レンジャーズ(ホッケー)の試合に行けると喜ぶジョーイですが、ロスではなく、ジャニスが一緒と聞いてがっかりします。
ジョーイ: Jan-ice. 'Cause I, just, I feel bad for Ross, you know, we-we always go together. We're like The Three Hockey-teers, you know. (ジャニスか…。だって、俺はただ、ロスに悪いなと思うだけなんだよ。ほら、俺たちはいつも一緒に(ホッケー観戦に)行ってるだろ。俺たちって、「三ホッケー士」みたいじゃん。)
The Three Hockey-teers は The Three Musketeers 「三銃士」をもじったものです。
musket は「(ライフルの前身の)マスケット銃」のことで、musketeer は「マスケット銃を持った銃士」ということです。
Wikipedia 英語版: The Three Musketeers
三銃士はアレクサンドル・デュマ・ペール[大デュマ]の小説で、主人公ダルタニアン(ダルタニャン)とその友人の三銃士(アトス、ポルトス、アラミス)とが活躍する物語ですね。
三銃士と言えば、"One for all, (and) all for one." 「一人は皆の為に、皆は一人の為に」というセリフが有名ですよね。(上で引用した英語版ウィキペディアにも、そのセリフが彼らの motto である、と書いてあります。)
このセリフ、フランス語原文では、"Tous pour un, un pour tous" となっているので、これをそのまま英語にすると、"All for one, one for all" という語順になるはずですが、何故か英語では One for all が先に来るバージョンが有名なようです。(フランス語を最初に英訳した時にそう訳した、ということなんでしょう…)
Wikipedia 日本語版: ダルタニャン物語 の「三銃士たちの合言葉」という項目に以下の記述があります。
原作でこの言葉が登場するのは、手を重ねて誓いを立てた1度きりで、この合言葉で銃士たちが剣を掲げる場面は登場しない。
…えっ? そうなんですか??
恥ずかしながら、私はこの小説を読んだことないんですよ。
昔、妹が、NHKの「アニメ三銃士」というのをよく見ていて、私も何度かちらっと見たことあるんですが、剣を掲げながらこのキメ台詞をしょっちゅう言っていたような気がするのですが…。
「アニメ三銃士」でどう取り扱われていたかはともかく(笑)、原作では1度だけ、それも「剣を掲げて、ではない」というのは本当なのでしょうか?
まぁ、そんなに何度も何度も登場させてしまうと、ただの「決めゼリフ、決まり文句」になってしまいますから、このセリフが1度しか出てこない、というのはその通りかもしれません。
そう言えば、フレンズでは、以前にも The Three Musketeers を使ったジョークが出てきました。
過去記事では何故か解説を飛ばしているのですが、フレンズ1-24 で、ジョーイのガールフレンドのメラニーが、フレンズたちに自分の職業を説明するシーン。
メラニー: Anyway, that's when me and my friends started this whole fruit basket business. We call ourselves 'The Three Basketeers.' (とにかく、その時に、私と私の友達はこのフルーツ・バスケット・ビジネスを始めたのよ。私たちは自分たちのことを「ザ・スリー・バスケティアーズ」と呼んでいるわ。)
ジョーイ: Like the three musketeers, only with fruit. (「ザ・スリー・マスケティアーズ(三銃士)」みたいなもんだよ、持ってるのはフルーツだけどね。)
ジョーイは、三銃士をもじった名前だと、ご丁寧にフォローを入れていますが、みんな聞いた瞬間にわかっていたでしょう(笑)。
フルーツ・バスケットというのは、かごにフルーツをきれいにつめてプレゼント用にラッピングしたもののようで、メラニーは、レイチェルの誕生日にそれをプレゼントしました。
さらには、ジョーイの愛のテクニックに喜んだ(笑)メラニーが、部屋を埋め尽くすほど大量のバスケットをジョーイにプレゼントした…という話でしたね。
この The Three Basketeers という単語の方が、オリジナルの The Three Musketeers 「三銃士」に発音が似ていますよね。
だから、今回のセリフも、レンジャーズ(ホッケー)じゃなくて、ニックス(バスケットボール)だったら、The Three Basketeers となって、より三銃士をもじったジョークであることがわかりやすかったと思うのですが、どうでしょう?
フレンズ1-4 では、ロス、ジョーイ、チャンドラーの3人でホッケーの試合を見に行っていましたので、3人がよくホッケーを見に行く、というのはその通りのようです。
もう一方のバスケですが…。
3人でバスケの試合を見るというエピソードが、フレンズ全編を通して、あったかどうか記憶にないのですが、フレンズ2-20その5 では、ニックス(バスケットボール)のチケットがあるんだけど、ロスは行けない(Ross can't go)ので、他に誰を誘えばいいか悩むシーンがありました。
単にロスの都合が悪かった、ということみたいだったので、ロスもバスケは好きなのでしょうから、The Three Basketeers にすることも可能だったと思います。
上で引用したフレンズ1-24 でバスケットという言葉を使ってしまっているから避けたのか、全然しゃれにもなってないほど、無理に三銃士に結び付けているところがジョーイらしい、ということか…?(後者が当たってる気がする…笑)
(Rach からのお願い)
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The Free Online Dictionary
http://www.thefreedictionary.com/basketeer
に、
basketeer: an athlete who plays basketball
とありますし、英辞郎にも、
basketeer=バスケットボール選手
と書いてあります。
basketeer については造語ではないので、The Three Basketeers と言ってしまうと、「3バスケ士」じゃなくて、普通に「3人のバスケ選手」という意味になってしまう、ということなんでしょうかねぇ?
「卑猥な隠語」についてなんですが… basketeer についてはよくわからないのですが、basket に「それ系」の語義があるのを見つけましたが、それのことでしょうか?(笑)
オンラインスラング辞典の Urban Dictionary に、
basket: A reference to the outline of the male genital area as viewed through pants/swimsuit/undergarment. See also package. Term often used by gay men in assessing the potential size of a potential suitor.
とあります。
あえて訳しませんが(笑)、英辞郎にも、朝日出版社 米英俗語辞典にも、そのような意味が載っていました。
…わかったのはここまでです(笑)。