2007年02月27日

フレンズ3-1その24

昨日の続きです。
チャンドラー: Okay, you know, you know when you're in bed with a woman. (わかった、ほら、その、ある女性とベッドにいるとするだろ。)
ロス: Hmph. (あぁ。)
チャンドラー: And, ah, you know, you're fooling around with her. And you get all these, like, mental images in your brain, you know, like Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place? (それで、ほら、その子といちゃいちゃしてるんだ。そこで、頭の中に心的イメージが浮かぶんだよ、エル・マクファーソンとか、コピー屋のあの子、とか。)
ロス: With the bellybutton ring? Oh, muhawa! (へそにリングをしてる(あの子か)? あぁ、たまんないよね!)
チャンドラー: I know, And then all of the sudden, your mom pops into your head. And you're like, "Mom, get outta here!" You know, but of course, like, after that, you can't possibly think of anything else. And you can't, you know, stop what you're doing. So it's kinda like, you're, you know. You know... You don't know! (そうだろ。それから、突然、頭の中にママが出てくるんだよ。で、こんな風に思うんだ。「ママ、ここから出て行ってよ!」 でも、もちろん、ほら、その後も、それ以外のことを考えることができないんだ。それに、今やってることをやめることもできない。それはまるで、ほら、その、わかるだろ… [ロスはチャンドラーをただじっと見つめているだけなので] わかんないの?)
ロス: Your Mom? You're telling me, your telling me about your mom? What is the matter with you? (ママだって? チャンドラーは自分のママのことを話してるの? どっか悪いんじゃないの?)
チャンドラー: You said... (だってロスは言っただろ…)
ロス: I said "share," not "scare"! Go sit over there! (僕は share (シェアする、分かち合う)とは言ったけど、scare (怖がらせる、怯えさせる)とは言ってないぞ! そっちの離れたところで座ってろ!)

チャンドラーは、女の子といちゃいちゃしている時に、別の女性を思い出すと言っています。
そこで出てきた、エル・マクファーソン(Elle Macpherson)はモデルさんです。
IMDb: Elle Macpherson
Wikipedia 英語版: Elle Macpherson
ウィキペディアによると、
オーストラリア人のスーパーモデルで女優。The Body (ザ・ボディ)というニックネームが付けられている。身長は6フィート(183cm)。
「ザ・ボディ」というニックネームですから、素晴らしい肉体美の持ち主なのでしょう。
それにさすがはモデルさん、身長が高いっ!
実は後のシーズン6では、5エピソードに渡ってゲスト出演しています。
やはり魅力的な役でしたね。
このシーズン2で例えに挙げられている人が、後にゲストとして出演することになるのが、何だか面白いなぁ、と思います。
that girl at the Xerox place は「ゼロックスの店(コピー店)のあの娘」という感じでしょうね。
後のフレンズ3-15, 3-16 で、クロエ(Chloe)というコピー屋の女の子が実際に登場しますので、その子を指しているのだと思います。
確かにへそピアスをしてそうな感じの子でしたし(笑)。
あまりここで触れるとネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、ちょっと先走ってその人物について触れているのがこれまた面白いなぁ、と。
もうこの時すでに彼女の設定が出来上がっていたのか、もしくは、たまたまここで出てきたそういう女の子を実際の設定に使ったのかは知りませんが…。

bellybutton (belly button)は「へそ」。
bellybutton は、口語で「腹のボタン」ということですね。
へそは正式には navel (発音はネイヴァル)という単語を使うようですが、私は bellybutton の方をよく聞きますねぇ。
ロスがその子の話を聞いて、「おぉ、あの子はセクシーでたまんないよね!」とでも言うように、muhawa! と声にならない声を上げているのがおかしい。

チャンドラーの話はだんだん妙な方向に動いていきます。
イメージにママが登場した時に、can't stop what you're doing 「今、やっている最中のことをやめることができない」というのは、実際にベッドでとある女の子といちゃいちゃ(もしくはもっと本格的なエッチ)をしているのを止めることはできない、と言っているのですね。
つまり、頭の中でママの姿が浮かんでいる状態で、実際には他の女の子とエッチをしている!
頭の中ではそのエッチの相手がママに置き換わっている!ということですよね。

ロスが「信じられない!」とでも言うような顔で見つめているので、you know, you know... you don't know! 「わかるだろ、わかるよな…って、わからないの?」と変化するチャンドラーのセリフに笑えます。
ずっと最初から、you know を連発して、自分の気持ちをシェアしてもらえるような同志として、自分と同じ世界に引き込もうとしていたのですが、相手が自分の言っていることに理解を示さないのに気付いて、最後に you don't know 「俺の言うことが理解できないってこと?」と叫んでいるわけですね。

ママとのエッチだなんて、想像できないよ、という感じで、ロスは What's the matter with you? とまで言っています。
the matter は「困ったこと、やっかいなこと」という意味で、何か困っている人に対して「どうしたの? どうかしたの? 何か問題でも?」といたわるような意味で使いますが、この場合は「君には何か問題があるんじゃないの? どっか悪いんじゃないの? お前、大丈夫か?」と、信じられない言動をした相手にあきれる感じがあるように思います。
チャンドラーは share するつもりで、自分の正直なところを述べたのですが、それはただロスを怯えさせる(scare)だけでした。
share と scare という同じような単語(韻を踏んでいる)を並べて、チャンドラーのやっていることは share じゃなくて、scare だよと言っているのですね。
チャンドラーにとっては、シェアすることで、よりロスとの絆が深まるどころか、大きな溝を生んでしまったようです(笑)。

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posted by Rach at 11:28| Comment(10) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
What's the matter with you? のRachの訳はその通りで相手を諫めたり、非難してますね。
What's the matter?は相手が泣いているとか、顔色が悪いとかで心配してる表現で全く別な英語だと思います。前置詞のwithにそもそも諫めの意味が含まれていると思います。
Posted by catch at 2007年02月27日 22:37
catchさんへ
What's the matter with you? と What's the matter? は別物なんですね?
英和辞典を見ていると、 What's the matter (with you)? 「(君)どうしたの?」のように書いてあるので、特に差がないのかと思っていたんですよ。

ロングマン現代英英辞典には、
what's the matter?/something's the matter/nothing's the matter etc:
spoken used to ask or talk about why someone seems worried, unhappy, or ill, why something about a situation seems wrong, or why a machine seems not to be working properly
とあります。「悩み、不幸、病気」、「ある状況に関して何か悪いことがある」、「機械がうまく作動しない」などについて語る時に使う、ということですね。
例文もたくさん載っているのですが、with があるのとないのとの違いはそこからは掴めませんでした。

でも、catchさんの説明はよくわかります。What' the matter? だけだと漠然とした状況の中で何か都合の悪いことがある、という感じですが、with you をつけると、「君に何か問題がある」と言うニュアンスが出る気がしますよね。
Posted by Rach at 2007年02月28日 10:40
what's the matter with you?とwhat's the problem with you?の誤り?

what's the matter with you?とwhat's the matterはある人に言う際は、同じ意味だと思いますが。
Posted by Fen at 2009年06月16日 00:09
Fenさんへ
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の語義は、上のコメント欄に書いた LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) の語義とほぼ同じなのですが、例文は LAAD の方がわかりやすい気がしますので、以下に引用します。

例1) What's the matter, Sue? You look like you've been crying.
例2) What's the matter with your eye? It looks red.
例3) What's the matter with the telephone?
例4) Don't be so rude! What's the matter with you ( = used when you are surprised or angry about what someone has said or done) ?

例文1 は、「どうしたの、スー? ずっと泣いていたみたいだけど。」
例文2 は、「あなたの目、どうしたの? 赤く見えるわよ。」
例文3 は、「その電話どうしたの? その電話、どこか調子が悪いの?」
例文4 は、「そんなに無礼な態度を取るな! お前はどうしたんだよ? (=誰かが(たった今)言ったりしたりしたことについて、驚いたり怒ったりしている時に使われる)」

例文1 だけが、with のないパターンで、他の3つは、with がついているパターンですね。
通常、What's the matter? と言う場合は、例文1 のように、元気がなくて落ち込んでいるように見える友人に使い、「元気がないけど、どうしたの? 何かいやなことでもあったの?」と相手を慰める言葉になるようです。

例文2, 3, 4 を見ていると、with ... と対象物が指定される場合は、with 以下に何か問題がある、というニュアンスが出るような気がします。

ですから、上のコメント欄にも書いたように、What's the matter? だと「漠然とした状況の中で何か都合の悪いことがある」というニュアンスになって、相手を心配している気持ちが出る、with you がつくと、「君に関して何か問題があるの? 君自身に何か問題があるんじゃないか? 君の問題は一体なんだ?」となり、相手の発言や行動に対して驚く、怒る、非難する、というニュアンスになるように思います。上のロスのセリフは、LAAD の例文4 のニュアンスですね。

例文4 や今回のセリフのように、What's the matter with you? と強い調子で言った場合は、「君に問題がある、君はおかしい」というニュアンスになるように思います。

ただ、What's the matter? 「どうしたの?」と相手を心配する場合に、What's the matter with you? と言う場合もあり得る気はするのです。優しい口調で言った場合は、もしかしたら、「相手の状況に何か問題があるのか」と相手を気遣い心配するニュアンスになる可能性もあるかもしれない、と。ですから、with you があるかないかだけで、心配しているのか、非難しているのかを判断するのはもしかしたら危険なのかもしれません。
一般的に言うと、What's the matter? は「どうしたの?」と心配する言葉で、What's the matter with you? は「君には問題があるんじゃないの?」と非難する言葉である、という区分けは、だいたい当たっているように思うのですが。
Posted by Rach at 2009年06月16日 12:26
Rachさんへ

なんとなく、理解しました。
ありがとうございました。

Posted by Fen at 2009年06月16日 23:38
Fenさんへ
お返事ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年06月18日 11:28
Rachさん、とてもとても初歩的なご質問で恐縮なのですが、、、
You get all these mental image....
と、この前のその5で出てきた
so I say we all just be adult about it...
どちらも、allがどこにかかるのかわかりませんでした。その5の方は、you guysみたいな使い方なのかな?と思ったのですが、どちらも、この文の中でallって必要ですか??やっぱりないとおかしな文になるのでしょうか?
Posted by kiki at 2014年12月15日 13:22
kikiさんへ
ご質問ありがとうございます。

まず、今回の記事内のセリフ、You get all these mental images について。
私が上でつけた日本語訳では、all these の部分をきちんと訳出してありませんでしたね。
この all は形容詞で、「all +複数名詞」の形で、「すべての、あらゆる(名詞)」という意味になります。ですから、「すべての、これらの心的イメージをゲットする」という感じですね。
these は this の複数形で、「これらのイメージ」というのは、その後に述べられる Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place を指しています。
all がなくても文章は成立しますが、all をつけることで「こういう感じのあれやこれや全部」と強調しているニュアンスになるだろうと思います。

次に、フレンズ3-1その5 に出てきた so I say we all just be adult about it and accept her. について。
この all は we all で「僕たちみんな」というニュアンスですね。
研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。

all =【代】
2 [同格にも用いて] だれも、みな (注:通例代名詞の場合に用いる)
We all have to go.=All of us have to go. 我々はみな行かねばならない。
I like them all. 私は彼ら[それら]がみな好きだ。

その例文にもあるように、we all は、all of us のようなニュアンスになります。
we と言うだけでも十分「僕たち」というニュアンスは出ますし、この場合も all がなくても文は成立するのですが、we all にして「僕たち(もれなく)全員が」と表現することで、「僕たちは全員、一人の例外もなく、大人の対応をして彼女を受け入れるべきだ」と主張していることになるでしょう。わざわざ all をつけたのは、ジョーイ一人がそのことに反対しているので、「ジョーイも含めて全員が、大人の対応をして受け入れるべきだと思うよ」と言いたかったからだろうと思います。

どちらの文章も「all がないとおかしな文になる」ということはなく、all がなくても成立しますし、意味もほぼ同じになりますが、all をつけることで、それぞれニュアンスを強めていることになるわけですね。
1つ目の方は、「今から言う、あれやこれや”全部”」と表現することで、いろんなイメージが頭に浮かぶことを強調している。
2つ目の方は、we all と表現することで、「(今は反対している)ジョーイも含めて僕らみんなが」というニュアンスを出している。
ということになると思います(^^)
Posted by Rach at 2014年12月15日 16:12
Rachさま、お礼が大変遅くなってしまって申し訳ありません。そして、ブログ本文と同じくとてもとても丁寧なご説明をありがとうございます。
本当ですね、ちょっと調べ直してみたらこれまでにも同じような使い方のallが出てきていますね。なんで今回だけ引っ掛かったのかしら…。なんとなく訳せてしまっていたから気に留めていなかったのでしょうか。理解出来ました。本当にありがとうございます。
これまでは聞こえるか、意味が分かるか、と気になっていたのが、最近、自分で使えるか、と考えて観ています。そうすると、色々なところが益々細かく気になってきました…。このallも、これって必要?と思ったのですが、こんな風に使えるようになれば会話に表情が付きますものね。勉強になりました。ありがとうございました!
Posted by kiki at 2014年12月19日 11:16
kikiさんへ
こちらこそご丁寧なお返事ありがとうございます。
「自分で使えるか?」という視点で英語を見られるようになることは、とても大切なことだと思います。今回の場合も、all がなければどうか? all が入ることでどういうニュアンスが追加されるのか? という部分を追求することで、より英語を深く学べる気がするのですね。

all, right, just みたいな1つの単語が入ることで、ちょっとしたニュアンスの違いを出すこともできますし、そういうものを「ネイティブのようにさらっと」(笑)挿入できるようになると、言葉も生き生きしてくると思います。

私がブログの記事でつけた和訳には、all をはっきり訳出していませんでしたが、今回こうして all についてご質問いただけたことで、改めて「all を使った話者の気持ち」を意識することができました。ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2014年12月19日 14:02
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