モニカはリチャードに、将来のことをどう考えているかの質問を切り出します。
リチャード: Well, uh, sometimes I think about selling my practice. We could move to France. Make French toast. (そうだな、時々、医者の仕事の権利を誰かに売ろうかって考えるんだ。(そしたら)フランスへ引っ越せるよ。(フランスでは)フレンチトーストを作ってくれ。)
モニカ: Okay, so, uh, we're in France, and we're making the toast. Do you see a little bassinet in the corner? (わかったわ。じゃあ、私たちはフランスにいて、フレンチトーストを作るのね。部屋の隅には、ちっちゃなバシネットが見えるかしら?)
リチャード: Like a hound? (ハウンド[猟犬]みたいなやつのこと?)
モニカ: Not a basset. A bassinet. (バセットじゃなくて、バシネットよ。)
practice は「(医者・弁護士などの)開業」。
be in practice は「(人が)開業している」という意味です。
リチャードは眼科医で、個人で眼科医院を開業しています。
フレンズ2-15その9 では、先生のところで予約を取った話、フレンズ2-15その13 では、実際に先生の診療所で診察を受けるシーンが出てきました。
sell my practice ですから、その医院や機材などをまとめて誰かに売る、医院を経営する権利を誰かに譲る、ということでしょうね。
もうお孫さんのいる年齢(モニカのパパくらいの年齢)なので、リタイアも視野に入れているということでしょう。
フレンチトーストは「牛乳と卵を混ぜて、その中にパンを浸してフライパンで焼いたトースト」のことですが、フランスの食べ物、というとやはり誰でもその辺りが思い浮かぶんでしょうね。
一緒にフランスパン(French bread)を食べよう、でもいいですが、モニカは料理が得意なので、やはり何がしかの手間をかけて料理するものを出してきた、妥当な選択(?)だと思います。
Do you see a little bassinet in the corner? は、フランスに移住したと想像して、住んでいる部屋を思い浮かべると、その部屋の隅にある小さなバシネットがあなたには見える?、と尋ねているのですね。
あなたの想像している風景には、バシネットも入ってる?、部屋の隅にバシネットは置いてある?、という感じです。
bassinet は、「ほろ付き揺りかご、新生児用かご型ベッド」。
フランス語から来た言葉で、発音は「バサネット」と後ろのネットにアクセントがあります。
英語での説明は、Wikipedia 英語版: Bassinet で、
また、aBABY.com A-BABY SPECIALTY SHOP: Bassinet Bedding には、フリフリがたくさんついて、ファンシーで可愛らしい bassinet がたくさん載っています。
ちょっと脱線しますが、子供が生まれる前は、「あぁ、こんなお姫様みたいな可愛いベッドに寝かせてあげたいなぁ…」と思うんだけど、実際に子供を育て始めると、「こんなにフリフリで飾り立てたら、汚れた時に洗うのが大変やろ!」と、現実的なことを考えてしまうのが母の常…。
ベビー用品は洗濯機でガンガン洗っても傷まないような丈夫なものじゃないとねぇ(笑)。
我が家は、こんな可愛らしいバシネットではなくて、もっと機能的な「Aprica のハイローベッド&チェア」を使っておりました。
リクライニングが出来てベッドにも椅子にもなる、食事用のテーブルも付けられて、高さも調節できて、赤ちゃんが眠たい時にはゆらゆらとスウィングさせることもできる…というものです。
なお、日本でも「バシネット」という名前が浸透してきているようですね。
特に飛行機の国際線のサービスに関するサイトでこの名前をよく見かけます。
JAL 公式サイト: 国際線 赤ちゃん、お子様向けサービス には、機内提供品として、ベビーバシネット(赤ちゃん用ベッド)の説明とその写真が載っています。
basset は basset hound 「バセットハウンド、バセット犬(胴長短脚の猟犬)」のこと。
basset は、これまたフランス語で、short-legged (hound)という意味です。
こんなワンちゃんです↓
Wikipedia 英語版: Basset Hound
二つの単語を調べた後、だから「フランスへ行く」という話が出てきたんだ!と気付きました。(気付くの遅いって!)
bassinet も basset もちゃんと英語の辞書に載っていますから、もうすっかり英語として定着しているのでしょうが、どちらも語源はフランス語なので、フランスに住んでいるという設定ならその単語を使うのが自然だから、ということなのでしょう。
よく似た単語を出してリチャードが勘違いするという流れに持っていくために、bassinet と basset のダジャレを考えた脚本家のセンスは素晴らしいですね。
赤ちゃんがいることなど想像もしていないリチャードにとっては、部屋にある(いる)もの、というとペットを思いつくのはとても自然ですから。
ちなみにこういうダジャレは日本語に訳しにくいですが、DVDの日本語訳は、ベッドをペットと聞き間違える、ということになっていました。
実際にリチャードも、バシネット(ベッド)を犬(ペット)と聞き間違えたわけですから、非常に上手く日本語に置き換わっていますよね。
(Rach からのお願い)
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2007年01月16日
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