ベストマンが、乾杯の挨拶でジョークを飛ばし、それに絶妙のドラムの音が入った後。
ベストマン: Thank you, thank you very much. Anyway, I wish you both a wonderful life together. And, Rachel. ([ドラマーに]ありがとう。ご協力感謝するよ。とにかく、君たち二人が、一緒に素晴らしい人生が過ごせますように。そして、レイチェル。)
レイチェル: What. (何よ。)
ベストマン: No, no, no, now in all seriousness. It's not a lot of women would have the guts to come back here tonight. And even fewer who would do it with their asses hanging out! (いやいや、まじめに言ってるんだよ。今夜ここに戻ってくる勇気のある女性はそんなにたくさんいるわけじゃない、ってことさ。さらには、お尻をさらけ出しながらそれができる女性はなおさら少ない[ほとんどいない]よ。)
ここでまたドラムの音♪
I wish の後に目的語を二つ取る形の、I wish someone ... は「「人のために(…を)祈る」という意味になります。
I wish you a happy New Year. 「新年おめでとう。」、We wished him good luck. 「彼の幸運を祈った。」などですね。
in all seriousness は「冗談ぬきに、真剣で、大まじめに、本気で」。
It's not a lot of women... は It's not that a lot of women... ということだと思います。
It's not that は、「(that 以下)ということじゃない[というわけじゃない]、だからと言って(that 以下)というわけではない、別に(that 以下)するのではない」という意味です。
Not that... という風にも使います。
Not that.. は、フレンズ1-16その5 に出てきました。
that 以下に挙げたことを、まとめて否定している形です。
上の語義に「だからと言って」と入っているものがあるように、直前に言った発言が誤解を招きそうな場合に、言い訳のように It's not that を付け足して、「私は今、…と言いましたが、それは that 以下という意味で言ったのではないのです。」という風に使うこともよくあります。
I'm not saying that... 「(that 以下だ)と言っているのではない。」と似たニュアンスでしょうか。
I'm not saying (that) は、フレンズ2-15その11 に出てきました。
come back here tonight は「今夜ここに戻ってくる」ですが、これは元婚約者(と自分の親友)の結婚式に出席するために、自分がその元婚約者と結婚式を挙げる予定だった同じ会場に再び戻ってくる、という意味ですね。
「同じ会場」と書きましたが、ちょっと前のシーンで、そのことがわかるセリフがありました。
そのセリフが出てきたのは、フレンズ2-24その15 で解説した辺り(リチャード&モニカの会話とウェディング・プランナーのセリフの間)なのですが、その時はそのセリフの解説を省略してしまいました。
ここでちょっと引用しておきます。
ブライズメイドと案内役が集まっているところ。
ロス: Are you all right? (大丈夫?)
レイチェル: Yeah, when I was in the bathroom I saw the window that I crawled out of at my wedding, and God, I just started thinking that I shouldn't be here, you know I shouldn't, people are going to be looking at me and judging me and, and thinking about the last time. (えぇ。トイレに行った時、私の結婚式で私が這い出た窓を見たのよ。そしたら、こんな風に考え始めちゃったの。私はここにいるべきじゃない、って。ねぇ、いるべきじゃないのよ。出席者の人たちは私を見て、私を批判して、この前のこと[私が逃げ出したこと]を考えることになるんだもの。)
ロス: Sweetie, it's gonna be okay, all right. It's a wedding, generally people focus on the bride. (ハニー。大丈夫だよ、大丈夫。これは結婚式だ。大体、出席者は花嫁に注目するものだよ。)
レイチェル: God I know, you're right. (あぁ、そうね。あなたの言う通りだわ。)
…とこんな風に励まされて臨んだ付き添い役だったのに、みんなにお尻を見せてしまって、超恥ずかしかった…というオチでしたね。
それにしても…レイチェルはトイレの窓から逃げ出したそうです。
フレンズ1-1 でそのウェディング姿が出てきましたが、よくあのドレスで窓から抜け出せたものだと感心します(笑)。
またバリーが、前回花嫁に逃げられたのと同じ会場を使っているのもすごいなぁ、と。
確かにレイチェルの言う通り、みんなそのことを思い出さずにはいられないはずですからねぇ。
フレンズ2-24その20 で、レイチェルの病気が原因であったかのようにみんなに説明していたことが発覚しましたが、バリーにしてみれば「俺のせいじゃないんだし。」と言いたいがために、わざと同じ会場を選んでいるのかもしれません。
まぁ、結婚式の会場なんてどこでもいいや、と適当に考えてるだけかもしれませんが…。
ミンディもそれに納得しているのがすごい(笑)。
with their asses hanging out は「そのお尻を hang out した状態で、hang out させながら」という意味。
フレンズでは、hang out は「(場所に)頻繁に訪れる、よく行く、よく出入りする、たむろする、入りびたる」、hang out with... で「(友人など)と共に時間を過ごす、と一緒にいる、群れる、付き合う」という意味でよく使われますよね。
フレンズ2-14その18 でも、hang out という表現について解説しています。
ですが、ここでのセリフは、文字通り「外につるす」という意味の「さらけ出す」という意味ですね。
レイチェルのドレスからお尻が「丸出し、丸見え」になっていたことを茶化しているのですね。
even は 比較級 fewer を強めており、「さらに、いっそう、なお、なおさら」という意味になります。
few は「ほとんど…ない」という否定的な表現ですから、even fewer は「いっそう(そういうことをする人は)いない、めったにいない」で、「そんなことできるのは後にも先にも君だけだろうね。」のような意味で言っています。
しかし、このベストマン、かなりイヤミな人ですね。
さらりと言ってのけているので、嫌悪感を感じる、というほどではないですが、かなりズケズケと言いたいことを言っています。
バリーもちょっとイヤミな感じの人ですから、「類は友を呼ぶ(Like attracts like.)」のでしょうか?
(Rach からのお願い)
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管理人の Rach より、ここでお返事させていただきます。
非公開コメントにて、この記事の間違いをご指摘いただき、お心遣いありがとうございます。
些細な間違いであれ、間違いは間違いですから、公開コメントでご指摘下さって結構ですので、今後も間違いがあれば、どんどんご指摘下さいませ。
P.S. 私は花粉症とかは大丈夫みたいです(笑)。
読者の皆様へ
今回、ご指摘いただいた間違いについて。
最初投稿した記事では、以下のようになっていました。
ロス: Sweetie, it's be gonna okay, all right. It's a wedding, generally people focus on the bride. (ハニー。大丈夫だよ、大丈夫。これは結婚式だ。大体、出席者は花嫁に注目するものだよ。)
それが、
誤 it's be gonna okay
↓
正 it's gonna be okay
であるというご指摘でした。
「私の解釈間違い」の場合は、(追記)という形で訂正を入れるのですが、今回の間違いは直接、記事を訂正させていただきました。(ですから、今は上の記事では正しい表記になっています。)
間違っている文は、it is be gonna okay ということになってしまうので、最初の be動詞が重複していますし、gonna = going to ですから、okay の前に be が必要ですよね。
コメントでもご指摘いただいたのですが、ネットスクリプトをそのまま気付かずコピーしてしまったようです。
ネットを書き起こした方にしてみれば、gonna be と書くところを、be gonna を順番を逆にしてしまったという「ただの typo(タイポ、タイプミス)」だと思うのですが、私も一応読み直した上で投稿しているはずなので、ここに気付かなかったのはいけなかったなぁ、と反省します。
ネイティブの方も、口に出してこのセリフを言う場合は、決してこんな間違いはしないのだろうと思います。音読すると大変違和感がありますので。
細かい部分にまで目を通していただけていること、管理人としてとても嬉しく思っています。本当にありがとうございます。