レイチェル: (entering from her room) Okay, Pheebs, quick, what shoes should I wear? The black or the purple? (ねぇ、フィービー、素早く決めてね。どの靴を履くべきかしら? 黒いの、それともパープルの?)
ロス: Just, just, just pick one, okay? (とにかくどちらかを選んでよ、わかった?)
フィービー: Okay, okay, okay. The black. But, oh, do you have black with the little strappys? (わかった、わかった、わかった。黒ね。でも、小さなストラップのついた黒い靴を持ってたでしょ?)
レイチェル: Yeah. But, but those really go better with pants. Maybe I should wear pants. (えぇ、でも、あれはパンツの方が本当によく合うのよね。パンツにした方がいいのかも。)
ロス: Yeah, pants! What, what an idea! Or better yet, um, how 'bout you go without any pants. Look, I don't know what you're trying to do to me, but just get your butt in there and pick out any shoes that fit your feet, okay? No, no, I don't care if they match. I don't care if they make your ankles or your knees or your earlobes look fat. Okay. (あぁ、パンツね! それはいい考えだ! もしくは、もっといい考えがあるよ。パンツなしで行く、ってのはどう? ねぇ、君が僕のために何をしようとしているのか、僕にはわからないけど、ただ(つべこべ言わずに)その部屋に行って、君の足に合う靴をどれか選んできてよ、わかった? いいや、僕はそれが似合うかどうかはどうでもいいんだよ。もしその服や靴のせいで、君の足首や膝や耳たぶが太って見えても、僕はそんなこと気にしてないんだよ。わかった?)
レイチェル: But I... (でも、私は…)
ロス: No, no, no just do it. Go in there and pick something out so we can go. (いいや、とにかくそうしてくれ。そこに行って何かを選べば、僕たちは出かけられる。)
レイチェル: All right. (わかったわ。)
ロス: Thank you. (ありがとう。)
Just, just, just pick one, okay? の just ですが、これは以下の英辞郎のニュアンスが近いと思います。
just=(副-8)(質問は)いいから、黙って、つべこべ言わずに。
(用法)命令文で、理由を告げずに「いいから〜しろ」または「いいから〜するな」というとき
例文) Just do it. いいからやってみな。/とにかくやりなさい。
時間がないと言っているのに、どちらの色にしようか、などと悠長なことを言っているので、ロスはイライラしているんですね。
だから、「ただ pick one してよね、いい?」と言っているわけですが、その「ただ(just)」のニュアンスは、「他の(くだらない、つまらない)ことは一切考えずに、「ただ」それだけをしてくれよ」という感じのようです。
この後、ロスのセリフには、何度も何度もこの just が出てきますね。
英辞郎の例文にあった、Just do it. も出てきます。
I don't know what you're trying to do to me. は、「君が僕のために何をしようとしているのかがわからない」、もしくは、「君が僕のためにやろうとしていることが理解できない。」ということでしょう。
僕はただ、早く準備して出かけたいのに、それだけに意識を集中してくれよ、と言いたいのですね。
フレンズ3-2その16 で、
レイチェル: Well, honey. I'm just trying to look nice for your big night. (えぇ、ハニー。あなたの盛大な夜のために、ただ素敵に見えるようにと頑張ってるのよ。)
というセリフが出てきました。
ですから、レイチェルがそういう意味で衣装について悩んでいるのはロスも知っているはずですが、僕の急ぐ気持ちを全然わかろうともせず悩んでいるのが、全然僕のためになってない、とか、ロスのためにきれいに…と言いながら、結局、自分の趣味にこだわってるだけじゃないかとか(←それが図星だろう…笑)、そういう気持ちが込められているんでしょうね。
「自分の部屋に行って」という意味で、get your butt in there という表現を使っていますが、その後のセリフに出てくる Go in there に比べると、butt (尻)という単語を使っていて、下品、というよりも、ちょっと乱暴な言葉遣いなのかな、と思います。
ちょっとムカついた相手に対して使う表現なのではないでしょうか。
get one's butt out of 「〜から立ち去る、〜から出る」という表現もよく聞きますが、これもあまりお上品ではないでしょうし。
ロスは、I don't care if... を2回続けて言っていて、「…はどうでもいい、そんなことは気にしない。」と力説しています。
その後に続く文章が「くだらない」ことだと言っているわけですね。
足首などが fat に見える、と fat 「太った」という形容詞を使っていますが、これは、かなりまずいなぁ、と。
この単語を聞いただけで、ひと波乱ありそうな予感がします(笑)。
(Rach からのお願い)
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Rachさんのご意見を教えて下さい。
◆"with the little strappys"について、
"strappy"は私の手持ちの辞書[G4、ジーニアス英和大辞典、ランダムハウス、OALD]を調べたところ、全て形容詞でした。名詞は"strap"。
しかし、前置詞"with"の目的語になっている点、複数形の"s"が付いている点から名詞的に使われているのは明らかです。ここをどう解釈すべきか迷ってしまいました。訳的な意味ではなく、文法的な意味で。
"the+形容詞"でパッと思いつくのは、『〜な人々』という意味で集合的な人を表す表現です。(例:the rich = 富裕層など)
しかし、この場合、複数形の"s"をつけません。つけずに複数扱いになるので、"the strappys"の説明としては不十分です。
あえて理屈を付ければ、対象が"shoes"と複数なので、右の"shoe"用の"the strappy"と、左の"shoe"用の"the strappy"、2つの"the strappy"を合わせて"the strappys"としているのかな?と思いましたが自信ないです。
◆”The black or the purple?”と"just pick one"について
質問が前後してすみません。
『黒いのと紫のどっちが良い?』とレイチェルが聞いてますが、両方とも黒でデザインが違う場合、何と言うか分かりますか?"shoes"でなければ、"This one or this one?"と言えるんですが、"shoes"は複数形なのでthisもoneも使えないですよね?"These or these?"と聞くのが正解でしょうか?凄く違和感があります。それとも"These ones or these ones?"ですかね?
また、ロスが"just pick one"と言っていますが、これはどう解釈されましたか?我々、日本人は単複の概念が苦手ですが、ネイティブはメガネ、パンツ、靴などに関して必ず複数扱いしますよね?
実際、この後のレイチェルのセリフは、"Those (shoes) really go better with pants."となっています。
しかし、そうすると、ロスのセリフの"one"は何を指すのでしょうか?"shoes"をさすのであれば、"just pick ones"ですよね?
私は、"just pick one (=pants)"ではなく、"just pick one (=color)"と解釈すれば良いのかなと思いましたが、これまた自信ありません。
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
興味深いご質問だったので、自分の頭を整理するためにいろいろ書いていたら(いつものごとくw)ものすごく長くなってしまいました。長すぎたせいか、全部投稿しようとすると、エラーになってしまったので、1つ目と2つ目を分けて、2つのコメントでお返事させていただきますね。
またお時間のある時に、お読みいただければ幸いです。
まずは、
◆"with the little strappys"について
この部分、ネットスクリプトでは、strappys と表記されていて、DVD英語字幕では、strappies と表示されていますが、いずれにしても、「strappy という名詞の複数形」の形をしていますね。
with the little 〜 という形になっていることと、複数形の -s が付いていることから、この strappy は「名詞」として使われていると判断して良いと思います。
辞書では「形容詞」として載っていたとのことで、確かに語尾に -y を付けることで、単語を形容詞化するという方法がありますよね。フィービーは、造語っぽいニュアンスで、名詞に -y をつけた形容詞を使うことがよくあります。
フレンズ2-8 では、
フィービー: It's not very Thanksgiving-y. (それじゃあ、あんまり感謝祭って感じがしないわ。)
のような表現もありました。
が、今回の strappy は、「strap をかわいらしく表現した感じの名詞」になっているように私は思いました。
研究社 新英和中辞典で -y の項目を調べてみると、接尾辞の -y として、「○詞につけて、〜の意」というような説明で、いくつかの例が出ています。
その中で、以下のものが、今回の strappy に近いニュアンスであると感じました。
-y 【接尾】[名詞につけて親愛を表わす指示辞]
aunty おばちゃん
Johnny ジョン坊
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
-y [suffix] [in nouns] : used to make a word or name less formal, and often to show that you care about someone
例) Where's little Johnny?
my daddy (=my father)
What a nice doggy!
つまり、「単語や名前をよりフォーマルでないようにする(フォーマルの度合を減らす)ために、そしてしばしば、自分が誰かを大切に思う(気にかけている)ことを示すために、使われる」。
ここにも、John の愛称である Johnny が例に挙がっていますが、little Johnny のように little という言葉で形容されていますね。
with the little strappys (strappies) についても、「ちっちゃなストラップ(ちゃん)が付いた靴」みたいに、おしゃれで小さなストラップが付いていることを、可愛らしく「親愛を表して」 -y という接尾辞をつけた感覚かな、と思うわけです。
ですから、-y がついているこの単語は、形容詞ではなくて純粋な「名詞」で、だから通常の名詞のように、複数形の -s も付けることができる、ということになると思います。
次は2番目のご質問、
◆”The black or the purple?”と"just pick one"について
「こっちとこっちのどっちがいい?」と言う場合、単数ならおっしゃるように、"This one or this one?" と言えますよね。それが靴、眼鏡、パンツのような「常に複数形で表現する」名詞の場合ならどう言えばいいか? ですが、結論としては、"These or these?" になるような気がします。
名詞が複数形であることから、this one? を複数形にした、these ones? になりそうな気もするのですが、these ones という表現は、ネイティブからすると、「ones は余計で、these と表現すれば良い」という感覚があるようです。
常にペアである複数のものを比較して、「こっち? それともあっち?」みたいに表現することがありそうだなと思ったので、試しに these ones or those ones でグーグル検索してみたところ、these ones という表現が正しいかどうかを議論する、英文法のフォーラム(英語サイト)がたくさんヒットしました。そのフォーラムでの見解をざっと見てみたのですが、「ones は不要、these だけで良い」となっているように思われました。
ネイティブの間でも議論となる問題らしいので、アカデミックな見解を知りたく思い、LAAD を調べてみたところ、、、ありました! 以下のように、まさに these ones という表現について、解説されていたのです^^
LAAD の one [pronoun] の中の説明は以下の通り。
In informal spoken English, people often say these ones or those ones: Give me those ones back, and I'll give you these ones. But in more formal or written English, it is better not to use ones: Give me those back, and I'll give you these.
つまり、「インフォーマルな、話し言葉の英語では、人はしばしば、these ones または those ones と言う。
例:それ(those ones)を返してくれたら、これ(these ones)を君に返すよ。
しかし、よりフォーマルな、または書き言葉の英語では、ones は使わない方がベターである。
例:それ(those)を返してくれたら、これ(these)を君に返すよ。
その LAAD の説明を考えると、今回のご質問の場合も、「これ? それともこれ?」と言いたい場合には、ones なしの、"These or these?" になるように思うわけですね。
「インフォーマルな話し言葉ではしばしば使われる」とあったので、these ones, those ones という表現が海外ドラマのセリフの中で実際に使われていることがあるかどうか、ちょっと調べてみました。
「フレンズ」では(私が調べた限りでは) these ones, those ones というフレーズは出てきたことがないようです。
私が見た他の作品も、自分のセリフデータベースで調べてみたところ、「24 -TWENTY FOUR-」の 2-13(シーズン2第13話)に出てきていました。
さっき、hulu でも確認してみたのですがw、時間にして 14:37 くらいのシーン。
キム: So, you knew about these terrorists?
男性: Not these ones specifically, but yeah.
私のデータベースにあるセリフでは、ほんと、これくらいで、もっと出てきそうな気がしたのですが、意外となかったですね^^
それから、ロスの just pick one. については、おっしゃるように shoes を指すのであれば、just pick ones. になりそうですよね。
ここで、ロスが ones ではなくて、one と言っているのは、「靴の色による区別」を意識しているか、もしくは、just pick one (of pair of shoes) という「どちらのセットか」というニュアンスで言っているかのどちらかかな、と私は思いました。
直前のセリフは、レイチェルがフィービーに向かって言う、以下のセリフでしたね。
レイチェル: Pheebs, quick, what shoes should I wear? The black or the purple? (ねぇ、フィービー、素早く決めてね。どの靴を履くべきかしら? 黒いの、それともパープルの?)
「私はどちらの靴(複数形)を履くべき?」と言った後、the black か the purple か、と尋ねていて、その選択肢には、ones や shoes のような複数名詞はもう付いていませんよね。靴の話をしているから、shoes/ones と付けなくてもわかるので省略している、とも言えますが、選ぶべきは色の話になっているから、「靴」という「数えられる物体」を意識する必要がないため、省略していると考えられる気もしました。それが前者の「色の区別」のことですね。
また、靴、眼鏡、パンツなどは常に複数形の名詞ですが、これらは「ペアで1つの物」という認識もありますね。今は「どの靴のセットを選ぶか」という話になっているので、「2足セットになったあの靴」という複数のイメージではなく、「とにかくどちらか1組の靴を選べ」という感覚で、just pick one (pair of shoes). という意味で言ったのではないか、というのが後者の解釈です。
その後、ストラップの付いた黒い靴のことをフィービーに言われて、レイチェルが "but those really go better with pants." とここでははっきり複数形(those)で表現していますが、それはその靴(2足セットになった複数形)とパンツ(脚が2本ある複数形)の映像が頭に浮かんだ上で「あの靴にはパンツが似合うのよねぇ」と言っている、だから、ネイティブは自然に複数形を言葉として選ぶんだろうなぁ、と。
話が戻りますが、ロスが「どちらか1つ選べよ」というのは、「どちらか1種類選べよ」というニュアンスの「色の種類」か「靴のセット」をイメージしていて、そこに「選ぶ対象が複数形の物体である」という感覚は薄くなっている、ということなのかなぁ、と思うわけです。
「セットになっているものは、もしかしたら、複数である感覚が薄くなることがあるかもしれない」と私が思うのは、「本来複数形である靴に対して、単数形の動詞を使っている例」をフレンズで見たことがあるからなんですよね。
(このエピソードより後になってしまうので、ネタバレになる方はご注意下さい)
幸せは幸せなんだけど… フレンズ3-16その4
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471317.html
に、
"Wait! Where's my shoes?" (待って! 私の靴はどこ?)
というセリフが出てきます。
文法的には、Where are my shoes? になるはずですが、そこでは上のように、動詞に単数形の is が使われていました。
このセリフを言っている人物は、ラフなしゃべりをするタイプの人なので、そういうラフな口調の一環なんだろうと思ってはいるのですが、shoes は、a pair of shoes という「2足で1つのセットになるもの」なので、そういう物の場合は余計に、動詞の単複があいまいになる可能性もあるのではないか、と思うわけです。
今回の靴に関する一連の表現も、「2足揃った靴」のイメージが浮かんでいれば複数形を用いるけれども、焦点になっている部分が「色、種類、デザイン」だったりする場合には、「一揃いの靴」というイメージで捉えるため、複数形という意識が薄れる、ということかな、と私は思ったわけですね。
「ネイティブが頭の中でイメージしているであろうこと」を私が想像してみただけなので^^ 「絶対」とは言えないのですが、今の私が考えるとこういう見解になります、というところです。
とても興味深いお話なので、私も引き続き考えてみたいと思います。また、何かふと思いついたら、ここにコメントを追加しますね。
興味深いご質問、ありがとうございました!
大変勉強になっています。
その内容もさることながら、
Rachさんの英語に触れているのが大好き!っていう感じが伝わってきます。
ここがボクが英語勉強が義務化して修行になって苦しくなるところの違いなんだなって実感しております。
サブカルネタの丁寧に調べてくださっていて、
こういうところを面白がって調べるんだなって思い、
ようやくボクもサブカルネタを時間かかっちゃいますけれど調べるようになってきています。
まずRachさんのattitudeから学ばさせていただいています。
でも
今回のモニカの恰好すごいですよね・・・
黒の下着丸見えで・・・(笑)
コメントありがとうございます。
「大変勉強になっています」と言っていただけて大変光栄で嬉しいです。
今も昔も、質問に対するお返事のコメントはやたらと長い(笑)ですが、調べたものを整理してコメントとして書いている様子は楽しげだなぁ、と今の自分が見ても思います。調べるのが楽しいと同時に、それをこうしてブログ上で皆さんとシェアできるのがやはり嬉しいんですよね。
質問して下さった方へのお返事を、何年後かにこうしてまた別の方が読んで下さる、、というのは本当にブロガー冥利に尽きるというものです。
サブカルネタなどを調べるのはブロガーとしての使命(!)みたいに思っているところもありますが、そういうものを調べていろいろな英語に触れることもまた英語学習だと思うので、ご負担にならない程度に続けていただければと思います。
今回のモニカの恰好は、着替えの途中とはいえ、確かにすごいですよね。そういうすごいところ(笑)も楽しまれつつ、フレンズ学習をどうか楽しく続けていって下さいね。
私の attitude を含め、ブログに対して高い評価のお言葉をいただけること、本当に励みになります。ありがとうございます。
これからも頑張りますね♪
温かいコメントありがとうございました!(^^)