2007年03月06日

フレンズ3-2その1

シーズン3 第2話
The One Where No One's Ready (身支度は大騒ぎ!)
原題は「誰も準備できてない話」

最初に説明しておきますが、今回のエピソードはモニカの部屋の中だけで繰り広げられる、典型的なドタバタです。(エンド・クレジットの後のシーンでは、別の場所が映りますが…)
今回のエピソードは、セリフのやり取りとそのテンポの良さを堪能していただきたい、という感じですね。
難しい表現は少ないのですが、セリフの掛け合いを聞いているだけでも面白いし、テーマ自体が単純なだけに、そのテンポの良さが際立つように思います。

冷蔵庫を物色しているジョーイ。
ジョーイ: All right, they got water, orange juice, and what looks like cider. (よーし、水とオレンジジュースと。それからリンゴジュースみたいに見えるやつ。)
チャンドラー: Taste it. (味見したら。)
ジョーイ: Yep, it's fat. I drank fat! (あぁ、油だ。俺、油、飲んじゃったよ!)
チャンドラー: Yeah, I know, I did that two minutes ago. (あぁ、知ってる。俺も2分前に飲んだから。)

cider の発音は「サイダー」ですが、三ツ矢サイダーとかの「サイダー」ではありません。
日本語のサイダーのような「ソーダ、炭酸水」は soda pop と言います。

cider はアメリカでは「リンゴジュース」(リンゴの絞り汁を発酵させないもの)を指し、イギリスでは「リンゴ酒」(リンゴの絞り汁を発酵させたもの。アルコールを含む)を指します。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下のとおり。
cider:
1. (British English) an alcoholic drink made from apples, or a glass of this drink
American Equivalent: hard cider

訳すと、「(イギリス英語) リンゴから作られたアルコール飲料、またはその飲料のグラス一杯分。アメリカ英語では hard cider と呼ばれる」
2. (American English) also apple cider
a non-alcoholic drink made from apples

訳すと、「(アメリカ英語) apple cider とも言う。リンゴから作られたノンアルコール飲料」

ジョーイが取り出した液体は黄色でした。
日本のサイダーのイメージだと透明なものを想像しますので、ちょっとイメージが異なりますよね。

1999年の映画で「サイダーハウス・ルール」(The Cider House Rules)というのがありますね(↓)。
Amazon.co.jp: サイダーハウス・ルール DVD
原作はジョン・アーヴィング(John Irving)です(↓)。
Amazon.co.jp: The Cider House Rules (マスマーケット) John Irving 著

この物語はリンゴ園(apple orchard)が舞台で、そのリンゴを収穫しジュースにする場所、かつ、そこで作業している人が住んでいる場所、がサイダーハウス(cider house)なんだそうですね。
Wikipedia 英語版: The Cider House Rules には、リンゴの表紙(First paperback cover)の画像が載っています。

fat というと、まっさきに「太った」という形容詞を思い出してしまいますが(笑)、名詞で「脂身(あぶら身)、脂肪、(料理用の)油」という意味もあります。
fat-free だと「脂肪を含まない、無脂肪の」。
フレンズ1-4その2 には、a fat-free crust with extra cheese 「脂肪分を含まないクラスト(皮)のチーズ増量」という表現が出てきました。
何だろう?と思っているジョーイに、飲んでみるように勧めるチャンドラーですが、油であることを知っていたんですね。いたずらかよ(笑)。
油とリンゴジュース、確かに色は似てますね。

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posted by Rach at 08:41| Comment(14) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いまだにapple ciderとapple juiceの区別が今ひとつつかない、在米3年半の主婦です。
apple ciderって「リンゴを絞ったままのもの」だからか、季節物ですけどね。果物売り場の近くに、秋から冬にかけてならびます。微妙に炭酸、というか、シュワッとした口触りです。でも、長期間常温保存可能なジュース(濃縮果汁還元、なやつ)の売り場にもapple ciderと書いてあるのがあったりして。私の見たのは、同じメーカーでjuiceとciderがあって、ほとんど同じラベルなので、これはよーく見ないと間違うぞ、というものでした。試しに買ってみたけどこちらは炭酸っけは感じなくて、だから間違って買ってしまっても気づかなかったかも。
ちなみに、ciderは季節が季節だからでもあるけど、温めてスパイス(シナモンとかクローブとか)を入れて飲むのも一般的です。あ、そう言えば、spiced ciderのインスタントの(お湯に溶かせばいい)も売ってるなぁ。

oilという言葉を使わずに、fatと言ったのですね。おもしろい。食用の場合、液体=oil、固体=fatで、oilの方が何となく一般的な名詞だからfatをoilということはあっても逆はあんまりないのかと思ってましたが。
友人の英語の専門家が何年か前、アメリカにひと月くらい滞在した後、「アメリカ人って、『太っている』という形容詞と『油』という名詞が同じだから、油以外のものは太らないと思ってるんじゃないか。そうじゃなければあんなに甘いものをバンバン食べて平気なわけがない」と言っていたことがあります。low carb dietの流行以来、sugar=悪者、という図式もかなり定着したようですが。fat-freeと同様、No sugar addedのラベルもよく見ます。(甘くないわけじゃない。甘いものはきっとやめられないんだな、カロリーの極端に低い甘味料などで、鬢が逆立つほど甘く味付けはしてあるの。)
Posted by おちか at 2007年03月06日 14:12
はじめまして、Saeと申します。

ランキングサイトから応援にきました。

自然な英会話に触れるのも

時には新鮮ですね。

ぽちっとクリックしていきます。
Posted by 現役翻訳者がインターネットでザクザク稼ぐ方法のSae at 2007年03月06日 19:23
いつのまにかあっちのブログは閉鎖していたコトーです(笑)
あぁ、3月のTOEICが近づいてますが、勉強不足は明らかで…
2年前も3月に受験したのですが「2、3月は忙しいからダメだ」というのを忘れてました。
…と一応、言い訳しておきます。

シーズン3に入ったんですね!!
最近のお気に入りはFOXでやってる「アメリカン・アイドル」です。なかなか生きた英語が使われてる(っぽい?)ですよ〜
Posted by コトー at 2007年03月07日 02:17
おちかちゃんへ
apple cider について詳しい情報をありがとうございます。もう、食べ物に関しては、アメリカに行ったことのない私にはチンプンカンプンで、辞書の語義以上のことは何もわかりません。ただ、taste it すれば分かることなのにねぇ(笑)。
「同じメーカーで apple juice と apple cider が存在する」というのは興味深いですね。
温めてスパイス入れて飲むのって美味しそうだし健康そう。
そう言えば、「りんごは医者いらず」って言いますよね。
An apple a day keeps the doctor away. 「一日一個のリンゴを食べれば医者はいらない、一日一個のリンゴが医者を遠ざける。」などという諺もありますよね。

fat と言えば「あぶら身」なのかと思うけど、確かに今回のように使い残しの油を fat というのは少し意外な感じがしますよね。
その「友人の英語の専門家」の方のご意見は、面白いです。日本人は「甘いものは太る」というイメージが強いですが、アメリカ人はそういう意識はあまりないのかな。
だいたい、アメリカ人は食べる量が日本人に比べてすごく多いですよね。スシがダイエットにいいと言っても、それをドカ食いしてしまっては、何の効果もないじゃん、みたいな(笑)。
Posted by Rach at 2007年03月07日 15:04
Saeさんへ
クリックの応援ありがとうございます。
Saeさんは貴ブログで、良い英語教材をいろいろと紹介しておられるのですね。確かに英語学習者の目から見ても、ああいうのはピンからキリまである気がします(笑)。良いものをこれからも紹介し続けて下さいね。
Posted by Rach at 2007年03月07日 16:48
コトーさんへ
「あっちのブログ」はFC2に比べて使いにくいと思うから、それで良かったのではないですか?(笑)
TOEICというのは場慣れがものを言う試験ですから、慣れにいくと思えば…って、受験料が結構高いから、それはもったいないかもしれませんね(笑)。TOEIC、頑張って下さい。応援しています。

そうなんですよ、とうとうシーズン3に突入です。まだまだ先は長いですが…。
「アメリカン・アイドル」って見たことないんですが、名前は聞いたことあります。
FOX CHANNEL の公式サイト
http://www.foxjapan.com/tv/bangumi/americanidol/
を見てみましたが、面白そうですよね。
映画「ドリームガールズ」で、今年のアカデミー賞 助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンは、「アメリカン・アイドル」のファイナリストなんだそうですね。映画は見ていませんが、ものすごく歌唱力があるとの評判で、その彼女がファイナリストではあるけれども優勝はしていない、というのが、アメリカの歌手の層の厚さを物語っている気がしますよねぇ。
Posted by Rach at 2007年03月07日 16:54
今、手持ちのPDA機能付き携帯から書き込んでます。やさしい英語なんだけれども、理解に悩んでしまうところについて質問…というか、これで大丈夫なのか確認して欲しいのでちょっと付き合ってください。すいません。

ジョーイ: All right, they got water, orange juice, and what looks like cider.

のthey getです。ここについてに解釈です。oxford辞典ではgetの25番目の意味に get: used to say that sth happens or exist(何か起こったり存在したりすることを言うときに用いられる)
で、例文として
You get(=there are)all the kids hanging around in the street.
が挙げられてます。ここから文脈からgetがthere's..とほぼ同じ意味になるのだと理解しましたが、主語のtheyが分かりにくいです。誰?何?となるんです。

で、落ち着いて状況を確かめてみたら、モニカとレイチェルの家の冷蔵庫をジョーイが開けているから、theyになるのだろうなと、書いててようやく気づきました。

ネイティブの感覚なんだろうけれども、難しいというか、とっつきにくいですね。こういうのが、僕の中では厄介なんです。

イメージとしては、「レイチェルとモニカが冷蔵庫に入れた」というのが念頭にあるからthey getで、there're だと誰かに説明している感じに聞こえるけれど、この状況ではジョーイが独り言を言ってる感じだからここでは不適切になるのかも。(自信なし)
Posted by ひさっぷ at 2009年07月16日 06:09
ひさっぷさんへ
この got は have 「持っている、所持している」という意味ですね。
元々は、have got = have で、その have が取れた形がこの got であると考えられます。

研究社 新英和中辞典には以下の説明が載っています。

have got
用法:話し言葉では have got は have の、また have got to は have to の代用になる。
もっている
I've got ten dollars. 10ドルもっている。

語法:have [has] got は通例短縮されて 've got ['s got] の形になる。また特に 《米》 のくだけた言い方では have [has] を省略して got を単独に用いることがある (参照: gotta)
I got an idea. 考えがある。
You got to see a doctor. 医者に見てもらわなければならない。
(引用ここまで)

つまり、have got は have の代用であり、アメリカ英語のインフォーマルな形では、have got の代わりに got だけを使う、ということになります。
ですから、have → have got → got という変化が起こっていて、got = have の意味として使われるのですね。

今回のセリフでは、モニカとレイチェルの部屋の冷蔵庫を開けて、They got... と言っているので、「モニカとレイチェルは…を持っている」という意味です。つまり、「彼女たちの冷蔵庫には…が入っている」ということになるわけですね。

フレンズ1-13その4
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470090.html
でも触れましたが、フレンズにもよく出てくる I gotta go. (行かなくちゃ。)は、意味としては I have to go. であり、それが、I have got to go. または省略形の I've got to go. になり、
省略された have も消えてしまって、I got to go. になったものを音声に忠実に文字にすると、I gotta go. になる、という変化になります。

フレンズでは、got = have の意味で使われていることが非常に多いです。そういう got に何度も触れるうちに、だんだん感覚がつかめてくるようになると思います。
Posted by Rach at 2009年07月17日 08:42
>この got は have 「持っている、所持している」という意味ですね。

知らなかったです。口語としてアリだし辞書にもちゃんと載ってました。でも、なんだかなじめないです…。getは「状態が変化する」というのが意味の基本としてあると僕はイメージしてるので。「状態が維持されている」という意味を認めると、何でもありになって混乱してしまいます。。。

なので、ちょっと「状態が変化する」というイメージでも大丈夫な解釈をしてみたので、つき合ってやってください(←頑固者)。

この表現というのは、ジョーイが以前に冷蔵庫を開けたときと比較して、前にはなかったものがあったから、使われているんです。ジョーイの頭の中では、レイチェルとモニカの二人(they)が新たに水などをgetしたのだなという変化があったんです。三人称の目では「状態が維持されている」としか見えていないけれど、ジョーイの主観では変化しているんです。関西弁で表現すると、「あいつらこんなん持ちおったんや」です。
Posted by ひさっぷ at 2009年07月18日 12:46
ひさっぷさんへ
英語では、「have got は have の代用として使われている、米語では have が省略されて got だけになる」ということなので、got = have と解釈した方がシンプルでわかりやすいと思うのですが、どうして got/have got = have になるのか、ということを考えてみるのも興味深いですね。

get には確かに「状態が変化する」という基本イメージがありますが、get のイメージから考えるのであれば、ここでは「手に入れる」というニュアンスで解釈した方がいいかもしれません。「手に入れる」という意味も、「所有者が変わる」などの状態の変化を示していますね。

have got を「手に入れてしまった」という完了形だと考えると、「すでに手に入れてしまった」ので、「現在、持っている状態」であるという流れになるかな、と思います。
それが普通に過去形の got であったとしても、「過去に手に入れた」から、「今、持っている」ということもいえますね。
そういう意味からも、got = have である、ということは、こういうセリフを何度も聞いているうちに私にとっては違和感はなくなりました。

そんな風に、元々は get の変化のニュアンスが入っていたのかもしれませんが、今回のセリフのニュアンスはやはり、あくまで have という「現在持っている状態」を述べているだけのように思います。以前にそれがあったかなかったかということはここでは言及されていないはずです。セリフでは、got の後に、water, orange juice, and what looks like cider. というたくさんの目的語が続いていますね。その全てが前に見た時はなかった、と解釈するのは少々無理があるように思うのです。他人の冷蔵庫の中身をそれほど厳密にチェックしているとも思えませんし。ジョーイのセリフはあくまで、「今見たら、冷蔵庫に、こういうものが入っているよ」と中に入っているものを述べているだけでしょう。

前になかったけど、今はこれがあるよ、みたいなことが言いたいのであれば、They've (just) got... のようにはっきりと現在完了形を使うかもしれません。
Posted by Rach at 2009年07月21日 11:45
>have got を「手に入れてしまった」という完了形だと考えると、「すでに手に入れてしまった」ので、「現在、持っている状態」であるという流れになるかな、と思います。

なるほどです。ところで改めて、この部分にちゃんと意識してフレンズを見ていたら、haveの意味で使われているgetがポツポツと出てるんです。だとすると、これ以前の回のフレンズにもこの表現は、たくさん出ていたはず。シーズン3になって初めて違和感を持ってしまった自分は、今まで何を見ていたんだろうかと、恥ずかしいです(T_T)。

とはいえ、なんとなく分かってしまってて、実は分かってなかったというほうが後々、もっと恥ずかしいことになるかもしれないし、聞いておいて良かったです。ありがとうございました。
Posted by ひさっぷ at 2009年07月22日 00:40
ひさっぷさんへ
何かを習っている時は、「なんとなく分かってるつもりになっていたけど、実はよく分かってなかった」ことに気づくことの繰り返しです。最初から何でもかんでもわかるわけではなく、知識や経験を積み重ねていくことで、自分の持っている情報や認識が修整されていくのですね。

私なんか、フレンズをファイナルまで一通り見ているはずなのに、こうしてブログを書くために再度見直すと、また新しい発見が次々と出てきます。違和感を感じたり、あれ?と思ったりすることが、自分の成長の証でもあるんですね。ですから、「どうして今までそのことに気付かなかったんだろう」と恥ずかしがるのではなく、「今まで気付かなかった部分に気付けるようになった自分を喜ぶ」ようにしたらいいのでは?と思います。
Posted by Rach at 2009年07月23日 08:22
いつも楽しく拝見させていただいてます。

2年前の記事に投稿、すいません。
ただ、どうしても気になったことがあるので。。。。

ジョーイがチャンドラーと椅子の取り合いをしてる時に、ジョーイが指をクロスさせる場面ありますよね???

あれの意味がいまいちわからないんですが、教えて頂けますでしょうか?

前、人に聞いた話によると、あれは I hope を表すものだと聞きましたが、、、いまいちぴんときません。
よかったら お返事お願いします。
Posted by KUMA at 2011年10月27日 21:35
KUMAさんへ
いつも楽しく読んで下さっているとのこと、誠にありがとうございます。
過去記事にコメントいただけることはとても嬉しいです。

それから、同じ内容のコメントが2つ入っていましたので、勝手ながら重複している分は削除させていただきました。うちのコメント欄は画面に反映するのに時間がかかり、コメント投稿に失敗したように見えることがあるため、2度投稿していただくことになってしまったのだと思います。お手数をおかけして申し訳ありませんでした。

さて、ご質問の「ジョーイが指をクロスさせる場面」ですが、その場面はこの記事よりかなり後ろになってしまいますが、

指をクロスさせる話 フレンズ3-2その7
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470744.html

で説明させていただいています。
またその記事の説明でわかりにくい部分があれば、お気軽にご質問下さいね。
Posted by Rach at 2011年10月28日 16:50
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