パパ: Well, I just wanted to make sure you're okay. (私はただ、モニカが大丈夫かどうかを確かめたかっただけだ。)
モニカ: What makes you think that I might not be okay? (どうして私が大丈夫じゃないかもしれないと思ったの?)
パパ: I saw Richard. (リチャードに会ったんだよ。)
モニカ: Oh. (まぁ。)
パパ: So, how you doing? (それで、お前は大丈夫なのか?)
モニカ: I'm fine, just a little tired, I'm okay. How's Richard doing? (私は大丈夫よ。ただちょっと疲れてるだけ。大丈夫。リチャードはどうしてるの?)
パパ: You don't wanna know. (知りたくないだろ。)
モニカ: No, I really, really do. (そんなこと言わないで。本当に、本当に、知りたいの。)
パパ: Well, he's doing terrible! (リチャードはひどい状態だよ!)
モニカ: Really! (ほんとに?)
パパ: Worse than when he broke up with Barbara. (バーバラ(元妻)と別れたときよりもひどい状態だよ。)
モニカ: You're not just saying that, are you? (パパはただそんな風に言ってるだけじゃないわよね?)
パパ: No, the man is a mess! ((気休めに)言ってるだけじゃないよ。あの男はボロボロだよ。)
モニカ: Was he crying? (彼は泣いてた?)
パパ: No. (いや、泣いてない。)
モニカ: Well, do you think he was waiting 'til after you left, so he could cry? (じゃあ、彼はパパが去るまで待って[こらえて]いて、それから泣いた、ってことはあり得ると思う?)
パパ: Maybe. (多分ね。)
モニカ: I think so. (私もそう思うわ。)
What makes you think that は「何があなたに(that 以下だと)思わせたのか」ということですから、「なぜ(どうして)(that 以下だと)思ったの?」という意味になります。
make は使役動詞で、make+目的語+動詞の原形で「(人に)…させる」という意味になりますよね。
パパは "How you doing?" と言っています。
正確には "How are you doing?" と be 動詞の are が必要なところですが、挨拶の決まり文句なので省略されることがあるようです。
「どうしてるの? 今、どんな感じなの?」というニュアンスだと思います。
パパはモニカが精神的・肉体的に大丈夫かどうかを尋ねているのでしょう。
次のセリフでモニカは、How's Richard doing? と尋ねていますが、こちらはちゃんと be 動詞の is が入っていますね。
後のエピソード(フレンズ4-13)で、ジョーイがこの "How you doing?" というフレーズを使います。
それ以来、この台詞は何度も何度も出てくるようになります。
ジョーイが女性をナンパする時のキメ台詞なんですよね(笑)。
ジョーイの発音、というかイントネーションが独特なので、それを聞くだけで観客は笑ってしまうのです。
日本語では「元気か〜い?」と訳されていましたっけ?
このセリフはフレンズファンの間では有名です。
Wikipedia 英語版: Friends (←ちなみにこのサイトはネタバレ要素満載なので、ネタバレはいやだ、という人は決して見ないで下さい…笑) の Running gags 「連続して登場する(?)ギャグ」という項目にも、ちゃんと "How you doin'?" は挙げられていて、そこに
This is Joey's pick-up line. 「これはジョーイのナンパの台詞だ。」
と書いてあります。
パパの You don't wanna know. 「知りたくないだろ。」に対して、モニカは、No, I really, really do. と答えていますね。
英語の場合は、普通、否定文に対して No と答えた場合は、No, I don't wanna know. と後に否定文が続くはずで、日本語に訳すと「えぇ、知りたくないわ。」になります。
この場合のモニカは、No, I really do. と No の後に肯定文が続いていますが、これは No, I don't. などの No とは違って、恐らく、パパの言った言葉に対して、「そんなこと言わないで。」という意味の No なんでしょうね。
do terrible は do+形容詞(ひどい、つらい、非常に悪い)になっていて、何となく中途半端な表現のように思えるのですが…。
How's Richard doing? の how は「どんな状態・具合か」を尋ねる副詞ですから、文法的に正しい答えは "He is doing+副詞" になるはずだと思います。
厳密に言うと、do terrible things (do+形容詞+名詞)とか do terribly (do+副詞)という感じなのでしょう。
まぁ、do terrible のニュアンスはよくわかりますし、日常会話ではよくある表現なのかもしれません。
パパの terrible という言葉にはとても力が入っています。
今回のパパはとっても優しいです。表情もとても柔らかいですね。
いつもはかなりトンチンカンなパパなのにねぇ(笑)。
また、それを聞いたモニカの Really? が本当に嬉しそうですね。
ここは女としては泣けてしまいます。
せめて別れなければいけないのなら、彼も私と同じように苦しんで悲しんでいて欲しい、と思う気持ち。
フレンズ3-1その18 でフィービーにアロマセラピーをしてもらっている時に、モニカは「彼は大丈夫なんだと思うわ。」と言って自分を追い込んでいましたね。
自分と別れてハツラツとしているところなんて想像したくないはずなのに…。
a mess は「混乱、めちゃくちゃ、雑然としたもの、(外見や考えなどが)乱れている人」。
DVDの日本語字幕では「ボロボロだよ」と訳されていましたが、まさにそんな感じでしょう。
日本語でひどい状態のことを「もうボロボロ」とか言いますものね。
「泣いてた?」との質問に、安易に「あぁ、もう号泣していたよ。」と言わないところもいいですね。
リチャードが男友達の前で涙を見せるとは思えないし、そんな風に言ってしまうと、やっぱり "You're just saying that." 「ただ(私を慰めるために)そう言っているだけ。」ということになってしまいますから。
一人になってから泣いていた、と思うことで安心しようとするモニカ。
パパの Maybe. 「たぶん。」という返事も「絶対そうだよ。」よりも優しい感じがしますね。
(Rach からのお願い)
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口語では最後に副詞のように形容詞をおくことができますが
副詞との違いは一時的なことを表しています。
そのため過去形の文章に多いですね。
She got married young.彼は早婚した。
You drive safe 安全運転でね!
You read it wrong.読み間違えている
He's out sick.彼は病気で休んでます。
Leave me alone.ほっといて。
We have to keep this apartment warm.
最後のkeepは目的語の後に形容詞をおく特別な動詞です。
2-10 Estelle :Joey, have you ever seen me ecstatic?
詳しいご説明をありがとうございます。
「付帯状況として形容詞が付いている」というのは、使役動詞や知覚動詞などのSVOCという構文の、目的語と補語の関係に通じる部分があるように感じました。
実際、研究社 新英和中辞典では、
marry=(+補)(…で)結婚する
He married very young. 彼はずいぶん若い時に結婚した.
と説明してあり、こういう形容詞を「補語」と表現しているようです。
「ハートで感じる英文法 会話編」の Lesson 3 「知覚構文−なめらかに語る−」で、大西先生は「ピボットの呼吸」というのを説明されていました。
先生は「並べると説明」という言葉で解説しておられたのですが、知覚動詞の構文に代表されるような、
I saw Mary crying. 「メアリが泣いているのを見た」という構文は、
I saw Mary. と、Mary was crying. がその中に含まれている、ということですよね。
例に挙げていただいた
Estelle: Joey, have you ever seen me ecstatic? は、
フレンズ2-10その6
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470303.html
に出てきましたが、その時の私の訳は、「ジョーイ! 私のうっとりした顔を見たことある?」になっていました。
でも、実際のニュアンスは、「私(の”ある姿”)を見たことがある?」、そしてそれはどんな姿かと言うと、「ecstatic な姿・状態、I am ecstatic. なところを見たことがある?」って感じになるのでしょうね?
keep のように「目的語の後に形容詞を置く動詞」については、第5文型(SVOC)で使われる動詞たち(make, call, find, leave, consider など)もその仲間に入るのでしょうね。
そういう目的語がある文の場合は、O=C という関係が成り立つ、とよく言われますよね。
He's doing terrible. のように「自動詞で、目的語がなくて、最後に形容詞が来る」文について、今まで深く考えたことがなかったのですが…。
He's doing terrible. の do が自動詞、というのは、「行う、行動する、ふるまう」ということで、「「…をする」という目的語を必要とする他動詞ではない」、ということですよね? 通常はこういう自動詞の場合は、do well のように副詞を伴うことが多いと思うのですが、上のセリフの場合は、He's doing. 「彼は今、”ある状態で”行動している」で、その彼の今の状態が、He is terrible. 「彼の状態は今ひどい」と、形容詞を使って表現している感じなんでしょうかねぇ?
He's doing terrible. の場合は、
He's doing. であり、なおかつ、He's terrible. である。
She got married young. の場合は、
She got married. であり、なおかつ、She was young. である。
ということですよね??
私は上の記事を書いた時には、"He's doing terrible!" というのは、"He's doing terribly!" のラフな形だろう…くらいにしか思っていませんでした。
catchさんがたくさん例を挙げて説明して下さって初めて、あぁ、そういう「説明を付け足す」感覚かぁ、とやっと気付いた…という感じです。ありがとうございました。
crying と現在分詞になっている場合は、形容詞と考えることができますよね。I saw Mary cry. なんていう、動詞の原形が来る場合もありますが(笑)、現在分詞であろうが原形であろうが、その単語の並び方から判断して、crying や cry は、その前の単語 Mary のことを説明している補足説明である、ということはわかりますよね。語順からそういう感覚が掴めるようになるといいなぁ、と常々思っています。