2007年03月04日

アンクル・サムの話 フレンズ3-1その29

モニカに優しく語りかけるパパ。
パパ: Honey, relationships are hard. Like with your Mom and me. You know, after we graduated college, we broke up for a while. It seems her father, your grandfather, wanted her to travel around Europe like he did. Of course, he got to do it on Uncle Sam's nickel, because he was also strafing German troop trains at the time. However... (ハニー、男女の関係ってのは難しいもんだ。お前のママと私みたいにね。大学を卒業した後、私たちはしばらく別れたんだ。彼女のお父さん、つまりお前のおじいさん、が自分がかつてそうしたように、彼女にヨーロッパを旅行させたかったらしい。もちろん、おじいさんは戦時中のアメリカのお金で旅をしないといけなかったんだけど。なぜなら、おじいさんはその時、ドイツの軍用列車に機銃掃射もしていたから。ところが…)
モニカが眠っているのに気付いて、毛布をかけてあげるパパ。
パパは、葉巻をくわえて、南北戦争のビデオを見始めます。

Uncle Sam とは「アンクル・サム、典型的な米国人」のことで、また「アメリカ政府」も指します。
United States と同じ頭文字になるから、なんですね。
Wikipedia 英語版: Uncle Sam にはアンクル・サムのイラストも載っています。
ウィキペディアによると、
その言葉が最初に使われたのは1812年、イラストは1852年から使われている。
とのことです。
その姿はそのイラストを見れば一発でわかるのですが、ウィキペディアではそれをわざわざ文字で書いて説明してあります。
He is often depicted as a serious elderly man with white hair and a goatee, dressed in clothing that recalls the design elements of the flag of the United States—for example, a top hat with red and white stripes and white stars on a blue band, and red and white pants.
それを訳してみると、
アンクル・サムはしばしば以下の姿で描かれる。シリアスな[厳粛な]年配の男性で、白髪に山羊ひげ(goatee)、服装は合衆国の国旗を思い出させる[ほうふつとさせる]ものである。例えば、シルクハット(top hat)には、赤白の縞模様[ストライプ]があり、帽子の青の帯に白い星がついている、そしてパンツ[ズボン]は赤と白(の縞模様)である。

…ということなんですが、ウィキペディアの一番右上に載っている "I WANT YOU FOR U.S. ARMY" のポスターのアンクル・サムは、白いシルクハットに「白い星の入った青い帯」がついているだけで red and white stripes はないようです。
Uncle Sam Pictures ではいろんなアンクル・サムの絵を見ることができますが、ここでも帽子に赤白のストライプはないですねぇ…。
でも、ウィキペディアの下の方を見ていくと、ニューヨーク・ヤンキースのロゴが載っていて、そこの説明にこうあります。
The logo of the New York Yankees features Uncle Sam's hat covering the barrel of a red baseball bat.
ニューヨーク・ヤンキースのロゴは、赤い野球バット(の太い部分)を覆っているアンクル・サムの帽子をフィーチャーしている[その特徴としている]。

feature って日本語に訳しにくいので困るんですが(笑)、つまり日本でもおなじみのあのロゴに書いてある帽子はアンクル・サムの帽子で、その帽子にはちゃんと赤白のストライプが入っているわけですから、ウィキペディアの説明が間違っているというわけでもないようです。
逆に今はこちらのヤンキースのロゴの帽子のイメージが強すぎる、ということかもしれません。

nickel は「ニッケル(金属の種類)」のことですが、「アメリカの5セント硬貨(コイン)」のことも指します。
ここではコインのことを言っているようです。
Wikipedia 英語版: Nickel (United States coin) に Wartime nickels という項目があるのですが、Uncle Sam's nickel というのは、これのことでしょうかね。
それによると、
1942年半ばから1945年にかけて、いわゆる「戦時」合成ニッケルが作られた。そのコインは、銅56%、銀35%、マンガン9%でできている。
とのことです。
最初の General history の項目にも、
ニッケル硬貨は通常、1グラムにつき1セントの価値を持っている。(第二次世界大戦中に一時的にニッケルが使われていない特別バージョンが発行された時でさえ、その(1グラムにつき1セントの)価値があった。)
と書いてあります。(5セントのニッケル硬貨は5グラムだとウィキペディアにも書いてあります。)
どうして戦時中の硬貨にはニッケルが使われなかったかということについては、
Wikipedia 日本語版: ニッケル の「用途」の項目に、その理由と思われることが書いてあります。(英語のウィキペディアにはその辺りのことは書いていなかったようですが。)

とにかく、その銅・銀・マンガンで構成されていてニッケルが使われていない戦時中の5セント硬貨のことを、Uncle Sam's nickel と呼んでいるのでしょうか?
ウィキペディアのアンクル・サムの項目に、戦争中のポスターにそのキャラクターが使われたと書いてありますし、わざわざ Uncle Sam's と付けているところに、その戦争中に使われていたという特殊なバージョンのコイン、というニュアンスが込められているような気がします。
"on Uncle Sam's nickel" でぐぐると、いくつかヒットするのですが、Uncle Sam's nickel そのものを説明した文章には出会いませんでした。

he got to do it on Uncle Sam's nickel と言うのは、he had to travel around Europe on U.S. money ということだと思います。
どうしてわざわざ「アメリカのお金で」と言っているかと言うと、戦争しに行っているから、当然、入国時にその国のお金に換金するわけではないからね、ということなんだと思うのですが。

strafe は「(低空飛行で)(…に)機銃掃射を加える、地上掃射する、猛爆撃する」という意味。
思い出話をするパパですが、モニカはリチャードの様子を聞いて安心したのでしょうね。いつの間にか眠ってしまいました。
それに毛布をかけてやり、リチャードがするように葉巻をくわえ、南北戦争のビデオを見るパパが微笑ましいです。
リチャードと同世代ですから、パパも南北戦争が好きなんでしょう。
男性は戦争ものが好きなのかもしれませんね。
私の父も戦争映画とかが大好きで、最近では、「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」の両方を見に行ったと言ってました。

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posted by Rach at 08:24| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお、小生、やっとシーズン3突入です。

Rachさんのおかげでここまで来れました(^o^)丿
でも、追いついちゃうよ〜(>_<)
そうなると素晴らしい参考書なしで進まないと行けない・・・
(とか言って煽って申し訳ありません)

既出でしたらすみません。「nickel」には「おごりで」とかいう意味があって「on your nickel」で「お客様持ちで」ということらしいので、「on Uncle Sam's nickel」だと「アメリカ政府持ちで」ってことではないでしょうか?(戦争だから旅費?とかは当然政府持ちですよね)

また遊びに来ます。
Posted by さるっち at 2009年01月14日 10:36
さるっちさんへ
コメント、ありがとうございます。
シーズン3に入られたのですね。おめでとうございます。
もう追いつかれるのは時間の問題ですねぇ(笑)。「素晴らしい参考書」と言っていただき、ありがとうございます!
「素晴らしい」かどうかはともかく(笑)、確かにこのペースではあまりにもトロすぎると思っていて、今後のことをあれこれ考えているところです。うーん、ほんとうにこれからどうしようか…。

それから、nickel についてのご意見ありがとうございます!
私も調べてみました。
英辞郎に、
on your nickel=(通話料が)お客様[発信者]負担で
というのが載っていました。

この on は、
フレンズ1-14その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470092.html
で出てきた、
ジョーイ: Here's my credit card. Dinner's on me. I'm sorry. (これが俺のクレジットカードだ。ディナーは俺がおごるよ。ごめんな。)
の、on me 「俺のおごりで」の on の感覚と同じですね。

シーズン3に突入されたばかりのさるっちさんには、先のエピソードになってしまいますが、
料金はお店持ち フレンズ3-5その23
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470898.html
では、on the house 「店のおごりで」という表現も出てきて、そこで、その on の感覚、つまり、「…の上に(負担として)のしかかる、乗っかる」という感覚(?)について、説明しています。

ということで、その on の感覚から、on Uncle Sam's nickel は、「アメリカ政府のお金で、アメリカ政府がお金を負担して、(費用は)アメリカ政府持ちで」ということになるのですね?
なるほど〜、それだと前後の流れもすっきりします。

私は上の記事で、got to do it を、had got to do it の had の省略された形だと思って、had got to = had to つまり、「…しなければならなかった」と訳してしまったのですが、実はそうではなくて、got to do it は変化を表し、「…するという状態になった」みたいなニュアンスなのかもしれません。

もちろん、おじいさんが「ヨーロッパを旅行した」って言っても、それは、ドイツと戦争するために、「アメリカ政府のお金でヨーロッパを旅行することになってしまった」ということなんだけどね、というニュアンスなのでしょう。
厳密に言うと、おじいさんの travel around Europe の場合は、「自分がお金を払って旅する旅行」とは違い、お金は政府持ちだったんだけどね、政府がおじいさんを戦地に(強制的に)連れて行ったんだけどね、と言っているのですね。そう理解すると、このパパのセリフの面白さがはっきりしますよね。

さるっちさんのお陰で、ここのニュアンスがよくわかりました。ありがとうございます! また、遊びに来て下さいね。
Posted by Rach at 2009年01月16日 12:18
こんにちは

get to do には口語で「 (機会があって、または許可を得て) ...できる」という意味もあります。この台詞のおかしさはコメント欄ですでに十分に解明されていると思いますが、助動詞的な部分の解釈を「義務」から「可能」に変えることで、さらに意味が通るようになると思います。
Posted by mq at 2019年05月31日 11:41
mqさんへ
コメントありがとうございます。
確かにこの get to は「可能」で訳した方がより意味が通りますね。

「おごりで、〜の費用持ちで」ですから、こちらとしては「お金を払わずただでそれができちゃった」→「アメリカ政府のお金でヨーロッパを旅行ができちゃった」ということだったわけですね。

貴重なご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2019年06月04日 21:06
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