ジョーイは腕を吊っています。
ロス: Aww, is it broken? (あれ、腕、骨折してるの?)
ジョーイ: No, I gotta wear this thing for a couple weeks. (points to the sling he is wearing) (いいや(骨折はしてない)。(でも、)2、3週間これをつけてないといけないんだ。)
と言って、つり包帯(sling)を指差します。
レイチェル: Did you tell the doctor you did it jumping up and down on your bed? (ベッドで上下にジャンプしてる時にケガしたって、お医者さんには言ったの?)
ジョーイ: Nooo. I had a whole story all worked out, but then Chandler sold me out. (いいや(言ってない)。俺は、ある話を(最初から最後まで)全部考えてあったのに、そこで、チャンドラーが俺を裏切ったんだよ。)
チャンドラー: Well, I'm sorry Joe. I didn't think the doctor was gonna buy that it just "fell out of the socket." (あぁ、ごめんよ、ジョーイ。そのケガはただ、"fell out of the socket." しただけだ、という理由をお医者さんが信じるとは、俺には思えなかったんでね。)
I had a whole story all worked out について。
work out は、自動詞では「(問題が)解ける、(well などの様態の副詞(句)を伴って)(計画などが)(うまく)いく」、他動詞では、「考え出す、考案する、苦心して作り出す」という意味になります。
work out が自動詞で「うまくいく」のような意味だとして、「全てうまくいくような、a whole story を持っていた」ということなら、I had a whole story which [that] would (all) work out (well). のように関係代名詞が必要だと思うので(∵主格の関係代名詞は省略できないから)、ここでは他動詞の過去分詞形であると思います。
最初ぱっと見た時に、all worked out が過去分詞として前の a whole story を修飾して、a whole story all worked out 「すべて(苦心して)考え出された、全体として一つの話」を持っていた、という感じなのかな?と思ったのですが、「have+目的語+過去分詞」という形のような気がしてきました。
数研出版 基礎と完成 新英文法 p.393 に以下の記述があります。
「have+O(目的語)+過去分詞」には次の3つの意味がある。
a) [have に強勢を置いて] 「Oを〜させる[してもらう]」(使役)
I had my shoes shined. くつをみがいてもらった。
b) [過去分詞に強勢を置いて] 「Oを〜される」 (受身)
John had his watch stolen. ジョンは時計を盗まれた。
c) [過去分詞に強勢を置いて] 「Oを〜してしまっている」 (結果)
I have a revolver loaded. ピストルには弾丸が込めてある。
He had his plan made. 彼は計画を立ててしまっていた。
ジョーイのセリフは、上の例 c) のニュアンスに大変近い気がします。
「a whole story をすっかり考案してあったのに、してしまっていたのに」という感じでしょうか。
whole は「全体の、すべての、まるごとの」のような意味ですから、a whole story というのは、一つの話全体、つまり、「これこれこういうわけで、こんな風にケガをした」と、その理由から結果に至るまでの経緯をうまく説明できるように、うその話をちゃんと考えていたんだけど、という感じだと思います。
sell out は「(金などのために)(人や主義を)(敵に)売る、(敵に内通して)裏切る」。
この場合は、お金は関係なさそうですが(笑)、せっかくおバカな理由を隠そうとしていたのに、それをチャンドラーがバラしてしまったんだよ、ということですね。
フレンズ2-13その7 にも出てきました。
buy は「買う」ですが、ここでは「(意見や提案を)受け入れる、信じる、賛成する」という意味です。
フレンズ2-22その2 にも出てきました。
ジョーイのセリフには sell、チャンドラーのセリフには buy という「売る、買う」という対照的な動詞が入っているのが興味深いですね。
単なる偶然? それとも sell という単語を受けて、チャンドラーは buy という単語を使ったのでしょうか?
最後のチャンドラーのセリフについてもう少し語りたいのですが、続きは明日にします。
(Rach からのお願い)
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I had a whole story (that) all worked outかも
ここのhadは(carried on , performed)の意味(thefreedictionary参照)、具体的には「told doctor」の意味です.
allは副詞でcompletely
単独で考えると、確かに「have+O(目的語)+過去分詞」も考えられますが、今回の前後を考えると、こう解釈された場合、繋ぎは良くないではないかと思います。
(did you tell doctor... と but then Chandler sold me out)
私も上に書いたように、最初ぱっと見た時には、
all worked out が過去分詞として前の a whole story を修飾した形の、a whole story all worked out 「すべて(苦心して)考え出された、全体として一つの話」を持っていた、
という感じなのかな?と思ったのですが、I had a whole story (all worked out) ではなくて、I had+目的語+過去分詞、の方が英語らしい気がした、ということなんですよ。
これは今でもよくわからないのですが。
ちなみに、story と all の間に関係代名詞 that が省略されている場合は、a whole story (that is) all worked out になるでしょうね。
all = completely はその通りだと思います。
セリフの繋がりの話で言うと、
レイチェル: Did you tell the doctor...?
ジョーイ: No. I had a whole story...
で、No. = No, I didn't (tell the doctor). になると思います。
No. だけで、「本当の話は医者に言っていない」ということになるので、その後の had は told doctor ではないと思います。
実際に医者に作り話を話した、ということなら、had ではなく、「医者に話した」ことがはっきりとわかる、もっと別の動詞が使われるように思います。
ジョーイがあらかじめ考えていた話を医者に話す前に、チャンドラーが本当のことを医者にしゃべってしまった。そのことでジョーイは怒っているように思うのですね。then は「それから、その後で」という意味ではなく、「その時」だと思います。俺は話を用意していたのに、その時、チャンドラーがほんとの話をバラしちゃったんだ、という感じでしょうか。
紛らしいことを書いて、申し訳ありません。
私が言いたかったのは、ここは「have+O(目的語)+過去分詞」ではなく、ここのworkedは過去式であること。
つまり、a whole story (that is) all worked outではなく、
a whole story (that) all worked out。
thefreedictionaryよりwork outは以下の意味と例があります。
5. To prove successful, effective, or satisfactory: The new strategy may not work out.
ここのworked outは上記の意味だと思います。
またJoeyは該当storyを医者に言いました(話している途中か、終わった後にChandlerが本当のことを医者に言いました。)と思います。
以下は私のロジックです。
@ Joeyが作り話を話しようということはChandlerが事前に知らない。
もし、医者さんのところに行く前に、Joeyが作り話をしようとChandlerに相談するのであれば、
Chandlerが当時に「そんなことは医者に信じられるわけがありませんよ。本当のことを言ってください」と
いうはず、そうだったら、医者さんのところでは、けっがの原因は患者本人のJoeyから言うの自然であり、Chandlerから
いうのはあまり考えられない。
A Chandler sold me outから医者さんに言ったのはChandlerであることを分かる。
また、これも前提@が正しいことを証明していると思います。
もし、事前にJoeyとChandlerが作り話について、話しているのであれば、医者に行く前に、
なんなかの決定があるはずので、sold outとならないです。
@とAの前提が正しいのであれば、Joeyが医者に作り話を言い始めないと、Chandlerが先に本当のことを言うのは
不自然だと思います。作り話しないと、sold outにもならないです。
よって、Joeyが医者さんに作り話を話している際、Chandlerが医者さんに本当のことを言ったと思われます。
work out は自動詞(intransitive)で、その過去形(past tense)の worked out だと解釈された、ということですね。
私も上の記事で、work out を自動詞として解釈する案を1つ提示しましたが、以下の理由で却下しました。
>work out が自動詞で「うまくいく」のような意味だとして、「全てうまくいくような、a whole story を持っていた」ということなら、I had a whole story which [that] would (all) work out (well). のように関係代名詞が必要だと思うので(∵主格の関係代名詞は省略できないから)…。
つまり、
I had a whole story all worked out.
が、
I had a whole story. A whole story all worked out. という文章をつなげたものならば、
I had a whole story that/which all worked out. となり、主格の関係代名詞である、that や which は省略できないはずだ、ということです。セリフには that がありませんので、(that) all worked out であるとは解釈できないと思うのです。
もし、My story all worked out. but then... のような文章であったなら、「俺の話は上手く行った(医者に信じてもらえたたのに)、そこでチャンドラーが俺を売ったんだ。」になるのでしょうが、やはり、had .... worked という形になっているのがひっかかります。
私は、ジョーイが医者に話そうとしている言い訳をチャンドラーは事前に知っていた、ジョーイはチャンドラーに事前にそれを話していた、のだと思います。
それを聞いていたチャンドラーは、そんなの信じてもらえるはずがないから、手っ取り早くほんとのことを俺の口から言ってやったんだ、みたいなことかと思いました。
ジョーイがチャンドラーに話した時には、「ほう、そうかそうか。そういうニセの理由を言うんだな」と聞いていたのでしょうが、いざ、医者を目の前にした時に、チャンドラーは本当のことをバラしちゃった、だから、sold me out と言っているような気がします。俺が自分の作り話の理由を言うはずだったのに、土壇場になってこいつが裏切ったんだよ、という感じかなと。
私もよくわかりませんが、やはり、had という言葉では、ジョーイが実際に医者に「言った」ようには聞こえない気がします。「言った」のなら、やはり、I told という単語を使うのではないかと思います。
主格の関係代名詞は省略できないについて
3-5に
I got five bucks says you can't.
があります。
I got five bucks, five bucks says you can't.をつなげた文章だと思われます。
hadについて、Rachさんの考えを了解しました。
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470908.html
に
I got five bucks says you can't. が出てきますね。
その記事でも、そのセリフをどう解釈するか悩みましたが、I got five bucks which says you can't. 、「「出来ない」と言っている5ドルを持ってるよ」の which がない形、であるともいえるかもしれませんね。I got five bucks saying you can't. のような感じでしょうか。
文法的にはこういう主格の関係代名詞は省略できないはずですが、この文章はそういう文法的なものを超越していて、「俺の5ドルは出来ないって言うよ。」→「出来ない方に5ドル賭けるよ」の流れが自然かもしれません。
I got five bucks says you can't. を、主格の関係代名詞がない形だと解釈可能だとすると、I had a whole story all worked out. も「すべて[(すっかり]うまく行くような a whole story を持っていた。」→「うまく説明できる話を最初から最後までちゃんと用意していた。」ということかもしれませんね。