2007年04月23日

Pass単断念 1級一次(語彙編)

これから数回に渡って、英検1級一次試験に向けて、何を使って、どんな勉強をしていたか、その結果どうであったか、ということについて書いていきたいと思います。

2006年2月頃に英検1級に挑戦しようと突如思い立って(「読む聞く」から「書く話す」へ で、その時の心境について触れています)、英検向けの勉強を始めました。
その4ヶ月後の2006年度第1回(2006年6月11日実施)英検1級一次試験では、ラッキーにもストレートで合格することができました。
その時の合格ラインは、113点中80点。
私は85点でした。(合格者平均点は86点。)
試験結果通知ハガキの画像を下に載せておきます。


1g fs 35



「分野別得点票」、そしてその横にあるグラフを見るとよくわかるのですが、何が足を引っ張ったかというと、「リスニング」なんですよねぇ。
それについては、またリスニングについて語る時にゆっくり「言い訳」(笑)させていただきます。

今日は、「語彙・熟語・文法」部門、特に「語彙」について語ります。

英検1級一次試験で、乗り越えなくてはならないと言われているものに「語彙」がありますよね。
あの語彙の難しいことは有名で、そのために 旺文社 英検Pass単熟語 1級 (通称:Pass単)という単語本を使って、単語を暗記する、ことをやっている方が多いようです。
私も、他の方々と同様、アマゾンでそれを購入しました。
旺文社 英検Pass単熟語 1級 改訂版[CD] というCDも買いました。

ざっと Pass単を見てみると、知ってる単語が出てきて、おぉっ!と喜んだら、その後、知らない単語が連続して出てきたりします(泣)。
ですから、やっぱりこれは「一日○ページ」とノルマを決めて覚えていかないといけないのかなぁ、と思って、単語を紙に書き出したものを台所のシンクの前に貼って、CDも iPod に入れて台所などで聞きました。
…が、これがちっとも頭に入りません。
嫌気がさして、1週間くらいでこの方法は辞めてしまいました(笑)。

記憶力が衰退している、ということは間違いなくあるでしょうが、元々、私は単語をこんな風に覚えるのは苦手なのです。
学生時代に、英語は得意科目でしたが、知っている単語の数は少なかったと思います。
単語と言えば、「試験に出る英単語」(通称:しけたん)というのしか持っていませんでした。
この本は、テストに出る頻度の高い単語から並べてあって、その最初の方はよく覚えていたけれど、最後の方はほとんど知らない…という、ありがちなパターンに陥っていました。
よく、語彙レベルが何千語レベル、とか言いますが、私は自分が何千語レベルなのか知りません。
未だに、かなり基本的な単語を知らないこともあります。
語彙については自信がないし、これといったボキャビルをやったこともないので、これまではこのブログで語彙に関する記事を書いたことがありませんでした。
何も参考になるようなことは言えないからです。

1級一次対策としては、もう一つ別の本を購入しました。
旺文社からは過去問や予想問題などさまざまなタイプの問題集が出ているようですが、私が買ったのは、旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] というものです。
そのドリルで、「語彙・熟語・文法」分野に当たる部分の、「1. 短文の語句空所補充問題」を試しに解いてみました。
まぁ、4択ですから、勘で当たるところもありますけど、あまり正答率はよくありませんでした。
25点満点でその7回分の成績は、14点、16点、17点、17点、11点、17点、16点。
まぁ、17点取れたらいいけれど、11点はヤバイよねぇ、という感じです。
しかし、ここの正答率を上げるために、この Pass単をクリアするのは至難のわざだと思いました。
…ので、ここはあっさりと捨てることにしました。

「捨てる」というのは、ここでの失点はある程度やむを得ない、と割り切る、ということです。
マークシートだから、全問不正解、ということもないでしょうし、たまには知ってる単語も出るでしょう。
接頭語、接尾語などから似たような単語を思い出して、それがヒントになって正解する、ということもあるかなぁ、と思いました。

TOEIC で「ほとんど満点」を取りに行こうと思ったら、「捨てる」部分などはないのですが、英検はありがたいことに、「ほとんど満点」でなくても通ります。
113点満点中25点分もあるので、ないがしろには出来ない、とは思うのですが、多分、今からどんなに頑張っても、Pass単を全部覚える、というのは不可能だろうと思ったし、別の分野で点を稼ぐ方向で勉強していこうと思いました。

よく試験対策は邪道だ、とか言いますが、自分で、「ここは点が取れるから頑張る、ここはあまり取れそうにないから出来なくてもパニクらないようにする。」などと、あらかじめ、心構えをしておくことは、私にとっては非常に大切な「試験対策」です。
試験というのは、当日の気持ち次第で、出来が大きく変わるものだと思います。
時間をかけて頑張ればそれなりに点が見込める部分に時間を割いて、時間をかけても無駄だと思う部分にはできるだけ時間をかけないようにする、というのもテクニックの一つですよね(テクニックという言葉は、私も好きではありませんが…)。
一通り一次試験の話が済んだ最後に書こうと思っていますが、私は「極端な時間配分」をあらかじめ決めた上で試験に臨みました。
そして、問題を解く順序もあらかじめ決めていました。(最初から順番に解いていったのではない、という意味です。)

実際の試験では、25点中、17点も取れて、合格者平均16点(全体平均は13点)を上回る結果になりました。
何となく知ってる単語が出てくれてラッキーだった、という感じですね。

最初に Pass単を丸暗記しようとして、嫌気がさした、と上に書きましたが、私は、「この勉強法は自分に合わない!」というのを見極めるのだけは得意です(笑)。
自分に合わなくて、なおかつ楽しくない方法では、絶対に頭に入りません。
丸暗記が苦手、ということでもなくて、学生時代は世界史の年号をゴロ合わせで覚えるのは好きでしたし(面白いゴロ合わせの参考書があったんですよ)、意味のない言葉でも、子供が見ているポケモンの名前とかなら覚えてしまえるわけですから、その覚えることを「ゲーム感覚」にしてしまえば、覚えられないこともないのかなぁ、と思うこともあります。

ですから、この語彙部門で例えば、最低20点取らないと合格できない、というラインがあれば、何とか語彙を覚えることに楽しさを見出して覚えようとするのですが、結局、合計点で合格最低点をクリアできていればいいので、不得意分野は得意分野でカバーすることができるわけです。
英検の語彙はめちゃくちゃ難しい、と言いますが、これは英検1級のプライド、みたいなもんでしょうね。
一次試験は作文以外はマークシートなので、差がつきにくいです。
実際、合格者の平均点と全体の平均点とを比べても、ものすごく差がある、という感じもしません。
頑張って語彙を覚えた人は、もちろんそれに見合う点が取れて有利になるのですが、それが絶対条件ではなくて、他の分野でカバーできる、というのが英検の良いところだと思っています。
最初に書いたように、私はリスニングがあまり良い点ではありませんでした。
リスニングは合格者平均点を下回っており、全体平均よりわずかに上なだけでした。
もし、英検が、リーディング、リスニング、ライティング、という区分がはっきり分かれていて、それぞれの分野で合格最低点というのが存在していれば、私は間違いなく、リスニング部門で不合格だったはずです。
そうならなかったのは、英検が「合計点だけで判断する」試験だったからです。
本当にありがたいと思いました(笑)。

明日は、引き続き、「語彙をどう増やしていくか?」について書いてみたいと思います。

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posted by Rach at 11:39| Comment(8) | 英検 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
急に内容が変わりましたね!
でも他の方々がどうやって勉強しているのかは気になるので、
続きも楽しみにしています♪
Posted by 黒服@かずき at 2007年04月24日 00:22
こんにちは。
こういう英検の話のときばかりコメントしてすみません。

私の場合は30歳から英語を勉強しなおして、英検1級を取ったのですが、Rachさんとまったく逆で最初からTOEICは諦めていました。ある程度の年齢に達してから聞き取り能力を伸ばそうしても、それには限界があると思い込んでいたからです。最近、その考えは少しずつ変わってきましたが、それでもTOEICはその試験に即しての勉強が必要だと思います。なぜならば、TOEICは我々年配からすると、ものすごいスピードで問題を反射的に答えていかなければなりません。じっくりと考える時間がありません。試験形式に相当慣れる必要があると思います。

ところが、英検1級については、「普通」に勉強すれば、自然に受かる試験なのかなと思っています。反射神経が鈍っている年配者にとって、問題もじっくり考えるものが多いので、好都合な試験ではないでしょうか(リスニングの試験も、TOEICのような「居合い抜き」のような聞き取り試験ではなく、考えさせる問題が多い)。私の場合は、英語の書物を読んで、それについて自分の考えを英語で日記に書いたり、ネイティブの友人と議論をしたりすることによって、自然と力がついたような気がします。

英単語増強に関しては、ロングマンを使って、トコトン「読む」ということを追求していったら、これまた自然にボキャブラリーが増えました。英単語はいろいろな覚え方があると思いますが、もっともいけないことは、「覚えなければならない!」という気負いではないかと思います。記憶というものは、思い込みが強いほど、逆効果になるのではないでしょうか。「来るものは拒まず、去るものは追わず」という姿勢が大切なような気がします。
Posted by かいちゃん at 2007年04月24日 07:42
黒服@かずきさんへ
そうなんです、このブログは唐突に内容が変わるんですよ(笑)。

確かに他の方々の勉強方法というのは気になりますよね。
勉強法には合う、合わない、というのがあると思うのですが、英語の実力をつけて来られた方々の方法や考え方、というのは、やはり参考になることが多いですよね。
Posted by Rach at 2007年04月24日 15:18
かいちゃんさんへ
こちらこそ、いつも記事を見ていただいてありがとうございます。

かいちゃんさんがおっしゃるように、TOEICは、「その試験に即した勉強」というのが必要なのですが、逆に言うと、そういう勉強さえやっていれば、それなりに点が伸びるものなのです。形式に慣れる必要がある、ということは、形式に慣れさえすれば何とかなる、とも言えるわけですね。

私の場合は、先にTOEICから入ったので、英検のハードルがとても高いと感じました。小手先の技術では対処できない、という感じでしたね。かいちゃんさんは聞き取り能力が…などと謙遜しておられますが、英検1級のリスニングの方が私にはずっと難しいと感じました。また、後に改めて「リスニング編」というのを書くつもりにしているのですが、単語や文章が難しい、というよりも、あの「質問の形式」がTOEICに比べて難しいのです。

「自然と」「普通に」勉強することで力がついて、英検にも通れば、それが本当に理想的ですよねぇ。私も一次免除の間に通らなかったら、その後は、その路線に変更しようと思っていました。ラッキーにも一次試験にストレートで通ってしまったことで、できるだけ早くケリをつけてしまいたい!という思いが強過ぎて、のんびりと構える気持ちになれなかったんだろうと思います。(本当にケリがついて良かった…と心の底から思っています。)

ボキャブラリーを増やすこと、については、貴ブログでずっと書いておられた「ロングマンの使い方」にかいちゃんさんの語彙増強の全てが書かれていましたね。全くその通りだと思いながら読ませていただいていました。
私は英英辞典を頻繁に使い始めたのが最近(1年前くらいから…笑)なのですが、英英辞典を使って洋書をどんどん読む、もうこれに尽きると思いますね。

「覚えなければならない!」という気負いがマイナスに働く、というのはその通りだと思います。「忘れてはいけない!」という気持ちも同じでしょうね。
私も、フレンズで出てきたセリフやフレーズや単語は、覚えようと思って覚えたものはないです。面白いと自然に入ってくるし、頻繁に出てくるものは忘れた頃にまた登場して「そう言えば前にも…」と思い出す。似たような言葉やちょっと違ったフレーズで、何度も何度も出逢ううちに、自分のものになっていくんですよね?
Posted by Rach at 2007年04月24日 15:30
Rachさん こんにちは
本日英検準一級&一級の一次試験を受けて来ました!
準一級はそこそこ出来ましたが、一級の語彙問題には仰天してしまいました。一問もわかりませんでした(笑) 他でカバーしようがありませんね。長文も大問3がダメなので、これからは語彙を増やして、英字新聞を読むなどしないと合格には程遠いです。でもあの不必要な単語たちを暗記するのは億劫だな〜(>_<)
リスニングは難しくは無いですがマークする時間短すぎでちょっと不親切ですね〜
Rachさんは一級一次試験一発合格だなんて凄いですよね。
Please wish me luck on passing grade pre1!
Posted by Hiro at 2015年01月25日 22:42
Hiroさんへ
コメントありがとうございます。
英検をご受験されたのですね。お疲れ様でした。

一級の語彙問題は相変わらず難しいのですね。私も「こんな単語使う機会あるのかなぁ」というような難しすぎる単語たちを暗記する気力が湧かなくて(笑)、上の記事に書いたように Pass単を断念してしまったのですが、後の長文問題の方では、そういう「難しすぎる語彙」はあまり登場しなかったように私は感じました。
Pass単を断念した時点で、語彙問題は捨てるつもりだったので、長文で点数を稼ぐために、長文の論説文を読み込み、そこで使われる頻出単語やフレーズを、文章の流れから覚えるように心がけました。その結果、Pass単で単語を覚えることは放棄したけれど、長文を読むことはできて、あまり点数を落とさずに済んだ気がするのですね。

リスニングは、TOEIC とパターンが違うので、私もちょっと戸惑いました。おかげさまで一次試験に一回で合格できたことは本当にラッキーだったと思っています。

I sincerely hope you will pass STEP Grade Pre-1! :)
Posted by Rach at 2015年01月26日 16:31
Hello Rach
Thanks to your wish for me, I've passed 1st stage of pre1 grade!
一級の方は予想通り惨敗だったんですけど、英作文も辛い評価だったので、今回これからある準一級の二次試験をバッチリ通過して、次回に向けた一級の勉強を楽しみながらもしっかりやって行きたいと思います(^^)
Posted by Hiro at 2015年02月06日 19:26
Hiroさんへ
Congratulations on passing 1st stage of Pre-1 grade! Feel so glad to hear that and so happy for you. :)

一次試験合格の勢いをキープされたまま、二次試験も頑張って下さい! そして、その後の一級の勉強も楽しみながら頑張って下さいね。応援しています!(^^)
Posted by Rach at 2015年02月07日 11:00
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