2007年01月15日

フレンズ2-24その9

リチャードとさよならした後も、もじもじ、くねくねしているモニカに向かって、
フィービー: I think my boyfriend's ever so dreamy. I wonder what our wedding's gonna be like. ([モニカになったつもりで]私の彼って超素敵だと思うわ。私たちの結婚式はどんな感じになるのかしら。)
モニカ: What are you talking about? What wedding? (何言ってるの? 何の結婚式よ[結婚式って何のことよ]?)
フィービー: Come on, like you never talk about that. (またまたぁ。結婚式について話し合ったことがないみたいに言うのね。)
モニカ: Nooo! Never! I mean, we're just living in the moment. God, it is so nice for once not to get all hung up on, "Where is this going?" (話し合ったことなんてないわよ! 一度も! だって私たちはただその瞬間を生きているだけだもの。あぁ、「これからどうなるの?」って一度くらい気にしないでいられたら、素晴らしいわ。)
レイチェル: Afraid to ask him? (彼に尋ねるのが怖いの?)
モニカ: Could not be more terrified. (それ以上怖いことなんてないわ。)
チャンドラー: Well, I think you should seriously consider the marriage thing. Give Rachel another chance to dress up like Princess Bubble Yum. (じゃあ、結婚について真剣に考えるべきだよ。レイチェルに、プリンセス・バブル・ヤムみたいなドレスをもう一度着るチャンスをあげろよ。)

ever so は「非常に、実に、大変、超…」。
very を強調した感じです。
get hung up on は「…にくよくよする、…に(心理的に)こだわる、…に夢中になる」。
hang up は「(ものを)かける、吊るす」ですから、何かに on して(接触して)引っかかって、それから離れられないというニュアンスだと思います。
よく似た表現で、be hooked on 「…に夢中になって」という表現もあります。
この hook も「(引っかけるため先の曲がった)鉤(かぎ)、留め金、ホック、フック」という意味で、同じように「何かに引っかかってしまう」ことから来ているのですね。

"Where is this going?" は進行形が使われているので、「この今の状況はこれからどこに行こう[向かおう]としているの?」、つまり「これから[この先]どうなるの?」ということになります。
for once 「一度だけ(は)」がよくわからないのですが、for once not to get all hung up on ... 「…を”一度だけ(でも)”気にしないでいられること」は nice だ、という意味のようです。
裏を返せば、モニカは心の中でいつも「これから私たちどうなるのかしら?」と気にしまくっている、それを気にしない日はないのだ、ということのように思えます。
几帳面なモニカのことですから、男性とお付き合いしている場合は、その男性との将来について考えていないはずはないですよね。

Could not be more terrified は「それ以上怯えることはあり得ない」、すなわち「一番恐ろしい、ものすごく怖い」という意味になります。
このように、「not +比較級」を使う表現は英語には多いですよね。
フレンズ2-16その17 では、"have never seen Richard happier" 「リチャードがこんなに幸せそうにしてるところは見たことがない。」という表現が出てきました。

Bubble Yum (バブル・ヤム)というのはこちら。↓
BUBBLE YUM bubble gum -HERSHEY'S
bubble gum というのは「風船ガム」のことで、その gum を yum 「おいしい」ともじったネーミングです。
まぁ、バブル・ヤムと聞くと、フーセンガムだろうなぁ…というのは察しがつきますよね。
HERSHEY'S という会社の製品で、上のサイトはそのバブル・ヤムを紹介したページなのですが、いろんな Flavors が並んでいる中でトップに挙がっている Original が、レイチェルのドレスのようなピンク色をしていますね。
これが一番有名なフレーバーで、バブル・ヤムの色、と言うと、みんなこの色を思い出すので笑えるのでしょう。
Wikipedia 英語版: Bubble Yum
上のウィキペディアに、Bubble Yum logo として、このピンクのロゴが載っていますので、やはりこの色のイメージは強いということですね。

このドレスの色については、フレンズ2-24その5 で、「吐き気止めの薬」の色のようだ、というセリフもありましたね。
その記事のコメント欄で、その薬の名前を教えていただいたので(ありがとうございました!)、今回、色の話が出たついでに、再度、それを紹介しておきます。
薬の名前は、Pepto-Bismol といいます。
Pepto-Bismol 公式サイト
Pepto-Bismol についての詳しい話は、その フレンズ2-24その5 のコメント欄 に書いてありますので、興味のある方は合わせてご覧下さい。
つまり、このドレスの色を見ると、フレンズたちは、Pepto-Bismol という薬、または、Bubble Yum というガムを思い出さずにはいられない、ということです。

モニカが結婚したら、レイチェルはモニカの maid of honor (花嫁の付き添い役)として、再度、こんな色のドレスを着ることができるぞ、とチャンドラーは言っているのですね。
悩んでいるモニカに、結婚を真剣に考えたら?というチャンドラーの助言はもっともなのですが、そこにこんなオチをつけないではいられない、というのが実にチャンドラーらしいです。

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posted by Rach at 11:10| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>for once 「一度だけ(は)」がよくわからないのですが、for once not to get all hung up on ... 「…を”一度だけ(でも)”気にしないでいられること」は nice だ、という意味のようです。
裏を返せば、モニカは心の中でいつも「これから私たちどうなるのかしら?」と気にしまくっている、それを気にしない日はないのだ、ということのように思えます。

よくわからない、とおっしゃってますが、私はRachさんの意見で問題ないように思いますが・・・
「一度でも気にせずにいられたらどんなに楽か。」「一度くらいその事を忘れてしまいたい。」

>get hung up on は「…にくよくよする、…に(心理的に)こだわる、…に夢中になる」。
hang up は「(ものを)かける、吊るす」ですから、何かに on して(接触して)引っかかって、それから離れられないというニュアンスだと思います。

こだわるのを「ひっかかる」と日本語でも同じ表現方法があるのは、おもしろいですね。

あの・・・、うちのダンナも「色白で眼鏡の似合う(かどうかは?)優男タイプ」プラス、ひょろ長い(182cm)。始めて母親に会わせた時、俳優さんの「篠田三郎さん」に似ていると大喜びでした。(まみちゃんにしたら上出来だと。笑) で、色んな部分が、言わば、私のタイプと反するのですが、結婚はそんなもんだと思ってました。(結婚当初は腕立て&腹筋をしてもらっていた。が、無理。 爆) Rachさんはタイプの人とご結婚されたのですね!
Posted by Mayumi.K at 2007年01月15日 12:50
Mayumi.Kさんへ
for once の解釈については「問題ない」と言っていただいてありがとうございます。「一度でも忘れられたら、どんなに nice だろう。」という感じなんでしょうね、やっぱり。
hang や hook と「ひっかかる」、やっぱり人間の思考回路はどこか似ているんですよね。日本語を学ぶ英語圏の人も、きっと同じことを感じて喜んでおられることでしょう(笑)。

で、まゆみさんのダンナさんって、「篠田三郎さん」に似てるの〜!? きゃ〜! 私ねぇ、篠田さん、大好きなんですよ。ウルトラマンタロウで主役の東 光太郎って役をやっておられたんですが、その時から好きなの(笑)。私にとっては初恋の人みたいなもんなんですよ。今回、まゆみさんが名前を出したからそれに話を合わせてるんじゃなくて、ほんとにほんとなの(笑)。

過去記事、フレンズ2-6その10
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470228.html
で、篠田三郎さんの名前を記事に出しています。その時はただのウルトラマンオタクみたいな話で止まってますが、篠田さんのファンだから書いた、っていう理由もあったんですよ。その理由も書いときゃ良かったね〜。
「京、ふたり」っていうNHK朝の連ドラで、畠田理恵さんのお父さん役をやっておられたんですけど、「わぁ、篠田さんがお父さんだなんていいなぁ」というのと「でも、こんな大きな娘さんのお父さん役だなんて、もうそんな年齢なんだぁ」というのが混じった複雑な気持ちでした。(欠かさず見ていたわけでもないけど…笑)
さわやかで清潔そうで優しそうで、あぁいう顔が私のタイプなんだよなぁ。社会人になってからも、「好きな男性のタイプは?」とアンケートで聞かれたら、よく「篠田三郎さん!」って書いてましたよ。
B'z の稲葉さん、と書けば良かったようにも思うけど、稲葉さんは歌っている時の雰囲気全体が好きで、ルックスから入ったわけじゃないので…もちろんあのルックスも好きなんだけど…って、どっちやねん(笑)。

落ち着いて考えてみると、篠田さんと私のダンナさんとは似ていませんが…(あれれ…おっかしいなぁ…?) でも、ダンナさんを初めて見た時に、「あぁ、私、こういう感じの人、好きやわぁ…」と思ったのは事実なんだけどね。(←また、のろけかよ。ここまで書いちゃうと、人に実物を見せるのが怖いですね…)

まゆみさんは、自分のタイプの男性じゃなかった…と言いながら篠田さんに似てるなんて、ずるいよ〜!!(笑) まゆみさんのダンナさんにお会いしたら、緊張してしゃべれないかもしれません(爆)。

腕立て&腹筋!? うちのダンナさんがしてるところを見たことありません。でも、うちのダンナさん、テニスとスキーとボーリングは上手いんだよ(他のスポーツをやってるところは見たことないので知らない)、フォームがどれもきれいでね(ちょっと贔屓も入ってるけど)。
「まず形から入るんや!」が口癖で、でもやっぱりきれいなフォームには無駄がないからそれを真似することは効果的だ、というのが彼の持論だそうです。
Posted by Rach at 2007年01月16日 10:15
篠田三郎と聞いて真っ先にウルトラマンタロウを連想されるとはRachさんも相当なマニアですね。私は学生の頃見ていた「山河燃ゆ」という大河ドラマでの役が印象深いかな。Rachさんの世代ですとさすがに「シルバー仮面」はご存じないかもしれませんが、幼い頃憧れていた人はいくつになっても憧れの存在であり続けるものですね。

私も5年前にあるイベントでウルトラセブンのアンヌ隊員にお会いした際は感動して震えました。一緒に写真をお願いしたら笑顔で応じてくださり、正に一生のお宝写真となりました。あ〜、良かった。
Posted by ET at 2015年09月30日 16:27
ETさんへ
コメントありがとうございます。
私にとっては、篠田三郎さんと言えばやっぱり「タロウ」なんですよね。(ご本人は「太郎」ではなく「三郎」さんですが^^)

また、篠田さんのいろいろな出演情報、ありがとうございます。「ウルトラマンタロウ」(1973年)より前に、「シルバー仮面」(1971年)に篠田さんが出演しておられたのですね!? 残念ながら、シルバー仮面については、全くと言っていいほど知らないんですよ、、、

「山河燃ゆ」(1984年)に出演されていたことも知らなかったのですが、同じNHK大河では、「草燃える」(1979年)で源実朝を演じておられたことは覚えています。(石坂浩二さん演じる頼朝公も素敵でした^^)

それから、セブンのアンヌ隊員にお会いになられたなんて、すごいですね! アンヌ隊員は、同性の私から見ても、実にセクシーだと思いますし、お声も甘くて可愛らしい(^^) 最終回で、ダンが自分の正体をアンヌに告白するシーンは、今でも語り継がれていますよね。
多くの人に愛された作品だからこそ、後年になってもそのようなイベントが開かれたりするわけですが、子供の頃の憧れの人に、大人になってから会えたりするのは、本当に幸せなことですね♪
Posted by Rach at 2015年10月03日 11:56
Rachさま

大変ご無沙汰しております。
遅くなりましたが、シーズン10完結おめでとうございます!

大偉業達成ですね!すばらしいです。

毎日少しづつ、シットコムで笑えで勉強させてもらって、ようやくシーズン2おわりまできました。10まで頑張っていこうと思います。英語力の方は、はなはだ???なところですが、、、(笑)

さて今回のget all hung up on のところですが、

わたくしとしては、

今回はこれからどうなるっていうことにこだわらないでいらえているので素敵よって、

言っている感じがします。
だから、前セリフの 今を生きている、が生きてくるような気がしますが・・・

今年もよろしくお願いいたします。

Rachさんの和服も素敵です!

Posted by katuo at 2017年01月09日 15:12
katuoさんへ
コメントありがとうございます。シーズン10完結へのお祝いのお言葉、本当にありがとうございます。大偉業達成と言っていただけて、とても嬉しいです♪

拙ブログをお読みいただき、シーズン2終わりまで来られたとのこと、少しでも英語学習のお役に立てたとしたら本当に光栄に思います。シーズン3以降もどんどん面白くなっていきますので、楽しみながら続けていただければ嬉しいです。

また、get all hung up on についての貴重なご意見ありがとうございます。
私ももう一度、考え直してみたのですが、katuoさんのおっしゃる解釈が正しい気が私にもしてきました。
レイチェルに「彼に尋ねるのが怖いの?」と聞かれるまでは、モニカは「私は今の状態に満足してるのよ」というように「無理に空元気(からげんき)を装っている」ような雰囲気がありますよね。結婚願望がものすごく強くて、今の関係がこれからどうなるかを気にしないではいられないはずのモニカが、「だって私たちはただその瞬間を生きているだけだもの」と「らしくない」ことを言っていて、それに続く言葉として言っているわけですから、「この瞬間を生きているってことが素晴らしい」の流れとして、「”この関係はどこに向かってるの?”ってことにこだわらないでいられる今が素敵」という意味で言っていることになるのでしょうね。

記事を書いた時には、for once をどう訳すかで悩み、「一度だけは」と解釈したのですが、研究社 新英和中辞典に、
(just) for once = just (for) this once と出ていて、
just (for) this once=今度だけは(特に)
と説明されていました。

「今回は」「今度だけは」という意味だと捉えると、「(今までの私なら関係の行く末が気になるところだけど、)今回の彼との関係ではそういうことにこだわらないでいられるのが素敵だわ」となり、「今を生きている」とスムーズに繋がりますよね。

モニカが明らかに心にもないことを言っているので、それがわかっているレイチェルは「尋ねるのが怖いのね」と単刀直入に言い、モニカもこれ以上嘘はつけないと「ええ、これ以上ないくらい尋ねるのが怖いわ」とここで本音を語ったという流れですよね。

この記事は、2007年1月15日のもので、ほぼ10年前! フレンズ1-1 から順番に読んで下さって、こうして10年前の記事にコメントいただけること、本当にありがたく嬉しく思っております。
それから、「和服も素敵」とのお言葉も本当にありがとうございます。とってもとっても嬉しいです♪

こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
貴重なご意見、そして温かいコメント、ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2017年01月10日 16:16
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