2007年01月29日

フレンズ2-24その23+コメディアンとドラムの話

バリーの結婚式会場にて。
リチャードと話しているモニカ。
モニカ: You know what, maybe I don't need to have children. You know maybe I just think I do because that's what society... and by that, I mean my mom... has always convinced me that I... (ねぇ、多分私は子供を産む必要なんてないのよ。多分、子供を持つべきだと考えてるのは、社会が…つまり、私のママが…これまでずっと私に(子供と持つべきだと)言い聞かせてきたから…)
小さい女の子が二人でダンスを踊っているのを見て、
モニカ: I do. I have to have children. I'm sorry, I just do. (私、子供が欲しい。子供を産まないといけないの。ごめんなさい、ただそうしたいのよ。)

モニカは maybe と何度も言いながら、何とか自分を納得させる理由を見つけ出そうとしています。
社会が、つまり世間が、世間体で…と言ったのがちょっと大袈裟だと思って、ママが、と言い換えています。
convince someone that は「人に that 以下のことを確信させる、納得させる」。
ここでは that 以下は省略されていますが、that I (need to) have children ということなので、「子供を持つことを納得させる、子供を持つのが当然だと思わせる、子供を持つように言い聞かせる」という感じになります。
I do. I just do. という単純な表現に、モニカがそれを「否定できない」気持ちが表れているような気がします。


食事中に、best man が挨拶します。
「結婚式での花婿付き添いの男性」のことを groomsman と言い、その複数いる groomsmen の中で主要な人を best man と言います。
フレンズ2-24その6 ではそういう結婚式の付き添い役について解説しています。
こういう席では、自分がこれから話をするので皆の注意を引く、という時に、このようにグラスをスプーンでチンチンチン(カンカンカン?)と鳴らすシーンをよく見かけます。
日本人ならどうするでしょうね?
「はーい、ちょっとみんな聞いてよねー!」と誰かが手をたたきますかねぇ?
グラスを鳴らす方がおしゃれですよね、やっぱり。
花婿付き添い人(ベストマン): Yo! Could I have your attention, please? Best man making a toast here. Thank you. I remember when Barry got home from his first date with Rachel. (やぁ! どうかこちらに注目してもらえますか? ベストマンがここで乾杯の挨拶をします。ありがとう。僕は覚えています、バリーがレイチェルとの初めてのデートから帰ってきた時のことを…)
みんな: What?! (何だって?)
ベストマン: What? You hired the same band. I can't use the same speech? (何? バリーは(レイチェルの結婚式の時と)同じバンド[楽団]を雇ったんだ。僕は同じスピーチを使っちゃいけない、っての?)
♪ドドンドン、チャーン!♪というドラムの音が入る。
ベストマン: Thank you, thank you very much. ([ドラマーに]ありがとう。ご協力感謝するよ。)

toast は「乾杯、祝杯、乾杯のあいさつ」。
フレンズ1-9その5 でも、乾杯の意味の toast が出てきました。
バリーとミンディの結婚式なのにレイチェルの名前を出したので、みんなはびっくりするのですが、ベストマンはわざとその名前を出したのですね。
レイチェルに逃げ出された時と、会場も同じで(会場が同じことについては明日説明します)、出席者も(ほぼ)同じで、おまけに雇った楽団まで同じ、という、いい加減ぶり、というか、無神経ぶり、なので、僕も同じスピーチを使ってもいいだろ?、バリーにそのことを非難する資格なんかないだろ?、とでも言いたいようです。
この人はきっと前の結婚式でもベストマンだったはずなので、その時使えなかったスピーチを、今、ここで使い回ししている、ということですね。

「同じスピーチを…」の後、ドラマーが♪ドドンドン、チャーン!♪という音を鳴らしていますね。
これはネットスクリプトでは以下のように表現されています。
(gets a 'da-doom-chesh' from the drummer)
つまり、
「ドラマーから♪ダ、ドゥーン、チェッシュ♪の音をもらって」
みたいな感じなんですが、この音の部分は、ドラムの音をアルファベットで表現するとこんな感じ、というところですね。
chesh は最後のシンバルの音です(笑)。

よくアメリカのスタンダップ・コメディアン(a stand-up comedian)、つまりは漫談家、ピン芸人(←これは失礼かな…笑)がジョークを飛ばす時に、オチの部分でこういう音が挿入されますよね。
「ここは笑うところですよ。」と観客に教える効果があるのでしょうし、こういうのがある方が笑いやすいというのもありますね。
日本の漫才だと相手がツッコミを入れるところ、吉本新喜劇だとみんなが一斉にコケるところ、でしょうか。
フレンズのようなシットコムに入る観客の笑い声もそれに似たものかもしれません。

ここではタイミング良くドラムが入ったので、ベストマンはお礼を言っているのです。
元から打ち合わせをしていた、という可能性もありますね。
かなりブラックなジョークだった上、当人のレイチェルも花嫁の横に座っているので、もしかしたら会場が凍り付いてしまっていた可能性もあります。
その時、このドラムが入ることで「な〜んちゃって!」みたいなジョークなんだよ、と示すことで会場の雰囲気が和む、という効果もあるわけです。
あまりにもタイミングが良かったので、多分、打ち合わせしていて、予定通りうまく言った、だから「ありがとう」と言っている、という解釈が自然でしょうかね。

このシーンを見て思い出したことがあります。
フレンズ2-24その16+コパカバーナの話 で触れた、マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画、グッドフェローズ(原題: GoodFellas)に、こんなシーンがあります。

司会: Ladies and gentlemen... the Copacabana is proud to present the king of one-liners... Henry Youngman. (皆様、コパカバーナが自信を持ってお送りするジョークのキング…ヘンリー・ヤングマンの登場です。)
コメディアン: How are you all? I'm glad to be here. Take my wife, please. (皆様こんばんは。ここに登場できることを嬉しく思います。お願いだ、私の女房を引き取ってくれ。)
♪ここでドラム♪
コメディアン: I take my wife everywhere but she finds her way home. (あらゆるところへ女房を連れていくんだが、あいつは自分で帰り道を見つけるんだ。)
♪ここでドラム♪
コメディアン: I said, "Where do you wanna go for our anniversary?" She said, "Let's go somewhere I've never been." I said, "Try the kitchen." (私はこう言った。「記念日にはどこに行きたい?」 妻は言った。「私が行ったことのないどこかへ行きましょうよ。」 そこで私は行った。「台所はどうだ?」)
♪ここでドラム♪
コメディアン: Dr. Wellsler is here. Gave a guy 6 months to live. Couldn't pay his bill. Gave him 6 more months. (ウェルスラーという医者がいた。ある男に半年の命だと宣告した。その男は診察代を払えなかった。あと半年延ばして、一年の命だと宣告した。)
ここは何故かドラムなし。
コメディアン: I love this crowd. (今日のお客さんはノリがいい。)

何だか綾小路きみまろさんのネタみたいですが(笑)、私はこのジョークが忘れられなくて…。(この映画自体は大笑いするような映画ではないのですが…)
フレンズ2-24その16+コパカバーナの話 では、コパカバーナというナイトクラブの説明にこの映画を使いました。
そこで、「実際に、後のシーンで、店の名前がセリフの中にも出てくる。」と書いたのですが、一番最初の司会者のセリフに、コパカバーナというこのナイトクラブの名前がちゃんと出てきていますね。

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posted by Rach at 12:35| Comment(0) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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