自分がリチャードの留守電に入れたメッセージを、フレンズたちに聞かせるモニカ。
モニカ: (on machine) "Hi, it's Monica. I'm just checking in. 'Cause I got this message from you and I didn't know if it was old or new or what. So I'm just checking. So let me know. Or don't. Whatever. I'm breezy!" ([留守電のメッセージで] 「はい、モニカよ。ちょっとチェックしてるだけよ。なぜなら、私はあなたからメッセージをもらって、それが古いものか新しいものか、または他の何かなのかが、わからなかったから。だから、ちょっとチェックしてるだけよ。だから、[そのメッセージが古いものか新しいものかを]教えてね。教えてくれなくてもいいけど。何でもいいわ。私は気軽だもの!」)
ジョーイ: Hey, you can't say you're "breezy." That, that totally negates the "breezy." (おい、自分が「気軽だ」なんて言っちゃだめだよ。それじゃあ、「気軽であること」を完全に否定することになる。)
女性の声: (on machine) Hola. It's me. Yesterday was really fun. Call me about this weekend, okay? ([留守電のメッセージで] はーい。私よ。昨日はすごく楽しかった。今週末のことで電話してね、いい?)
まずいものを聞いてしまった…とみんなが気まずくなっていると、
ジョーイ: Now, she sounded breezy. (ほら、彼女の声は気軽に聞こえただろ。)
check in は普通「ホテルにチェックインする・記帳する、空港で搭乗手続きをする」のような意味ですが、ここでの in は、「留守電にメッセージを入れて、留守電の中に入って」チェックする、みたいな感じでしょうか。
or what は「…か何か、それとも他に何か」。
モニカは or what を軽い感じで付け足して、「古いか新しいか、そんな感じのこと」のようにはぐらかしているようですが、そのメッセージの新旧を知りたい、というよりも、「重要なメッセージかどうかが知りたい」というのが本音なので、それがこの or what という言葉に出ている気がします。
"So let me know. Or don't. Whatever." という言い回しを聞くと、それに似たセリフが過去のエピソードにあったのを思い出しました。
それは、フレンズ1-6 に出てきました。
靴を出しっぱなしにしているのを指摘されて、
モニカ: Doesn't matter, I'll get 'em tomorrow. Or not. Whenever. (気にしないわ。明日、それを片付けるわよ。もしくは片付けないか。いつでもいいわ。)
今回のセリフ、
"So let me know. Or don't. Whatever."
と、フレンズ1-6 のセリフ、
"I'll get 'em tomorrow. Or not. Whenever."
は、パターンが全くと言っていいほど同じだと思います。
「または…ない、何でもいい」みたいにさも気に掛けてないように言っているのが、却ってそれが気になってしょうがない、ということの裏返しなわけですね。
過去記事では、このセリフ周辺のやり取りを解説していなくて、今改めて見直すと、少し解説してみたくなったので(笑)、明日、フレンズ1-6 の追加記事 フレンズ1-6その5 として解説してみたいと思います。
negate は「…を否定する、否認する、打ち消す、無効にする」。
その形容詞形は negative ですね。
わざわざ breezy なんて言葉を言ったら、却って「気軽でない」ことを強調してるようなもんじゃん、というジョーイ。
Hola は「ホウラー」という感じで発音されていましたが、これはスペイン語の挨拶で、英語の hello や hi と同じ意味です。
(2007.4.11 追記)
スペイン語では h の音は発音しないので、Hola. は「オラ」という発音になるそうです。
DVDで上のセリフの発音を聞き直してみたところ、「オーラー」という感じで発音されているようです。
「ホウラー」だと思ったのは、私の聞き間違いのようでした。申し訳ありません。
詳しくは、(この記事よりも後の記事になりますが、)
ナンバー・ディスプレイの話 フレンズ3-2その24 のコメント欄 で説明しています。
(追記はここまで)
ネットで "hola means" とフレーズ検索すると、hola means hello (in Spanish) とか、hola means hi などがいくつもヒットしますが、必ずしも Spanish と書いてあるわけではないので、元々はスペイン語から来たものでしょうが、もう英語の挨拶として定着しているのかもしれません。
せっかく入れたメッセージについてはみんなに非難され、さらには、別の女性の声のメッセージまで聞いてしまい、最悪の状況になってしまいました。
そんな状況でも、ジョーイは相変わらずのマイペース。
sound+補語で「…に聞こえる」ですから、その電話の彼女の声が、breezy に聞こえた、ということですね。
まさにこの彼女のしゃべり方、こういうのが breezy なんだよ、モニカもこんな風にしゃべらなきゃ、とジョーイは言いたいようなんですが…。
自分では良い指摘をした、と思っているのでしょうけど、状況が状況なだけに、ねぇ。
こういうところはフィービーと似ていますね(笑)。
(Rach からのお願い)
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Call me about this weekend
今週末のことで電話してね
ここの'about'が「約、おおよそ」の意味だとすると、「だいたい週末あたりに電話してね」とも取れますね。
電話をしたのが急ぎの用事じゃなくて、リチャードがいそがしい人だと電話をかけた人が分かっているのだったら、こっちの意味かもしれないです。でも、少し苦しい感じがします^^;
「楽しかったわ」と言ってるんだし、好感を持ってるんだから、また会いたいと考えるのが妥当だから、Rachさんの訳が正しいはず。
とはいうものの、ダブルミーニングに取れるようにして、あえてモニカの心を惑わせている…というのは、深読みのしすぎかも。
おっしゃるように、about には「…ごろ(に)、およそ」という意味がありますので、about this weekend を「だいたい週末あたりに」と解釈することは可能だと思います。
ただ、このセリフの文脈ではやはり、about 「…について、…に関して」という意味だろうと私は考えます。
たまたま、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に以下の説明が載っていました。
about: (spoken) used to introduce a subject that you want to talk about
例) About this weekend - is everyone still going?
つまり、「自分がそれについて話したいと思う話題を紹介するために使われる」。
例文は、「今週末のことだけど…みんなはまだ行くつもり?」
上の about は、いきなり About で文を始める例ですが、about this weekend が「今週末(のこと、の件)について」という意味なのは今回のセリフと同じですね。
次にセリフの流れから、意味を考えてみたいと思います。
留守電の女性のメッセージを聞いてモニカがショックを受けているのは、この声の主が、昨日のことと今週末のことの両方について語っているからでしょうね。
「昨日は楽しかった」で、昨日、二人が一緒に時を過ごしたことがわかる。そして、「今週末のことで[今週末の件で]電話ちょうだい。」というセリフで、今週末も二人は会う予定になっている、ということがわかる、二人はかなりの頻度で会う仲であることがわかる仕組みだろうと。
「今週末ぐらいに電話して」では、今週末という言葉を使った意味があまりないように思います。逆に、「リチャードは忙しいだろうから返事は急がない」と遠慮するような相手であれば、深い関係ではない、ということになってしまいそうです。
モニカは、「電話をちょうだい。もしくは電話をくれなくてもいいわ。どっちでもいい。」みたいな言い方で、妙に遠慮した、ぎこちない電話になっています。それに対して留守電の女性は、「昨日は楽しかったわ。今度の予定のことで電話ちょうだいね」と、ジョーイが言うように気軽な調子で言っています。「またこっちから電話するわ」ではなくて、リチャードに「今度の予定のことで”電話してね”」と遠慮なく電話を要求できる間柄であることが、余計にモニカを不安にさせるわけでしょう。
this weekend に「電話する」のではなくて「会う」んだ、という事実を示唆しているところが、このセリフのポイントだと思うのですね。
ちなみに、around にも「…ごろ(に)、およそ」という意味があり、about と同じように使います。
about the end of the year でも、around the end of the year でも、「年末ごろに」という意味になります。
このセリフで、もし「今週末ごろ、週末あたり」と言いたいのであれば、「…について」と混同されやすい about ではなく、around を使うかな?とも思います。