2007年01月18日

フレンズ2-24その12

ジョーイの部屋にレイチェルがブライズメイド(メイド・オブ・オナー)のドレスで入ってきます。
ドレスと同じ色のでっかい帽子を着ています。
レイチェル: Hey! (はーい!)
チャンドラー: I'm sorry we, we don't have your sheep. (ごめんよ、ここには君の羊はいないよ。)

何故、sheep なのか?
実はネットスクリプトのト書きにヒントがありました。
ト書きはこうなっています。
[Rachel, in her bridesmaid dress, complete with hat, which makes her look like Little Bo Peep, and Ross enter]
つまり、「レイチェルはブライズメイドのドレスで、帽子までちゃんとかぶって正装している。その装いはレイチェルを Little Bo Peep のように見せている。そしてロスが入ってくる。」

Little Bo Peep とはこの人↓
Wikipedia 英語版: Little Bo Peep
でっかい帽子にフリフリの服を着たリトル・ボーピープの絵も載っています。
上のウィキペディアの説明を訳すと、「Little Bo Peep は、nursery rhyme (童謡・わらべ歌)にその名が付いているキャラクターである。Bo Peep は羊飼いの女の子で、羊を見失って[羊が逃げて?]しまい、それを取り戻すためのアドバイスを受ける。」

その rhyme も載っていて、最初の部分は、

Little Bo Peep has lost her sheep
And can't tell where to find them.

リトル・ボーピープは羊を見失った[リトル・ボーピープの羊が迷子になった]
そしてどこで見つけることができるのかもわからない[どこにいるのかもわからない]

アマゾンで以下の本を見つけました。
Amazon.co.jp: Picture Me As Little Bo Peep and Other Nursery Rhymes (Picture Me) (ボードブック)
上の picture は「想像する、心(頭)に描く」という意味ですから、このボードブック(boardbook =ページが丈夫な厚紙[ボール紙]でできている本)のタイトルは、「私がリトル・ボーピープになった姿を想像してみて」ということですね。
Book Description にも「子供の写真を本に挿入すれば、古典的な童謡が蘇る。」と書いてあり、リトル・ボーピープの顔の部分がくりぬかれていて、そこに顔写真を挟むと、あなたもリトル・ボーピープになれるわ!という本なのですね。
よく観光地にありますよねぇ…顔がくりぬかれた人型の立て看板で、そこから顔を出すと忍者になれたり、武士になれたりする…という。
あれと同じ原理ですね。着替えるよりは遥かにラクですし(笑)。
この本のボーピープもかなりでっかい帽子を被っています。

Amazon.co.jp: Little Bo-Peep (A Peep-Through Nursery Rhyme) (ボードブック) は絵本のようですが、その表紙の女の子の絵が可愛いです。
帽子はそんなにでっかくないけど、服の色がレイチェルのドレスと同じような色ですね。

ウィキペディアに書いてあるのですが、映画「トイ・ストーリー」にボー・ピープというキャラクターが出てくるんですね。
こちらはもっと妙齢の女性(笑)の姿をしているのですが、服装はピンクで、帽子も被っています。
Disney.co.jp: トイ・ストーリー
このトップページから「キャラクター図鑑」→「ボー・ピープ」と進むと、ボー・ピープちゃんの姿が見られます。

最初に引用したウィキペディアでの説明、「リトル・ボーピープは、童謡[わらべ歌]にその名が付いているキャラクターである。」という文章の原文は、Little Bo Peep is an eponymous character from a nursery rhyme. と表現されているのですが、ついでにこの eponymous という形容詞にも注目しておきましょう。
eponymous は「名祖(なおや)の、名祖となった」。
名詞形の eponym は「名祖、土地や建物などの名の起こりとなった人名、言葉のルーツとなった人名」のこと。
英辞郎には、eponym の例として、
上着のカーディガン(cardigan)はカーティガン伯爵という人の名前からついた
と書いてありますし、
研究社 新英和中辞典には、
Romulus(ロムルス、古代ローマの伝説上の人物)が、Rome(ローマ)の名前の由来である
と書いてあり、eponymous の例文として、
Romulus was the eponymous founder of Rome. 「ロムルスは名祖となったローマの建設者であった。」
とあります。
ロングマン現代英英辞典によると、
eponymous: the eponymous character in a book, film, or play is the character whose name is in its title
例) Hester, the book's eponymous heroine

つまり、「本、映画、演劇の "eponymous キャラクター" というのは、その名前がその作品のタイトルに入っているキャラクターのことである。」
例文は「ヘスター、その本のタイトルに名前があるヒロイン」

ちょっと、脱線しますが、R.E.M. というアメリカのバンドがいますよね。
今年(2007年)「ロックの殿堂(the Rock and Roll Hall of Fame)」入りを果たす5組の中に選ばれたと、最近、ニュースになっていましたが、彼らの最初のベストアルバムのタイトルが、Eponymous です。
私の iPod には、R.E.M. の曲も入っていて、そのベストアルバムにも収録されている、It's the End of the World As We Know It (And I Feel Fine) と The One I Love をよく台所で聞いてます。
…あ、別にこの話がしたくて、eponymous という単語を説明したわけじゃないんですが。

…てことで長くなったのですが、レイチェルのその格好(特にでっかい帽子)を見ると、誰もが羊を探しているリトル・ボーピープを思い出すので、「僕らのところには君の羊はいないよ。」と返事している、というわけですね。


チャンドラーはそうやってからかうのですが、ジョーイはレイチェルを褒めます。
ジョーイ: Aww, Rach, I think you look cute. (あぁ、レイチェル。俺はキュートだと思うよ。)
と言ってレイチェルのほっぺにキスをして、ロスを見ながら
ジョーイ: And you, uh, you, you. I could eat you with a spoon. (それから、ロス。スプーンで君を食べちゃいたいくらいだ。)
と言ってロスにキスしようとします。
ロス: Get away from me. I said no.(僕から離れろ。(キスは)いやだ、って言ったろ?)
モニカ: Richard buzzed. He's waiting downstairs. (リチャードがブザーを鳴らしたわ。彼は下で待ってるわよ。)
ジョーイ: Oh, Richard's here? I should run down say bye to him. (あぁ、リチャードが来たの? 降りていって彼に挨拶しなくちゃな。)

普段なら、絶対にチャンドラーと一緒にそのレイチェルの格好をからかうジョーイですが、今はキスのターゲット探しに夢中なので、レイチェルを褒めておいて、その後、ロスに迫ろうとします。
リチャードが来ていると言うと、慌てて彼に会いに行くジョーイ。
次のターゲットはリチャードかぁ…もう誰でもいいんですね(笑)。
リチャードには大人の男性の魅力、というのはありますが、でもジョーイとキスしているところは想像したくないですよねぇ。

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posted by Rach at 15:32| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
Little Bo Peep は、マザーグースですよね。
マザーグースネタって、結構、英語圏では出てきますよね。
知ってると、少し優越感に浸れます。
(Little Bo Peep は、私の好きな「トイストーリー1」にも出てきま〜す。)
Posted by けんとん at 2007年01月18日 21:21
けんとんさんへ
こちらこそご無沙汰しております。コメントありがとうございます!

Little Bo Peep はマザーグースのようですね。マザーグースを集めたCDなどに歌が入っていたりするようです。(聞いたことないのですが)
英語圏では子供がみんな知っている当たり前の知識なので、私たちも英語を学ぶ際に知っていると役立ちますよね。

貴ブログでも、トイストーリーなどのCD付き絵本を紹介されていますね。ディズニーアニメはあまり知らなくて、ファインディング・ニモのDVDは持っているのですが、トイ・ストーリーは見たことないんですよ。機会があったら是非見てみたいと思います。
Bo Peep 嬢、可愛いですよね(笑)。
Posted by Rach at 2007年01月19日 10:59
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