2007年01月20日

フレンズ2-24その14

ジョーイが戻ってきました。リチャードにキスしようとしてモニカに蹴られたそうです。
ジョーイ: Man, I got this close to him, and Monica kneed me in the back. What's going on? (もう、リチャードにこれくらいまで近づいたのに、モニカが俺の背中を膝蹴りしたんだ。何やってんの?[どうしたの?])
フィービー: We're just wondering if Chandler's girlfriend is a girl. (チャンドラーの彼女って女の子なのかどうか、を今考えていたところなの。)
ジョーイ: Oh, well. Just ask her how long she's gonna live. Women live longer than men. (あぁ、じゃあ、ただこう尋ねればいいんだよ。その人はどのくらい生きるか、って。女は男よりも長生きだから。)
チャンドラー: How do you not fall down more? (どうしてお前はもっとたくさん転ばないんだよ。)
フィービー: Okay, ask her what is her current method of birth control. (わかった。彼女が今使ってる避妊方法は何かを尋ねてみたら?)
チャンドラー: All right. "My husband is sleeping with his secretary." She's married? (わかった。[質問すると、相手から答えが返ってくる。] 「私の夫は秘書と浮気をしています。」 彼女、結婚してるのか?)
フィービー: Well, at least we know she's a woman. (そう、少なくとも彼女が女性だ、ってことはわかるわね。)

wonder は「…かな?と思う」という意味ですよね。wonder if なら「…かどうか、と思う」。
この意味では、I'm wondering if... 「…かどうかを考えている」という表現がよく出てきますよね。
フレンズ1-9その1 では、"I was wondering, would it be possible, if I got a $100 advance on my salary?" (お給料を100ドル前倒しで、もらえたりするかなー、って思ったりしてるんだけど。)というレイチェルのセリフがありました。
遠回しにお願い事をする表現ですね。

ジョーイのアドバイスはなんともトンチンカンです。
確かに女性の平均寿命は男性よりも長いですから、仮に相手が100歳だとしたら、その相手が女性である可能性は高いのかもしれません(笑)。
しかし、どのくらい生きるか、つまり何歳まで生きられるか、ということは本人にわかるはずもありませんので、その質問は全く無意味なんですよね。

次の "How do you not fall down more?" はどう訳せばいいのか迷いました。
解説が長くなりますが、ご了承下さい。
how は「どんなふうに、どんな具合に、どのように」ですが、ここでは why のような意味で使っているようです。
why の場合は理由を尋ねているのですが、how の場合だと、「どういう経緯で、どういう顛末(てんまつ)で、そういうことになったのか?」と質問するニュアンスが感じられる気がします。

研究社 新英和中辞典の how の語義に以下のものがありました。
例文もちょっと多めに引用します。
how=[理由を尋ねて、しばしば can [could] を伴って] どうして(まあ)、なぜ
(例文)
How can you live alone? どうして一人で暮らすことができるのですか。
How can you say such a rude thing? よくもあなたはそんな失礼なことが言えたもんだね。
How is it that you didn't come? 君が来なかったのはなぜですか。
How is [comes] it (that) you are here? 君がここにいるのはどういうわけだ。
"Where is Tom?" - "How should I know?" 「トムはどこにいるの?」「そんなこと知るか(ぼくには関係ない)」

また、フレンズによく出てくる How come...? 「なぜ、どうして…なんですか?」という形は、How did it come that...? の短縮形だ、とも書いてありました。

こういう how の使い方を念頭において、それに似たフレーズを過去記事で探してみました。

フレンズ2-3その4
チャンドラー: How do you know that? How? (どうしてそんなことがわかるんだ? どうして?)
フレンズ2-14その5
ロス: Now, how do you know that? (どうしてそんなことがわかるんだよ?)
フレンズ2-16その17
レイチェル: How could you do this to me? This was your idea! (私に対して、どうしてそんなことが出来るの? これはあなたのアイデアだったのに!)

辞書の例文に出てきた How should I know? というフレーズは、フレンズ1-1 にも出てきましたよね。
ジョーイ: And you never knew she was a lesbian... (それでロスはキャロルがレズビアンだって知らなかったんだ…)
ロス: No!! Okay?! Why does everyone keep fixating on that? She didn't know, how should I know? (知らなかったよ! いいか? どうしてみんなそのことにこだわるんだよ? 彼女も自分がレズビアンだってことに気付いてなかったんだ。どうして僕にわかるんだよ。)

今回のセリフは、How do you know that? の how とニュアンスが似ているようですね。

fall down は「落ちる、ひっくり返る、転ぶ」です。
これはジョーイがモニカに蹴られた、と言っていることから、蹴られて転ぶ(ひっくり返る)ことを指しているように思うのですが…。
"How do you not fall down more?" は「どうしてお前はもっとたくさん転ばないんだよ。」ということで、そんなトンチンカンなことを言うやつは、もっと転んで頭でも打って、その頭の回路に刺激でも与えたらどうなんだ?というようなことなのでしょうか?
DVDの日本語は「膝蹴りが足りないみたいだな。」となっていました。
状況は、ジョーイが寿命の話を持ち出したので、チャンドラーとフィービーは顔を見合わせて「ジョーイは何ばかなことを言っているんだよ?」みたいな顔をしていました。
その後のチャンドラーのセリフなんですよね。
で、ジョーイは怪訝な顔をして、ドアを振り返っているのですが、それは今来た場所、リチャードにキスしようとして蹴られたことを思い出している、という様子で、「さっき、もっと転んでおけば良かった、って言うのかよ?」みたいな感じでした。

でも、「現在形」であるところに何かひっかかりを感じるのですが。
現在形というのは「現在の習慣を表す」んでしたよね?
モニカに蹴られた時の話なら、"How (または Why) didn't you fall down more over there?" 「何であそこでもっと転んでこなかったんだ?」の方がいいかな?とか。

もしくは、fall down は、もっと別の意味なのかなぁ?
fall down には「(計画・主張などが)くずれる、失敗に終わる」という意味もありますね。
失敗する、という意味だと「どうしてお前はもっと失敗しないんだ。」ということで、「どうしてそんなトンチンカンな意見を、そうも自信ありげに語ってるんだ?」みたいなニュアンスなのかなぁ…とも思うのですが、正直、よくわかりません。

birth control は「出産をコントロールする」ということですから、「産児制限、妊娠調節、避妊」ということですね。
その方法を聞くと、相手が男か女かわかるのでしょうか?
避妊にはいろんな方法がありますが、男性か女性どちらの側が使うものか、で判断する、ということでしょうか?
pill (経口避妊薬、ピル)を使っている、というのならまぁ女性かな、という想像はつくのですが…。
妙な話ですが、日本では圧倒的にコンドームが多いですよね。
アメリカではいろいろな方法が使われるようです。
フレンズでよく出てくるのはやはりコンドームで、コンドームがらみの話が多いのですが、フレンズ2-17その10 では、diaphragm 「ペッサリー(pessary)」という単語が出てきました。
アリー my Love では「避妊ゼリー」というのも出てきましたし。

質問の答えを見て驚くチャンドラー。
相手は、自分の夫は秘書に夢中だから、私とはエッチはしていない、だから避妊をする必要もない、という意味でその返事をしたのでしょうね。
その後のフィービーのセリフは、この緊急事態にそう来るか?!という感じで笑えます。
ただ、もっと大ボケの時のフィービーなら、「相手が女性だとわかって良かったわねぇ! 私の作戦うまくいったじゃん!」と無邪気に喜ぶという可能性もありますが、さすがにそこまではボケていなかったようで、しゃべっているテンションは低いです。
きまずい状況になったから、ちょっとギャグで逃げてみた…という程度ですね。

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posted by Rach at 07:47| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
and Monica kneed me in the back.
in the back は 私の背中ではなく、(私の)後ろにいって-->私の後ろからかなと思います。

私の背中なら、
and Monica kneed my back.または
and Monica kneed me the backになるかなと思います。

またMonicaのkneeがJoeyの背中までは届かないのかなとも思います。
(Jumpして、kneeならね。)
Posted by Fen at 2009年07月03日 16:58
Fenさんへ
knee は「〜を膝(ひざ)で蹴る、〜に膝蹴りを食らわせる」ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
knee [verb] [transitive]: to hit someone with your knee
例) I kneed him in the groin.
つまり「自分のひざで誰かを打つこと」。
例文は、「私は彼の股間[急所]をひざで蹴った、急所に膝蹴りを食らわせた。」

ちょうど、上の LAAD の例文にあるように、「人の体の部位をたたく」などの場合、英語では、「動詞+someone+in/on the 部位」という形を取りますね。
キスする対象は人間か部位か フレンズ3-16その22
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471343.html
でもそういう英語の形について説明しました。

その流れで行くと、Monica kneed me in the back. はやはり「モニカが俺の背中を膝蹴りした」ということになると思います。
または、back は通常「背中」を指しますが、正面(front)に対する「背面、後ろ」という意味の back であるならば、いわゆる「背中」のエリアよりも下の部分も含まれるかもしれません。

back の定義を英英辞典で見てみると、
LAAD では、
back [noun]:
1. BODY [countable] BIOLOGY
a) the side of a person's or animal's body that is opposite the chest and goes from the neck to the top of the legs
2. BACK SIDE [countable usually singular]
the side of something that faces the opposite direction from its front or from the direction it moves in

1. が生物学上の部位の説明で、「胸の反対側で、首から脚の上まで」、つまり「背中」。
2. は「前面の反対側、または進行方向の反対側に面する側」、つまり「背面」。

いわゆる生物学上の「背中」という部位ではなく、「後ろ側」という意味の「背面」だと捉えると、「モニカが俺の後ろを膝蹴りした」ということになるでしょうか。
女性であるモニカが、ジョーイの背中を飛び蹴りしたとは確かに考えにくいですが、ジョーイはモニカが軽く後ろから蹴ってきたことを、「背中を飛び蹴りしてきた」と大袈裟に表現しているのかもしれません。

結局、モニカがジョーイの後ろに回って、背後から膝蹴りした、リチャードにキスしようと近づいたら、後ろからモニカに蹴られて断念した、というのはその通りなのですが、厳密に言うと、kneed me in the back で、「俺の back (体の部位)を膝蹴りした」という意味になるはずだ、ということです。

日本語では「背中を蹴った」と「背中」が目的語になりますが、英語の表現では、kneed my back や kneed me the back などとは言わずに、kneed me in the back と表現する、人が目的語に来て、その後、部位を示す言葉が続く、ということですね。
Posted by Rach at 2009年07月06日 10:48
Rachさん

なるほどね。大変勉強になりました。
ありがとうございます。
Posted by Fen at 2009年07月06日 11:07
Fenさんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年07月07日 10:19
"How do you not fall down more?" の件ですが、僕も納得がいかないので調べてみたところ、Yahoo! Answers にちょうどそのセリフについての質問とネイティブの回答が投稿されていました。
http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20090306142027AAdnS0h
あと二年ちょっと早く投稿されていたら、Rachさんの検索網に引っかかっていたことと思いますが…(笑)。

ただ、回答を読んだだけでは100%スッキリとはいかないのが正直なところです。
「バカ =よく転ぶ」という構図が、我々が想像する以上にネイティブの中で出来上がっているのかも知れませんが、このセリフの favorite quotes への引用率などを考えると、もう少し含みのある言葉のような気もします。
おそらく fall down の部分に「転ぶ」という文字通りの意味の他に、gullible・naive な意味での「失敗し易さ・だまされ易さ」の意味をこめているように思えます。
Posted by ネムネム at 2009年10月10日 00:16
ネムネムさんへ
興味深いサイトのご紹介ありがとうございます。それぞれ説明は短いですが、何となくわかる気がしますね。
ジョーイのことを stupid だと思っていることを皮肉っぽく言っている表現で、ネムネムさんがおっしゃるように「バカ =よく転ぶ」という構図が存在するようです。

日本語訳は「お前は(普段)どうしてもっとたくさん転ばないんだよ」みたいな感じになるでしょうか。「相手が男か女かは、相手の寿命を聞けばわかる」などとあまりにもおバカなことを言うので、「お前がそこまでバカだとは思わなかった。それほどのバカなら、普段もっとしょっちゅう転んでるだろうのに、バカの割にはあんまり転んでないじゃないか、転ばないで済んでるじゃないか」みたいな感じなのでしょう。
そこまでマヌケな発言をするお前なら、もっとたくさん転んでいるはずだ、そこまでおバカなら、もっと転んでてもいいところなのに、意外と転んでないな、みたいなことでしょうね。

「バカ=よく転ぶ」→でもジョーイはおバカなのにあまり転んでない→どうしてもっと転ばないんだ?(不思議だよな)という流れでしょうか。

日本でも「転ぶ、こける=ドジ、まぬけ」「転んでばかり=どんくさい」というイメージはありますが、相手をおバカだという代わりに、「(それだけおバカなら)どうしてもっと転ばないんだ?」みたいな言い回しはしませんよね。そこが日本人にはちょっとわかりにくい部分ですよね。

参考になるご意見、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年10月10日 07:45
はじめまして、こんばんは。
半年くらい前にこのブログを発見しまして、愛読しています。
私もアメリカ留学時代にフレンズで英語を身につけました。
セリフ全部覚えてしまうくらい好きですが、完全に感覚で覚えてしまっています。
Rachさんまでいくと、英語のプロですね!最早!
これからも参考にさせてください。

久しぶりにこのエピソードを観て、Rachさんの解説を参考にさせていただきました。
ものすごく昔の記事にすみません…
"How do you not fall down more?"
は、前質問者さんがおっしゃっているニュアンスで合っていると思います。
(私もアメリカにいた当時ネイティブに聞きました・笑)
「お前そんなにバカなのに、もっと頻繁に転ばずによく生きていけてるな」ということみたいです。
"How do you 〜"と現在形ですから。
↑ここが現在形かどうかが、かなりポイントになると思います。

Rachさんが引用されている、"How could you do this to me?"のようにcanの過去形が使われる場合、「一体どうして!?」というニュアンスが加わります。
実は今通訳学校へ通っているのですが、このcouldやwouldの使い方が今日のクラスで話題になりました。
先生が、"Why would they do that?"と質問した時、クラスメイトの皆さんがconfusedしたのです。
現在の話なのに、過去形を使っているものだから、皆さん「??」状態で、私も私で説明するのが難しかったです。
クラスメイトの皆さんは、私よりもはるかにボキャブラリーも豊富で文法もしっかり頭に入っているのですが、
「こういうネイティブのニュアンスがどうしてもわからなくて」とおっしゃっていました。
逆にシットコムや英語でニュアンスから英語を学んでいる私の、唯一の見せ所でした(笑)
ドラマで英語を学ぶと、ネイティブ独特の言い回しを理解できるのが楽しいですよね^^

はじめましてなのに長々とすみませんでした。
これからも愛読させていただきます!
Posted by friendsfreak at 2010年01月21日 01:38
friendsfreakさんへ
はじめまして。「愛読」して下さっているとのこと、ありがとうございます。
「英語のプロ」だなんてとんでもないです。でもそのお褒めのお言葉を励みに、これからも頑張りたいと思います。

ところで、fall down の件はやはり、「お前そんなにバカなのに、もっと頻繁に転ばずによく生きていけてるな」ということで、やはり「現在形」がポイントだ、ということなのですね。

通訳学校へ通われているとのこと、そこでもやはり、could や would の感覚を掴むのは難しいとされているのですね。
「ネイティブのニュアンス」というのは、なかなか参考書を読むだけでは掴めませんよね。私もシットコムなどのドラマで実際に使われている現場に何度も遭遇することでわかってきたニュアンスというのが多々あります。そのニュアンスの裏を取ろうと思って、参考書や辞典をひっくり返しても、それについての説明がなくてもやもやすることもあります。やはり、実際の生きた会話から学ぶのは効果がある、ということですよね。

どうかこれからもよろしくお願いいたします!
Posted by Rach at 2010年01月28日 14:51
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