2007年02月01日

フレンズ2-24その26

気まずい雰囲気に耐え切れず、その場を去ろうとするレイチェル。
レイチェル: See you in the parking lot. ([ロスに]駐車場で会いましょう。)
ロス: No, Rach! (待って、レイチェル。)
バリー: And once again, she is out of here! Okay, who had 9:45? Um? (そしてまたもや、彼女は逃げ出す! よし、誰か9時45分にかけた人、いる?)

parking lot は「駐車場」。
この lot は「土地の1区画、敷地」という意味ですね。
See you in the parking lot. の See you は、See you later. や See you around. と同じで、I'll が省略されているんでしょうね。
フレンズ2-12その7 の動物園のシーンで、
清掃員: Meet me in the nocturnal house in 15 minutes. (夜行性動物のコーナーで15分後に会おう。)
というセリフがありましたが、この Meet me の場合は命令形で、「…の場所で私に会え、会えるように来い」という意味なんでしょう。
どちらも待ち合わせ場所で会おう、と言っているのですが、目的語が異なるのが面白いなぁ、と思います。

who had 9:45 という表現も面白いですね。
ここではこの have にはどういう意味があるの?…などと追求しなくても、「私は9時、僕は10時」などと誰かが賭けをして、それぞれの時間をくじ引きのくじのようにそれぞれが「所持している」感じなのでしょうね。
レイチェルが逃げ出すかどうかについて賭けがあったかのようなセリフですが、実際のところはどうなのでしょう。
今回、レイチェルが気まずい立場に立たされることは誰の目にも明らかなので、本当に逃げ出す可能性がある、とみんなは思っていたのかもしれません。
何時に逃げ出すか賭けていた、というのも、あながちでたらめではないのかも。


バンドのマイク前に立ったレイチェル。
レイチェル: You know what, Bar? I'm not gonna leave. I probably should, but I'm not. See, 'cause I promised myself that I would make it through at least one of your weddings. (ねぇ、バリー? 私は逃げないわよ。多分、ここを離れるべきなんでしょうけど、そうはしないわ。だって私は自分自身に約束したんだもの、こういう状況を乗り切ってみせる、って。少なくともあなたの結婚式の一つだけでもね。)
ドラムの音♪が入る。
レイチェル: See now, tonight, all I really wanted was to make it through this evening with a little bit of grace and dignity. Well, I guess we can all agree that's not gonna happen. I guess there's nothing really left to say except.... (今、今夜、私が本当にしたかったことは、この夜を、少しの気品と威厳を持って切り抜けることだった。そう、でもここにいるみんながそんなことは起こらないって思ってるんでしょうね。もう言うことは残ってないみたいね。これ以外は…)
と言って、Copacabana を歌い始めるレイチェル。

make it through は「…をうまくやり遂げる、何とか…を切り抜ける・乗り越える」。
フレンズ2-22その20 に、get through 「(困難などを)乗り越える、切り抜ける」という表現がありましたが、それと似た感じですね。
make it には「成功する、うまくやり遂げる、間に合う、都合をつける」などの意味がありますが、この場合は「成功する、うまくやり遂げる」に through がついて、「困難を通り抜けて・いろんな苦難を経て、最後までやり遂げた」感じがより強く出ていると思います。
one of weddings で、たくさんあるうちの一つである、と表現しています。
つまり、浮気者のバリーのことだから、もしくはバリーとミンディがうまくいくとは思えないから、また別れて、これからいくつもバリーは結婚式をすることになるのよ、と示唆しているのですね。
ここでのドラムはバッチリです(笑)。
grace と dignity を持ってこの式を乗り切ろうとしたレイチェルですが、お尻は出してしまうし、他の人のスピーチでいろいろ言われてしまうし、もう失うものは何もないわ、みたいな感じになっているのですね。
フレンズ2-24その17 で、8年生の時、全校生徒の前でコパカバーナを歌ってパニクった、という恥ずかしい思い出について語っていましたが、今なら、そのトラウマになっている歌を歌って笑い飛ばすことも出来るわよ、という感じなのでしょうね。

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posted by Rach at 10:48| Comment(13) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。
このエピソード、記事を追うごとにどんどん盛り上がっていくなーと思って笑いながら読んでいたのですが、コパカパーナの落ちで、また大笑い。もうやぶれかぶれですね。Rachもおかしいけど、バリーもロスもドラマーもみんな面白すぎ。花嫁さんはすっかり影薄しですね。


Posted by YN at 2007年02月01日 20:45
one of weddings についてですが、バリーに対してチクリと非難めいた言動にもなっているとは思いますが、それよりも、前回の結婚式で逃げ出しので、せめて今回は逃げないという思いではないでしょうか。
チャンドラーがジョークの後にBa dum bumb cheshhhというのですが、ドラムの音♪ですね。これは何度も聞いたような気がしたと思って調べてみると6−7に出てくるだけだったのには意外でした、思いこみは怖い。
Posted by catch at 2007年02月01日 21:58
make it throughは、娘の大好きなDora the Explorerにもよく出てきます。
We made it through the jungle!
とかね。7歳の女の子が友人のサルと二人連れでジャングルを抜ける事の安全性云々についてはともかく。
あと、day careの2歳児部屋の戸には、大人の握力でしか開かないようなカバーがつけてあるのですが、この戸がやたら固く、私の小さい手では結構大変。迎えに行って、帰るとき、しょっちゅう「.......Made it!」と言う羽目になってます。

に、しても、このエピソードは強烈ですね。実際にはまさか逃げた元婚約者を呼びはしないだろうけど。レイチェルの逃げ出す時間についての賭けは、賭けが行われてた、の方に一票。ちょっとした事でも賭けにして、小金をやり取りするのが好きな人って、結構多いみたいですよ。
Posted by おちか at 2007年02月01日 22:31
YNさんへ
そうそう、花嫁さんのミンディの影が薄すぎる(笑)。バリーはイヤミ全開で頑張っていますけどね。まぁ、イヤミも言いたくなるでしょうかねぇ、結婚式の当日に逃げ出されてしまっては…。
今回の式は、レイチェルばっかりが目立っちゃってますね。出席者の人たちも、「”あの”レイチェルが来るんですってよ…」と、みんなの関心はレイチェルに向いていたのではないかと思います。結婚式って花嫁さんが一生で一番輝く時なのに(そうですよねぇ?)、こんなんでいいのか? ミンディは(笑)。

今回のポイントはやっぱりドラマーですね。このドラムの効果が抜群で、今回のエピソードはそれがとても効果的に使われていたと思います。
Posted by Rach at 2007年02月02日 09:02
catchさんへ
ドラムの音♪で「オチ」であることを示しているので、「チクリと非難めいた」セリフを言ってバリーにやり返した、という効果があると思うのですが、one of weddings 「複数のうちの一つ」という言葉には、おっしゃるように「前回と今回のうちの今回だけは」という自分のことも含まれているのでしょうね。今後バリーが別の人と結婚することになっても、その時にはさすがにレイチェルは招待されないでしょうし(笑)。
前回はあなたが運命の相手ではないと悟ったので逃げ出したけど、今回はきちんとメイド・オブ・オナーの役目を果たしてみせるわよ、という感じでしょうか。前回逃げたことで、花婿のバリーや関係者に対して迷惑をかけたのは間違いないけれど、レイチェルとしては、自分の気持ちに正直に行動した結果であって、後悔はしていない、という気持ちかもしれません。

チャンドラーが Ba dum bumb cheshhh と言うエピソード、そう言えばありましたねぇ。いかにもチャンドラーが言いそうなフレーズなのに、実際にセリフで出てきたのはその回しかない、というのも確かに意外です。
6-7のネットスクリプトを見てみたのですが、この回ではこのフレーズがかなり重要な(?)役割を果たしているようです。チャンドラーのそのジョークを別の人が真似るシーンもありますし、エピソード最後のオチもこのセリフで終わっていますね。6-7を解説する時は、是非今回のエピソードにリンクをはります(笑)。
Posted by Rach at 2007年02月02日 09:15
おちかちゃんへ
「ジャングルを無事に抜けたわ!」って、Dora the Explorer は、そういうワイルドなアニメなんですか?
でも、the Explorer 「探検家」だし、日本でのタイトルは「ドーラといっしょに大冒険」だそうですから、やっぱりいろいろと試練が待ち受けているんですね(笑)。
through という言葉にその「切り抜けた」感が出てますよねぇ。

day care の部屋の戸って、子供が勝手に出て行かないように、そういう仕組みになってるんだ…。日本の施設でもそういうことに細心の注意が払われていたりするのかなぁ? そういうことって結構大切ですよね。

そう、このエピソードは強烈でしょう?(笑)。普通は呼ばないよね、逃げた元婚約者は。そもそも、花嫁がその人にメイド・オブ・オナーを頼むこと自体がおかしいだろっ!って感じ。いくら親友だと言っても、元カノでも頼まないと思うのに、元婚約者だからねぇ。
やっぱり賭けは行われていた、っぽいですよね。フレンズでも、
フレンズ2-10その16
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470316.html
で、モニカが彼氏と別れるかどうか、ジョーイがある女性と寝るかどうか、について賭けをしていたことがわかるシーンが出てきました。他にもそういう賭けは何度かあった気がします。まぁ、その方が盛り上がるし(笑)。
Posted by Rach at 2007年02月02日 09:22
解説では「make it through」になってますが
レイチェルの台詞の部分は
「See now, tonight, all I really wanted was to make it though…」
とthoughになってる気がします。
本当に細かいことで恐縮ですが…
Posted by Potato at 2013年01月28日 13:12
Potatoさんへ
ご指摘ありがとうございます。though はスペルミスだったので、先ほど訂正させていただきました。

上の私の(訂正前の)記事では、以下のように表記してありましたね。

See, 'cause I promised myself that I would make it through at least one of your weddings.
See now, tonight, all I really wanted was to make it though this evening with a little bit of grace and dignity.

解説で make it through について触れていますが、実際のレイチェルのセリフでは、make it through (メイク・イット・スルー)というフレーズが2回出てくることになります。
私は上の記事で、2回目の方を、make it though (メイク・イット・ゾウ)と書いてしまっていますが、それは間違いで、正しくは2回目の方も、make it through (スルーの方)だということですね。

どうして間違えたかと言うと、ネットスクリプトが間違っていたのを、そのままコピペしたから、でした(笑)。
再度、DVD の音声を確認し、DVD の英語字幕も確認しましたが、音声・字幕とも、make it through となっていました。
2文目は、1文目の内容をさらに詳しく語る内容になっていますので、どちらも make it through になっていないと、意味が通りませんものね。

ほぼ6年前の記事ですが、6年も経ってから、スペル間違いをご指摘いただけて、感謝しております。6年も前の記事がまだ生きているということですから、ブロガー冥利に尽きるというものです。ありがとうございます!

また、お気づきの点がございましたら、よろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2013年01月28日 16:06
ホントなんだか強烈な回でした!
まさかアメリカ人がみんなこうではないでしょうけど…みんな言いたい放題(笑)
日本人の感覚では、KY…?
フレンズ見てるとアメリカ人に対して変な!?イメージ持ってしまいそうな気もちょっぴりしたり。。。

レイチェルのone of your weddingsは、バリーに嫌味言ってるんだと思います。性病なんて言われてむかついてるでしょうし、このセリフ言ったときにバリーが確か嫌そうな顔していた気がするので。(ミンディも微妙な顔してたかも?)
まー、しかし、元婚約者で、しかもレイチェルとミンディとも関係持ってた時期があって発覚してるのに、式に三人集うなんて、みんな心が広い!?ですね。

サードシリーズ、Rachさんのお気に入りということで楽しみです!
これからもRachさんの記事と共に一話一話歩んでゆきます♪
Posted by k at 2013年09月27日 14:25
バリーは嫌そうにしてませんでした(笑)
ミンディに微笑む?のですが、睨まれてよわってましたー。
まーミンディーは嫌がってるので夫妻にとって、悪いことを言われたのだろうと思いました。
Posted by k at 2013年09月28日 00:28
kさんへ
コメントありがとうございます。
まさに「みんな言いたい放題」ですよね^^ シットコムという「コメディー」なので、お笑いにするために「やりすぎ」ている部分もあるでしょうが、国民性の違いみたいなものも感じられる気はします。
元婚約者を式に呼ぶ、とか、ほんとありえないですよね。三人とも気まずいだろうのに、、と。

そのセリフを言う時、聞く時に、どんな表情やどんなリアクションをしていたか、というのは、セリフのニュアンスを掴むのに重要な役割を果たしますよね。後から見直してみたら、あれ、思ってたのとちょっと違ってた、ということが私もよくあります^^

サードシーズンは、記事数も多いし、一つの記事の文章が長いものが多いので、読むだけでも大変だと思うのですが、どうかこれからもよろしくお願いします♪
Posted by Rach at 2013年09月28日 08:18
Rachさん、ご無沙汰してます。
実は、ここ8ヶ月ほどフレンズで勉強してませんでした。
自分の語彙力のなさにあきれて、ひたすら単語を覚えていました。と言っても、まだ6千語ぐらいです。
久しぶりにフレンズ見たら、やっぱり面白くて、Rachさんの解説が分かりやすくて、休んでいたのがもったいなかったと思っています。
文法が苦手なので、感覚でしか理解できないですが、とにかくフレンズを進めていこうと思っています。
ではでは、また何かあれば報告させていただきます。
暑いので、お大事にしてくださいね。
Posted by 古川 朋子 at 2015年08月07日 11:54
古川朋子さんへ
コメントありがとうございます。
語彙力増強されていたのですね。そんな中でも、拙ブログのことを忘れず、またこうして覗いていただけたこと、とても光栄に思います。
また、私の解説を「分かりやすい」と言っていただけるのは本当に嬉しいです。「フレンズを休んでいたのがもったいなかった」とまで言っていただけると、これからもっともっと、フレンズの楽しさと面白さを伝えられる解説記事が書けるように頑張りたい! という気力が湧いてきます♪

本当に毎日暑いですが、私は今のところ、おかげさまで元気に過ごしております。
朋子さんもどうかご無理をされず、これからも楽しみながらフレンズ学習を続けて下さいね(^^)
温かいコメント、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2015年08月07日 19:03
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