昨日の続きです。
英検の読解問題に出てくる、「論説・評論」調の文章には、よく出てくる文章のパターンというものがあります。
長々とある事実について語っていて、however と来たら、その前のことは全部前置きで、however 以下が本人の言いたいことなのだ、というようなことですね。
予想問題ドリルのヒントにも、そういう「つなぎ言葉」に注意して読め、と書いてあります。
(これは日本語の文章を読む場合にも当てはまりますよね。)
この手の文章は「何を言いたいのか」ということが実はとてもはっきりしていて、予想問題ドリルをやってみることで、その「論理の展開」のパターンを掴めてきたように感じました。
その作業が、私にはとても面白かったです。
実際の試験でも、予想問題ドリルでも、英検の長文の内容は興味深い話題が多いです。
私が使った、旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] で、一番印象に残っているのは、p.26 の Political Correctness(政治的公正)という文章。
その文の中で、"challenged" という言葉を使った婉曲表現の話が出てきます。
私は、過去記事 フレンズ2-21その14 で、physically challenged 「身体が不自由な」という表現と、P.C. (politically correct) について解説しています。
P.C. という言葉は以前から知っていたのですが、challenged にそういう意味があるのを最初に知ったのは、この予想問題ドリルの問題に出てきた文章だったのです。
その文中では、
"vertically challenged" for short,
"horizontally challenged" for fat,
という記述があります。
つまり、「背が低い」ことを「垂直(方向)に challenged 」、「太っている」ことを「水平(方向)に challenged 」と表現する場合がある、ということで、筆者はそれを pretentious euphemisms 「もったいぶった婉曲表現」を呼んで、批判的な視点から論旨を展開しています。
そんな風に、「ただテストの練習問題として見るだけではもったいないような、文章の内容そのものが興味深いもの」が英検には多い気がします。
p.75 の Writer's Block (ライターズ・ブロック。作家が文章を書けなくなること。)という文章も面白かったですね。
こういう読解問題に強くなるには、この手の文章に慣れることですね。
そして、この手の文章を見ているとわかるのですが、よく出てくる単語、というのもあります。
私は語彙を増やすことは早々にあきらめましたが、どうせ単語を覚えるのなら、こういう文章を何度も読んで(できれば音読して)、その言っている内容が頭の中でイメージできるように、その単語の意味を理解しながら読んでいけば、自然とそういう単語の使い方に慣れていって、それが自分のボキャブラリーになっていくのではないかな、と思いました。
その中でも、特に、「動詞」と「接続詞」に注目したらいいのではないかと思います。
これらの単語は、文脈の中で使われている姿を見ることで、よりその意味を捉え易いと思うからです。
問題集を一通りやり終えた後、この読解分野の文章を毎日一つ、2、3回音読する、というのをノルマにしようと決めたのですが、結局それはやらずに終わってしまいました(笑)。
でも、もしそれをやっていたら、もう少し語彙も覚えられたのではないかなぁ、と今でも思っています。
(Rach からのお願い)
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これらの文章は小説のようなストーリーを楽しむものではないので、最初から読む必要はないし、またそのように読んではいけません。このような読み方をすると、むつかしい内容ほど読み終わったあとで、「はて、何が書いてあったんだっけ???」ってことになってしまいます。英検1級の長文問題もそうですが、まずしなければならないことは、最初の段落と最後の段落に目を通し、そのあいだの段落の最初の一文のみをざっと読んで、文章全体の論旨の展開を見極めてから、全体を読むようにします。そうすると、内容を深く捉えることができるし、また時間を削減することができます。
また、Rachさんがおっしゃられているように、このような文章を音読しておくのも論旨の展開パターンに慣れるのに役立つと思います。私もタイムで気に入った論文は、切り取って流し読みを何度もしました。自分が文章を書くときにも、とても役立ちました。
貴ブログの「本はどのように読むべきか」をじっくり読ませていただきました。いつもながら興味深いお話をありがとうございました。
skimming という方法は、TOEICのリーディング対策の本を読んでいるとよく出てきます。TOEICのリーディングは文章を始めから終わりまで読んでいると時間が足りなくなるので、skimming や scanning で情報を拾いながら答えの書いてある場所を探し出さないといけない、ということですね。
私も英文を読む速さはそんなに早くないので、実際にTOEICの問題を解いている時には、skimming をしながら読んでいるのですが、実は英検では、「意識して skimming する」ということはやっていませんでした。
空欄補充問題は、文の流れを知るために、空欄の前後を読んだだけでしたが、内容把握問題は、実は、最初からじっくり読んでしまったんですよ(笑)。
どうしてもここは点を落としたくなくて、(またそのうちに書くつもりにしていますが)長文を読む時間を長く取れるように時間配分をあらかじめ決めていたのです。
それでも、やはりかいちゃんさんのおっしゃる方法で最初に「文章全体の論旨の展開を見極めてから」取り組んだ方が、より深く内容を理解できたんだろうなぁ、とは思います。
そういう試験以外に普通に本を読む時は、やっぱり最初からきちんと読む「べき」なんじゃないか、と今までは思っていました。が、ネットで情報を探す時は、かなり skimming を使っていると思いますし、それを実際の本を読む時にも、積極的に応用していかないといけないんですよね。
この歳になって、自分の時間がだんだん貴重になってくると、少しの時間で有益な情報を…という意識が高まるようで、新聞や雑誌や本屋さんでの立ち読みなどは(笑)、効率良く読めるようになってきた気がします。それはやむを得ずそうしていただけなのですが、実はそれが「正しい読み方」だ、ということなんですね。
興味がなくてよくわからない部分を何度ぐるぐると読んでみても、結局頭に残らないということがわかってきて、「おいしいとこどり」しないと損だ、みたいな気持ちになってきているようで、そういう「読む技術」ももっと磨いていきたいなぁ、と思います。
論旨の展開パターンというのを身に付けることは大事ですよね。私は日本語でも「小論文」などを書く訓練というのをしたことがなくて、だから、文章を書く時に、ただ自分の思うがままにたらたら書いてしまうんですが、英語圏の人は、そういう「文章の書き方」というのをみっちり練習させられるそうですね。私に欠けているのはそういう訓練だと言う意識はものすごくあります。これまた、これからの課題です。(課題ばっかりだ…笑)