2006年12月23日

フレンズ1-18その11 ご質問5

引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問を元に書いた記事です。

セントラルパークにて。
レイチェルはたくさんの会社に履歴書を送りました。
その返事が郵便でたくさん送られてきていて、女性陣はその返事を読んでいるところ。
少し離れた場所に、ロスとチャンドラーは座っています。
チャンドラー: You know, I can't believe you. Linda's so great! Why won't you go out with her again? (お前が信じられないよ。リンダはすごく素敵だよ! どうしてもう一度デートしないんだ?)
ロス: I don't know. (わかんないよ。)
チャンドラー: Is this still about her whole "The Flintstones could've really happened" thing? (まだ彼女の言葉がひっかかってるのか? 「フリントストーンのアニメみたいなことが本当にあったかも」っていう発言のこと。)
ロス: No, it's not just that. It's just, I want someone who... who does something for me, y'know, who gets my heart pounding, who... who makes me, uh... (違うよ。そんなことじゃないんだ。ただ、僕が求めているのはその…僕に何かをしてくれる…ほら、僕の心をドキドキさせてくれる…僕を…)
レイチェルをじっと見つめているロス。
チャンドラー: ...Little playthings with yarn? (訳は省略)
ロス: What? (何だって?)
チャンドラー: Could you want her more? (まだ彼女のことがいいのか?)
ロス: Who? (誰のこと?)
チャンドラー: Who? Dee, the sarcastic sister from What's Happening! (誰のことかって? [以下、訳は省略])
ここで観客は大爆笑。
ロス: Look, I am totally, totally over her. (いいか、僕はすっかり、完璧に彼女のことはあきらめたよ。)

いただいた質問では、上でピンクにした部分の解釈がわからない、ということでした。
この一連のシーンは、マイブログの過去記事 フレンズ1-18その2 で少し取り上げているのですが、「フリントストーン」と「完璧に彼女のことはあきらめた」の部分だけを解説しており、その間がごっそり抜けているんですね。
これは、私にも意味がよくわからなかったからです(笑)。

まず、一つ目の Little playthings with yarn? について。
私もこの部分は難しいと思いました。
ですから、以下に書くのは、私はとりあえずこの辺までたどりつきました、という程度に過ぎず、結論が出ているとは言い難いものですので、ご了承下さい。

yarn には「作り話、ほら話、物語」のような意味もありますが、その場合は可算名詞なので、a yarn となるはず。
ここでは無冠詞で使われているので、不可算名詞の「編み糸」、つまり「毛糸」という意味でしょう。
編み物をする人はご存知だと思うのですが、毛糸の種類に「ループヤーン」など「ヤーン」と付くものがありますので、yarn というと私はまず毛糸の方が頭に浮かびますね。
"things with yarn" でぐぐると、"making things with yarn" というフレーズがいくつかヒットします。
一部、勝手に引用させていただくと…
Most of us - and we're mainly women - who learn how to make things with yarn are... 「私たち(主に女性)のほとんどは、毛糸でものを作る方法を学ぶが…」
We're trained from an early age to make things with yarn in the proper way. 「私たちは小さな頃から、毛糸でものを適切に作ることを仕込まれた(教えられた)。」

実は、DVDの英語字幕では、playthings の部分を play things と2語に分けて書いてあります。
plaything だと名詞で「遊び道具、おもちゃ、玩具」。
play things と分けられていると、play を動詞だと考えることも可能です。
が、目的語の things が何とも漠然としていて、具体的なイメージが湧きません。
things という目的語がなくて、play with yarn 「毛糸で遊ぶ」ならまだわかるのですが…。
猫が play with yarn(または play with a ball of yarn)「毛糸(の玉)で遊ぶ」というフレーズなら、いくつかヒットしましたし。
また、play を形容詞的に使って、play things = play-things、つまり playthings という名詞を play things と2語に分けているだけ、という考え方も可能です。(実際に、"play things" でぐぐると、名詞として使われているものがたくさんヒットします。)

ロスは、(someone) who gets my heart pounding, who... who makes me, uh... と言っていますね。この後、ロスは、「僕を(…な状態)にしてくれる人」という言葉を続けたかったけど、うまく表現できなくて口ごもっているようです。
例えば、
who makes me feel excited 「僕をドキドキさせてくれる人」(make+目的語+動詞の原形)
who makes me feel good 「僕を気持ち良くさせてくれる人」
who makes me happy 「僕を幸せ(な気持ち)にしてくれる人」(make+目的語+補語(形容詞))
みたいな感じでしょうか。
この make は「(人を)…にする」という意味ですね。

チャンドラーは、ロスの who makes me... に続けて次のセリフを言っているので、つまり彼は、
(someone) who makes me little play things with yarn?、または、who makes me little playthings with yarn? と言っているのです。

play を動詞と考えた場合、little は副詞の「ほとんど…しない」のような意味になりそう(?)です。
このような副詞の little は、研究社 新英和中辞典に、
little=(副詞) a をつけないで否定的用法で
1.ほとんど…しない
They see each other very little. 彼らはめったに会うことがない。
2.(know, think, care, suspect などの動詞の前に置いて)まったく…しない (not at all)
I little knew. 少しも知らなかった。
Little did I dream (that) a letter would come from him. 彼から手紙が来ようとは夢にも思わなかった。

という説明が載っています。
play things with yarn を強引に「毛糸で(何らかの)遊びをする」という意味だと考えると、そのセリフは「僕(ロス)に毛糸遊びをほとんどさせない人」という意味になりそうです。
が、ロスと毛糸遊びが結びつかないし、「(人)に…をほとんどさせない」ということだと、makes me hardly play と little ではなくて、hardly を使いそうな気がします。
ここから考えても、play を動詞だと考えるのは、ちょっとつらいかなぁ、と。

では、playthings という名詞だと考えた場合はどうでしょう?
その場合、makes me little playthings with yarn の make は、「(人)を…にする」ではなくて、「(人)に…を作る」という意味になると思います。
上に挙げたように、make things with yarn というフレーズは発見したので、それに作ってあげる相手である目的語(人)を挿入して、make me little playthings with yarn 「僕に小さなおもちゃを毛糸で作ってくれる」という感じでしょうか。

でも、「小さなおもちゃを毛糸で作ってくれる人」というのが、これまた意味不明なんですよね(笑)。
「毛糸のついたおもちゃを作ってくれる」なのかもしれませんが、どっちにしても、具体的にどういうものを指すんでしょうか?
毛糸と言えば編み物、編み物と言えば女の子っぽい遊び、つまりはファンシーなことが好きな、女の子っぽい、少女のような、乙女チックなお嬢様、ってことで、レイチェルのことを指している??
もしくはチャンドラーはレイチェルを指しているわけではなくて、ロスが makes me... と言った後、次の言葉が浮かばないのを見て、「僕を…にする人」と言いたいのがわかっていながら、適当な目的語を挙げて、何か物を「作って」くれるような(手先の器用な?)女の子がいいわけ?と茶化している??
その場合は、目的語である little playthings with yarn 自体にはそれほど深い意味はなくて、make という単語を利用したジョーク、つまり「…にする」を「…を作る」という意味に解釈したジョーク、になるわけでしょうか。

次の疑問点の、What's Happening について。
これは、質問者の方も気付かれたようですが、あるドラマの名前で、Dee というのはそこに出てくる人物名です。
長くなるので、明日にします。

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posted by Rach at 09:19| Comment(9) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もここは playthings と名詞が続かないと可笑しいと思います。
play things となっているのはタイプミスでしょう。
who makes me...littleと来ているのですから名詞しかないですよね。
「毛糸で小さなおもちゃを作ってくれる人?」とロスを茶化しているのだと感じました。

little が可算名詞の前にあるときは「小さい」で「少ない」という
意味にはならないので、後にくる名詞が複数ならlittle 単数なら a little となるだけで、意味に大きな違いは無いですよね。
Posted by ぴろろ at 2007年07月01日 01:24
ぴろろさんへ
やっぱり「名詞」の可能性が高いですよね? a little plaything with yarn の複数形、ということですよね?
Posted by Rach at 2007年07月02日 12:55
little play things with yarn について
以前、フレンズ好き仲間の一人にこのフレーズの意味を尋ねたことがあります。彼女の説明はこうでした。
yarnとは紡ぎ糸のことで、ここでチャンドラーが言っているのは「ちっちゃな紡ぎ糸のおもちゃ」すなわち子猫が大好きな毛糸玉のこと。レイチェルを年甲斐もなく純粋な気持ちで想っているロスのことを「まるで子猫のようだ」とからかってこのジョークを言った
ということでした。
参考になるといいのですが。
Posted by poko at 2008年10月17日 22:36
pokoさんへ
参考になるご意見ありがとうございます。
どうして yarn が出てくるのかなぁ?と思っていたのですが、「猫」のイメージなんですね。

私も上の解説で、

>猫が play with yarn(または play with a ball of yarn)「毛糸(の玉)で遊ぶ」というフレーズなら、いくつかヒットしましたし。

と書いていて、猫については少し触れていました。そこから、「猫つながり」で、どう発展させるのかわからなかったのですが、ロスの子供のように純粋な気持ちを「子猫」に例えた、ということなんですね?

「紡ぎ糸、毛糸のついた、ちっちゃなおもちゃ」=「猫が喜ぶおもちゃ」で、僕(ロス)に必要なのは、そういうおもちゃを作ってくれる人→ロスは子猫のようだ、という流れなんですね。

とてもしっくりくる解釈だと思います。ご意見、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年10月18日 09:36
こちらで議論になっていました、little playthings with yarnですが、ちょっと前に自分の英語の日記の方で取り上げたんですが、複数のネイティブの方が「よく意味がわからない」とコメントしてくれました。

本日になって、教育関係のネイティブの方(しかも以前フレンズをよく見ていたので話がわかる)に話しをする機会がありましたが
「チャンドラーはロスが自分の事を聞いていないので、自分に振り向かせるために、わざとナンセンスな事を言ったのだろう」という事でした。

つまりロスにWhat?と言わせるのが目的なので、内容としての深い意味はないそうで、それこそ思いもつかないような事なら何でもいい訳です。

そしてロスが口ごもったところで、その文を完成する形でチャンドラーが言い足しています。

考えてみるとチャンドラーのジョークはこうしたナンセンスなものも多くありますね。

ネイティブが言ったからこれが正しい、などと主張するつもりは毛頭ありませんが、参考になれば幸いですm(_ _)m
Posted by 浦辺 玲 at 2010年02月04日 21:19
浦辺 玲さんへ
貴重なご意見ありがとうございます。
ネイティブの方、それもフレンズというドラマをよくご存知の方がそういうコメントをされた、ということであれば、この表現は、すぐにピンと来る類のものではない、ということなのでしょうね。

日本のお笑いでも、ナンセンスなことを言って笑わせる、ということはよくあり、例えばそれを外国人の方に、「今のは何が面白いの?」と聞かれても、説明に困ってしまう、ということもあるだろうと思います。

私自身は、ネイティブの方の意見、特にフレンズというドラマやキャラ設定に詳しい方のご意見は、大いに参考にさせていただいています。
その上で、いただいたコメントの
>ネイティブが言ったからこれが正しい、などと主張するつもりは毛頭ありませんが、参考になれば幸いです
と言っていただけたことは非常にありがたかったです。

セリフの本当の意図のようなものは、そのセリフを書いた本人(脚本家)にしかわかりませんので(日本の映画やドラマのセリフでもそうですよね)、今回のような漠然とした表現の場合はなおさら、その言葉から何を想像するかは、人それぞれだろうと思います。
ですから今回のように「よく意味がわからない」「ナンセンスな事を言った」という説明を聞くと、私は妙に納得できてしまいます。あぁ、ネイティブの方も、そういう感じで受け止めているのだとわかって安心できる、というのでしょうか。

外国人に自分の母語のことで質問された場合、「わからない」とも言いにくいので、何かしら意見を述べてしまう、ということもあり得るような気がします。そういう「そのネイティブ個人の意見」を、それが唯一無二の答えのように信じ切って他の可能性をバッサリ切ってしまう人、「ネイティブに聞いたらこう言っていましたよ。終わり。」という感じでそこで考えることをやめてしまうような人、いわゆる「ネイティブ信仰の強い人」も結構いるような気がしますよね。私はネイティブが言ったからそれを何の検討もせずに鵜呑みにすることだけは避けたいものだと常々思っているので、そういう私の考えがわかっていただけるような気がして、とても嬉しく思いました。ありがとうございました。
Posted by Rach at 2010年02月05日 10:33
レイチさんへ

素早い丁寧なレスをありがとうございます。
実はこのネイティブの人に「自然な会話がふんだんに入っていて楽しめるお勧めなドラマは無い?」と聞いたところフレンズを勧めてくれたのがきっかけで見始めました。

>そういう「そのネイティブ個人の意見」を、それが唯一無二の答えのように信じ切って他の可能性をバッサリ切ってしまう人、「ネイティブに聞いたらこう言っていましたよ。終わり。」という感じでそこで考えることをやめてしまうような人、いわゆる「ネイティブ信仰の強い人」も結構いるような気がしますよね。私はネイティブが言ったからそれを何の検討もせずに鵜呑みにすることだけは避けたいものだと常々思っているので、そういう私の考えがわかっていただけるような気がして、とても嬉しく思いました。ありがとうございました。

私が言いたいことをすべて代弁してくださったようで嬉しいです。(^^)

>日本のお笑いでも、ナンセンスなことを言って笑わせる、ということはよくあり、例えばそれを外国人の方に、「今のは何が面白いの?」と聞かれても、説明に困ってしまう、ということもあるだろうと思います。

ちょっと前に日本語の勉強をしている人が日本のお笑いをディクテーションしたものをチェックする機会があったんですが(考えてみるとすごい勉強法ですね!)漫然と聞いているお笑いの台詞は、発音も文脈(?)も結構いい加減だと気付かされました。

内容についての質問は無かったんですが、お笑いの台詞を「ここはどういう理由で面白いの?」と聞かれたらきっと答えに困ったろうと思います。

元々フレンズも英語学習に作られた訳でなくリラックスして楽しむドラマですから(もしかすると俳優さんのアドリブもあるかも?)そういった部分も含めて、かえって自然な会話を楽しめるんじゃないかと思います。

長くなりましたが、だんだんとフレンズにはまりつつあります。これからもまた遊びに来させてくださいね。(^^)&m(_ _)m
Posted by 浦辺 玲 at 2010年02月05日 22:54
浦辺 玲さんへ
そのネイティブの方が「フレンズ」をお勧めされていたのですね。そういうお話を聞くと、こういうブログを書いている人間としてはとても嬉しいです。
また、「私が言いたいことをすべて代弁してくださったようで嬉しいです」と言って下さり、ありがとうございます。

日本語の勉強のために、日本のお笑いをディクテーションしている、というのは、確かにすごい勉強法ですね。「その国の人は何を面白いと思っているのか?」を知ること、つまり、その国の笑いを理解することは、その国の文化を理解することでもありますから、非常に面白い勉強法だと思います。私がコメディーを題材にしてこういうブログを書いているのも、それに通じる部分があるのでしょう。

「笑い」というのは、その時の勢いで思わず笑ってしまう、という場合もありますね。日本のお笑いの場合でも、よく注意して聞いてみると、「発音も文脈も結構いい加減」だというお話も、なるほどなと思いました。

子供と家でお笑い番組を見ていると、昔のヒット曲のフレーズを使ったジョークなどでも子供は私たちと一緒に笑っています。その元ネタを知っているはずのない人にも、その面白さは何となく伝わっている、ということですね。元ネタを知れば余計に「あぁ、そういうことか!」とネタ作りをした人の気持ち(笑)がわかってさらに笑えるわけですが、面白い理由を理屈では説明できないこともままあると、私もいつも感じています。日本語による笑いのそういう経験から、「英語の場合でも、ネイティブが笑っているからと言って、その笑いの理由を全てのネイティブが明確に論理立てて説明できるわけではない。何となく雰囲気で笑ってしまっていることもある」という考えにも繋がっているようです。

おっしゃるように「リラックスして楽しむドラマ」なので、それを「このジョークは何で面白いの?」ばかり突き詰め過ぎるのもいけないのかもしれません。チャンドラーのジョークは高度なものが多いので(笑)、例えばナンセンスなことを言った場合でも、その言葉の選択(いろいろある中でどうしてその言葉を使ったのか)という部分に注目してみたい、という気持ちが私にはいつもあるようです。どういう言葉を使うか、というのも、ジョークのセンスの一つだと言える気がするんですよね。

フレンズを楽しんでいただけているようで、私もファンの一人として嬉しいです。また遊びに来て下さいね。
Posted by Rach at 2010年02月08日 08:24
little playthings with yarn
について勉強になりました、ありがとうございます。
どこかに、同じ意味の、レイチさんのご見解があったのかもしれませんが(コメント欄も含めて、長く、頭で混乱しており)、同じご見解の繰り返しになっていましたらお許しください。
ソファーでの二人のシーンを、最初から、新聞でどつかれるところまで見ますと。
チャンドラーの、イントネーション、演技上の視線の動きから、
ロスの内心を、本人以上に知っており、
Could you want her more? は、「おまえ、彼女を、それ以上愛せないぐらい愛してる(欲している)だろ!」だと、かってに解釈して。
また、ロスの、ここでの表現パターン。
→who does something ....
who gets my heart ....
から、チャンドラーは、ロスのパターンを真似て、
ロスが「who makes me ...」、makesを、〜の状態にする、の意味で言いかけて止まっているので、
例のごとく、からかうため、makesを、作ってくれる、の意味に変えて、
単純に、
who makes me little playthins with yarn
と完成させたんだと思いました。
「(猫が大好きで飛びつくような)毛糸のおもちゃを作ってくれるような人」
と、ロスのdesperateな心の内をからかったのかなと思いました。
分かりづらい文になってすみません。
Posted by JB at 2024年05月16日 16:29
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