レイチェル: You guys, does this look like something the girlfriend of a paleontologist would wear? (ねぇ、みんな。この服、古生物学者の彼女が着そうな服に見える?)
フィービー: I don't know. You might be the first one. (わからないわ。あなたが多分、最初の人だから。)
the first one = the first girlfriend of a paleontolgist 「古生物学者の彼女第一号」みたいな意味のようです。
ある古生物学者の人生において最初の彼女、という意味ではなくて、「古生物学者の彼女」というカテゴリーに分類される人たちの中で最初の人物、みたいな感じでしょう。
つまり、フィービーは、「古生物学者の彼女が着そうな服と言われても、あなたが第一号で、他の古生物学者の彼女を見たことないから、私には判断つかないわ。」と言っているのですね。
最初、というのは、フィービーの知っている人間では最初という意味なのか、それとも人類史上始まって以来初めての、という意味なのか?(笑)
フィービーがこれまでに知らない、会ったことない、見たことない、というだけなら、I've never seen a girlfriend of a paleontologist before. くらいの表現になっていたかもしれません。
You might be the first one. という表現は、might 「かもしれない」がついていて断定していないとは言え、その存在そのものが最初である、と言っている感じがするような…。
もちろん、もし人類史上、という意味だったとしても、あくまでもそれはジョークで、古生物学者ってあまりモテなさそうだから、これまで「古生物者の彼女」なんてものは存在しなかったんじゃないかしら…というフィービーの偏見から来るセリフなんでしょうね。(古生物学者の人、ごめんなさい。)
モニカ: Rach, did you check the machine? (レイチェル、マシーンをチェックした?)
レイチェル: Uh, no. Wait, you know what, this is the outfit that makes my calves look fat. Never mind. (あ、チェックしてないわ。待って、ねぇ、この服を着ると、私のふくらはぎが太って見えるんだったわ。(似合うかどうか尋ねたことは)忘れて[気にしないで]。)
the machine 「マシーン」としか言っていませんが、電話を指差しながら尋ねていますので、留守電のことだとわかるわけですね。
フレンズ1-1その2 でも、留守電を machine と言っていましたし、
フレンズ1-20その1 では、チャンドラーが彼女の家に電話した時、
チャンドラー: I got her machine. (機械だった。)
ジョーイ: Her answering machine? (留守電のことか?)
チャンドラー: No, interestingly, her leaf blower picked up. (いいや、面白いことに、彼女の落ち葉送風機が出たよ。)
というやり取りもありましたよね。
calves は calf 「ふくらはぎ」の複数形です。
calf には「子牛」という意味もあります。
研究社 新英和中辞典と、Merriam-Webster Online Dictionary では、この「ふくらはぎ」と「子牛」の calf を別の単語として認識していますが、ロングマン現代英英辞典には、同じ単語の別の意味として挙げられています。
この calf はどちらも発音、綴りが同じなので、「別の単語か同じ単語か?」をそれほど気にする必要はないのかもしれませんが…。
単数形の発音は「キャフ」、複数形は「キャヴズ」、どちらも l(エル)の音は発音しません。
this is the outfit that makes my calves look fat は「これは、私のふくらはぎを太っているように見せる服である。」ということです。
その事実を思い出した今、この服は候補から外れるわけだから、似合うかどうかというさっきの質問は忘れてね、という意味で、Never mind. と言っているのです。
この Never mind. は「気にしないで。」ということですが、何か相談しようとしていたけど、それを相談するのをやめた、とか、何か言いかけてやめた、という場合によく使いますね。
(Rach からのお願い)
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いつも丁寧な解説で、勉強するモチベーションになっています!ありがとうございます…!
質問なのですが、このエピソード内で、飲みかけの油のグラスを見たモニカが、
「Has somebody been driking my fat?」というシーンがありますよね。
このセリフは、「誰か油飲んだ?」という意味だとは分かるのですが、なぜ現在完了進行形を使うのかがいまいちピンときません。
モニカが、誰かが一度油を飲んだらしいと推測しているのならば、ただの「Has somebody drunk my fat?」でいいはずなのに、「been drinking」だと継続のイメージがあり、その意図がわかりません。
このセリフに関してはどうお考えでしょうか?
コメントありがとうございます。お返事が大変遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。
丁寧な解説と言っていただけたこと、大変光栄で嬉しいです。こちらこそありがとうございます!
ご指摘のセリフ、確かに現在完了進行形が使われていますよね。通常、現在完了進行形は「動作の継続を表す」ものですが、それを当てはめると「誰かが私の油をずっと飲み続けてたの?」のようになってしまいますね。
現在完了進行形のニュアンスについては、「現代英文法講義」(安藤貞雄 著)の p156-157 に興味深い内容がいくつか書いてありました。
今回のニュアンスと関係ありそうに思われるものを箇条書きで挙げさせていただくと、
1. 「瞬時的」動作の場合は、発話時に至るまでの動作の<反復的な継続>を表す。
2. 「最近の過去」発話時まで動作が継続していたかのように感じられる場合。
3. (現在進行形などと同様に)驚き・不快・いらだちなどの感情的色彩を帯びることがある。
現在完了進行形にこのようなニュアンスがあると考えると、
1. 「油を飲む」の drink は「瞬時的」動作だと考えられるので、「今までちょこちょこと誰かが油を何度か飲んでいた」という「反復的な継続」を表す。
2. (誰かが飲んでいる姿を見たわけでもないから)直前までずっとそうしていたということではなくて、「ちょっと前までそうしていたかのように”感じられる”」という「最近の過去」。
3. She's always complaining. 「彼女は不満ばかり言っている」のように、進行形には「主語は〜ばかりしている」という話者のいらだちを表現することができるので、現在完了進行形も「進行形」の一種であることから、「誰か油なんか飲んでたわけ?」という「驚き・不快・いらだち」のような感情が入っている。
などが考えられるでしょうか。
この中で、一番ポイントと考えられるのは 3. の「驚き・不快・いらだち」かなと思います。
その人の日頃の言動、習慣などを語る場合は、「いつもそうする」を意味する現在形を進行形にした「現在進行形」を使うことになるわけですが、今回は「今、油が減っている様子を見ると、今に至るまでの間に誰かがそうした」ということですから、時制にすると「現在完了形」がふさわしい。それに「不快」のニュアンスを加えたものが、この「現在完了進行形」になる、ということかなと。
必ずそうだ、とは言い切れないのですが、現在完了進行形にも普通の進行形と同じような「不快」のニュアンスを持たせることができるなら、このセリフを言っている時のモニカの渋い顔に表れている通りの「不快」を示していると考えるのが、一番近いのではないかと思いました。
「継続」のニュアンスではなく「非難」の意味で進行形を使っていたんですね、勉強になりました!
英語学習者としては頭でわかっても感覚で気軽に使えるまで時間がかかりそうな表現だなと思いました…!
またrachさんにお世話になるかもしれませんがその時はよろしくお願いします!
こちらこそご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます!
現在完了進行形と言うと「継続」というイメージがまずは浮かんでしまいますが、「現在進行形のような非難のニュアンス」があるとわかると、この時のセリフにしっくりくるような気がしますよね。
また何かございましたら、どうぞお気軽にお尋ね下さいませ(^^)