今日は、やっと合格を手にした第3回目の面接当日(2007年2月25日)の話をします。
自分の記録として書いているため、妙に細かくて、面白くない記事です。ごめんなさい。
以前に、結果ハガキの画像を記事に載せたことがあるのですが、再度、結果を下に書いておきます。
合格
セクション1 (SHORT SPEECH)
18点 (30点満点)
セクション2 (INTERACTION)
18点 (30点満点)
セクション3 (GRAMMAR AND VOCABULARY)
12点 (20点満点)
セクション4 (PRONUNCIATION)
12点 (20点満点)
合計
60点 (100点満点、合格点60点)
ということで、何度も言いますが、「ギリギリ」です(笑)。
面接官は、日本人の女性と、ネイティブの男性でした。
最初の自由会話では、「好きなことを話してくれ」と言われたので、英語が好きで、いつか英語を使った仕事をしてみたい、というようなことを話しました。
選んだトピックは、
「携帯電話(The cell phones)が、あるもの(以下Aとします)にネガティブなインパクトを与えてきたか?」
というものでした。
英語では、Have the cell phones had a negative impact on... という文章だった、と思います。
ちょっとうろ覚えな上、on の後に4つほど英単語があったのですが、それが何だったか、すっかり忘れています(爆)。
大雑把に言うと、communication 関係のフレーズでした。
携帯電話は便利なツールである、と常々思っている私は、ポジティブな方向で話をまとめよう、とすぐに決めました。
スピーチがあらぬ方向に行ってしまうのを避けるために、「私の意見はポジティブ、ポジティブ!」とそれだけをしっかり頭に叩き込みました。
スピーチの最初に、
I think the cell phones have had a negative impact on...
と言ったところで、「あ、私の意見はネガティブじゃなかったんだ!」と気付き(気付くのが遅い!…笑)、
I DON'T think the cell phones have had a negative impact on...
と言い直しました。
それを口に出した時に、「あ、現在完了形だ。」と思ったのですが(これまた気付くのが遅い!)、現在完了形だからと言って、じゃあ、どうスピーチを展開したらいいのか、というところまでは頭が回りませんでした。
とりあえず、ポジティブな意見を言うのだけで精一杯という感じで。
今から思うと、現在完了形が使われている、ということは、「携帯電話が発明されたことで、どのようなネガティブな影響をAは受けたか」という、Aの「変遷・変化」を尋ねているわけで、携帯電話のせいで、こういう良い部分が減ったとか、こういう悪い部分が出てきた、などの例を挙げながら説明しろ、ってことだったのでしょうね。
その「与えてきた影響」というものを語れなくて、ただ単に携帯電話が善玉か悪玉か、というところで話していたのはマイナス要因の一つだったと思います。
私の基本的なスタンスは、「技術は、それが人のためになるのであれば、どんどん発達すればいい」というものです。
ですから、携帯は便利だ、という意識も強いのですね。
最初に、携帯の利点として、
If you want to talk to your friends, you can talk to them on the cell phones anytime anywhere in the world. 「もし友達と話をしたければ、いつでもどこでも(好きな時に)話せる」
などと言いました。
言った直後に「世界中どこでも、は言い過ぎたかなぁ。山の頂上みたいな圏外じゃダメだし…」とか思ったのですが、そんな細かいことを言い直している場合じゃないぞ!と心の中でツッコミを入れ、それについては流しました(その時間、約3秒…笑)。
その後、ポジティブな話として、「例えばメールは…」とメールが便利である、という話ばかりしていたような気がします。
実は私は携帯を「電話」としてはほとんど使わず、もっぱら「メール」でしか使わないために、こんな流れになってしまったのですが、トピックはあくまで「携帯」が主語であるので、それを「メール」のことを中心に話し過ぎた、ということもまた、マイナスだったかな、と。
「与えてきた影響」を尋ねているのに、「その長所」を答えるにとどまっていた、というのは問題だとは思うのですが、少なくとも、ネガティブだとは思っていない、私はポジティブだと思っている、というところは主張できたかな、と思いました。
前の時と比べると、ほとんど沈黙することはなかったし、その時思いついたことはそれなりに話せた気がしたので、とりあえずは安心しました。
質疑応答では、ネイティブの男性が、
「何かネガティブな部分はないですか? もちろんあなたがポジティブに考えているのはよくわかったのですが。」
と言われたので、正直ホッとしました。
私が「ポジティブ路線」で話をしていたのが相手に通じた、とわかったからです。
面接のトピックになるような controversial な問題は、必ずポジティブな面とネガティブな面があるわけです。
それは当然のことなので、「もちろん、ネガティブな面はあります。」と言った後、「例えば、電磁波が人体に与える影響とか?」と言ったら、一瞬空気が凍ったように感じました(笑)。
トピックではAについて、という条件がついていたのですが、それと「電磁波が与える影響」というのは、全く関係のない事柄だったんですね。
面接官が質問で条件を限定していたかどうか記憶にないのですが、トピックが決まっている以上、あくまでも「”Aに対して”携帯電話が与えた影響」についての意見を尋ねられているはずなんですよね。
それがA以外に関する話をしてしまったので、またもや、「トピックからずれてる」というのをやってしまった、と思いました。
その後、何かネガティブなことを…と考えて浮かんだのは…。
目の前に話すべき人がいる場合にでも、携帯ばかり使っていて、目の前の人間よりもそちらに気が向いてしまっている人がいる、現実に生身の人間と直接コミュニケーションすることも必要だ、というようなことを言った気がします。
ですが最初に、「どこでも使える」と言っておきながら、「使うTPOをわきまえない人がいる」と言ったのは、矛盾している気もします。
私の中では、「それは携帯電話の問題ではなくて、使う人の意識やマナーの問題だ。携帯の使い方に問題のある人は、携帯が発明される前から、TPOをわきまえない人なんだ。」という気持ちがあるのですが、その点を述べるのを忘れていました。
ですから、アーギュメントが中途半端だったかも、と思います。
「人対人」ではない機械を通したコミュニケーションの弊害みたいなことを語って、最後に「それでも携帯は便利で有益だと思う。」というようなことは付け加えたのですが、自分がポジティブを主張しているのなら、「もっと強く」そのポジティブであることを主張すべきだった、と思います。
「そういうネガティブな面もあるけれど、それでもポジティブな面の方が重要だと思います。」みたいに、ネガティブなことに翻ったわけではないことを最後にはっきりと付け足す必要があったんだろうなぁ、と。
使う場所の話になったので、日本人の女性が、「電車や教室では携帯の使用を禁止すべきである、という意見に賛成ですか?」と尋ねてこられました。
私は「もちろん賛成です。そういう場所では禁止すべきです。電車で使うと他の乗客に迷惑だし、教室は勉強をするところだし…」などと答えました。
今から思うと、「携帯を使うことで迷惑をこうむる人がいる」というネガティブな面をあっさり認めたように聞こえてしまったかもしれません。
スピーチも、質疑応答も、沈黙しないように気をつけていたし、とつとつとではあるけれども、何とか文を組み立てながらしゃべっている自分がいました。
家で独り言をぶつぶつ英語で言う練習をしていたのが、功を奏したのかなぁ?(笑)
自分の話している内容をちゃんと自分の耳で聞いて、それに付け加えながら話している自分を感じながらしゃべっていました。
そんなことは英語を話す時の基本なんですが、私は今までそういうことを感じたことがあまりありませんでした。
書くときはそれを意識しながら書いているけれど、それまでの私の頭の中にはそういう「話す回路」ができていなかったようです。
本番で、「初めてそういう感覚を味わった」と言っている時点で、英検1級の二次試験に臨む人間の言葉とは思えませんが…(笑)。
そんなこと、英語で話す経験を積んできている方々は、当然のようにできていることなんじゃないかと思いますね。
このように後から振り返ると、アーギュメントがおかしい、といろいろ気付くのですが、面接の時に自分の論理の矛盾に気付いていない、というのは、自分の話している内容を客観的に感じられていない、ということでしょう。
日本語なら、自分で話しながら自分の言葉の矛盾にすぐに気付くはずですよね。
それがわからないということは、やっぱりまだ「英語を話すこと」だけにいっぱいいっぱいで、とてもその内容に関して吟味するほどの余裕がない、ということなんでしょう。
日本語を話しているときほど、頭が回転していない、という感じです。
でも、とりあえず頭に浮かんだことを話す、というのはできた気がしたので、そういう緊張した状況の中で、あまり頭が回らなかった自分はある程度しょうがないと思いました。
これが今の私の実力だろうとも思いましたし。
だから、今回また落ちた場合は、今度は自分の主張を最後まで貫き通し、反対意見について言及しても、必ず自分の意見がより正しいと主張するなどのフォローを忘れないようにしよう、と、「またあるかもしれない次回(笑)」に向けての反省点としました。
前回までと今回とで違っていたのは、「関係のある文章を思い出そう」とすることと、「思ったことを話そう」との違い、だったでしょうか。
これまで、本でキーワードやキーフレーズをたくさん覚えてきましたが、前回までは、その丸暗記したフレーズをいかにたくさん盛り込むか、ということでアピールしようとしていた節があります。
でも、そうではなくて、自分の言いたいことをシンプルに言う中で、勉強してきた時に覚えたそういうフレーズが言葉の端々に出てくる、というのが自然な現象なんでしょう。
美しく印象的な言葉でスピーチを飾るのではなくて、言いたいことが言えているか、が大事なのであって、それには、「私はこう思います。〜するためには、…すべきだと思います。それは○○だからです。」とシンプルなフレーズで繋げて、ポイントが押さえてあるスピーチであればそれでいい、ということなんだろうと。
今の私の話す能力では、流暢なスピーチは話せないと自分でわかっていましたから、小学生が学級会などで発言するようなイメージで、ただ「意見を素直に述べる」ことに忠実であろうとした、という感じだったでしょうか。
面接が終わった後は、自分なりに達成感はありました。
与えられた時間を無駄にせずにたくさん話せた、という達成感です。
2回目の時も思ったのですが、「前回よりは良かった」と今回も思えました。
点数としては前よりも明らかに上がったのはわかるけど、でも、前回が48点でしたから、12点も上がるかどうかはわからないなぁ、と思いました。
そんな風に、試験直後は、「もしかしたらいけるかも」と思ったのですが、家に帰って落ち着いて自分の面接内容を思い出してみると、上に挙げたような「ここはまずかったかなぁ。」ということがどんどん浮かんできて、合格発表までは、本当に本当に不安でした。
結局、点数がギリギリで何とか合格したわけですが、私が「ギリギリ」であることをやたらと強調したがるのは、その点数の内訳にあります。
SHORT SPEECH は、「与えられたトピックについて主要な点とその根拠をまとめ、首尾一貫したメッセージを組み立てる能力を評価」
INTERACTION は、「質問に対する応答と会話を継続する能力を評価」
なのですが、その部分に関しては、ちょっとポイントを勘違いした、などの「時の運」も関係する気がします(本来は、英語に堪能な人であれば、どんなトピックでも外さないのでしょうが…)。
GRAMMAR AND VOCABULARY は、「幅広い範囲の語彙・文法を正確かつ適切に運用する能力を評価」
なのですが、これが6割の点であった、というのが、まさに私の今の精一杯の実力なんだろうな、と思うのです。
自分としては同じ単語ばかり使っていたようにも思わないので、多分、文法的に目に付く誤りがいくつかあって、それがマイナスされているのだと思います。
ライティングの時は、文法ミスはあまりしないように気をつけていて(もちろん最後に読み直すことで気づくこともありますが)、「それほどポコポコと文法ミスをするわけではない」とちょっと自信を持っていたのに、スピーキングの時は、本人の気付かないところで、いろいろとポカをやっているのだ、ということがこの点数でわかったんですね。
本人は、文法的にミスしたとも、構文が変だったという自覚もないのにこの点数なわけなので、「あぁ、私はまだまだなんだなぁ。まだまだ自分の話している英語が全然聞こえてないんだなぁ。」と思いました。
こういう部分を、実際に英会話スクールなどで相手に逐一チェックしてもらうことができれば、私の英語ももっと洗練(笑)されていくのかなぁ、と期待したりします。
これで二次試験の面接体験記はおしまいです。
一連の体験記であまり触れていなかった「発音」に関しては、数日後に、記事にしたいと思っています。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
(Rach からのお願い)
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前回のEMIさんのコメントの返事の中で、ドラマを見ていて思いっきり笑えると書いていますが、とてもうらやましいです。私は以前外資の会社に勤めており、時折海外でミーティングに参加していました。ビジネスの話は理解できるのですが、とっさのジョークにはついていけませんでした。ジョークほど早くてあいまいな発音はありません。周りが大笑いしているのに、一人だけ笑えないという孤独を感じたことが何度もあります。
ドラマや映画を英語のまま理解できたら楽しいでしょうね!自分もTOEIC900点越えの世界を経験してみたい…。到達可能かどうかわかりませんが、最近は強く思いはじめました。当方のブログを終了したら、まず教材さがしに本屋へ行くつもりです。
本日の投稿で最終回を迎えました。短い期間でしたがありがとうございました。
といっても、TOEICを受験するつもりですので、これからはRachさんのブログで学ばせていただきます。よろしくお願いいたします。
テーマが紙をひっくり返すまでわからない、というのはものすごいプレッシャーですよね。1分間しか準備時間がない、というのが、とても辛いです。思い浮かんだことをメモすることもできないですしねぇ。大雑把な方向を決めるくらいが精一杯で、後は、話しながら話を組み立てるより仕方がない。そこで、英語力が如実に表れてくるのでしょうね。話せば話すほど調子が出てくる、というようなスロースターターの人には向かない試験かもしれません(笑)。
記事に書いていないのですが、最初の自由会話で、自分が言いたかったことをよどみなく話せて、ネイティブの男性がニコニコと何度もうなずきながらそれを聞いて下さっていたんですよ。それで、上手くエンジンがかかった感じでした。
トピックを「早く決めなきゃ、早く決めなきゃ!」と思っていたので、the cell phones という単語を見た時に、これだっ!と思いました。これなら何かしゃべれそうだ…と思ったのですね。
面接会場では、問題が外に漏洩するのを避けるために、携帯電話の電源を切って所定の袋に入れて首からぶら下げるんですよ。
記事中には書いていませんが、その首にぶら下げた携帯電話を指差したりしながら、身振り手振りで話していました。
ブログにいただいたコメントは、携帯電話に転送する設定にしているので、私にとっては、ブログの全ての思い出と絡むツールなんですよね。そんな思い入れもあって、話しやすかったのかもしれません。(上に書いたように、ポイントはややずれておりましたが…笑)
「ドラマを見て笑える」のが私の自慢(笑)ですが、もちろん、100%聞き取れるわけではないし、ジョークも完璧に分かるわけではありません。ジョークにもいろいろあって、レベルも高度なものから低俗な(笑)ものまでいろいろあります。ヒネリのあるものや、「そのまんまやん!」みたいなものもありますし、だじゃれ、「まだその話をしてるんかい!」みたいな「忘れた頃に昔のネタをぶり返す」などの日本人にも理解しやすいジョークもあります。
フレンズのようなシットコムは、「あの時折入る笑い声が生理的に受け付けない」という人が結構いて、私は苦手だという人に無理にすすめたりはしないのですが、キャラクター設定がしっかりしていて、それぞれがそれぞれのキャラに合ったジョークを言うんですよ。それが、とても面白いのです。
ボケキャラが言うジョークは、日本人でも使えそうな感じだし、チャンドラーという smart な(賢い)キャラが言うジョークは、感心するほど奥が深いです。そのチャンドラーのジョークを英語のままで理解する楽しさを伝えたくて、このブログを書いているようなものなんですよ。
それから、最終回お疲れ様でした。
私のブログはTOEIC向けの記事が少ないので、TOEICの点数を上げるのにほとんど役に立たないと思うのですが、いろいろな英語に関するお話などをこれからもしていけたら…と思います。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。
「ネイティヴと互角に感じることもある」だなんて、素晴らしいし、うらやましいです。私はネイティヴと話した経験がほとんどなくて、本当のところ、どのくらい会話が成り立つのか自分でもよくわからないのです。
このあと、早速、貴サイトを拝見・拝聴させていただきますね!