2007年03月19日

フレンズ3-2その10

ドレスにディップがついて慌てるフィービー。
フィービー: What am I gonna do? (私はどうしたらいいの?)
ロス: No, no, don't, don't, rub it! Don't! (clapping) What gets out hummus? What gets out hummus? (だめだ、こすっちゃダメだよ! ダメだ! [誰かに助けを求めるように手をたたきながら] ハマス(の染み)は何で取れる? ハマスは何で取れる?)
フィービー: Monica, Monica! You know what gets out hummus? (モニカ、モニカ! ハマスは何で取れるか知ってる?)
モニカ: If it is a new message, what is he calling to say? (もしそれが新しいメッセージなら、彼は電話をかけてきて、何を言おうとしてるの?)
フィービー: Okay, thanks. Yeah, I'll try that. (オッケー、ありがとう。えぇ、それにトライしてみるわ。)
チャンドラー: Maybe he's calling to say you're obsessive and crazy? (多分、リチャードは、モニカが執拗で変だ、って言うために電話をかけてきている[かけようとしている]んだよ。)
モニカ: So should I call him back? (だったら、かけ直すべき?)
男性陣: No! No! (だめだ! だめだ!)

hummus は humus とも綴りますが、料理の名前です。
ジョーイが食べていたディップで、ジョーイが手を振った拍子に、それがフィービーのドレスについてしまったんですね。
私はどんな料理かが気になったので、調べてみました。(興味のない方は飛ばして下さい。)

ロングマン現代英英辞典によると、
hummus (humus): a Greek food made from a soft mixture of chickpeas, oil, and garlic
つまり、「ヒヨコマメと油とガーリック[ニンニク]を柔らかく混ぜたものから作ったギリシャの食べ物」。
Wikipedia 英語版: Hummus には、写真も載っています。
確かにディップで食べるようなクリームソース状のものですね。
ウィキペディアの説明によると、
Hummus ... is a dip made of ground chickpeas, tahini (sesame seed paste), lemon juice, and garlic, and often olive oil and paprika.
つまり、「挽いて粉にしたヒヨコマメと、ゴマのペースト(練りゴマ、tahini)、レモン汁、ガーリックとで作られたディップで、しばしばオリーブオイルやパプリカも加えられている。」
ということです。
ウィキペディアには、アラビア語、ヘブライ語、アルメニア語の綴りが書いてあり、以下の説明があります。
In Arabic and Hebrew, the word hummus is used to describe the dish or just chickpeas on their own.
つまり、「アラビア語やヘブライ語では、hummus という言葉が、そのハマスという料理、または、ヒヨコマメそのものを指すのに使われる」ということです。
以下の説明にも「中東でポピュラーな食べ物だ」と書いてありますから、ロングマンに書いてある「ギリシャの食べ物」というのは、「ギリシャの伝統料理」というわけではないようで、あの辺りの食べ物だ、ということですね。
しつこいですが、Merriam-Webster Online Dictionary の語義も紹介しておきます。
hummus
Etymology: Arabic hummus chickpeas
: a paste of pureed chickpeas usually mixed with sesame oil or sesame paste and eaten as a dip or sandwich spread

語源は「アラビア語の hummus (ヒヨコマメ)」、意味は「ピューレ[裏ごし]したヒヨコマメのペーストで、たいていはゴマ油やゴマのペーストと一緒に混ぜ合わせたもの、ディップとして、またはサンドイッチのスプレッドとして食べる。」
ということですね。
ちなみに、パレスチナのイスラム組織の名前で「ハマス」あるいは「ハマース」と呼ばれるもの(英語では Hamas)がありますが、これはアラビア語の略称で、この hummus とは何の関係もありません。
細かいハマスの説明はここまで(笑)。

What gets out hummus? の get out は「…を外へ出す、取り出す」ということですから、「(染みなどを)抜き取る」ということですね。
「何がハマスの染み(シミ)を抜き取るか?」、つまり、「ハマスの染みを取る性質のものは何か、その染みを取るという機能のあるものは何か?」と現在形でその「性質」を表している感じでしょうか。
「普遍的な真理」と呼べるものかもしれません。
自然な日本語だと、「ハマスの染みは何を使ったら取れる?」ということですね。

モニカはシェフなので、食べ物のシミは何で取るのがいいか、ということに詳しいはずです。
が、今のモニカはそれどころではなくて、リチャードの電話のことで頭がいっぱい。
こちらの質問にちっとも答えてくれません。
こりゃだめだと悟ったフィービーは、そのトンチンカンな返事を聞いて「ありがとう、そうしてみるわね。」と言っているのがおかしいですね。

obsessive は「考えが取りついて離れない、執拗な、強迫観念に取りつかれた」。
フレンズ2-9その11 では、そう言われたロスがそのことをいつまでも「しつこく」気にしていましたよね。
あんまりモニカがしつこいので、冗談で「きっとモニカがしつこいって言いたいんだよ。」と言ったら、「そんな風に言いたいことがあるんだったら、やっぱり電話した方がいいかしら?」と、何が何でも「電話すべきだ」という返事をゲットしたい様子のモニカです。

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posted by Rach at 15:55| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちょっと義務感を感じて料理ネタにはコメントしてみたりして。

ディップ好きなアメリカ人がhummusを見逃すはずもなし、というところでしょうか。スーパーのdeliではtubに入った完成品も売ってます。でも、フードプロセッサーでちょちょいのぱ、で出来るので、私は出来合いのは買ったことがないのですが。

私の作り方はこんな感じ。chick peaの水煮缶をぱかっと開けて、水切りして、無糖ヨーグルト、tahini(なければピーナツバターで代用可・・・これに関しては異論もありますが)、レモン汁、イタリアンパセリ、気分でクミンなどのスパイスを放り込み、塩/こしょうも忘れずに。豆がざっくりつぶれるくらいまでpulseでかけたら、連続運転しながらオリーブ油を注ぎます。好みのconsistensyになったところで出来上がり。
ローストした野菜に添えて、vegetarian mealの日のメインです。

トマトソースじゃあるまいし、あんまり油っぽくもなく、落ち着いてつまみとって、オリーブ油と水分の染みたのをトントンと水拭きしてやればパニックになるほどのものでもない・・ものでパニックになる、ところがドタバタの心髄ですね。
Posted by おちか at 2007年03月21日 15:33
おちかちゃんへ
「アメリカ在住の主婦」に、料理について説明していただけると大変助かります。いつもありがとう。

ディップのような手軽な料理はアメリカ人は好きなんでしょうね。フードプレセッサーがあれば、確かに簡単にできそう…でも、我が家にはフードプロセッサーがないのだ(笑)。
tahini (練りゴマ)とピーナツバターなら似た感じですよね。(でも異論もあるのね?…笑)

consistency って「一貫性、矛盾がないこと」という意味でよく使うけど、「濃度、密度、粘度」って意味もあるんですね。
ロングマン現代英英辞典では(笑)
consistency:
1 the quality of always being the same, doing things in the same way, having the same standards etc - used to show approval
2 how thick, smooth etc a substance is
consistency of: Beat the mixture until it has the consistency of thick cream.
とあります。
その 2 の「ある物質がどれだけ濃厚か、なめらかか」というのが、そういう「粘度」という意味なんですね。
例文も、
「その混ぜ合わせたものを、濃厚なクリームの粘度になるまで強くかき混ぜる。」
というレシピの文章が載っていますもんねぇ。
私、英語のレシピを見ながら料理作ったことないので、こういう consistency ってすっと出てこないですよ。でもこれで覚えたぞ(笑)。

このシーンでは、薄いイエローのドレスに茶色のシミがベチャっと(それも結構大きな範囲に)ついた感じでした。最初にフィービーがこすってしまって、その後、洗面所で何とかしようとしたらしいけれど、出てきた時もまだ薄くそのシミが残ってましたね。
オリーブ油なんでちょっとやっかいかな、とは思うけど、冷静なモニカであったならば、台所にある薬品などを上手に使って、うまくシミ抜きして、
"You are good at removing [getting out] stains!" "I know!" 「染み抜き上手ね!」「そうなのよ!」
みたいに自慢するところかもしれません(笑)。
Posted by Rach at 2007年03月22日 10:54
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