ベッドの上でロスに尋ねるレイチェル。
レイチェル: Well, honey, what about you? (ねぇ、ハニー、あなたはどうなの?)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I mean, do you have any fun, you know, fantasy-type things? (つまり、ロスには何かファンタジー[幻想]みたいなものはないの?)
ロス: No. (ないよ。)
レイチェル: Come on. You gotta have one. (もう。何か一つくらいはあるはずよ。)
ロス: Nope. (ないよ。)
レイチェル: Ross, you know what? (ロス、ねぇ聞いて。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: If you tell me, I might do it. (もし私に言ってくれたら、それをしてもいいわよ。)
ロス: Okay, umm. Did you ever see, um, Return Of The Jedi? (わかった…レイチェルは見たかな? 「ジェダイの帰還[復讐]」を?)
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
ロス: Do you remember the scene with, um, Jabba the Hutt? Well, Jabba had as, as his prisoner, um, Princess Leia. (あのシーンを覚えてるかな…その、ジャバ・ザ・ハットの。ジャバは捕虜として、その、レイア姫を捕まえていただろ。)
レイチェル: Oooh! (あーぁ!)
ロス: Princess Leia was wearing this, um, gold bikini thing. It was pretty cool. (レイア姫は金のビキニみたいなものを着てただろ。あれはかなり良かった。)
What about you? は「あなたの場合はどうなるの?、あなたについてはどうなの?」ということで、つまり「私はあの海軍の制服をあなたに着て欲しいと思ったけど、あなたの方はどうなの?」と尋ねているのですね。
fantasy は「(自由奔放な)想像、空想、幻想、ファンタジー」。
この場合は、「相手が〜だったらいいなぁ…」という夢物語を想像・空想することを言っているのでしょう。
レイチェルは頑張ってロスのファンタジーを知ろうとするのですが、ロスはあまり関心がないようです。
よほど大事な論文なんだな(笑)。
でも、あなたの希望があれば、それをやってみてもいい[何か衣装を着てもいい]、とまで言われて、気が変わって、急にもじもじするロスがおかしいですね。
やっと話す気になってくれた、と喜ぶレイチェルですが、出てきたタイトルはスター・ウォーズ。
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Return of the Jedi はスター・ウォーズの旧作3作目、スター・ウォーズ・サーガとしてはエピソード6に当たるお話ですね。
ちょっと脱線しますが、この映画、公開時は「ジェダイの復讐」という日本語タイトルがついていました。(私もずっと「ジェダイの復讐」と呼んでいました。)
ですが、本当の英語のタイトルは return で revenge ではないんですね。
日本語タイトルが「復讐」になっていたのは、単なる間違いではなくて、英語のタイトルが二転三転したことに伴うものだったようです。
詳しくは、Wikipedia 日本語版: スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 の「サブタイトルについて」という項目に、タイトルがそうなっていた理由が書いてあります。
今は日本語版タイトルも、「ジェダイの帰還」が正式名称になっています。
一番最初に発表された「スター・ウォーズ」1作目も、今では、「Star Wars Episode IV: A New Hope」(邦題:スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望)というサブタイトルがついていますよね。
復讐、という言葉がついているのは、エピソード3 シスの復讐 (Star Wars Episode III: Revenge of the Sith)ですね。
このように、エピソード3のタイトルに復讐(Revenge)という言葉が入っているので、スター・ウォーズ・サーガとして全体を通して見ると、ジェダイの復讐、というタイトルは変だ、ということになります。
レイチェルの海軍の制服のイメージは、「愛と青春の旅立ち」のようでしたから、レイチェルはロスが恋愛映画のタイトルを言ってくれるのを期待していたんでしょうかね?
スターウォーズの名前を出した後、しばらくレイチェルが沈黙してるのが面白いです。
スター・ウォーズと言えば、たくさんの異形のエイリアンが出てくる映画。
人間とは見かけの異なるエイリアンの格好をしろ、とか言われるんじゃないか、とちょっとびびってるんですね。
ロスは恐竜オタクですから、爬虫類系の女性に弱い、という可能性も否定できないし…(?)。
で、さらにその次に出てきた名前が Jabba the Hutt (ジャバ・ザ・ハット)だったので、大笑いしてしまいました。
数あるエイリアンの中でも、一番可愛げのない(いや、ある意味、かわいいのか…?)、でかくて憎たらしいエイリアンですからねぇ。
Wikipedia 英語版: Jabba the Hutt
上のウィキペディアには写真も載ってます。
ジャバ・ザ・ハットは、エピソード6に登場するのですが、スター・ウォーズ特別編(旧三部作をデジタル・リマスターして劇場公開したもの)のエピソード4に、ハン・ソロとジャバ・ザ・ハットが話をするというシーンが新たにCGで追加された、というのが、当時話題になっていました。
レイア姫の名前が出て、やっと理解できた、という感じで、嬉しそうなレイチェル。
prisoner は「囚人、捕虜、捕らわれた者」ということですね。
実際、レイアは牢獄には入れられていませんでしたが、鎖で繋がれて、ジャバが自分の傍に置いていました。
レイア姫の gold bikini thing の話は明日にします。
男子の皆さん、お楽しみに(笑)。
(Rach からのお願い)
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ここのシーンで、
Did you ever see Return of the Jedi? というロスのセリフなんですが、これって Have you ever seen Return of the Jedi?とおんなじ
なんでしょうか? なんとなくこのセリフを聴いた瞬間、えっ?Didなんだぁ・・って違和感を感じたのは私だけ? 観たことがあるか?って聞く
のであれば、現在完了を使うのかと思っていたので、ニュアンスの違いとか教えていただけると嬉しいです。
(この使い方、この後のレイチェルとフィビーのやりとりでも
同じようにつかっていましたよね)
ご質問ありがとうございます。
「(この映画)見たことある?」ということだと、Have you ever seen...? のような現在完了形を使うのが普通、という気がしますが、一般的な傾向として、「イギリス人なら現在完了形を使うような場合でも、アメリカ人は過去形を使うことが多い」というのがあるようです。
伊藤サムさんの本「これであなたも英文記者」の p.153 に、過去形と現在完了のどちらを使うか迷った場合に対する答えとして、以下のような説明がありました。
「過去形と現在完了の使い分けの基準は主観的なものですから、心配しないでください。一般に米国人は、英国人なら完了形を使う場合でも過去形を好みます。わかりやすいからです。」
それを読んで私はものすごくホッとしたものですが(笑)、「絶対に現在完了形を使わなきゃ」と意気込まなくていいとなると、気が楽になります、、よね?^^
そのような「アメリカ人は完了形よりも過去形を好む」の話に加え、今回のセリフについては、さらに過去形の方がしっくりくる理由があるようにも思います。
ロスやレイチェルは私と同じ世代なのでよくわかるのですが(笑)、彼らは「ジェダイの帰還」が公開された時にリアルタイムで見た世代です。ですから、「今までに、ジェダイの帰還を見たことある?」というような「現在までの経験を問う現在完了形」よりも、「公開されて話題になっていたあの当時、レイチェルもあの映画を見たかな?」みたいな感覚で、シンプルな過去形の質問になっている、という気が私にはしたわけです。まさに、「あの映画、見たことある?」(完了形)ではなくて、「あの映画、見た?」(過去形)という日本語の感覚そのものなのかなぁ、という気がした、ということですね。
お返事遅くなりました。サムさんの本に出ているんですね〜
(ってまだ読んでないのがバレバレ・・・汗)
完了形と過去形の使い方にこんな違いがあるのは初めて知りました。
日本語の勉強も大切なんだぁ・・・^^
ありがとうございました。
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。
上でご紹介したサムさんのご本の現在完了形の説明、とてもわかりやすいですよ。また、お時間のある時に、是非お読み下さいね!