2007年02月18日

nutsとcrazyの話 フレンズ3-1その15

ジョーイ: Oh, hey. Come on man, don't look at me like that. She used to drive you nuts before too, remember? (なぁ、おい、そんな目で俺を見るなよ。以前には、お前も俺と同じように彼女に悩まされただろ? 忘れたのか?)
チャンドラー: Well, I'm crazy about her now. I think this could be the real thing. Capital R, capital T! Don't worry, those are the right letters. (あぁ、でも今は彼女に夢中なんだ。これは本物になる可能性がある、って思ってるんだ。大文字のRに大文字のTだぞ! [ジョーイがチャンドラーをじっと見つめているので]心配するなよ、今のが正しい文字だよ。)

nuts は「気が狂って、くだらない、ばかげた」という意味です。
drive someone nuts で「(人)の気を狂わせる[変にさせる]、怒らせる、ひどくイライラさせる」という意味になります。
ここではそのように悪い意味で使っているのですが、その「気が狂っている」という意味から、be nuts about で「…に夢中である、熱を上げている、惚れ込んでいる」という意味にもなります。
チャンドラーの返事で be crazy about という表現が出てきていますね。
これも元は「クレイジーになって、気が狂って、気が変になって」という意味だったのが、「…に夢中になって、惚れて、大好きで」という意味になっているわけです。
nuts の後に、crazy を使っているのは単なる偶然なのかもしれませんが、似たような意味の単語を使っているのが面白いなぁ、と思うのですが…。
研究社 新英和中辞典に、
drive=(+目+補)(人を)(…の状態に)させる、追いやる
(用法) 補語として主に mad, crazy, nuts, insane などが用いられる

と書いてあります。
ですから、ジョーイのセリフのように、drive you nuts と言うと、悪いニュアンスが感じられる気がしますよね。
drive you nuts を「狂ったように惚れさせる」という意味で使うことが可能なのかどうかはわからないのですが、ほぼこの場合は悪い方のニュアンスに取るのが普通だと思います。
それに対して、nuts とよく似た単語の crazy を使って、今度は良いニュアンスの「惚れている」という気持ちを表現しているのが興味深いと思うんですよね。
ですから、この nuts と crazy の部分を逆にする、あるいは、どちらも nuts にする、どちらも crazy にする、と言う風に変えても、結局、意味は同じことになるのかな?と思ったり…(よくわかりませんが…)。
まぁ、私の感覚では、nuts というと悪いイメージの方が強くて、「夢中だ」という場合は、be crazy about を使うのが自然だと思うので、上のセリフの単語の選択が一番ノーマルだとは思うのですが。

the real thing は「本物」。
capital は「大文字(の)」です。
with a capital … で、…の部分に、強調したい語句の最初の文字(アルファベット)の大文字をつけて、「まったくの、正真正銘の」という意味になります。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
with a capital: used with a following capital letter to emphasize or qualify a preceding word
例) not an accident but murder with a capital M

つまり、「先行する単語を強調または修飾するために、続いて[直後に・後に]大文字をつけて用いる。」
例文は、「事故じゃなくて、正真正銘の”殺人”」

チャンドラーのセリフは、with a capital... という形をとってはいませんが、意味は、I think this could be the real thing with a capital R, (and) a capital T というのと同じでしょう。
それぞれの単語を、まるで最初を大文字で書くように強調して、the Real Thing 「正真正銘の本物、”本物”、ほ・ん・も・の」という感じで、本物であることを強調しているのだろうと思います。
ジョーイが怪訝な顔をしてチャンドラーを見つめているので、チャンドラーは R と T が the right letters だ、と説明しています。
アルファベットが出てきたので、ホイール・オブ・フォーチュンの話 フレンズ3-1その12 に出てきたワード・パズル(クイズ)を思い出して、real の頭文字はRで、thing の頭文字はTだったっけ?とジョーイは悩んでいる、ということでしょうか?
そんな簡単なことをネイティブが悩むのでしょうか??(笑)。

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posted by Rach at 08:43| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日初めてこちらのサイトにきました。僕も長年Friendsで勉強してます。でもTOEIC900越えとはすばらしいですね!
アメリカのまで購入して勉強してますが、会話力はあがりますが、TOEICは難しいですね。汗
Posted by TAKUMA at 2007年02月18日 23:48
nuts、というと、以前ヒューストンのMuseum of Natural Scienceでチョコレートに関しての特別展示があったとき、ハイウェイ沿いに立っていたその展示の宣伝用の看板で「Nuts welcome.」と書いてあったのを思い出します。吹き出したらESLの先生に褒めてもらったっけ。

「California is like a box of chocolate.... full of fruits and nuts.」という小話(?)もあるし、nutsというとやっぱりマイナスのイメージでとらえられるものなのでは。

crazyを「夢中になってる」の意味で使った例と言えば、マドンナの「Crazy about you」と言う曲がありましたっけね。私らの青春時代ですぜ、奥さん。
Posted by おちか at 2007年02月19日 05:02
TAKUMAさんへ
ご訪問&コメントありがとうございます!
TAKUMAさんも英語学習にFriendsを使っておられるのですね。フレンズは日常会話を学ぶのにとっても役立ちますよね!

フレンズをリスニングしていたお陰で、TOEICのリスニングが上がった、という実感はものすごくあるのですが、リーディングの効果についてはよくわかりません。TOEICは特殊なテストなので、TOEICの点数をとにかく上げたいということであれば、TOEIC向けの問題集をたくさんこなす方がてっとり早い(笑)という気はするのですが…。私も900点超えしてからは、あまり思うように点が伸びてくれません(爆)。

お互いに、フレンズで英語力も身について、ついでにTOEICの点数も上がるようになるといいですね。お互い、頑張りましょう!
Posted by Rach at 2007年02月19日 16:01
僕の経験から見てもFriendsでリーディングの効果は微妙です。汗
リスニングにかけてはTOEICよりもFriendsの会話の方がはるかに早いスピードなので効果はでました。
僕はシーズン1と2のリスニングと音読をやりました。(意味もわかんないたびに辞書で調べて。) で、英会話にも通ってたのですが、先生に急激なレベルアップに驚かれました。 Friendsのおかげであることまちがいないです。 Friendsの英語って結構レベル高いですね。 でもあれこそが日常英会話ではないかと思ってます。
Posted by TAKUMA at 2007年02月19日 18:17
おちかちゃんへ
(くどくど説明すると面白みがなくなってしまうのかもしれないけど…笑)、その "Nuts welcome." というのは、チョコと言えばナッツ、というのと、nut 「変わり者。熱心な愛好者、ファン、…狂」とをかけている「しゃれ」ってことなんですね? 「チョコレート好きの nuts たち、いらっしゃい!」てな感じかな?

そのカリフォルニアの小話(?)というのは初耳ですが、それは本当にフルーツとナッツの産地であるという意味に加えて、fruit も nut もそれぞれ別の名詞の意味とかけている、ってことなんでしょうねぇ?
fruit というのは、Merriam-Webster Online Dictionary に、
fruit: (usually disparaging) a male homosexual
とありましたが、そーゆー意味で言っている小話なのかな、やっぱり?

私が一番最初に nuts という単語を聞いたのは、フレンズよりも先に見た、「スタートレック ファースト・コンタクト」という映画なんですよ。(←何でまた、この手の映画やねん…と我ながら思う…笑)
21世紀にエンタープライズ号のクルーがタイムトラベルして、人類初のワープ航法を成功させることになるゼフラム・コクレーン博士に会うという場面があります。23世紀のクルーたちにとっては英雄のような人なのですが、実際に会った博士はロックとお酒が(女性も?)大好きなただのオヤジ(笑)で、最初にそのことを知ったカウンセラーのディアナ・トロイが、副長のライカーにコクレーン博士について語るシーンがあります。
カウンセラー・ディアナ・トロイ: If you're looking for my professional opinion as ship's counselor: he's nuts. (もし船のカウンセラーとしてのプロフェッショナルな意見が聞きたいのなら…彼は変人よ。)
ライカー副長: I'll be sure to note that in my log. (僕の日記(航海日誌)にそう書くことにするよ。)

いかにもカウンセラーらしくない表現なのが却って面白い、ってことみたいですね。ディアナもコクレーン博士に強いお酒を飲まされて、ただの酔っ払いみたいになってましたし(笑)。
私は nuts と聞くと、そのやり取りを思い出すので、nuts と言えばマイナスイメージが強いですねぇ。

マドンナの曲ですが、「Crazy For You」だったような気がするのですが、どうでしょう、奥さん(笑)。何故かこの曲だけがどんな曲が思い出せないなぁ…MTVでマドンナのPV(プロモーション・ビデオ)を一挙に放映!というようなマドンナ・スペシャルがあった時、それをビデオに録画して、時々見てたので、マドンナの曲はそれなりに(人並みに)知ってるはずなんですけど…何故か、Like A Prayer だけCDを持っています(笑)。マドンナの曲って、キャッチーで歌いやすい曲が多い気がしますよね。
Posted by Rach at 2007年02月19日 19:19
TAKUMAさんへ
コメントへのお返事ありがとうございます。
リスニングは絶対にTOEICの方が簡単ですよね。TOEICのナレーションを聞くと、ゆっくりはっきりしゃべってくれてるなぁ、と感じます。フレンズは英語学習者(ノンネイティブ)のためのものではないから容赦がないわけで、それが聞き取れるということは、かなりの自信になりますよね。
聞き取れるからと言って、そのスピードのネイティブの会話に割り込めるわけではないですが(笑)、少なくともみんなの話してることがわからない間は、いつまで経っても、話の輪に加わることはできないでしょうしねぇ。まずはあのスピードについていけて、それから自分でいろいろ表現を覚えて、音読することで発声の訓練もして、英会話というのは上達していくのでしょうね。
フレンズはあまり難しい単語は出てきませんが、自然な会話のやり取りを学ぶのには絶好の素材だと思います。私ももっと活用して、もっと英語力をつけていきたいと思っています。
Posted by Rach at 2007年02月19日 19:29
チャンドラーみたいにいっぱいしゃべってジョークも言えるようになれればな〜と思います。たまにセリフそのまま真似て英会話で使ってました。
Posted by TAKUMA at 2007年02月19日 20:19
TAKUMAさんへ
私もチャンドラーみたいなジョークが言えるようになりたいです(笑)。
Posted by Rach at 2007年02月20日 09:34
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