部屋に入って来たチャンドラーを見て、
フィービー: Ooh-oh! Someone's wearing the same clothes they had on last night. Someone get a little action? (あら? 誰かさんは昨晩着てたのと同じ服を着てるわ。誰かさんにちょっとした「刺激的なこと」があるのかしら?)
チャンドラー: I may have. (あるかもね。)
モニカ: Woo-hoo. Stud! (ヒュー、ヒュー。この色男!)
ロス: What's she look like? (相手はどんな(見かけの)子なの?)
チャンドラー: Well, we haven't exactly met. We just stayed up all night talking on the Internet. (厳密には僕らは会ったことないんだ。ただ一晩中起きてインターネットで話をしていただけなんだよ。)
モニカ: Woo-hoo, geek! (ヒュー、ヒュー。オタク!)
they had on の they ですが、これは someone を受けているんですね。
someone, somebody, everyone などは単数ですから、通常は単数の he や she で受けるのですが、口語ではこのように they で受けることもあります。
he や she だと性別がわからないと使えないから、ということでしょうね。
文章だと he/she などと書いたりしますが、それも面倒くさいですし、口語ではそれは違和感がありますし。
ただ、このフィービーのセリフの場合は、someone 「誰かさん」とぼかして言っているのですが、チャンドラーを指しているのは明白ですよね。
それでも he ではなくて they を使っているのが面白いなぁ、と思うのですが…。
その後も someone get a little action と someone を使っていて、とことん「誰かさん、某氏」で通そうという意志の表れなんですかねぇ?
それともそんなに大袈裟なものじゃなくて、今は someone は they で受けるのが普通、なのでしょうか?
action ですが、ここでは、いわゆる「動き、行動、活動」とはちょっと違うニュアンスで使っているようですね。
Merriam-Webster Online Dictionary に
action: sexual activity
つまり、「性的行為」(←訳さなくてもわかるって!)という意味が載っています。
またロングマン現代英英辞典には、
action: [U] (informal) exciting things that are happening
例1) There hasn't been much action around here for months.
例2) New York is where all the action is.
語義は、「起こっている刺激的なこと」、
例文1は「この辺ではここ数ヶ月、刺激的なことがあまり起こっていない。」
例文2は「ニューヨークは全ての刺激が存在する場所だ。」
研究社 新英和中辞典にも、
action=(俗)(しばしば不法な)活気[刺激、興味]のある行為、賭博
go where the action is 活気のある所[盛り場]へ行く
という意味が載っています。
ですから action というのは何か「刺激的なこと、いいこと、お楽しみ」みたいなニュアンスで使われているんでしょうね。
stud は「馬、種馬」。
そこから「精力絶倫の男、色男」という意味にもなります。
同じ stud という綴りの別の単語もありますが、それは「びょう、(スノータイヤに打ち込む)びょう、スパイク」という意味です。
雪道を走る時のタイヤでスタッドレスタイヤ(studless tire)というのがありますが、あれはスパイクタイヤ(スタッドタイヤ)に対する言葉で、stud がついておらず、溝を深くすることで雪道を滑りにくくしている…らしいです。(詳しくは知りませんが…)
"What's she look like?" は "What does she look like?" ということで、look という動詞が使われているので、彼女の見かけや容姿を尋ねる表現ですね。
背が高いとか太ってるとか美人だとか、そういうことを尋ねているんだと思います。
彼女の性格とかその他のことも含めて「どんな感じの子?」と聞く場合は、"What is she like?" になると思われます。
明日取り上げるセリフで、まさに "What's that like?" という表現が出てきますが、それは見た目ではなくて内面や雰囲気・様子を尋ねているんですね。
で、「いいこと」をして一晩過ごして着替えていないのかと思ったら、「パソコン」に夢中で着替えていないということがわかったので geek 「オタク」呼ばわりしています。
この場合は、computer geek 「コンピューターオタク」みたいに着替えもせずに一晩中パソコンに向かって…というイメージですね。
フレンズ1-10その6 には、scientist geek という言葉が出てきました。
フレンズ1-1その2 では、ロスが自分のことを、モニカの geeky older brother 「変わった兄」だと言っていましたね。
(Rach からのお願い)
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フレンズの英語は、口語と言うこともあってレベルが高いですね!
勉強になりました☆
実は、シンプルな単語ほど、もうひとつの意味を持っていたりするんですね〜
ではでは
ついでに応援していきます☆ ポチッ!
こんにちは。ご訪問&コメント、ありがとうございます。
フレンズの英語は、レベルが高いのかどうなのかよくわからないのですが(笑)、とにかく学校教育で学んできた英語とは全く別の英語、という気がしますよね。でも、実際はこちらが本当の生きた英語で、アメリカでたくさんの人が見て人気のあったドラマなわけですから、そのセリフを理解できるようになれば、かなりアメリカ人の日常会話についていける、ということになりますよね。
おっしゃるようにシンプルな単語の意味やニュアンスを深く理解するのにとても役立つドラマだと思います。
勉強になったと言っていただけて、さらにはポチ応援までしていただいて、本当にありがとうございました!
ロッキーは全く見たことないんですよ。シルベスター・スタローンの作品はランボーも見てないですねぇ…。深い理由は何もなく、本当にたまたま見てないだけなんですが…。
すごいですよねぇ、もうかなりの年齢なのに、あんなハードなボクシングの映画に出演するなんて…その6作目に当たる「ロッキー・ザ・ファイナル(原題:Rocky Balboa)」を作るに当たっては、回りの人たちに随分反対されたみたいですね。
彼のそのリングネーム(ニックネーム)の The Italian Stallion (イタリアの種馬)というのは有名なんですね。ウィキペディアにも書いてありましたし、映画を見た人は多分みんなご存知なんでしょうが、私は全く知りませんでした(泣)。「〜リアン・〜リオン」で韻も美しいですし。
Wikipedia 英語版: Sylvester Stallone
によると、スタローンはNY生まれですが、彼のお父さんがシチリア島からの移民のようで(お母さんはアメリカ人らしい)、彼はイタリア系アメリカ人なんですね。
ロングマン現代英英辞典で、stallion と stud を調べてみました。
stallion: a male horse that is fully grown, especially one that is used for breeding
つまり、「完全に成長した雄の馬、特に繁殖に使われる雄馬のこと。」
stud は
1 (ANIMAL) the use of animals, especially horses, for breeding, an animal that is used in this way, or a place where this is done
2 (MAN) (informal) a man who has a lot of sexual partners and who is very proud of his sexual ability
1の語義は stallion と同じような「種馬」という意味で、2の語義は「性的パートナーがたくさんいる男、自分の性的能力を非常に誇りに思っている男」ということですね。
stalliion の項目には人間の「色男」という意味が書いているわけではありませんが、上の語義を比べてみると、明らかに stallion = stud ですから、stallion には同じように「色男」というニュアンスが感じられます。
(英辞郎には、stallion =「種馬、雄馬」「色男、精力絶倫の男」と書いてありました。)
日本語に訳す場合は、「種馬」と訳すしかしょうがないのかもしれませんが、「種馬」と言ってしまうと、どうも「獰猛で精力絶倫」みたいなイメージが強すぎて、何だか動物的本能だけで生きているかのような感じを与えてしまう気がします。ボクシングなどの格闘技のリングネームとしては、「動物的」という言葉は決して悪いものではないのでしょうが…。
逆に「色男」と言っちゃうと、女にモテモテのセクシー男でいつも回りに女を侍らせている、あるいは「女と遊ぶことしか考えていない」軽薄な男、のイメージが浮かんで、ボクサーのリングネームにそぐわない気もしますしねぇ。
ロッキーという人は、あらすじを見る限りは恋愛に対して不器用な感じがするのですが(←違っていたら言って下さい)、そのリングネームはそんな彼の実生活とは関係なく、「種馬」と「色男」の両方の意味を込めているんでしょうね?(リングネームというのは、イメージを良くするためのものですし…)
「(男と向き合うと)激しく戦い、(女と向き合うと)危険な香りのするイタリア男」みたいな感じでしょうか???(意味不明?…笑)
Someone got a little action?すべきか。 現在形なら、getsにすべきかな。
後でチェックします。
DVDを見直してみたのですが、やはり、Someone get a little action? と発音しているようですね。got でも、gets でもないようです。
よくわからないのですが、Does someone get a little action? という疑問文の文頭の does が省略された形なのかもしれません。
なお、Fenさんからいただいたコメントへのお返事ですが、記事を1回投稿するごとに、3件くらいずつお返事を書くことになると思います。また、お返事する順番も順不同になってしまうと思います。
いただいたコメント全てにお返事させていただくつもりにしております。お返事が遅くなり申し訳ありませんが、しばらくお待ち下さいませ。
Thank you for your patience.
ご返事ありがとうございました。
私も"Someone get a little action?"と聞こえています。
私の知識では、intonationで肯定句を疑問句にすることができますが、"Anybody needs a fork?"のように、sが省略されることがしないと思います。ここは最初、すごく違和感があって、投稿させて頂きました。
いつも丁寧に質問を返事いただいており、本当に心から感謝いたします。私は持続力があまりなくて、勢いで勉強するタイプの人ですので、集中的にコメントをいっぱい書きます。返事の期日について、あまり気にしないでください。また返事が必要ないと思っているコメントについては、返事しなくてもいいです。
肯定文の後ろに?をつけ、語尾を上げるイントネーションにして疑問文にするパターンはよくありますね。その場合は確かにおっしゃる通り、3人称単数現在の -s という語尾は省略されませんよね。そういう意味では違和感を感じるセリフです。
ここからはただの推測ですが、フィービーの言う someone は明らかにチャンドラーを指していますよね。ですから、someone = you という意識がどこかにあって、-s をつけなかった、つけるのを忘れてしまった、という可能性もあるのかもしれません。言われたチャンドラーの方も、someone が自分のことだとわかっているので、 I may have. と答えていますしね。
私が書くお返事は、私自身の頭の中を整理するためのものでもありますので、あまり気になさらないで下さい。あと2つくらいお返事がまだのものがありますが、もうしばらくお待ち下さい。