今度はチャンドラーが話す番です。
チャンドラー: Okay, you know, you know when you're in bed with a woman. (わかった、ほら、その、ある女性とベッドにいるとするだろ。)
ロス: Hmph. (あぁ。)
チャンドラー: And, ah, you know, you're fooling around with her. And you get all these, like, mental images in your brain, you know, like Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place? (それで、ほら、その子といちゃいちゃしてるんだ。そこで、頭の中に心的イメージが浮かぶんだよ、エル・マクファーソンとか、コピー屋のあの子、とか。)
チャンドラーは最初から、you know を連発していますね。
you know 自体は軽い挿入句ですが、ここでは自分の話を相手に理解してもらうのを期待しながら言っている感じがありますね。
「ほら、わかるだろ?」と、自分の話が誰にでもありそうな話であることを強調しようとしているのでしょうか。
言うのが恥ずかしい、ちょっと人には話しにくいことを話そうとしているから、余計に you know という言葉を入れたくなるのでしょうね。
チャンドラーの話は、when you're... と全て主語が you になっています。
これはもちろん、ロスが、という意味ではなく、「ある人がこういうことになったとする、そうするとこんなことになる」という感じで、「一般の人」という意味で使っているのですね。
その一般の人という意味で、you を使うことで、「話し相手であるロスも含めたみんな」というニュアンスが出ます。
さらには、そこには話し手である自分(チャンドラー)も含まれることになります。
ですから、例え話をする場合に、主語に you を使うと、共感され易く、説得力が増すのでしょう。
上のセリフでチャンドラーは自分の体験談を話しているわけですが、こういう場合、日本人の感覚だと、I を使いたくなる、という人は結構多いのではないでしょうか?(私も以前はそうでした。)
こういう you の使い方を非常にわかりやすく説明して下さっている文章があります。
過去記事でも触れたことがあるのですが、今回のこのチャンドラーのセリフがこういう you の使い方の典型のように思えるので、ここで再度引用させて下さい。
週刊ST 2007年1月12日号の、堀内克明さんと V.E.ジョンソンさんによるコラム「英語Q&A」の、「自分のことを指す you 」という記事。
「(インタビュー記事などで)、本人が自分のことを話しているのに、主語が "you" になっているのをよく見ます。I ではいけないのでしょうか?」
という読者の質問に先生方が回答しておられるのですが、その回答を以下に引用させていただきます。
こういう you は、generic you (総称的な you) または indefinite you (不特定の you)と呼ばれます。
つまり、この you は特定の「あなた」ではなく、「あなた(方)を含む人(たち)」です。これは「人」(one)に近く、結局「われわれ」(we)と同じ意味になります。この we には当然 I が含まれますので、回りまわって you = I に相当します。
要するに、最初から I と言うと自己主張のように聞こえて、客観性がありませんので、相手を含めて you と言うと、一般性のある意見を伝えることができるというわけなのです。
そのコラム「英語Q&A」では、実は以前にも同様の質問がありました。
(同じような質問が何度もある、ということは、それだけ疑問に思っている人が多い、という証拠だと思うのですが…)
週刊ST 2005年6月10日号の、「一般の人を表す you 」という記事。
読者の方の質問は、「ミュージシャンのインタビューで、明らかに自分が質問されているのに、主語を you にして答える人が多い。この you はどのようなニュアンスなのでしょうか?」というものです。(質問内容もほとんど上と同じですよね。)
その時の先生方の回答を以下に引用させていただきますと、
この you は一般の人(person or people in general)を指すもので、特定の「あなた」を指してはいません。つまり、「あなたを含む一般の人」といった意味で、話し相手を抱き込むような親しみを込めています。
従って、会話やインタビューでは、くだけて親しい感じを表わすために you が好んで使われます。
そして、もしインタビューに答える時などに、you 以外の単語を使った場合にはどういうニュアンスになるか、という説明もされていて(これがまた非常にわかりやすくて感動したのですが)、その説明は以下のとおり。
one や a person だと「改まっていて、堅い」感じ。
people は「自分以外の世間一般の人たちを指す」感じ。
we は「われわれ」という自己主張が感じられて、you のように控えめではない。
I だと「自己満足」の感じ。
動名詞を使って「…することは」という文にして主語を省略すると、主語を省略する日本語に近い効果があるが、これはぶっきらぼうな印象を与える。
質問者の方が例に挙げておられたインタビューのやり取り
"You guys are good at that?" 「君たちはこれが得意なんですね?」
に対しての答え、
"If you practice a lot." 「うんと練習すれば[そうなります]」
については、以下のように解説されていました。
質問の you guys は「君たち」という普通の2人称ですが、you practice の you は相手も自分も含めた「人」という総称です。
そうなんですよ、ここが日本人が一瞬「あれ?」と思ってしまうところなんですよね。
「あなたは?」と聞いているのに、「あなたが」と返事されると困ってしまう、というか…(笑)。
つまり、上の先生方の解説によると、you は「あなたを含む一般の人」であり、同時に I (私)をも含んでいる、ということになるわけで、その感覚がこのチャンドラーのセリフの you の感覚なのです。
この you の感覚に慣れてくると、自分がネイティブに一歩近づいたような気がしますし、慣れてくると非常に便利な表現です。
昔は読んでいる文章に you が出てきたら、「えっ!? 私のこと?」と、自分のことをピンポイントで言われているような気がしたものですが(笑)、最近は「あなたを含む一般の人」というニュアンスで捉えることができるようになりました。
ちょっと、週刊STからの記事の引用が多過ぎましたね…先生方、ごめんなさい。
でも、それまで何度もこういう you の使い方に出会ってきて、ニュアンスはわかるんだけど、自分ではうまく説明できない…というもどかしさがすごくあった時に、この解説を読んで、自分の中ですっきりと納得できたんですよ。
ネイティブがどういう感覚でその言葉を使っているのかがわかる、ということはとっても大事なことだと思いますし、それがわからないといつまで経っても自分で使いこなせるようにはならないわけですよね。
チャンドラーは、女の子といちゃいちゃしている時に別の女性を思い出す、と言っていますね。
「一般の人を表す you 」の説明が長くなったので、女性の話は明日にします。
(Rach からのお願い)
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前にも読んだよ
初めての人には新鮮かもしれんが。聞き飽きたんだけどな!
それか、まえの説明にリンクするだけでいんじゃないの?
新たに記事にする問題かな?
ま、勝手なんだけどさ あんたは他人の以前の文章との重複には、えらく敏感なのにいかしいよな!
それとさ、また引用かよ!
引用って他人には厳しいよな! 自分は、おかまいなしかい?
あんたの引用の基準って何なんだ!
しばらく黙ってたけど、こういう事って本人は気づかんのかね?
それとも御立派な理由でもあるのかな?
、
コメントありがとうございます。
you は、前の記事にリンクするだけで良かったのかもしれませんね。重複してしまって申し訳ありません。
私が他人の引用には厳しく、自分はおかまいなし、というのも全くご指摘の通りだと思います。
自分なりに著作権の線引きの基準があって、その範囲内で自由に引用しているのは、もしクレームがついた場合に、即座に対応する覚悟があるから、でしょうか。他の方のコメントにそこまでの責任を求めるのは申し訳ないと思うので、できるだけ引用を避けて下さるように(勝手ながら)お願いしているだけです。
貴重なご意見ありがとうございました。
低姿勢だし素直なんで、さらに何か言うのも気が引けるが一応言っとくね!
ひょっとしたらアンタ、、マクドの接客マニュアルみたいに言葉だけ丁寧に、取り繕って腹の中で舌出してるかもしれんしな。
それに英語の解説にことよせて、馬鹿は相手にしないみたいな隠喩も使ってたしな!(笑)
気づかないとでも思ってた? 俺の勘ぐり過ぎかい?、、、 結構当たってると思うぜ!
でも一応、額面どおり受け取っとくよ。 大人気ないしな!
それに、いくらアンタが強がったて こっちに理があると思ってるからね!
言っときたいことは>もしクレームがついた場合に、即座に対応する覚悟があるから、でしょうか。他の方のコメントにそこまでの責任を求めるのは申し訳ないと思うので、できるだけ引用を避けて下さるように(勝手ながら)お願いしているだけです。
これも可笑しいよな! 警察なり教師なり他人を取り締まったり、説教したりする立場の者が 自分の事に関しては 「後で罰を受ける覚悟はあるから 悪いことは知ってたけどやりました」って言ってるようなものじゃない?
そんな理屈 通用するのかね? 普通世間では、思いっきり叩かれるんだよ! 特に警察、教師みたいに他人に偉そうにする職種のものはね! アンタも全く同じ! 俺に対してなんて言った? 覚えてるか?
こんなことも守れないのですね? みたいな 人を未熟な人間失格みたいなことを言ったんだぞ!
だからさ、、、あんたも 自分だけ特例なんか作らずに一切引用なんか止めろよ!
それか相手にちゃんと許可取ってから書けよ! 書いたあとで読んでるかどうかも分からん相手に 「ごめんなさい」みたいな子供騙しなことせずにさ!
そうしたら如何に引用に目くじらたてることの窮屈さも身をもって感じるだろうよ!
隗より始めよ 英語もいいけど、日本の諺から勉強しなおしたらどうだい?
最後に、今でもアンタには怒りは持ってるが 、、とはいえ 英語について語れる知り合いなんで面白いのを紹介してやるよ。
断っとくが、下ネタだ。 面白いのは下の話が多いんであって、意図的じゃないってことは分かってくれよ!
これも韻を含んだ粋な表現だ
chicks with dicks 分かるかい?
おかまちゃんのことらしいぜ! アンタのことだから知ってたかもな!
chickは俗語で娘とか若い女、 dickは俗語で男性器 つまり・・・・・・dick持ちのchick
ダヴィンチコードの原書に出てた言葉だ! 英語って洒落てるなって感心したんで発表しとくよ。
あんたも、これからは言葉使いには気をつけることだな!
いろいろなご指摘ありがとうございました。
これからは言葉に気をつけます。
chicks with dicks という表現は知りませんでした。教えて下さってありがとうございました。