ベストマンの挨拶が終わった後。
ロス: Uh, I'd like to, uh, to add something to that. (今のスピーチに一言付け加えたいのですが。)
レイチェル: What are you adding, what are you adding, what are you adding, what are you adding? (付け加えるって、何? 何? 何? 何?)
ロス: Most of you don't know me. I'm Rachel's boyfriend... (みなさんのほとんどは僕をご存じないと思いますが。僕はレイチェルの恋人[彼氏]です。)
レイチェル: Oh, dear God. (あぁ、なんてこと。)
ロス: ...Ross, uh and uh, I'd just like to say that it did take a lot of courage for Rachel to come here tonight. And, uh, just for the record... she did not run out on Barry because she had syphilis. (ロスといいます。僕が言いたいことは、レイチェルが今夜ここに来るにはものすごい勇気が必要だった、ということです。そしてここでちょっと言っておきたいのは、レイチェルが梅毒だったためにバリーから逃げ出したのではない、ということです。)
♪ドドンドン、チャーン!♪というドラムの音が入る。
ロス: What are you doing? I'm serious. Uh, the reason she walked out on, on Barry is simply that she didn't love him. Which, incidentally, worked out pretty well for me. ([ドラマーに対して]何をやってるんだ。僕は真剣なんだぞ。[スピーチに戻って]彼女がバリーの元を去ったのは、ただ彼女が彼を愛していなかったからです。それは、付随的に、僕にとっては良い結果となったのですが。)
と、ここでドラマーに音を入れてもらおうとロスは視線を送りますが、ドラマーは拒みます。
すっかり気まずくなった雰囲気の中、
ロス: Cheers. (乾杯。)
ロスが何か言おうとするので、焦るレイチェル。
What are you adding? を早口で4回も言っているのに笑えます。
ネットスクリプトでは "Why are you adding?" となっているのですが、DVD英語字幕では "What are you adding?" となっており、音声を聞いた感じでも(早口なので微妙なのですが)、多分 what と言っていると思います。
さらに、文法的に考えた場合に、add は他動詞で「(言葉を)付け加える」という意味なので、もし why を使うとしたら、"Why are you adding something?" などのように何らかの目的語が必要になってくるはずです。
また why の場合だと、このセリフは "Why? Why? Why? Why?" で済んでしまうような気がして、後ろにそんなに長い文(ロスが言った文をただ変形しただけのもの)を付け加える必要もない、と思うんですね。
さらに(笑)、話の流れを考えた場合には、ロスが something 「何か」、と漠然とした表現をあえて使ったのを聞いて、「何かヤバいことでもいうつもり? 一体何を言おうとしているの?」と、その something が何であるかについて、レイチェルはロスに詰め寄っているということだと思うんですよ。
something って一体何なのよ! という心の叫びが、この同じ文を4回繰り返すというセリフになっているのだと思います。
for the record を直訳すると「記録のために、記録として」ということですから、「事実を記録に残すために、公式・正式に言うと、覚えておいてもらいたいために、念のために、はっきりさせておきたいのは」という意味になります。
ここでは just 「ただ…」を付けて、重苦しい感じを少し軽めにしている感じでしょうか。
「ちなみに、ちょっと言っておきたいのですが」というニュアンスだと思います。
incident は「出来事、付随事件、偶発的な事件」、その形容詞 incidental は「付随的な、付帯的な、偶然の、偶発の」なので、副詞 incidentally は「偶然に、付随的に」ということ。
この場合は、レイチェルがバリーと別れた結果、自分はレイチェルと出会えて恋人になれたのだ、ということですね。
文頭に incidentally を使うと、文全体を修飾して「ついでに言えば、ついでながら、ところで」という意味になります。
変なところでドラムを入れられて怒るロス。
それに気を悪くしたドラマーは、ロスがドラムの音が欲しい、と思った時には音を入れてくれません。
ちゃんとネットスクリプトのト書きにも、
(looks for the da-doom-chesh, and doesn't get one)
「ロスはドラムの音を期待するが、ドラムの音はもらえない」
と書いてあります。
そのドラムの音がないせいで、会場が気まずい雰囲気になってしまいました。
ドラムの音の効果がどれほど大切かがわかるシーンですね。
(Rach からのお願い)
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ここまでの感想ですが。
1.皆さんそれにしても簡単に彼女彼氏が見つかりますねぇ。それもきちんと紹介されたわけではなく映画館で会ったとかすごく簡単に。やはりこれは誰にでも気さくに話しかけられる米国人気質に寄るところが大きいのかもしれませんね。実際私が米国に旅行した際受付さんや店員さんはもちろん道を歩いていても知らない人から声をかけられて驚きました(物乞いもあったけど)。日本だったら場合によっては警戒されてドン引きされるほうが多いのでは?こりゃ米国に出会い系サイトは要らないね(笑)。
2.相変わらず下ネタが多い...ですが、なぜか映画ではよく耳にするfu○kという言葉は出てきませんね。そういえば先日YouTub○にUPされているフレンズのNG集を見たらたまに出演者が台詞を間違えるとピーという音が入りますので案外これがそうなのかも。ということはこの四文字は絶対タブーなのですかね?他にもそういうタブーな言葉があれば知りたいところです。
さてシーズン3はRachさんもお気に入りだということで今から観るのが楽しみです。
コメントありがとうございます。
シーズン2終了されたとのこと、お疲れ様でした。「どのくらいで次へ進んでよいのか」という部分で悩まれる方も多いのですが、私は「必要な段階をこなしたら、次のエピソードに進んで下さい」とよく言っています。そうやってエピソードを進む中で、「よく出てくる単語や表現になじんでくる」という学び方が理想的だと思っているからなんですよね。
ご感想の1.について。フレンズはラブコメの要素もありますので、現実のアメリカ社会の人々に比べて、さらに男女がカップリングしやすい傾向にある気がしますが、フレンズ内でもモテモテの人と、それほどでもない人との差があったりするのが面白いなぁ、と思っています。この先のシーズンでも、そういうところがどんどん面白くなっていきますよ♪
2.については、確かに下ネタは多いですね。恋愛がらみのコメディとなるとどうしてもそうなってしまうのでしょう。HBOなどのケーブルテレビで放送されていたドラマだと規制も緩いのでしょうが、フレンズは子供も見ることの可能なゴールデンタイムに放映されていたドラマだけあって、f*ck は全く出てきませんね。また、「セリフとしてはエッチなセリフであっても、映像としては過激なものは見せない」という作品でもあるので、そこが私的には「過激で下品になりすぎないギリギリの線」を保ってくれていて嬉しい部分でもあります。
フレンズのNG集は私も見たことあります。セブンス・シーズンとファイナル・シーズンのDVDにNG集というのが映像特典としてついていました。セリフをトチった時のピー音は、私も f*ck と言ってるんだろうなぁ、と思ってました。どういう言葉が放送できないのか、というのは私もよく知らないんですよね^^
シーズン3はファンの間でも人気の高いシーズンで、私もこのシーズンが大好きです。是非楽しんで下さいね♪