フィービー: So how's your date with your cyber-chick going. Ooh, hey, what is all that? (それでサイバー・ガールとのデートはどうなったの? [パソコンの画面を見て]あ、ねぇ、それは何?)
チャンドラー: Oh, it's a web site. It's the, uh, the Guggenheim Museum. See, she likes art, and I like funny words. (あぁ、それはウェブサイトだよ。グッゲンハイム美術館のサイトなんだ。ほら、彼女は芸術(アート)が好きでさ、それで、俺は面白い言葉(ワーズ)が好きなんだ。)
フィービー: What does she mean by "H.H."? ("H.H." ってどういう意味なの?)
チャンドラー: It means we're holding hands. (それは、俺たちは手を握り合ってる、って意味なんだ。)
フィービー: Are you the cutest? (あなたって、超かわいいのね。)
チャンドラー: I'm afraid I might just be. (残念ながらそうらしいね。)
フィービー: You know, I think it's so great that you're totally into this person and yet for all you know, she could be like 90 years old, or have two heads, or... It could be a guy. (あなたがすっかりこの人にぞっこんなのは素敵なことだと思うわ。でも、ことによると、彼女は90歳かもしれないし、頭が二つあるかもしれないし、または…男かもしれないわよ。)
cyber はもうすっかり日本語になっていますが、「サイバーの、コンピュータ・ネットワークの」という意味ですね。
もともとは、cybernetic 「人工頭脳学の」、cybernetics 「サイバネティックス、人工頭脳学」から来た言葉のようです。
SFに出てくるサイボーグ(cyborg)は、cybernetic+organism 「人工頭脳有機体」を省略したものなんですね。
その cyber について、改めて英英辞典の語義を見てみることにします。
Merriam-Webster Online Dictionary によると、
combining form (連結形)の -cyber の語源は cybernetic
であり、その意味は、
-cyber: computer, computer network 例: cyberspace
と書いてあります。
また連結形ではなく、形容詞の cyber の語義には、
cyber: of, relating to, or involving computers or computer networks (as the Internet) 例: the cyber marketplace
つまり、「コンピュータやコンピュータ・ネットワーク(インターネットなど)と関係した[に関わる]」ということです。
chick は「若い女性、魅力的な女性」。
フレンズ1-15その3 にも出てきましたし、それ以外にもフレンズではよく「女の子」というニュアンスで登場します。
グッゲンハイム美術館についてはこちら↓
Guggeheim Museum
このサイトを見ると、グッゲンハイム美術館という名前の付くものは、ニューヨーク、ビルバオ、ヴェネツィア、ベルリン、ラスベガス、と世界各地にあるようです。
ニューヨークのものは、マンハッタンの Fifth Avenue にあるんですね。
Solomon R. Guggenheim という人のコレクションだったので、この名前がついているようです。
Wikipedia 英語版: Solomon R. Guggenheim Museum には、その NY のグッゲンハイム美術館のことが書いてあります。
世界各地のグッゲンハイム美術館については、
Wikipedia 英語版: Guggenheim Museum に書いてあります。
それを読むと、The Guggenheim UAE というのが United Arab Emirates (アラブ首長国連邦)に現在建設中で、2011年完成予定、ということのようです。
てっとり早くその美術館について知りたい方は日本語版をどうぞ。
Wikipedia 日本語版: グッゲンハイム美術館 を読むと、世界にその美術館があることの説明などが書いてあります。
最初にご紹介した、Guggeheim Museum で New York を選び、Collection Online で、The Collection の SEARCH ボックスにアーティストの名前を入れると、そのアーティストの作品を見ることができるようです。
私はピカソ(Picasso)で試してみましたが、いろいろな作品を見ることができますし、enlarge (拡大)して見ることもできます。
確かにアート好きの彼女なら、とても楽しめるサイトのようですね。
このフレンズ放映当時からこういうサイトがあったのかどうかは知りませんが、でもこの話の流れで言うと、その頃でもパソコンで作品がそれなりに見れたのではないかと思われます。
彼女が art が好き、それに対してチャンドラーは、自分は funny words が好き、と言っていますね。
アートとワーズは母音部分の「アー」の発音は異なりますが、同じような位置に r が入る単語ですよね。
韻を踏んでいるというほどのこともないのかもしれませんが、似た言葉を持ってきた、ということかな、と。
チャンドラーがアート関係のサイトを見ていて、チャンドラーもそれが好きで見ているのかと思いきや、彼は art じゃなくて、funny words 「面白い言葉、すなわちジョークやギャグ」が好きだ、と説明しているのが、このセリフのおかしさなのでしょう。
一晩中パソコン上で話をしているくらいですから、趣味が似ているのかと思いきや、実は趣味が全然違う、という面白さでしょうかね?
確かにチャンドラーはアートに興味のありそうなタイプではないのですが、でも彼女が好きだというからどんなのかちょっと試しにそのサイトを覗いてみた、ということでしょう。
興味がないのに覗いてみた、というところに、チャンドラーが彼女にすっかり惚れ込んでいる様子が伺えますね。
わからないなりにも何か掴んでみようとしている、というか、俺にはよくわかんねーけど、あの子はこーゆーのが好きなんだなぁ…と彼女に思いを馳せてみる…というか。
そういう気持ち、わかります。
What does she mean by "H.H."? は What does "H.H." mean? とほぼ同じですね。
ここでは「彼女が使っているその言葉の意味は何? 彼女はその言葉をどういう意味で使っているの?」という感じでしょうか。
hold hands は「手をつなぐ、手を握り合う」。
この二人のやり取りがどういう感じで繰り広げられているかわからないのですが(私はチャットとかもしたことないので)、例えば "You're so SWEET! (H.H.)" 「あなたって優しいのね。(むぎゅっ!)」みたいな感じなのかなぁ…と。
holding hands というのが可愛いですよねぇ。
まぁ、まだ相手のことをよく知らないというのもあるのでしょうが、言葉上だけのものだから、だんだんエスカレートして、もっと過激な行動を書いてしまう危険もあるのですが(笑)、手をつなぐところで止まっている、もしくは手をつなぐだけでお互い恥ずかしくて照れてしまう…というところが、フィービーも cutest だと思ったのでしょうね。
軽率なことを言って相手を傷つけたくない、相手のことをお互い大切にしたい、と思っている証なのかもしれません。
yet for all you know の yet は接続詞で、「けれども、それにもかかわらず、しかしそれでも」という意味。
for all you know は、「ことによると、(よくは知らないが)多分、おそらく」という意味。
直訳すると、「あなたが知っている全てのことを考えると」というようなニュアンスになるのでしょうか?
you の部分は他の人称代名詞に変えて使うこともできます。
すっかり相手に夢中のチャンドラーにフィービーの手厳しい一言ですが、フィービーの言うことにも一理あります。
のぼせてしまっているようなので、少しは冷静にならないとね、ということもあるのでしょうね。
(Rach からのお願い)
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はじめまして。コメントありがとうございます。
マイブログについてお褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。フレンズ、面白いですよね。
相互リンクのご依頼に関してなのですが、当ブログは、相互リンクは行っておりません。
誠に申し訳ありませんが、何卒ご理解の程、よろしくお願いいたします。
そうですね、確かに、ボーピープちゃんは 3-2のセリフに出てきますね。教えていただいたピンクの胃薬(Pepto-Bismol)を飲むシーンがシーズン5にある、というのは、何故か記憶にありません(笑)。
a piece of cake (お茶の子さいさい)については、フレンズ2-22その5
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470608.html
で触れましたね。
as easy as falling off a log については初耳です。これも a piece of cake と同じような意味なんですね。
英辞郎を見てみると、a log 以外に、a bicycle, a bike, a boat なども載っていて、それぞれ
「(丸太から、自転車から、ボートから落ちるのと同じくらいに)とても[全く・極めて]簡単な[容易な・たやすい]」
という語義になっていました。
自転車やボートから落ちる光景はよく見かけますが、「丸太から落ちる」というのはあまり見る機会がないですねぇ…。
log と dog が似ているので、"the baby would keep falling off the dog" と聞くと、fall off a log を思い出された、ということですね。意味上は確かに関係ないみたいですが、fall off a log じゃなくて、the dog かよ!という、響きのイメージから来るちょっとしたジョークなのかもしれません。
英語の絵文字は日本語よりは少ないみたいですね。私は顔文字などもほとんど使いませんが(というより、上手く使えなくて…笑)、英語の顔文字は、:-) みたいに、顔が横倒し(頭が左)になってますよね。
英語は確かに略記が多いです。ASAP=as soon as possible は有名ですが、TLC というのは?
英辞郎によると、Tender Loving Care 「優しく思いやりのある世話、優しい扱い」のことなんですね。
D.O.A. は、dead on arrival 「(病院)到着時にすでに死亡」という意味でしたね。ザ・レンブランツの歌うオープニング・テーマ "I'll Be There For You" の歌詞に "Your job's a joke, you're broke, your love life's DOA" として出てきますよね。フレンズを見始めた当時にその意味は調べました(笑)。
TGIF も知りませんでした。英辞郎によると、
TGIF=(略)Thank God, it's Friday! やれやれやっと金曜日だ!/さーて週末は遊ぶぞ!/花金だ!(週末を迎える解放感を表したもので間投詞のように用いる)
なんですね。(確かにコメントをいただいた昨日は、まさに花金でしたね…lol)
lol は私もよく使います。この表現を知ったのは結構最近で、多分1年前は知らなかったような気がします。たまたま本屋さんで立ち読みしていた「英語でしゃべらナイト」の本に、メールの面白い表現が載っていて、そこに、(LOL)=(笑)、と書いてあったんですよ。
その本では確か大文字で書いてあったはずで、それ以来、私は英文コメントなどで(LOL)を多用していたのですが(日本語でも(笑)を多用する傾向にあるので…笑)、実際の使用例を見ると、lol と小文字で書く人の方が多いように思いますね。小文字の方が、手を上げて笑っている、とか、口を開けて笑っているように見えて可愛いですし。私も最近は、小文字をよく使うようになりました。
あと、よく使うのは、FYI = for your information, BTW = by the way くらいでしょうか。CUL8R が See you later. だと聞いて面白いな、と思った記憶があります。
アートは門外漢のChandlerから見ると、訳の分からない字(words)のようにしか見えなくて、funny wordsと言っただと思います。
「ある絵を見てって、あまり抽象すぎで、どこの外国の文字らしいかな」と思うことが確かにあるかもしれません。
アートはそれを理解しない人から見ると、訳の分からない字に見えてしまう、というのはわかります。ただ、造形としての文字の話なら、letter や character という単語を使うような気もします。
funny words というとやはりジョークなどの笑えるような言葉を指すように思うので、アートと関係の深いものを好きなものとして挙げるのかと思いきや、韻は踏んでるけれど全然カテゴリーの違うもの(funny words)を挙げた、というのが、このセリフのオチになるように私は思います。