2007年03月18日

フレンズ3-2その9

チャンドラー: You know what, okay, fine. Don't get up. You just sit right there. I just hope you don't mind, you know, my hand right here. (なぁ、わかったよ、もういいよ。立たなくてもいいよ。そこに座ってればいい。ただ、お前がこれを気にしないでいてくれるのを願うよ。ほら、俺の手がここに。)
(holds his hand a couple of inches in front of Joey's face)
と言いながら、ジョーイの顔のすぐ前[2、3インチ前]に自分の手(のひら)をかざすチャンドラー。
チャンドラー: Op, not touching. Can't get mad! Not touching. Can't get mad! Not touching. Can't get mad! (おっと、触ってないぞ、怒れないぞ! 触ってないから、怒れないぞ! 触ってない、怒れない!)
(Joey flings some dip onto Phoebe's dress)
イラついたジョーイが手を振ると、食べていたディップのソースがフィービーのドレスに飛んでしまいました。
フィービー: Ah! Oh my God! You rotten boys! (あっ! なんてこと! この悪ガキたち!)

チャンドラーとジョーイの喧嘩は、ますます子供じみてきました(笑)。
そこに座っていてもいいけど、これは我慢できるかな?みたいに、顔のすぐ傍に手をかざして、何ともうっとうしい嫌がらせをします。
"Not touching. Can't get mad!" を繰り返すチャンドラーは、子供が「やーい、やーい! 触ってないもんね〜♪」と言いながら絡む様子を彷彿とさせます。
省略されていますが、これは I'm not touching. So, you can't get mad. 「俺は(お前に少しも)触れてない。(だから)お前は(俺を)怒ることができない。」ということですね。

ト書きの Joey flings some dip の fling は「(ものを)(勢いよく)投げる、投げ飛ばす」という意味。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下の通り。
fling: (THROW SOMETHING) to throw something somewhere using a lot of force
つまり、「何かを投げる。どこかに何かを”大きな力を使って”投げること」ということですね。
フレンズ1-12その1 では、「(人を)ポイする、放り出す」という感じで、フレンズ2-16その23 では、「ブラを使って水風船を飛ばす(笑)」という意味で使っていました。
今回のジョーイの仕草も、チャンドラーの行動に対して、「あぁ〜、もううっとうしいったらありゃしない!」という感じで、手をパッと振って跳ね除けようとしたら、その手に持っていたディップが飛んでしまった、ということですよね。
ただ「投げる」んじゃなくて、そこに「ブンッ、ビュンッ!」という「勢い」を感じさせる動詞なのです。

rotten は「腐った」ですが、そこから「(道徳的・社会的に)堕落した」「とてもいやな、不愉快な」という意味にもなります。
日本語の「腐った、腐敗した」にもそういう「堕落した」という意味がありますから、その辺りのニュアンスは同じですね。
rotten to the core 「骨の髄まで腐った、芯まで腐った、すっかり堕落した」という、これまた日本語と同じニュアンスの表現もあります。
ここでの rotten は「腐った」と表現してもいいでしょうが、とにかく、子供じみたくだらない喧嘩を続けた挙句、他人にも被害を及ぼしたおバカさんたちを批判しているわけですね。
普通はこういう年齢の人を指す場合は、guys でしょうが、あまりにも幼稚なので、boys 「少年たち、ガキたち」と表現しているのでしょう。
唯一、きちんと行く準備が出来ていたフィービーまでもがこんなことに…(笑)。
メインのロスはともかくとして、ここでタイトルの No One's Ready (No one is ready)な状態になったわけですね。
コメディの王道、とでもいいましょうか。

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posted by Rach at 08:03| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
boy(s)/girl(s)の使い方が、日本語の男の子/女の子のニュアンスと若干違う感じの時がありますね。
"good boy!"とか。。。
私も"girls"などと呼びかけられて嬉しかったり、"ladies"と呼ばれても嬉しかったり(笑)。
だいたい日本語で呼びかけや挨拶に、girls や ladiesを使わないし、呼びかけ自体が英語に比べてあまりないかな?
「ちょっと、奥さん」はスーパーなどでよくあるかも。(爆)
書いてて思い出したけど、関西では「お姉ちゃん達」とか言うか!(爆)
Posted by まゆみ at 2007年03月18日 13:51
まゆみさんへ
よくワンちゃんにフリスビーをキャッチさせてそれを運んできたら、"Good boy!" 「いい子だ!」と言って誉めたりしますよね。

そう言えば、フレンズ1-10 で、セントラルパークでフィービーがライブをしている時、お客の男性二人組が大声でぺちゃくちゃしゃべっているのに怒って、
フィービー: Excuse me, excuse me! Yeah, noisy boys! [They stop talking and look up] Is it something that you would like to share with the entire group? (ちょっと、ちょっと! うるさい少年たち! [彼らはおしゃべりをやめて見上げる] あなたたちが話していることは、ここにいる人たち全員とシェアしたいようなこと[何か、大切なこと]なわけ?)
と言っていました。
この場合も、そういうマナーをわきまえない「子供」であることを強調している感じですね。「ノイジーボーイズ」とカタカナで書く方が雰囲気出るような気もします。今、ふと思いついたのはこれだけですが、フィービーはこういう表現が好きなのかもしれません(笑)。

英語は本当に呼び掛け語が多いですよね。これは日本語では訳しきれないし、訳すと却って不自然になるので困ります(笑)。
girls でも、ladies でも嬉しいですよね。私、昔、フランスのホテルのフロントの人に、madam と言われて嬉しかった(笑)。
日本ではスーパーで買い物していると間違いなく「奥さん」って呼ばれますよね。新婚の時に初めてそう呼ばれた時は恥ずかしかったですよ。
おじさんたちが「ちょっと、おねーちゃん!」と声を掛けてくれるのも嬉しいなぁ。あれはねぇ、フレンドリーなものを感じます。
Posted by Rach at 2007年03月19日 15:47
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