セントラルパークにて。
パソコンの相手を待つチャンドラーとフレンズたち。
金髪美人を見て、
チャンドラー: Ooh, oh, oh, that's her. (あぁ、あれが彼女だよ。)
ロス: Yeah, 'cause life's just that kind. (そうだね、だって人生っていうのは、”まさにそんな感じ”だもんね。)
フィービー: Chandler, you gotta stop staring at the door. It's like a watched pot. You know, if you keep looking at it, then the door is never gonna boil. I think what you have to do is try not to... (チャンドラー、ドアを見つめるのをやめなさい[やめなくちゃ]。「見られてる鍋」みたいなものよ。ほら、それをじっと見てたって、ドアは沸騰しないんだから。あなたがすべきことは、(ドアを見)ないようにすることで…)
ロスは just that kind というフレーズを、チャンドラーを見ながら、ゆっくりはっきり言っています。
これは、イヤミ、皮肉っぽく言っているわけですね。
「パソコンで話をして意気投合した彼女が、ものすごい美人だった」なんて、世の中そんなに上手くいくわけないよ、と言いたいのです。
フィービーは a watched pot 「見られている鍋、監視されている鍋」を例えに出しています。
フレンズ1-18その4 にも、pot という単語が出てきました。
このフィービーのセリフは、例えを出して、チャンドラーの行動の無意味さをわからせようとしているのですが、ちょっとトンチンカンなことを言っています。
鍋でお湯を沸かしている時に、鍋を何となくじーっと見つめてしまうものですが、そんなことをしたって早く沸くわけじゃない、というのが鍋の例えですね。
その鍋の話を出した後、今度はドアの話に置き換えてみるのですが、普通の話の流れなら、「鍋→沸かない」、「ドア→開かない」となるはずで、then the door is never gonna open となるはずが、フィービーは boil と言っているのです。
「そりゃ、ドアは沸騰しないって!」というつっこみを、ここでみんなで入れましょう(笑)。
結構正論で、例えも的確だったのに、最後のツメが甘かった…。
でもこの説明が完璧に決まっちゃうと、フィービーらしくなくて、この「ずれ方」がいかにもフィービーなんですよね。
そこへパソコンデートの相手が入ってきます。
呆然とするチャンドラー。
チャンドラー: Oh my God. (なんてこった。)
ジャニス: Oh... my... God. (まぁ、なんてこと。)
情熱的なキスをする二人。
みんな: Oh... my... God. (なんてこった。)
最初にチャンドラー、それからジャニス、そして最後はみんなで "Oh, my God!" このオチには笑ってしまいました。
フレンズ1-14その1 で、"Oh, my God!" について触れています。
これは彼女のキメ台詞なのですが、この人は今後も、忘れた頃に登場して、そのたびに笑わせて下さいます。
チャンドラーとジャニス、この二人の関係が今後どうなるか?というのは、やっぱり「クリフハンガー」なんでしょうかねぇ?(笑)
クリフハンガーについては、フレンズ1-24その6 で説明しています。
私はそこで「シーズン2はクリフハンガーじゃなかったと思う」と書いたのですが、このチャンドラーとジャニス、そしてモニカとリチャードの間にすれ違いが生じてきている…という部分が、クリフハンガーなのかもしれません。
ジョーイの部屋に入ってくるロス。
ロス: All right. I've been feeling incredibly guilty about this because I wanna be a good friend. And damn it, I am a good friend. So just, just shut up and close your eyes. (いいかい。この件について僕はずっとものすごく罪悪感を感じてたんだ。だって僕は良き友人でありたいからね。そして(実際)僕は良き友人なんだよ。だから、ただ黙って目を閉じて。)
と言ってジョーイにキスするロス。
ジョーイ: Wow, you are a good friend, 'course the audition was this morning, and I didn't get it. But that was a hell of a kiss. Rachel is a very lucky girl. (わぁ、ロスはいい友達だね。(ちなみに)オーディションは今朝だったんだ、そして俺は役をゲットできなかった。でも、さっきのはすごいキスだったぞ。レイチェルはすごいラッキーガールだね。)
'course というのは、of course 「もちろん、当然」の省略形です。
ここはどうニュアンスを出していいのかよくわからないのですが、「ロスは知らなかったかもしれないけど、当然のことながら、予定通りの今朝にオーディションは終了して」という感じでしょうか?
英辞郎に、
of course=(忘れていたことを思い出したときに)あっそうそう、そうだった
という語義が載っているのですが、そういう感じで「ちなみに、そう言えば」と情報を付け足しているのでしょうか?
hell は「地獄」で、ののしりの言葉として使われることもあり、また強意語としても使われます。
a hell of a は元々「非常にひどい、悪い」という意味だったと思うのですが、それを「とても、すごく素晴らしい、ずばぬけた」という良い意味としても使います。
この場合はその褒め言葉ですね。
シーズン2を終えて…
やっと(笑)シーズン2の最終話の解説が終わりました。
書いてる本人は楽しんでやってることなのでいいとして、読者の方には長いシーズン2でしたよねぇ…。
たくさんの量を読んでいただくことになり、本当に申し訳ありませんでした。
サイドバーのカテゴリー別アーカイブを見ると、シーズン1が134件に対して、シーズン2は417件。
3倍以上の長さになってしまったようです。
シーズン2第1話を解説し始めたのが、一昨年(2005年)の11月1日ですから、本来は半年(24話)のドラマを、実に1年と3ヶ月もかけて解説してきた、ってことですね。
シーズン3では徐々に軌道修正していくつもりなので、こんなに長くはならないと思います、多分…(笑)。
特に寄り道もせず、明日からまた普通にシーズン3の解説を続けていくつもりなのですが、シーズン2が終わって嬉しい、というよりも、シーズン3に突入できることが嬉しいですね。
読んで下さっている方がいる!と実感できる…それが私がブログを続けていられる理由なんだと思います。
いつも読んで、また応援して下さる方には、心より感謝しております。本当にありがとうございます。
これからも頑張りますので、今度ともよろしくお願いいたします。
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シーズン3突入、おめでと〜
長いのも、長いなりの中身があるのだから、私は支持しています。
がんばってね♪
ジャニス、このキャラ大好き!存在だけで笑えるよな!
Rachさんが、このエピソード解説始めたときから「ジャニスだっ」って、楽しみにしてました。
ねぎらいと励ましのコメント、いつもありがとう!
とっても嬉しいです。
長い記事も支持して下さってありがとう。でも、本当にもっとタイトな文章が書けるように精進したいと思っております。
ジャニスって本当にキャラ立ちしてるよねぇ。忘れた頃に出てくるとすごく嬉しい。
あの笑い方にあの決めゼリフ、あのファッションセンス…どれもすごすぎだよねぇ? かなりうっとーしいんだけど(笑)、憎めないキャラですよね。
1年と3ヶ月かかったとのことですが、このペースではファイナルまであと10年はかかりそうですね。でも塩野七生さんは「ローマ人の物語」を15年かけて完結したので、Rachさんも塩野さんに負けぬように頑張ってくださいね。終わってみれば10年なんてあっという間ですよ。勝手に10年って決め付けてますけど(笑)
コメントありがとうございます!
satさんは、第1シーズン終了の時にもコメント下さいましたよねぇ。ずーっと前のことのような気もするし、ついこないだのような気もします。
やっぱりあと10年くらいはかかるんだろうなぁ(笑)。
塩野七生さんの場合は、何年かかっても熱心なファンの方(satさんとか私のお兄ちゃんとか…笑)がそれをずっと待っている、というのがありますよね。
比較するのもおこがましいですが、私の場合は(笑)、きっと私が書く気満々でも、読者の人がだんだん減っていって、結局途中で終了…ということになりそうな気がするんですよ(爆)。
シーズン2も長かったとは言え、私にとってはあっという間でした。そういう意味では、ファイナルまで…というのも、それほど遠い気はしないのですが、とにかく読者の方に飽きられないように、マンネリ化しないように頑張りたいと思っています。
これからもよろしくお願いします!
もうRachさんの解説なしには「フレンズ」の理解はないので、
(自分でも調べているけどとっても足りない・・・)
これからもどうぞよろしくお願いします。
今はまたまた完全5段階に戻して、じっくり観ています。で一通り
観て、判らないところ調べて、このブログを見ている間は何度も
同じ話を観ていると、やっぱり少しづつ聞こえるところや判るところが
増えてきて、楽しいです。何度観ても飽きさせない「フレンズ」って
ほんとにすごいですね〜
シーズン2の解説を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次のシーズン3はファンの人気が高いシーズンで、私自身、好きなエピソードも多いので、解説がさらに長くなって行きますが…^^ シーズン3でもよろしくお願いいたします。
「少しづつ聞こえるところや判るところが増えてきて、楽しい」と言っていただけるのは何より嬉しいです。ありがとうございます! 私も、何度観てもつい笑ってしまうんですよねぇ。ブログを書くために再度見直した時でも、オチがわかっているのに笑ってしまうので、フレンズのパワーってすごいなぁ、とつくづく思います。
これからも楽しく続けて下さいね。私もブログ解説、頑張ります!(^^)
ついに記事、読み終えました!!セカンド☆
ほんと、嬉しいです(*^_^*)
hell of a kissって、褒めてたんですか!?
私見たとき、ロスって、キス下手なのか。と思いました(笑)
その印象があって、けなしてるのかなーと。。。
なんか、ジョーイもそんなにありがたがってた感じでなかったし、ロスが嫌そうな顔していた覚えが…
でも少し前に見た印象なので、間違ってるかも。。。
あー、私っていつもセリフから読み取ることができず、
見た目重視ですね…(*_*)
感覚的というか(笑)
ジョーイは喜んでますね!うまい、は本心かはわかりませんが。まー最悪て意味では絶対なさそう。
ロスは微妙な顔でしたが、これはジョーイにキスする必要なかったことを知って呆然としているのでしょうか(笑)
いつもコメントありがとうございます。一つ一つの記事を読み進めて下さっていること、とても光栄で嬉しいです。
a hell of a kiss が「褒め言葉」というのは、確かに意外な感じがしますよね。でも、セリフの流れを考えても、ジョーイの表情を見ても、ここは「褒め言葉」だと理解するのが自然だろうと思います。
元々が、hell 「地獄」という意味の単語ですから、元の意味の「ひどい、悪い、最低」の意味として使っているのか、その「極端な言葉」を褒め言葉に利用しているのか、は、文脈から判断するほかないんですよね。
英英辞典の、Macmillan Dictionary には以下のように出ています。
a/one hell of a
SPOKEN
1. used for emphasizing what you are saying
2. used for emphasizing how good something is
例) Everyone thinks you're one hell of a guy.
つまり、1. は「自分が言っていることを強調するために使われる」。2. は「何かがどんなに良いかということを強調するために使われる」。例文は、「君は最高の男だって、みんな思ってるよ」。
語義説明にはっきりとあるように、good の意味を強調するのが、a hell of a なのですね。「地獄」のイメージが強すぎると、「最低男」w みたいな意味に捉えてしまいそうなところで、これが生きている言葉の面白さなんだろうと思います。
ロスは友情のために、と頑張ってトライしてみたのに、「いや実はもう必要なくなって、、」みたいに言われて茫然としているんですよね。僕はものすごい葛藤を乗り越えたのに、、みたいなロスの気持ちが痛いほどわかるシーンですね^^
フレンズはかなり昔にテレビでシーズン1だけ吹き替えを見たことがあったんですが、
少し前にAmazonプライムで見られることに気がついて、また見始めたんです。
日本語字幕なので聞き取れないフレーズも多い中、ちょっと聞き取れて気になった所を検索していてこのブログを見つけました。
確かシーズン1の大晦日の約束だったと思います、その時何を検索したのかは忘れましたが、もっと早く知りたかったここ…と思いました(笑)
現在、そのまま続けてシーズン2まで見終えたところです。
英語の解説もすごく役に立ってますが、同じ関西人だからなのか感想がよく似てて、
一回見る⇒ここを読む⇒もう一回見る、という流れで見ているんですが、たぶんRachさんここ取り上げてくれる!って思ったところがちゃんと出てきて嬉しかったりします。
(2-17その2の水のオブジェのとことか、2-22その22のハグの話とか)
今ではブログを読んでいる時はオーディオコメンタリーを聞きながら見ている様な気分でシーンを思い出しています^^
予告(このタイミングでは予言?)されているようにシーズン3のボリュームが582個もあるのを見てビックリしていますが
ストーリーが気になるのでこのまま10まで見てから、いつか改の方にリアルタイムでコメントを付けたいなと思っています。
(そのころにはBD-BOXも買って英語字幕もチャレンジし始めたい…)
ほんとに10年続けるってすごいことですよね!これからも楽しみにしています☆
懐かしい記事にコメントありがとうございます。昔の記事にコメントをいただけるのは本当に嬉しいんですよね♪
私もプライム会員なのですが、ほんとだ、フレンズは Amazonプライムでも見られるのですね! いろんなサービスで見ることができるのは、英語学習者にとっても便利ですし、良い時代になったなぁ、と思います。
検索で拙ブログを見つけていただけたこと、とても光栄です。そのまま、このシーズン2 の最後まで見ていただき、併せてこのブログも読んでいただけて、本当に嬉しいです。
「同じ関西人だからなのか感想がよく似てて」と共感していただけたことも嬉しいです。
「これは素通りするわけにはいかんやろ!」的な部分って、ありますものね。
オーディオコメンタリーに例えていただけたことも光栄です。
次のシーズン3 の記事がとにかく多いんですよね。ファンにも人気が高く、私自身も好きなシーズンなので、書いていたら果てしなく長くなっていました。
この後のシーズンもどうか楽しんで下さいね。
無印(改ではない)記事はもちろんのこと、いつか改のリアルタイムの記事のコメントでお話できる日も楽しみにしています(^^)
ここまで続けられたのは、一緒にフレンズを楽しんで、記事を読んで下さる方がおられたからこそです。最新記事を読んで下さる方だけではなく、昔の記事を最初から順番に読んで下さる方々にも、心から感謝しています。ありがとうございます。
これからも楽しんでいただけるように、頑張ります☆
温かいコメントありがとうございました(^^)
シーズン1、2ともたくさん質問しました。
Rachさんの素早い回答で達成感もありました。
何といっても、コメディなので楽しい。
シーズン3もたくさん質問すると思いますの
でよろしくお願いします。
ご丁寧なコメントありがとうございます。
私の回答につきまして、そのように言っていただきありがとうございます。
「フレンズ」は本当にコメディの王道で、何回見ても笑えてしまうところがさすがですよね。
今後いただくご質問にも、できるだけわかりやすく回答できるように頑張ります!