2007年04月10日

フレンズ3-2その26

(Rachel comes out from her room wearing sweat pants and a sweatshirt)
レイチェルが自分の部屋から出てくるのですが、何とスウェットの上下を着ています。
KNICKS BASKETBALL と書いてあるスウェットなんですが、レイチェルもニックスファンなんでしょうかねぇ?
彼女がバスケの話をしているのをあまり聞いたことないのですが、特にバスケに興味がなくても、NYっ子がこれを着るのはごく自然なことなのかも?
あ、ここではスウェットの文字が重要なのではなくて、どうしてドレスを着てないんだ!?というのが問題なのですが…(笑)。
ロス: Um. I know it says "black tie optional," but, um, this may be pushing it a little, um. (確かに、「ブラックタイはしてもしなくても良い。」と(案内状に)書いてあるけど、でも、これはちょっとやり過ぎなんじゃないのかな。)
レイチェル: I'm not gonna go. (私は行かないわよ。)
ロス: You're not gonna go? (行かないの?)
レイチェル: No, I think I'm gonna catch up on my correspondence. (えぇ、行かないわ。これから手紙の返事を書くつもりなの。)
ロス: How, how, um, how can you not be going? (どうして行かない、なんてことになるの?)
レイチェル: I'm not gonna go. So I think that will accomplish the "not going." (私は行くつもりはないの。だから、「行かないということ」を貫き通すつもりよ。)
ロス: Um, you know, just out of curiosity... (あぁ、ほら、ちょっと好奇心から尋ねたいんだけど…)
レイチェル: Well, ever since I was humiliated and yelled at in front of my friends, I'm just, I don't know, not in a very museum benefit-y kind of mood. (友達の前で恥をかかされて、大声でどなられてから、私は、そうねぇ、博物館の利益になること[博物館の寄付集め]をするような気分じゃないのよ。)

optional は「任意の、選択の、選択が自由の、自由意志の」という意味。
an optional tour 「オプショナルツアー」は日本語になっていますよね。
"A tie is optional." なら、「ネクタイはしてもしなくても、どちらでも結構です。」という意味で、「必ずネクタイ着用のこと」ではない、ということですね。
black tie は「黒の蝶ネクタイ」のことですが、その蝶ネクタイを含めた「男子の礼装、タキシードに黒の蝶ネクタイ」という意味にもなります。
上のセリフも、ただ「蝶ネクタイ」のことを言っているのではなくて、それを含めた礼服、礼装のことを言っているのですね。
よく似た表現に、white tie というのもあって、こちらは、「白の蝶ネクタイ」、そして、「燕尾服に白の蝶ネクタイ」という意味になります。

pushing it a little について。
英辞郎には、
push it too far=無茶をする、やり過ぎる、度を超す
というのが載っています
ですから、push it a little は、too far とまでは言わないけど、a little 「ちょっぴり」無茶をしている、という感じでしょうかね。
本当は push it too far と言いたいのでしょうが、怒らせないためにこう言っているのでしょう。
go too far という表現も、「度が過ぎる、度を越す、やりすぎる、行きすぎる」という意味です。
That's going too far! なら「それはやりすぎだ。それは言いすぎだ。」ということですね。

correspondence は「文通、手紙による通信」。
catch up on は「…に追いつく、(遅れ)を取り戻す」ですから、誰かから以前に手紙をもらっていて、それに返事を書かないといけないの、という感じでしょう。
be in correspondence with なら「…と文通している」、keep up a regular correspondence なら「欠かさず文通を続ける」という意味になります。

I'm not gonna go. So I think that will accomplish the "not going." というのは直訳すると、「私は行かない[行くつもりはない。] だから、その私の気持ちが「行かない」ということを完成させるだろうと思うわ。」という感じなのかと思うのですが…。
理由は特にないけど、行かないと決めたから、それを貫き通そうと思うだけよ、ということかな、と。

out of curiosity は「好奇心から、もの好きに、興味があるので、気になるので」。
深い理由はないけど、ちょっと参考までに聞きたいだけだ、ちょっとどうかなぁ?と思ったりして…みたいな、深刻な理由から詮索しているのではない、ということを表す表現ですね。
こういう言葉をあえて使っている場合は、実はものすご〜く気になっていて、どうしてもその理由が知りたくてたまらない、という場合が多いような気がします。
フレンズ2-18その9 では、curiosity の形容詞形 curious を使ったよく似た表現が出てきました。
リチャード: It's not that big a deal. I was just curious. (それほどのおおごとじゃないよ。僕はただ興味があっただけだよ。)
というセリフでしたね。

I'm just, I don't know, not in a very museum benefit-y kind of mood. は、I'm not in a mood. 「私は(ある)気分じゃない。」と言っていて、それはどういう気分かと言うと、very museum benefit-y (kind of) な気分、ではない、と言っているのです。
benefit は「利益、ためになること」、また フレンズ3-2その20 に出てきたように、「慈善興業、募金興業」という意味もありましたね。
benefit には beneficial 「有益な、…のためになって」という形容詞がありますが、ここではそれを使わずにあえて benefit-y と表現しています。
日本語の「〜的」みたいに、-y をつけて形容詞化することで、「それにまつわる、関係する」という意味を 表しているんでしょうね。
えらそうに言われて自尊心が傷ついたので、今は「benefit 的な、benefit がらみの、benefit っぽい、benefit チックな」気分じゃないのよ、「博物館の寄付、献金」事業に参加するような気分じゃないのよ、ということですね。

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posted by Rach at 16:02| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎回長い記事書かれててすごいですね。
私このドラマ見たことないですが・・・機会があれば見てみたいですね。
Posted by 黒服@かずき at 2007年04月10日 18:00
黒服@かずきさんへ
コメントありがとうございます。
私の記事が長いのは、単に「短く簡潔にまとめることが苦手」なだけなんですよね(笑)。
フレンズなどのシットコムは、好き嫌いの分かれるドラマですが、日常会話を学ぶには良い教材だと思います。
Posted by Rach at 2007年04月11日 17:01
参考までにコメントします。フレンズ好きの者です。

さて、
No, I think I'm gonna catch up on my correspondence.

のcorrespondenceはレイチさんの解説を見るまでは
手紙の返事というわけではなく、
correspondence course(通信教育)の勉強が滞っていたのを
catch upするという意味だと解釈していました。
レイチェルが何か本をめくっていますし。
今後の転職に向けてファッションについてとか勉強しているのか
と思っていました。

気になったので、アメリカ人の夫に聞いたところ、
文章だけ見た場合、どちらの意にもとれるとのことでした。

なので、まぁどちらの訳でも構わない(人それぞれの取り方かあるので)ですが、Correspondenceには通信教育という使われ方もあるんだと、レイチさん、その他のブログ読者、英語学習者の方と共有できればと思い投稿しました。

Posted by ウィリー at 2012年07月04日 15:15
ウィリーさんへ
コメントありがとうございます。

correspondence course は「通信教育、通信講座」という意味なのですね。だとすると、「通信教育勉強が滞っていたのを catch up する」という意味である可能性も大いにありますね。
特に、catch up on が「〜に追いつく」「(遅れを)取り戻す」という意味ですから、「滞っていたものに追いつく」という意味では、「文通」よりも「通信教育」の方がしっくりくるような気もしますよね。

改めて、DVDで、このシーンを見直してみたのですが、レイチェルは花柄の箱みたいなものと、リング式の本のようなものを持っています。
DVDの日本語訳が、
手紙の返事を書くの/たまった手紙の返事、書かなくちゃ。
となっていたこともあって、私も「手紙」だと思い込み、それ以外の可能性を考えることはしませんでした。
そのため、レイチェルがわざとらしくもったいつけた感じで大袈裟にめくっている本のようなものも、住所録か何かだろうと思って、箱から取り出した白い紙も、便箋かな、と思ってしまったのですね。
花柄の箱(缶?)みたいなものに、友達からの手紙を溜めていて、それを見ながら返事を書こうとしてるんだぁ…などと思っていました。
でも、通信教育だと言われると、リング式の本がテキストっぽくも見えるし、小さな白い紙も、その返信用の用紙のように見えます。便箋だったら、もっとファンシーな柄のものを使うのかなぁ?と思ったりもしますし…。そういう通信教育の資料をまとめて花柄の箱にしまっていた、ということも大いにあり得ますしね。

画面を食い入るように見てみたのですが(笑)、手紙なのか通信教育の教材なのかは映像からはよくわかりません。レイチェルのキャラを考えると、筆まめな感じもないし、また、熱心に通信教育をしそうなタイプでもないし、いずれの場合でも、「別に今すぐしなくてもいいことを、ロスへの当てつけで、これみよがしにやってみせている」感じは出るのでしょうね。

アメリカ人の旦那様が「文章だけ見た場合、どちらの意にもとれる」とおっしゃったとのお話も、とても参考になります。ということは、「たまった手紙の返事を書く」という意味にも取れる、ということですよね? また、course なしの、correspondence だけでも、「通信教育」をイメージすることができることにもなりますよね。

correspondence から受け取る言葉のイメージには「通信教育」もあるのだ、ということを、共有させていただけてとてもありがたいです。
貴重な情報、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2012年07月04日 17:58
DVDの日本語字幕は手紙の返信となっているんですね。
私のDVDはアメリカで買ったので、和訳がないんですよ。良く分からなかった表現を調べると、高い確率でレイチさんのブログにヒットし拝読させてもらっていました。

Correspondenceについてですが、ちゃんと自分の中で消化できなかったので、今日もしつこく主人に聞いてみました。(アメリカ人の主人をもっていても英語の質問をすると、「僕は君の英語の先生でない、まずは自分で調べろ」ともったいぶってなかなか教えてくれないのです。orz...)

今日彼に聞いたところによると、レイチェルは単に手紙の返信をしているのではないかとのこと。courseと付けずにcorrespondenceだけでも通信教育というイメージはあることもあるが、その場合はI am taking correspondenceというように、takeと一緒に使うということでした。

次回はDVDも一緒に見て英語の勉強に付き合って欲しいのですが、そうは問屋がおろさなそうな雰囲気が彼からでているので、まだブログにお邪魔させていただきますね。
Posted by ウィリー at 2012年07月05日 14:36
ウィリーさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
ネットでの検索で、拙ブログを発見して下さったとのこと、嬉しいです。

「僕は君の英語の先生でない」とご主人がおっしゃるというお話、質問される側に立つと、そんな風に思うものなのかもしれませんね。私がもし英語圏の方と結婚したら、私も絶対質問攻めにしてしまうと思うのですが…(笑)。

それで、ご主人のご見解は「手紙の返信」の方だろう、ということで、やはりはっきり「通信教育」と言いたい場合は course をつける、つけない場合は take と一緒に使うのですね。
映像を見る限りは、どちらとも取れる気がしますので、余計にわかりづらいです。日本語で言うと「通信に追いつく」みたいなことなので、その通信を「友人との通信→文通、手紙」と取るか、「通信教育」のイメージでとらえるかで違いが出てしまうわけですね。

私が上で書いたことを、再度、確認して下さってありがとうございました。
またお越しいただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2012年07月06日 16:09
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