2007年05月05日

英検長文は難しいけど… 1級一次(読解編)その1

今日は、英検1級一次試験の読解分野について書きたいと思います。
読解とは、ある程度の長さの英文を読んで、空欄を埋める、または、内容に一致する選択肢を選ぶ、という形式の問題のことです。

このパートは点は良かったです。
「空欄補充」の問題、すなわち、「2. 長文の語句空所補充問題」とは、「300〜400字程度のパッセージの空所に正しい語句や表現を選び、補充する問題」のこと。
ここは、6点中6点(合格者平均5点、全体平均4点)で、全問正解でした。

「内容把握」の問題、すなわち、「3. 長文の内容一致選択問題」とは、「3つのパッセージのうち2つは500語程度、1つは800語程度のものを読み、その内容に関する設問に答える問題」のこと。
ここは、20点中18点(合格者平均16点、全体平均11点)で、1問、間違えました。
Pass単断念 1級一次(語彙編) で、語彙分野で高得点は望めないとあきらめた話を書きましたが、その分、この読解分野で点を取っていこうと思っていました。
ですから、この分野では1問も落とさないぞ!と意気込んでいたので、1問間違えて少しショックでしたね。

内容把握で1問間違えたのは、2番目の500語程度のパッセージの問題。
ざっと内容を読んで話の流れは掴んでいたつもりだったのに、細かい部分まで読みきれていなかったようです。
今、改めて見直してみると、まさに本文に書いてあるものを言い換えたものが選択肢にあったのに、「何となく文章中に書いてあるような気がした」選択肢を選んでしまったようです。
本文中には、
an unresolved dispute in political science: while some scholars feel .... , others think...
「政治学上の未解決の論争、つまり、ある学者はこう考え、また別の学者はこう考える、という論争」
とあり、選択肢に、
Specialists are unable to decide what the criteria for...
「専門家たちは…の基準が何かを決定できない」
というものがありました。
scholars が specialists に言い換えられ、an unresolved dispute が are unable to decide what... と表現されているわけですね。
こういうところを落としている、ということは、TOEIC でもこんな感じで長文問題を落としているんじゃないか、という気がします(笑)。

こういうアカデミック、というか、大学入試のような文章を読むのは久しぶりな気がして(いつもは軽いウィキペディアとかばっかり読んでるから…笑)、そういう意味では最初、予想問題集にトライする時にとても不安でした。
でも、大学生の時に1級を受けて感じた「もう単語が全然わかんないから、何が書いてあるか全然わかんないっ!」みたいな感覚はもうなかったですね。
そこに自分の成長の跡をはっきり見た気がしました。

何しろ私は語彙が少ないですから(笑)、やっぱりわからない単語はチラホラ出てくるんです。
ですが、分からない単語はそのままにしていても、一応、話の流れは読めるようになっていたのです。
何故読めるようになったか、というのを私なりに分析すると、このブログでフレンズのセリフを分析することで、「文の構造を理解しながら読むクセ」がついていたからだと思います。
一見、長く複雑な文章でも、その一番メインとなる主語と動詞がどれか、を瞬時に見極める感覚を養う、と言ったら良いでしょうか。
単語本で日本語訳を覚えていたとしても、その単語の品詞を間違って捉えてしまうと、その文の構造が全くわからなくなります。
私は逆に、単語の日本語訳は思いつかなくても、その単語の品詞が何か、ということだけは多分間違えずに理解できていたのだと思います。

ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 Lesson 12 「「文の形」にも感覚がある」 の p.198 で、大西先生は、eelie という「得体の知れない動詞(実際には存在しない動詞)」を使った文章、
I eelied Jim a Martian.
をネイティブに見せ、文の意味を類推してもらう、という実験
をされています。
ネイティブはその文章から、「文型の感覚」を読み取って、内容をある程度、類推することができる、という結果でした。(具体的にどういう意味を類推するかは、直接先生の本をご覧下さい。)
そんな風に、意味不明の単語でも意味がわかる、というのは、「文の構造を意識していれば、個々の単語の意味を知っているかどうかは”それほど”重要ではない」ということの証明だと思うし、「英語では語順が大切だ」ということの証明でもあるのだと思います。

明日、引き続き、もう少し英検の読解問題について語ります。

(Rach からのお願い)
今回の記事、面白いと思われた方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気blogランキング
にほんブログ村 英会話ブログ

posted by Rach at 08:37| Comment(4) | 英検 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私が初めて英検1級を受験したのは、30代の前半でした。その時は出題された長文が非常にむつかしく感じました。Rachさんと同じで、わからない単語が多く、書かれている内容がちんぷんかんぷんでした。その時は1次試験を通過したのですが、まぐれという気持ちが強かったです。2次では実力不足を隠しえず、あえなく撃沈されてしまいました。

それから7年後に再度英検1級を受けた時は、逆に問題が非常に簡単に感じられました。1級の予想問題集の長文は、2級の問題集を間違えて買ってしまったのかと思うほど簡単でした。私の場合語彙や読解力を伸ばしてくれたのはTIME誌でした。7年間ずっとTIMEを読み続けてきました。

初めて受験した30代の前半は、TIME誌を1週間で読むことができませんでした。たいがい全部読む前に次のTIMEが送られてくる状態でした。ところが2回目に受験した頃は、表表紙から裏表紙までほぼ3日くらいで読めるようになっていました。はやく次のTIMEが送られてこないか待ち遠しさを感じていました。

TIME誌を楽しんで読めるかどうかが英検1級の読解力を持っているかどうかの1つの判断基準になるような気がします。
Posted by かいちゃん at 2007年05月05日 22:27
かいちゃんさんへ
いつもコメントありがとうございます。

私は「2級の問題集を間違えて買ってしまったのか」と思うほどではなかったですが(笑)、「これなら何とかなりそうだ」という手応えは感じましたね。

TIME誌を7年間ずっと読み続けてこられた、というのは素晴らしいことです。大変恥ずかしいのですが、私はTIME誌を読んだことがなくて、英文のレベルがどのくらいなのか知らないのです。が、それを読みこなすには、かなりの知識と教養が必要とされるでしょうし、ネイティブにとっても読み応えのある雑誌なんだろうと思います。それをその速さで読むことができる、ということは、英語を「解読」しながら読んでいるのではなくて、あくまで興味のある一つの読み物として読めているということですから、英語の実力はかなりのものだ、ということになりますよね。

「英語を楽しんで読めるかどうか」というのは、確かに読解力の判断基準になると思います。今の私は、ウィキペディアのような簡単なものは、情報源として楽しく読めています。もう少し本格的なエッセーや論説文、小説などになると、さくさく読めるのかどうかわかりません。私も読む英文のレベルをもっと上げていかないといけないんだろうなぁ、とはいつも思っています。それが、これからの課題ですね。
Posted by Rach at 2007年05月06日 09:26
お久しぶりです。Emiです。
私は読解が最高(?)に苦手(!)です。こんなもんだろと諦めて答えを選んでしまい、そのたびに間違っています。ちゃんと読めていないんです。ハリポタばかり読んでいてもダメなのでしょうね。。。
何か対策がないかと検索していたら、Rachさんの記事にたどり着きました! 続きも読ませていただきます!
Posted by Emi at 2010年02月12日 15:56
Emiさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

深い読解を問う問題では、細かい部分をついてくることもありますから、そういう部分はなかなか手ごわいですよね。
ハリポタは残念ながらまだ読んだことがないのですが、英検などの読解とはまた違った難しさがあると思います。通常の論説文と比べると、小説は一見シンプルに見えますが、実は練りに練られた文章である分、表現が「深い」気がします。
英検のような読解を解くためには、論説文系の文章にたくさん触れる必要はあるのかもしれませんね。

私の記事が何かの参考になれば幸いです。これからもよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2010年02月15日 09:40
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。