チャンドラー: All right, you will notice that I am fully dressed. I, in turn, have noticed that you are not. So in the words of A. A. Milne, "Get out of my chair, dill-hole." (よーし、お前は俺が完全に着替えていることに気付くだろう。俺の方はと言うと、お前がまだ着替えていないということに、たった今、気付いた。だから、A・A・ミルンの言葉を借りると、「僕の椅子から離れろよ、このバカ。」)
turn は「順番」。
It's your turn. は「君の番だ。」、My turn has come. なら「私の番になった、私の番が来た。」という意味ですね。
in turn は「入れ替わりに、今度は(…が)、同様に」という意味になります。
「お前については…で、次に俺の場合は〜になる」という感じです。
You will notice に対して、I have noticed という現在完了形を使っていますね。
will は「…だろう、…でしょう」という推量や予言を表すものでしょうね。
「俺の姿を見れば、それに当然気付くだろう」という感じでしょうか?
そして現在完了形の方は、「まさに今気付いたところだ」というニュアンスでしょうか?
「俺はご覧の通り着替えているけど、ジョーイはどうかなぁ?…おや、着替えてない!」と、さもその事実に今気付いたかのように言っているのかなぁ?と思うのですが…あまり、自信はありません。
A. A. Milne (A・A・ミルン)は、Alan Alexander Milne (アラン・アレクサンダー・ミルン)という名前のイギリスの作家ですが、A. A. Milne と呼ばれることが多いようですね。
Wikipedia 英語版: A. A. Milne
この人は、くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)の作者です。
Amazon.co.jp: Winnie-The-Pooh (ペーパーバック) A. A. Milne (著), Ernest H. Shepard (イラスト)
Get out of my chair の部分は、くまのプーさんの一節をもじったものなんでしょうね。
プーさんの英語版は持っていないので、正確な文章はわからないのですが、プーさんはハチミツを食べすぎてお腹がいっぱいになってしまって、木の穴にはさまったまま抜けなくなる…という話がありましたよね。
get out of は「…から出て行く、去る」という意味以外にも、「脱出する、逃れる」「…から取り出す、引き出す、引き抜く」みたいな意味もありますから、なんとなくそのはさまったプーさんの場面でそういうフレーズが出てきたのかなぁ、と思ったり…。
ちょっとネットでは見つけられなかったので、ご存知の方は教えて下さい。
dill-hole (dill hole)は、「ばか者、愚か者」という意味。
Urban Dictionary というオンラインスラング辞典に、dill hole の語義がいくつか載っているのですが、共通するニュアンスは「愚かなことを言った相手に侮辱として使う」という感じでしょうか。
asshole というお下品な言葉もありますから、これも恐らくそれと同様のお下品な表現だと思いますので、あまり使わない方が良いと思うのですが(笑)。
dill という単語がどうしてそういう意味になるのか調べてみたのですが、答えは結局わかりませんでした。
(つまらない話だと思うのですが、)以下に、dill とその関連語を挙げておきます。
研究社 新英和中辞典で dill を調べると、
dill=(植物) イノンド, ヒメウイキョウ(セリ科の植物、その実と葉はピクルスなどの香味料)
と出ています。
ロングマン現代英英辞典にも、
dill: a type of herb
とあります。「ハーブの一種」ということですね。
英辞郎には、
(1-名)(植物)ディル。ハーブの一種。香辛料。
(2-名)ばか者、愚か者、あほ、間抜け(豪俗)
(2-形)(豪俗)頭の悪い、ばかな、とんまな
などと書いてあって、オーストラリア英語でそういう悪い意味で使われているようです。
それがアメリカにも浸透してきた、ということなのかもしれません。
Urban Dictionary の dill の項目にも、
dill: Someone who consistently performs unbelievable acts of stupidity.
「常に信じられないような愚行を行う人」という語義が載っています。
よく似た名詞で、dilly というのがあります。
研究社 新英和中辞典には、
dilly=(英口語)すばらしい人[もの] (注:しばしば反語的に用いられる)
英辞郎には、
(1-名)(米俗)素晴らしい人[物・試合]、すてきな人[物]、(同種の中で)際立った[目立つ]人[物]
(2-名)(豪NZ俗)ばかな、愚かな
とあります。
その dilly については、Merriam-Webster Online Dictionary にこうあります。
Etymology: obsolete dilly, adjective, delightful, perhaps by shortening & alteration from delightful
: one that is remarkable or outstanding
それによると、その語源は、おそらく、delightful 「楽しい、愉快な、快適な、喜ばしい」を短くした、もしくは変形したものだろう、とのこと。
意味は、「注目に値するもの、または目立つもの」。
そこから考えると、最初は良い意味で目立つ、という意味だったのが、逆の悪い意味でも使うようになって、良くも悪くも目立つ、顕著なものを指すようになった、ということでしょうか?
その dilly が変化して、dill 「ばか」という意味になったんでしょうかねぇ?
(Rach からのお願い)
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ランキングからとんできて、楽しく読ませていただきました。
ただ、DVDだけで英語力がここまでつくとはすごいですね!
たしかに私の理論では海外に行かなくても英語は使えるようになる!と思ってはいるのですが、本当に実践している方がいらっしゃってすごいと思い、コメントしてしまいました。
なにぶん私はlazyで続かないものですから(笑)
よかったら相互リンク張らせていただけないでしょうか?私のほうには先に張らせていただきます。もし不都合であればお申し付けください。
こちらのブログでいつも勉強させてもらってます。
でもDVDだけで英語を身につけるのには私にはまだちょっと早いようで、基礎からやり直そうって思ってます。
だけど、FRIENDSは大好きなので1日1回は見ないと!
早くRachさんのようになれるように頑張ります!
勝手ながらお気に入りに追加させていただきました。
都合悪ければ外しますのでおっしゃってください。
では、また遊びに来ます。
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。
「英語力がここまでつくとはすごい」と言われるほどのものでは決してないのですが、誉めていただけるととっても嬉しいです。
こんな歳になってから、「若い時に海外へ行っておけば良かった」などと思っているのですが、今さら後悔しても仕方ないので(笑)、今は日本にいながら出来ることを模索しつつ英語を学んでいます。
貴ブログでこちらにリンクをはって下さっていることは大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
相互リンクに関しては、申し訳ないのですが、私のブログでは、「相互リンク」というものを行っておりません。
その件に関しましては、サイドバーに「当ブログは、相互リンクは行っておりません。」と書いてあるのですが、どこに書いてあるのかちょっとわかりにくかったかもしれませんね。ごめんなさい。
かずきさんはカナダに留学しておられたのですね。若い時期のそういう経験はものすごく大きな意味があると思います。
ブログ、頑張って続けて下さいね。
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。
DVD学習法は楽しく続けられるという利点がありますが、英語の教材のようにはっきりとした「答え」もないし、わからないと思うこともたくさんあります。ですから、わからないところは「今わからないだけで、続けていくうちにそのうちわかるようになるさ。」くらいの気持ちで続けていかれたらいいと思います。
何より、フレンズが好きで、フレンズを見るのが苦にならないということであれば、気負わずに自然とたくさんの英語に触れることができるわけですからね。
また、お気に入りに入れていただきありがとうございます。大変光栄で嬉しいです。お互い、フレンズで楽しく英語を学んでいけたらいいですね。
でもこれからもコメントはさせてもらうかもしれません。
よろしくお願いします!
わざわざのお返事ありがとうございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。