2007年04月22日

フレンズ人気投票3位の話 フレンズ3-2その34

エンド・クレジットの後、最後の最後に、そのロスのパーティー(バンケット)のシーンが出てきます。
[Scene: At the banquet]
シャーマン・ホイットフィールド: Dr. Geller, Sherman Whitfield, London Institute. (ゲラー博士。シャーマン・ホイットフィールドです。ロンドン研究所[ロンドン大学]の。)
ロス: Wow! What a pleasure. (わぁ。光栄です。)
ホイットフィールド: (sits down) Well, I have to tell you, I was quite impressed with your paper on pre-Cretaceous fossils. Yes. It confirmed everything I'd written. ([席に座って] これだけは言わせてくれ。君の先白亜紀の化石に関する論文には非常に感銘を受けたよ。そう、君の論文は私の書いたもの全てが正しいと証明してくれた。)
自分の席に、ホイットフィールド博士が座っているのを見たチャンドラー。
チャンドラー: Excuse me. Hi. (すみません。こんにちは。)
ホイットフィールド: Yes? (はい?)
チャンドラー: Well, you're kind of sitting in my seat. (あの、あなたが僕の席に座っておられるみたいなんですが。)
ホイットフィールド: What do you mean, your seat? (どういう意味だね、君の席だって?)
チャンドラー: I mean, I was sitting there. (つまり、私がそこに座っていた、ということです。)
ホイットフィールド: But you got up. (でも、君は席を立った。)
チャンドラー: But I never left the room. (でも、僕は部屋は出ていない。)
ホイットフィールド: But you left the chair area. (でも、君は椅子のエリアを離れたんだ。)
チャンドラー: All right, that's it. Give me your underwear. (よーし、わかった。それまでだ。あんたの下着をよこせ。)

institute は「学会、協会、研究所」「(理工系の)大学」という意味。
マサチューセッツ州ボストンにあるマサチューセッツ工科大学は、Massachusetts Institute of Technology で、通称 MIT と呼ばれていますよね。
この場合は、何かの施設の「ロンドン研究所」なのか、「ロンドン(工科 or 理工科)大学」なのか、それとも特定の固有名詞の略称なのでしょうか?

Wikipedia 英語版: City and Guilds of London Institute という、資格を与える組織があるのですが、それのことかな?
Wikipedia 英語版: University of the Arts London に、以前は The London Institute と呼ばれていたが名前が変わった、ということが書いてあるのですが、The University of the Arts London というのは、アートの大学で、「ロンドン芸術大学」ということですから、これは多分違うでしょう(笑)。

I have to tell you. は「私は(以下のことを)話さなければならない。」ということで、その後に大切な話が来ることを前もって教える表現ですね。
この場合は「嬉しいニュース」なので、「これだけは言わせてくれ。これだけは言っておかないと。」みたいな感じなのでしょう。
confirm は「(陳述・証拠などを)(正しいと)確かめる、(正しいことを)確認する、確証する、立証する」。
ロングマン現代英英辞典によると、
confirm: to show that something is definitely true, especially by providing more proof
つまり、「何かが紛れもなく正しい、ということを示すこと、特に別の(他の)証拠を提供することによって」。
この場合は、ロスの論文に感銘を受けたと言っているのは、そのお陰で自分の書いた論文の理論の正しさが証明されたからだ、ということですね。
彼とロスの研究結果の方向性が同じであった、自分にとってプラスになる内容の論文であった、ということを喜んでいる、ということです。

ちょっと離れていた隙に、またもや椅子を奪われてしまったチャンドラー。
だって、got up したじゃないか、などと、またジョーイと同じような展開になってきました。
この博士も、いろいろ理屈をこねてどこうとしないのがおかしいですね(笑)。
最後のオチはやっぱり、underwear でした。
「目には目を、歯には歯を、で、椅子には下着を(?)」という感じのチャンドラーです。


最後にちょっとおまけ。
Wikipedia 英語版: The One Where No One's Ready というサイトがあります。
つまり、ウィキペディアには、フレンズのエピソード毎にこういったページがあるのですね。
そこには、Plot(あらすじ)、Quotes(セリフ、一部のみ)、Additional cast(ゲスト出演者)、Trivia(トリビア)などが載っています。
その Trivia を引用すると、
This is one of Friends' few bottle episodes, in that, except for the closing-credits scene and a two-line voice-over by Tom Selleck, it utilizes no guest stars or extras whatsoever, and only one set. Despite this, it was one of the most celebrated episode of the series: when NBC broadcast the best six episodes of the series as voted on by fans, The One Where No One's Ready placed third, behind only The One Where Ross Finds Out (second) and The One With the Prom Video (first).
The entire episode takes place in real time as the characters get ready for Ross's event.

訳すと、
これはフレンズの数少ない bottle episode のうちの一つで、そのエピソードの中で、エンド・クレジット・シーンとトム・セレックが画面に登場しないで語る2つのセリフ以外には、ゲストスターやエキストラを全く使わず、セットも一つだけしか使われていない。このことにも関わらず、このエピソードはシリーズの中で最も有名なものの一つである。
NBC放送が、ファン投票によるフレンズのベスト6エピソードを放映した時、今回の 3-2 のエピソードは3位で、2位が 2-7 The One Where Ross Finds Out、1位が 2-14 The One With the Prom Video であった。
キャラクターたちがロスのイベントに行く準備をしながら、そのエピソード全体がリアルタイムで進行する。


フレンズ3-2その1 でも書きましたが、このエピソードは最後を除いてモニカの部屋しか出てきませんでしたね。
チャンドラーの部屋さえ出てきませんでした。
チャンドラーの部屋で何が起こっているかを見せないことで、ジョーイが服を着込んで登場した時のインパクトが余計に大きくなる、という効果もあります。
こういうのを bottle episode と言うそうで、上のウィキペディアのリンクを辿るとその bottle episode の定義を読むこともできます。
それを訳しているとキリがないのでやめます(笑)。
(ウィキペディアのリンクをどんどん辿っていくという行為は、英英辞典でわからない単語が出てきたらそれをまた英英辞典で引く…というのを繰り返す行為に似ている…(笑)。どちらも、英語の勉強になりますけどね。)

bottle episode は、使いまわしのセットだけでできるので低予算で済む、ということだそうです。
bottle は「瓶」、動詞で「…を瓶に入れる」、bottle up だと「(敵などを)封じ込める、封鎖する」という意味ですから、bottle という言葉が使われているのは、「瓶の中だけで済んじゃう」エピソード、「あるセット内に封じ込められてそこから出ることがない(または出られない)」エピソードという意味なんでしょうねぇ、多分。

今回の 3-2 のエピソードは、日本のファンにも人気が高いようですが、実際にアメリカのファン投票では3位だったそうです。
2位はレイチェルが入れた留守電のメッセージでレイチェルがロスのことを好きだという事実をロスが知る話(ラストシーンでロスとレイチェルのファースト・キスのシーンあり)、1位は昔からロスが自分のことをずっと好きだったと知って、レイチェルからロスにキスする話ですね。
ファンとしてはやっぱりロスとレイチェルが結ばれた!というシーンが嬉しくて、それが1位と2位になるのは「なるほど!」という感じですが、その次の3位にこのドタバタが来ているのが興味深いと思います。
そんなこともあって、今回はしつこく解説し、セリフも長めに取り上げてみました(←ただの言い訳)。

それから、一つのセットで繰り広げられているので、「時間がリアルタイムで進行している」と言われれば確かにそうですね。
「24-TWENTY FOUR-」みたいな感じですか?(←見たことないけど…笑)

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posted by Rach at 09:33| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「24」を見たことがない、という一節に、
思わず登場してしまいました。本当ですか????
私もかなりブームに遅れはしましたが、1度手にしてから
生活が一変してしまいました。
夜型生活突入です。
「フレンズ」の解説が終わったら(終わって欲しくないけれど)、
次は「24」などいかがでしょうか。
Rachさんの切り口で書かれたブログ、また大ヒットすること
間違いなしと思うんですが....。

Posted by Emi at 2007年04月22日 14:26
Emiさんへ
そうなんですよ、「24」を見たことないなんて、珍しいでしょう? あれは面白いらしいですね。面白い!と聞くと、余計に中途半端に手を出したくない!と思うんですよ。見るならきっちり見ないと気が済まない性格なので、テレビでチラッと見る、とかじゃなくて、DVDでシーズン1からきっちり見て、英語字幕も確認したい!と思っちゃうんですよね。そうするとかなりの時間が取られるから、もうちょっと時間が出来てから…と思って、現在に至る、わけです(私はいつもこんな感じ…笑)。

「解説したがり」「語りたがり」の私ですが、「24」のイメージと、私の口調とに大きなギャップを感じますので、私には向いていないような気もしますね(爆)。
このフレンズ解説ですが、一体いつ終わるんでしょう? 私の生きているうちに終わるんだろうか?と時々思います(笑)。こんな調子で自分の好きなドラマの解説をずっと書いていけるなら、本当に幸せなんですが…。
Posted by Rach at 2007年04月23日 10:46
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