2006年12月21日

フレンズ1-18その9 ご質問3

昨日に引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問から記事にしました。

(質問)サーモン・ルーレットって何?
モニカ: Alright, here we go. We've got salmon roulettes and assorted crudites. (さぁ、どうぞ。サーモン・ルーレットと、生野菜の盛り合わせよ。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, Monica, what're you doin'? This is a poker game. You can't serve food with more than one syllable. It's gotta be like chips or dip or pretz-- (おいおいおい、モニカ。何やってんだよ。これはポーカーゲームだぞ。1音節より多い食べ物は出しちゃいけないんだ。オッケーなのは、チップスとかディップとかプレッツ…。)

このサーモン・ルーレット(salmon roulettes)というのは、一体どんな料理なんでしょうねぇ、というご質問です。

サーモン・ルーレットって多分こんな感じの料理だよねぇ…というのは後で触れますが、その次のジョーイのセリフもちょっと面白いと思ったので、解説してみたいと思います。

more than... は「…より多い、…より大きい、…を越える、…より上」という意味なので、…に当たる部分は含まれないことになります。
日本語の「〜以上」は「〜」を含みますから、more than は「以上」と訳してはいけないわけです。
日本語には「…より下」を表す「未満」という言葉はあるのに、どうしてその逆の「…より上」を表す単語がないんでしょうねぇ。
「友達以上、恋人未満」という言葉がありますが、これは限りなく恋人に近いけれど、恋人ではない、というのをうまく表している気がしますよね。
「これは○○だ。それ以上でも、それ以下でもない。」というフレーズをたまに聞きますが、「以上」や「以下」が「それを含めて」という意味であるとすると、「それ以上でもそれ以下でもない」というのは、結局「それそのものでもない」ということになってしまい、変な気がするけど…(って、どうでもいい話…)。

とにかく、more than one syllable は「音節・シラブルが1個より上」ということなので、すなわち「2個以上の音節」を持つ食べ物はダメだ、と言っているわけです。
音節は母音とその前後の子音のまとまりを一つと数えます。
辞書では単語の見出しによく「・」で区切って書いてありますよね。
ですから、chips と dip は確かに1音節なのですが、次にジョーイが言おうとしたのは、pretzel で、でも pretzle は pret・zel で2音節なのです。
自分で1音節のものじゃなきゃ…と言ってしまったので、pretz で止まった、あるいは1音節で強引に止めたわけですね。
ジョーイはとにかく名前も簡単でカードゲームをしながら片手で食べられるような簡単なもの、という意味で音節の話を出したのでしょうが、自滅してしまった感じかな(笑)。
そういう簡単なものが似つかわしいポーカーに、おしゃれで凝っていて、恐らく片手では食べにくくて名前も長いオードブル、ということで、サーモン・ルーレットの名前を出したってことなんでしょうね。

ネットで検索すると、メニュー(献立)がいくつかヒットしました。
Greek Taverna KONAKI Chiristmas Dinner Menu
のメニューには、以下のように書いてあります。
SMOKED SALMON ROULETTE
Prawns in rosemarie sauce wrapped with smoked salmon

つまり、
スモーク・サーモン・ルーレット
ローズマリーソース漬けのクルマエビをスモーク・サーモンで巻いて包んだもの


Menu - The New York Grill
これは、ニューヨーク・グリルというお店のメニューのようです。
SEAFOOD の項目に、サーモン・ルーレットが載っています。
引用すると、
SALMON ROULETTE
Baked salmon roulette stuffed with snow crab, spinach and feta cheese, served with rice & vegetables.

つまり、
サーモン・ルーレット
ズワイガニ、ほうれん草、フェタ・チーズを詰めて焼いたサーモン・ルーレット、ライス・野菜添え

ということで、説明に「サーモン・ルーレット」と書いてあるので、ルーレットの説明にはなっていませんが(笑)、何となく雰囲気はわかりますよね。

他にも、Pork Roulette や Chicken Breast Roulette などもあるようです。
The Foody UK & IRELAND: Beef Roulette Recipe に、ビーフ・ルーレットのレシピ(調理法)が書いてあります。
Spread the mixture over the beef.
Roll up the beef firmly and tie with soft twine, ...

「(ハムや卵を)混ぜたものをビーフに塗る。ビーフを堅く巻いて、柔らかい麻糸で結ぶ…(以下略)」
つまりルーレットというのは、横から見たらあのゲームに使うルーレットみたいに見えるように、くるくる巻いたもの、ということなんでしょうね。

このシーンのサーモン・ルーレットがどういうものかよくわかりませんが、中に何かを詰めてくるくる巻いたサーモンのオードブルで、盛り合わせた生野菜の上にそのサーモンが乗っかっている、という感じなのかなぁ? 画面ではよく見えないですね。
サーモン・ルーレットが、上に挙げたような料理だとすると、とても手づかみで食べられそうなものではないし、食べると中身がベチョッと出てきて、手が汚れそうな気もします(笑)。
そんな手づかみで簡単に食べられないようなものを出すなよ、ということなのでしょう、きっと。

料理は「グーグルのイメージ検索」を使うと、あっさりその写真が見つかることが多いのですが、今回は、「なんちゃらルーレット」という名前の料理の写真を見つけることができませんでした。
写真を見れば一目瞭然なんですけどねぇ…(笑)。

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posted by Rach at 14:23| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
pletzの件です。
googleの画像検索でpletzを入れると出てきますが、これは日本のスナック菓子のpletzの可能性はないでしょうか。(日本名=”プリッツ”)

http://www.google.co.jp/search?q=salmon+roulettes&hl=ja&tbo=u&rlz=1T4GGNI_jaJP460JP461&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=6oS6UJX1K9DRmAWRqoDwBA&ved=0CC0QsAQ&biw=1601&bih=895#hl=ja&tbo=d&rlz=1T4GGNI_jaJP460JP461&tbm=isch&sa=1&q=pretz&oq=pretz&gs_l=img.3..0l5j0i24j0i10i24j0i24l3.2718.2897.4.3392.2.2.0.0.0.0.67.125.2.2.0...0.0...1c.1.Ok-T8mHZj2o&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.r_qf.&fp=a3b358bbce814b22&bpcl=39314241&biw=1601&bih=895

日本のpletzはpockyと同様に世界中で売られていますし、フレンズでは日本食がやたらよく出てくるのでありうるかなと思いました。辞書にも載っているくらい有名です。
http://encyclopedia.thefreedictionary.com/pretz
アメリカのpretzleはとても巨大で人の顔くらいの大きさがあるので、片手でつまめる軽いスナックというよりは一つ食べるとおなか一杯になるパンに近いということもあります。またpletzだと家に何か月でも常備ストックしておけるのでこのような場面でいつでも出せますが、pretzleは屋台で買って歩きながら食べるのが基本スタイルですし、もし家に置いておいたら翌日にはかちかちになっていないかなあ〜と。

この場面がなぜ面白いかというと「男が男らしくてかっこいいと思っているようなことは女から見たら全然かっこよくない」というテーマの中での話なので、ジョーイの言った言葉が「男ならびしっとワンシラバスで決めようぜ、チップスとかディップスとかプレッツとかさ。」という風に聞こえてこれが実にまとはずれな男らしさだったからではないかと思います。pletzのところで言葉が途切れている感じなのは、かっこつけて話し始めてみたものの話しながら「全然かっこよくないな俺」とジョーイ自身も気づいて恥ずかしくなったのではないでしょうか?

また単語の発音途中で切った場合はleまで発音してしまってから飲み込むみたいな演技をするのではないかと思いました。

音節の数を間違えたからおかしいかという以前に、音節が一つでないとだめというこだわりが男らしいと思っていることがおかしいのだと思います。そのほうがこのエピソードのテーマに合致しています。

ここまで書いておいて言うのもなんですがあまり自信はないです。
Posted by 神田 at 2012年12月02日 13:13
上の書き込みの中にあるpletzは全部pretzの間違いです。
日本のお菓子pretz
アメリカのpretzle または pretzel
Posted by 神田 at 2012年12月02日 14:20
自レスですが、やっぱりpretz=日本のスナック菓子のプリッツ説はとりさげさせてもらいます。理由はアメリカ社会にpretzがそこまで浸透していないだろうと思い直したことと、脚本でpretzの後に"--"があるからです。フレンズの脚本では文章を省略する場合は”・・・”が使われているので、脚本家は"--"で単語の音節を省略したのだということを伝えたかったんだろうと推察しました。自分で提起しておいて自分で取り下げてしまい大変申し訳ございませんでした。
Posted by 神田 at 2012年12月03日 08:55
神田さんへ
コメントありがとうございます。

私も確信はないのですが、おっしゃるように、pretz-- という表記は、「単語の音節を省略した」ことを意味する、という気はしますよね。

セリフの解釈をいろいろと考えていただいて、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2012年12月03日 15:51
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