ジョーイ: Then I don't know what it is. What's the problem? (それじゃあ、それが一体どういうことなのかわかんないよ。何が問題なんだ?)
モニカ: Joey, you know, maybe you're just not used to kissing men. Maybe you just tensed up a little. Maybe that's what you need to work on. (ジョーイ、多分、あなたは男性にキスするのに慣れてないだけなのよ。多分、ちょっと緊張してるだけだわ。多分、あなたが取り組むべき問題はそこね。)
ジョーイ: Yeah, that makes sense. (確かに、それは一理ある。)
ロスを見つめるジョーイ。
ロス: Over my dead body. (絶対にいやだ。[僕を倒してからにしてくれ。])
今度は矛先がチャンドラーに。
チャンドラー: And I'll be using his dead body as a shield. (そして俺はロスの死体を盾として使うぞ。)
I don't know what it is. の it は、そのジョーイが困っている状況、キスが下手なのを理由に役をもらえないこと、を指しているのでしょう。
be used to doing は「…に慣れている」。
used to で「…したものだった」という過去の習慣的行動を表す表現がありますが、それと間違えないようにしましょう。
「慣れている」の方の used は形容詞なので、used の前には be 動詞が必要、または get used to 「…に慣れてくる」のように get がつくこともあります。
さらにこの to の後には名詞が来るので、動詞の場合だと -ing 形になります。
「したものだった」の方は、to の後に動詞の原形が来ます。
tense up は「緊張する」。
tense の名詞形は tension 「緊張」ですね。
work on は「…に取り組む、せっせと励む、…を検討・研究する」。
接触を表す前置詞 on から、その問題にぴたっとひっついて熱心に取り組む様子が感じられるのではないかと。
ちなみに、モニカはここで maybe を3回も言っています。
ジョーイの問題がどこにあるかを自分なりに推測しているので、「よくわかんないけど、多分そういうことなんじゃないの?」と言っているのでしょう。
make sense は「(事が)道理にかなう、もっともである、筋が通っている」。
That doesn't make sense. だと「それは筋が通ってないよ。わからないよ。」という意味になります。
sense というのは日本語のいわゆる「センス」とは少しニュアンスが違います。
その sense については、フレンズ2-19その8 で説明しています。
over my dead body は「自分の目の黒いうちは誰が何と言っても絶対に…させない、私の生きている限りは絶対に…させない」という意味。
over 「…を越えて」ですから、直訳すると「私の死体を乗り越えて」ということです。
つまりは、「私が死んでから、もしくはそのことに反対している私を倒してから」ということでしょうね。
ロングマン現代英英辞典によると、
over my dead body: (spoken) used to say that you are determined not to allow something to happen
例)You'll marry him over my dead body!
つまり、「何かが起こることを許さない、と固く決心していることを言うのに用いられる」
例文は「俺が生きている間は、絶対にお前を彼と結婚させない!」という意味ですね。
英文を見る限りは not という言葉は入っていないのに「させない、できない、許さない」という意味になるのが面白いです。
直訳すると、「俺の死体を乗り越えて、初めてお前は彼と結婚できる。」という感じでしょうか。
日本語にも「俺の屍(しかばね)を越えてゆけ」という表現がありますよね。
次のチャンドラーのセリフが私は大好きなのですが。
その慣用句を文字通りとって、そのロスの身体を盾にチャンドラーがジョーイのキス攻撃を避けようとする、ということで、その姿を想像したら笑えますよね。(dead body のジョークで笑うのは不謹慎かもしれませんが、単なる例えですので…)
男性陣は当然のことながらジョーイとのキスを思いっきりいやがっているわけです。
ちなみに、「目の黒いうち」という表現は、目が黒い人が多い日本人にしか通用しないですね。
日本語では、白人のことを「目が青い」と表現したりもします。
昔、新聞で読んだコラムで、
外国に留学することになったある男性が、自分の親に「目の青い嫁さんを連れて帰ってくるなよ。」と言われたけど、その約束は守った。結婚相手の目は緑色だったから…。
というオチ(?)になっていましたが、今はあんまりそんな目の色を使った表現は聞きませんね。
差別とまではいかないかもしれませんが、身体的特徴でカテゴリー分けする、というのはあまり望ましい傾向ではないでしょうからね。
(Rach からのお願い)
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元旦からきちんとフレンズ解説をされているところが、Rachさんらしい〜! 楽しみにしている方がたくさんいらっしゃるので、是非今年も頑張って続けてくださいね!
今年も、記事をとっても楽しみにしています(プレッシャー?)。
このシーン、おもしろかったですよね〜。
最後の最後にロスが「友達思い」でキスしたとき、
「レイチェルは幸せだな」と感想がかえってきましたね。
ロスファンの私としては、聞き逃せないひと言でありました^^:
あけましておめでとうございます。こちらこそ、今年もよろしくね!
元旦にいつもと同じような記事を書くことで、私なりのオリジナリティを出そうとしているんでしょうかねぇ?(笑)。
多分、書いている私が一番楽しくて、読者の方はかなり飽きてこられているのではないかと心配しているのですが、フレンズ解説をやめてしまったら私はRachではなくなる気がしますので(笑)、今年も出来る限り続けていきたいと思っています。
お互い、マイペースで頑張りましょうね!
あけましておめでとうございます。
記事を楽しみにしていると言っていただけて光栄です。Emiさんはシーズン3を順調に進んでおられるようですね。フレンズは、早く次が見たいと思わせる、実に面白いドラマだと思います。
このエピソードの最後にそんなシーンがありますよね。私の解説のペースがゆっくりなので、そのシーンにたどり着くのに後何日かかるのかよくわからないのですが(笑)、私もあのシーンにはウケてしまいました。ロスファンのEmiさんとしては、確かに気になるセリフですよねぇ?(笑)
今見てみたら正月3賀日も更新してるのを確認して、少し幸せな気持ちにさせられました(笑)更新疲れが多少心配になりますが、これがRachさんのマイペースなんでしょうから大丈夫ですね。
なにはともあれ、今年もよろしく。
あけましておめでとうございます。
そうですねぇ、これが私のマイペースなんですよ、きっと(笑)。
「更新疲れ」というのは確かにあまりありません。更新しないと一日落ち着かなくて、更新が終わればホッとする、という、ほとんどブログ依存症みたいな感じですね(笑)。
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
2は早かったです☆
Overって、乗り越えて…って意味だったんですねー。
英語音声のみで聞いた時は、
「僕の死体にしてくれ」(=死んだらいいよ、生きてるうちはいいけど)かと思いました。
で、チャンドラーのセリフは、「俺は死んでもやだからな!」(その死体の下で身を守る!)かと思ってましたー。
ちょいと?違いました(^_^;)
それやったら、over使わないですもんねー。
やっぱり英語音声のみだと、細かいところが拾えないor理解できないみたいです~。3もがんばるぞぉ!!
コメントありがとうございます。
セカンドシーズン終了、おめでとうございます。私のブログと共に鑑賞していただいていること、とても光栄です!
over my dead body というのは面白い表現ですよね。まさに日本語の「俺の屍を(乗り)越えて」のようなニュアンスです。よく使われるイディオムで、フレンズ以外にもちょくちょく登場するものですが、そのおなじみのイディオムを使って、次のジョークを言っているのが、フレンズっぽくて楽しいなと思います。ただ聞き流してしまうだけではもったいない表現がたくさん出てくるので、しっかり文字でも確認して自分のものにしていけるとますます楽しくなりますよね。
サードシーズンも頑張って下さい。私もサードシーズンの解説は頑張りました^^ 私自身、サードシーズンが一番好きで、そのため解説が一番長い(記事数が一番多い)です。
これからもよろしくお願いします!