2007年01月01日

フレンズ2-23その29

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
こちら大阪は、今日はとても良い天気。この後、実家に新年の挨拶に行きます。
元旦もいつも通りのフレンズ解説です(笑)。

ライアンがまた潜水艦に戻る日がやってきました。
レイチェル: So uh, Ryan, where're you shipping off to? (それでライアン、どこへ向かって出発するの?)
ライアン: I really can't say. (本当に言えないんだ。)
ロス: So do you have like any nuclear weapons onboard? (それじゃあ、核兵器とかを船に積んでるの?)
ライアン: I can't say. (言えない。)
レイチェル: Well, do you get to look through one of those like, those periscope thingys? (じゃあ、あの[例の]ペリスコープ[潜望鏡]ってやつを使って[を通して]見ることができるの?)
ライアン: I'm sorry, but I can't say. (悪いけど言えない。)
ロス: Wow, it, it's neat learning about submarines. (わぁ、潜水艦について学べて良かったよ。)

ここでの ship は自動詞で「船で行く」。
off to は「…へでかける」。
off to は、フレンズ1-9その1フレンズ2-22その13 にも出てきました。
ですから、ship off to は「船で…へでかける、…へ向かって出発する」ということになります。
DVDの日本語では「次の寄港地はどこ?」となっていましたが、まさにそういう意味ですね。
periscope は潜水艦についている「潜望鏡、ペリスコープ」のこと。
thingy は、フレンズ2-23その23 で説明しましたが、よく知らない単語の後に付けて「あれ、例のヤツ、そういう感じのやつ」とぼかす表現ですね。

潜水艦には多分潜望鏡が付いているだろうし、それを使うかどうかくらいはしゃべっても問題ないと思うのですが、とにかく守秘義務があるようで、潜水艦のことは一切話してはいけないようです。(相手がスパイだったりすると、国家反逆罪モノでしょうか?)
確かに核兵器を積んでいるとかは言えないでしょうね。
それから次の寄港地についてですが、これもかなりの重要事項なのでむやみに言うわけにはいかないでしょう。
ガンダムでホワイトベースの目的地が南米ジャブローであるという情報を入手するために、ジオンのスパイ、ミハル・ラトキエはわざわざ連邦軍の制服を着てホワイトベースに潜入したんですからねぇ…(新年早々、ガンダムネタかよ…笑)

ロスのセリフ、"it's neat learning about submarines" ですが、これはロスが潜水艦について「学んだ」という「事実」を示唆しているセリフなんでしょうね。
フレンズ2-10その9 で、Nice to meet you. と Nice meeting you. の違い、そして try to kill と try killing の違いを使って、to 不定詞と動名詞のニュアンスの違いを説明しているのですが、このロスのセリフも、to learn と learning ではニュアンスが異なってくるように思います。(元旦から細かい話ですみません。)
どちらも日本語では「…すること」と訳せるのですが、learning という動名詞の方がよりその「した」ことが強調される、という感じかなぁ?
ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 「Lesson 6 すべての -ing は躍動する」で、to 不定詞と動名詞の違いが説明されています。
引用させていただくと、
1.Speaking with your mouth full is very rude.
2.To speak with your mouth full is very rude.
-ing には常に生き生きとした躍動感があり、できごとがリアルに展開する感触がある。
その例文1.は「目の前でもぐもぐしながらおしゃべりをしている」状況。
to 不定詞では、リアリティに欠けた漠然とした状況が想起される。
例文2.のように to 不定詞が主語位置に置かれると、ルール臭・法則臭が強く感じられる。
「食べ物を口に入れたまま話すことはぁ、…」というリアリティから離れた漠然とした感触が強調される。


ロスのセリフの it は仮主語なので、結局、learning about submarines が本当の主語に当たるわけですね。
ここで to 不定詞を使うと「潜水艦について学ぶということは」と漠然とした感じになり、ロスのセリフのように動名詞を使うと「今まさに学んでいる、学んだ」というリアルな躍動感が感じられる、ということなのかなぁ、と。
ですから、私の上の訳は「学ぶことは素敵」ではなくて「(実際に)学べて良かった」と書いてみたんです。
どうしてここにこだわるかと言うと、実際はライアンは I can't say. の連発で、実は潜水艦の情報は何一つ教えてくれていないわけです。
つまりロスは全く何も「学んでいない」んですね。
でも、「結局何もわからないじゃん。」ではなくて、-ing 形を使ってあえて躍動感を出して、「Wow! お陰でいろいろ学べて楽しかったよ。」と、さもたくさんの情報を教えてもらったかのように語り、「実際に learn という行為が行われたことを示唆」しているのが何ともイヤミな感じで面白い、ってことなのかなぁ、と思うんですが…。
考えすぎかもしれませんが、どうなんでしょう?

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posted by Rach at 12:15| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。いつも楽しく見させてもらってます。
質問があるのですがRachさんはどのようにDVDを鑑賞していますか??
私は1回目は英語の字幕なしで雰囲気で会話全体の意味をつかみ2回目は英語の字幕ありで分からない単語や表現とかを確認して見ているのですが…ぜひRachさんの鑑賞方法を知りたいです!!
Posted by あやこ at 2007年01月01日 17:34
旧年あけましておめでとうございます。
ライアンの台詞は海軍の軍人らしく I must tell you, you look beautiful tonight. というかたい表現だったり頑なに海軍の秘密を守ったりして、立派な士官として去ってゆくのですがロスはちょっとちゃかしてますね。Ross : You know, I might have expected this of you Phoebe, but Ryan, you're a military man. と言ったときからライアンに対する敬意が薄れたというか弱い面を見てますからね。リチャード・ギアも海軍士官養成学校ではしごかれて、弱音を吐いたりしてましたが最後は立派に卒業しました。
Posted by catch at 2007年01月01日 21:02
あやこさんへ
初めまして! ご訪問&コメント、ありがとうございます。
私のDVD鑑賞法は、以下の過去記事、「DVDの音声と字幕(その1)〜(その3)」で詳しく説明してあります。
DVDの音声と字幕(その1)
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470045.html
DVDの音声と字幕(その2)
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470046.html
DVDの音声と字幕(その3)
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470048.html

以下に簡単に説明します。

私がDVD学習を始めた初期の頃にやっていた方法は、
1. 英語音声、字幕なし
2. 英語音声、英語字幕
3. 英語音声、日本語字幕
4. 日本語音声、英語字幕
5. 英語字幕、英語音声
という鬼のように「くどい」(笑)方法でした。それぞれの段階が必要な理由やその意義は、その過去記事に書いてあります。

さすがにこのやり方は時間がかかるということで、今では、それをはしょって、
1. 英語音声、字幕なし (どれくらいわかるか確かめる)
2. 日本語音声、日本語字幕 (ドラマの内容とセリフのニュアンスを一気に掴む)
3. 英語音声、英語字幕 (単語やフレーズ、文の構造などを辞書を使って丁寧にじっくり調べる)
というやり方になりました。

日本語字幕や吹替は、英語学習の邪魔になるから全く見ない、と言う方もいます。それも一つのやり方だと思います。私は日本語を英文解釈のヒントとして使っていて、それがかなり役立つこともありましたから、日本語字幕・吹替を否定はしていません。
ただ、日本語に引っ張られすぎると、解釈の方向性を間違えてしまう、ということもありますから、利用する場合はその辺の兼ね合いが難しいですね。私も未だに日本語に惑わされて、あらぬ方向に解釈を進めている時があります。

また何かご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお尋ね下さいませ。
Posted by Rach at 2007年01月02日 13:05
catchさんへ
旧年あけましておめでとうございます。(笑)

私は上の記事で何の気なしに書いてしまいましたが、「新年あけましておめでとうございます」って、よく考えたら変な日本語なんでしょうかねぇ?
「夜が明ける」みたいに「年が明ける(あける)」わけだから、新年が明けるんじゃなくて、旧年が明けて新年になるわけかぁ…。
「明けましておめでとう」という決まり文句は、「旧年明けましておめでとうございます」が正しいわけですね?
無理やりこじつけると、「新年”に”明けましておめでとうございます」と言えなくもない?…いやぁ、やっぱり無理があるな(笑)。

来た年賀状も「新年おめでとうございます」というのはありましたが、「新年明けまして…」と書いてあるものはなかったです。
(でも新聞の企業広告で一つ見ちゃった…笑)
何となく、テレビ番組などで年初にそんな風に挨拶しているような気がして、深く考えずに書いちゃったのですが、実はあまり使わない表現なのかなぁ?
イメージとしては、「ジャジャーン!新年!です。」「あけましておめでとうございます!」というのが、文字としてくっついたような形になってしまっているだけなんでしょうね。

ライアンのセリフや態度は、非常に士官っぽいわけですね。でも、フィービーの彼氏だから、同じようにオトボケなところがあって、そのギャップが面白いのかもしれません。私はそのオトボケ部分にばかり気をとられていたのですが、考えてみると、常に紳士的でお堅い感じではありましたね。フレンズのメンバーたちとはかなり毛色が違うというか。
ロスもあの二人で掻き合っている姿を見なければ、こんな風にちゃかしたりはできなかった、ということでしょうね。
「愛と青春の旅立ち」、見てないんですよ〜。見なくては(笑)。

もしかすると、ライアンの話よりも、「旧年あけまして」の話の方を言いたくて、元旦の記事にコメントをお入れになったのかな?…というのは、勘ぐり過ぎなんでしょうね、やっぱり(笑)。
Posted by Rach at 2007年01月02日 13:12
新年おめでとう。明けましておめでとう。よろしくは英語にないとか
花嫁にはCongratulations は使わないのが最近は使うようになったとか、どうでもいいことをコメントしすぎて、フレンズに関係ない部分は全部消去して、「旧年あけまして」だけ残しました。すべてお見通しですね。さて レイチェルが抱き上げられて帽子をかぶるシーンはかわいいですね「愛と青春の旅立ち」のラストシーンのパロディーです。ここからは私の勘ぐり。 turn off、turn onはスイッチを消すつけるで使われてますが、いろいろな意味があります。第一に連想するのはその気になる、ならない(SEX)なのですが。その意味を含んでるおもしろさがあるのかもしれません。
Posted by catch at 2007年01月02日 17:55
catchさんへ
日本語の挨拶の決まり文句である「よろしくお願いします」は英訳しにくいって言いますよね。文化の違いでしょうか。

「花嫁には Congratulations は使わない」という話は確かに聞いたことがあります。実際に「Congratulations 花嫁」でぐぐってみると、その件に関するサイトがいくつかヒットしますので、有名な話みたいです。今はさほど問題なく、使っている人も結構いる、というのが現状のようですね。
辞書をいろいろ調べてみたんですが、「花嫁には使わない方がいい」という注意書きの書いてあるものがなかったのが残念(笑)。

研究社 新英和中辞典には、
I congratulate you on your marriage. ご結婚おめでとう。

という例文は載っていましたので、「結婚」というイベントでの禁句ではなくて、特に「花嫁さんに対してのみ避けるべきだと言われている」言葉みたいですね。

ロングマン現代英英辞典で Congratulation の語義を見てみると、
1. (congratulations) :words saying you are happy that someone has achieved something
2. when you tell someone that you are happy because they have achieved something or because something nice has happened to them
1. は「誰かが何かを成し遂げたことをあなたが幸せだと思っている、と言う言葉」
2. は「誰かが何かを成し遂げたという理由で、または誰かに何か素敵なことが起こったという理由で、あなたが幸せだと思っていることをその誰かに言う場合」

「花嫁に言うな」という意味は、"has(have) achieved something" 「何かを成し遂げた」の部分が問題だということみたいですね。それが「よくやったわねぇ、でかしたわねぇ、(いい)男を捕まえたわねぇ」みたいなニュアンスになってしまう、ということなんでしょう。
でも 2. のように「素敵なことが起こる」という意味もあるようですし、お祝いの言葉であることは明白だから、そこまで目くじらを立てることもない、というのが現状なんでしょうかね?
ちょっと違う話になってしまうのですが、日本でも結婚式では「切れる、割れる、終わる」などの言葉を使ってはいけない、などと言います。でも、それをうっかり言ってしまったからと言って、険悪なムードになるわけでもないですし。(いやがる人はいるのかもしれませんけど)

この次の記事、フレンズ2-23その30 での、レイチェルが帽子を被るシーンは確かにかわいい。あれって映画のパロディーだったんですか? 全然知りませんでした。これだから、見た映画が少ないと困るんですよ(反省)。

このシーンの turn off から「そっち系」の連想は働かなかったのですが、確かに turn on と聞くと、私も「(人を)興奮させる、性的に刺激する」が頭に浮かびます。(第一に連想する、とは言いませんが(第一はやっぱりスイッチの入切ですね)、第二くらいには連想しますね…笑)
誰かのエッチな気持ちのスイッチを入れる、誰かの気持ちに火をつける、みたいなニュアンスなんでしょうね、多分。
過去記事であまりこういう turn on について説明していなかったようなので、ちょっとここで思い出したことを書かせて下さい。(フレンズでは絶対出てくるはずのフレーズですからね。今まではスルーしていたのかなぁ?)

これ以降、セクシャリーという英単語が出てくるのですが、その単語が入っていると、コメント投稿時にエラーが発生するようです、こんな感じで↓(笑)。

エラーが発生しました。
・LOVELOGシステム管理者での受付規制により投稿できません。 お時間をあけて再度投稿すると投稿可能な場合があります。

そんなにヤバい単語でしょうかねぇ。スパム対策の一環なのかと思いますが、こんな受付規制をされると私は大変困ります(笑)。
なので、セクシャリーという単語は、s...lly で、セクシャルは s...l でごまかすことにします。

ロングマン現代英英辞典では、
turn somebody on: to make someone feel s...lly excited
例) The way he looked at her really turned her on.
「誰かを性的に興奮した気持ちにさせる」
例は、「彼が彼女を見る様子は、本当に彼女をその気にさせた。」

つまり、色っぽい目で見つめられて、その気になっちゃった、ってことですね(笑)。

逆の意味の turn off は
turn somebody off: to make someone feel that they are not attracted to you in a s...l way
例) Men who stink of beer really turn me off.
「誰かを、自分に対して性的に魅力を感じない[性的に惹かれない]気持ちにさせること」
例は、「ビールのにおいがプンプンしている男たちは、私の性的関心を失わせる[その気をなくさせる]」

うーん、あんまり酔っ払ってお酒くさい人はダメでしょうかねぇ、やっぱり…(笑)。

フレンズ2-20その25
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470559.html
で、turn on を使ったフレンズ1-1 のセリフを取り上げています。
レイチェル: I realized that I was more turned on by this gravy boat than by Barry! (私は気付いたの。私はバリーにときめいていたんじゃなくて、グレイビーボート(舟形のクレイビー(肉汁)ソース入れ)にときめいていたんだ、ということに!)

ここでの turn on はグレイビーボートの話をしているので、「わくわくさせる、夢中にさせる」というような意味でしょうが、それと比較対象になっているバリーについては、「わくわくさせる」という意味以外に、「バリーには性的に刺激されるものがない、彼にはグッとこない、彼とはその気にならない」みたいなニュアンスも含まれているのでしょうね?

2-23その30 でレイチェルが、turn off 「スイッチを切る」という単語を2回言いますが、そんなことばかり言っていて、すっかりロスを turn off してしまった(ロスのその気をなくさせてしまった)ということも示唆している、という深読みは実に面白いです! 多分、脚本家はそういう意図で turn off を2回も言わせたんだと思います。
Posted by Rach at 2007年01月03日 13:16
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