかな、と思いました。嫌いになるどころかもっと可愛いと思ったよ、みたいな感じで。その「もっと」がそれほど軽いものではない、そんな余地があるとは自分でも思っていなかったけど、と言う意味で、if it's possible を挿入しているのかな、と思ったのです。
「可能ならばもっと愛してるって言えるよ。もっと愛することが可能だなんて思ってもみなかったけれど、可能かどうかわからないほど最高に君を愛しているけれど」みたいなことでしょうか?

でもぴろろさんのおっしゃるように、本質的には「意味としてはどっちでも大差はない」とは私も思います。とにかく最高にこれ以上ないほどに愛している、と。今回のことでそれがちょっぴり more になったのかならないのか、というところが違っていて、私は「ちょっぴりだけど more になった」という意味に捉えた、ということですね。
Posted by Rach at 2008年02月12日 11:05
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