2006年12月30日

フレンズ2-23その28

ミトンの手でバイバイする二人に、
ロス: Oh look, look. A low-budget puppet show. (ほら見て見て。低予算のパペットショーだよ。)
フィービー: It's such a shame you can't see what finger I'm holding up. (私がどの指を立てているかが見えないなんて残念ね。)

フィービーたちは痒(かゆ)さで苦しんでいるというのに、それを笑いのネタにするのでフィービーは怒っています。
shame は不可算名詞の時は「恥ずかしさ、恥」ですが、このように a shame と可算名詞になると「残念なこと、気の毒なこと」という意味になります。
It's a shame to do、または It's a shame (that)... で「…とは残念だ」という意味になります。
What a shame! だと「何と残念な! 何と気の毒な!」という意味ですね。
どの指を…というのはもちろん、相手を侮辱する時に立てる中指、ですね。
give someone the finger だと「手の甲を(人)に向けて中指を立てる、(人)を侮辱する」という意味です。


フィービーの顔を見つめながら、
ライアン: I must tell you. You look beautiful tonight. (これだけは言わせてくれ。今夜の君はきれいだよ。)
フィービー: What? (何?)

相手の顔を褒める時に顔を手で覆うのですが、今回はミトンをしているのでフィービーの耳が塞がって、せっかくの素敵なセリフが聞こえない、というオチ(笑)。
オーブンからコブラーを出す、こぼれたワインを拭く、そしてこの耳栓(笑)…よく次から次へとミトンネタを繰り出してきますねぇ。


ベッドでおやすみ中のリチャードとモニカ。
突然、リチャードがモニカを起こします。
リチャード: I thought of a thing. (a thing (こだわり)について思い付いたことがある。)
モニカ: Yeah? (そう?)
リチャード: Yeah. I have to sleep, have to, on this side of the bed. (そうなんだ。僕は眠る時はベッドのこっち側じゃないとダメなんだ。)
モニカ: No, honey. You have to sleep on this side of the bed because I have to sleep on this side of the bed. (違うわ、ハニー。あなたがこっち側じゃないといけないのは、私が(あなたの反対の)こっち側じゃないといけないからよ。)
リチャード: Or so I would have you believe. (もしくは、僕が君にそう信じさせて[思い込ませて]いるんだよ。)
モニカ: No. Big deal, so you have a side of the bed. Everybody has a side of the bed. (違うわ。そんな大袈裟な話じゃないわよ。だってあなたはベッドのどちらかのサイド(側)には寝るもの。誰だってどちらかのサイド(側)に寝るでしょう。)
リチャード: Hey, come on. You haven't heard my reason yet. (おいおい。モニカはまだ僕の理由を聞いてないだろ。)
モニカ: Alright, go on. (わかったわ、続けて。)
リチャード: Okay, I have to sleep on the west side because I grew up in California and otherwise the ocean would be on the wrong side. (よし、僕は西側に寝ないといけないんだ、なぜなら僕はカリフォルニア育ちだから、もし反対側だと海の位置が逆になるからね。)
モニカ: Oh, my God. You're a freak! (まぁ。あなたって変人だわ。)
リチャード: Yeah. How about that? (あぁ、そうだろ?)

a thing というのは、フレンズ2-23その23 での、
モニカ: My boyfriend doesn't have a "thing." (私の恋人には thing がないのよ。)
の a thing のことです。
この時、モニカは「こだわり」みたいな意味で使っていました。

モニカは誰でもベッドのどちらかには寝るのだし、私がこだわり屋で決まった場所にしか寝ないから、必然的にあなたがそこで寝ているだけだ、と言うのですが…。
なんとか理由を考えたリチャード。
ベッド全体をアメリカ、それ以外を海とみなして、ベッドの左側(地図で言うと西側)に寝ないといけない、と言ってるようですね(多分)。
無理やりの理由のような気もしますが、そういう他の人にはあまり説得力がないように聞こえる細かいこだわりの方がモニカは嬉しいようで、リチャードを freak だと言いながら、とても嬉しそうな顔をしています。
あなたも私の同志ね!という感じ。
freak という単語は、昨日の記事、フレンズ2-23その27 にも出てきました。
上のセリフの freak は「変人、一風変わった人」という意味ですね。

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posted by Rach at 07:15| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
google image検索で分かったんですが、finger puppet showはどのfingerを動いているのかをはっきり分かるので、gloveでfinger puppet showをやる場合、gloveのfinger部分をカットして、その切られたfingerを自分の指に付けて、puppet showをやるそうです。
よって、どの指を動いているかはっきり見えますので、you can't see what finger I'm holding upのwhat fingerは特定の指ではなくて、本当に通常意味上の「どの指」だと思います。


gloveからfinger puppetの作り方は以下に書いてあります。
http://www.essortment.com/hobbies/craftskidshow_sbln.htm

Or so I would have you believe. について
「or so i would ...」をよく見かけたような気がしますが、
ここでOr so の意味や、どうしてwouldを使うのかはよく分からないです。
the one with bulliesにはChandlerが「I wouldn't know, i missed everything」のような文章を言った記憶があります。
Rachさんの分析願います。
Posted by Fen at 2009年07月02日 23:48
Fenさんへ
普通の finger puppet show は、指の動きをはっきり見せるために、手袋の切った先端部分を指にはめていますね。上のフィービーの場合はミトンなので、指の動きがほとんど見えない、かろうじてバイバイしていることだけはわかる「finger puppet show ともいえないレベルの puppet show」 ということで、即興で準備された低予算の…という形容になっているのでしょう。

ミトンだから指が見えないという話ではあるのですが、hold up という表現が入っていることから、フィービーは相手を侮辱する中指をミトンの中でこっそり立てていることを示唆していると思います。
二人はかゆさを我慢するのに必死なのに、そうやってジョークを言って去っていくロスに対して、「あなたって最低!」みたいなしぐさをミトンの中でこっそりやってるわよ、と言っているのだと思います。

フィービーが憎たらしい顔と言い方でそう言った後、ロスは、All right. と言い、ロスとレイチェルの表情が曇ります。フィービーは随分怒ってるみたいだから、もうジョークでからかうのはやめておくよ、みたいな感じの All right. かな、と思いました。

Or so I would have you believe. について。
これは、Or I would have you believe so. の so を強調のために前に出した倒置かな?と思います。
「モニカが決まった場所に寝るから、反対側がリチャードの寝る場所に自動的に決まる」と思っているモニカに対して、「君がそんな風に思っているのは、僕が君にそう信じさせたからだろう」と言っているように思います。「君がそう思い込むように僕が仕向けたからだろうね、そのように、僕が君に信じさせたんだろうね。」みたいなことでしょうか。would は推量「…だろう」という意味でしょう。
Posted by Rach at 2009年07月10日 07:09
Or so I would have you believe. について
結構理の通る分析だと思います。興味深く読ませていただきました。

Or soについて、Rachさんの意見も踏まえて、二つの解説があると今思っています。

@soが強調のために前置(Rachさん仰った通りの説明)
 Or I would have you believe so
この場合、「僕が君にそう信じさせているだよ」の翻訳が正しいと思います。
「僕が君に信じさせたんだろうね」の意味なら、wouldではなく、「Or so I have had you believe」にすべきかとも思われなくもないです。

Aorとsoの間、(let me explain/tell you the reason)見たいのclauseが省略された。(そんなように省略できるかまた疑問されるかも)
 Or (let me explain/tell you the reason) so I would have you believe
この場合、聞き相手から「なぜ?理由を聞かせてください。」という質問回答が期待されるかもしれません。(Guess what?も同じ)

次のモニカの「No. Big deal,...」のNoの意味は@、Aによって分かれます。
@の場合、「違うわ」となるんですが(「僕が君にそう信じさせているだよ」のopinionについての反論)、
Aの場合、「そんな説明が必要ないわ(理由を聞きたくないわ)」となります。
Posted by Fen at 2009年07月10日 12:10
Fenさんへ
私は上のコメントでは「僕が君に信じさせたんだろうね」と「過去の推量」で訳していますね。でも実際の英語は would have you believe で、「使役の現在形の推量」ですから、「信じさせているんだよ」になるはずですね。
上の記事内では、
リチャード: Or so I would have you believe. (もしくは、僕が君にそう信じさせて[思い込ませて]いるんだよ。)
と訳していたのに、コメント欄では時制の感覚が甘くなってしまいました。

「僕が君に信じさせたんだろうね」という「過去の推量」の意味なら、Or so I would have had you believe (短縮形を使うと、Or so I would've had you believe )になりますね。

so についてはやはり believe you so の so が強調のために前に来た、ということだと私は思います。モニカの No. も、「それは違うわ」と、リチャードが言った内容を否定しているように思います。
Posted by Rach at 2009年07月12日 07:36
Rachさんへ

あるアメリカー人に聞いたところ、soが Rachさんが仰ったとおりの強調のための前置だったと言われました。


Posted by Fen at 2009年07月13日 12:10
Fenさんへ
アメリカ人の方が、「強調のための前置」だとおっしゃったと聞いて、安心しました。
Posted by Rach at 2009年07月14日 07:40
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