witchの話 フレンズ3-3その7 で、dingus という単語が出てきました。
そのセリフでは、「バカ」というニュアンスで使われていたのですが、私がいつも使っている辞書類には、「(名前のよく知らない、名前がわからない)何とかいうもの」という語義しか載っていませんでした。
そこで私は、「何とか」とわざとはぐらかすことで、暗に「バカ」であることを表現しているのかなぁ、と思ったのですが…。
その dingus という単語について、アークエットさんの話 フレンズ3-3その9 のコメント欄 で、興味深い情報を教えていただきました。
The American Heritage Dictionary (AHD) という辞書には、ちゃんと stupid という言葉を使った語義が載っているそうです。
Wikipedia 英語版: The American Heritage Dictionary of the English Language の External links に、以下のオンライン辞書へのリンクが載っていたので、私もそれを使って調べてみました。
yourDictionary's American Heritage Dictionary online
Bartleby's American Heritage Dictionary online
確かに、AHD には、
dingus:
Slang
1. An article whose name is unknown or forgotten.
2. A person regarded as stupid.
という語義が載っており、今回のフレンズのセリフで使われたニュアンスは、2. の「愚かだとみなされる人」ということになるでしょう。
dingus についてもう少し調べてみると、Urban Dictionary にも、そういう stupid 関連の dingus の語義が載っていました。
この Urban Dictionary は、フレンズ2-20その10 でも説明しましたが、Wikipedia のように、たくさんの人が定義や意味を投稿して作られている辞書です。
ですから、例えば上に上げた AHD などの正統な辞書に比べると、学術的な信憑性というのは低いのかもしれませんが、「世間一般のネイティブ」がその言葉に対して持っている「感覚」みたいなものはよりリアルに出ているのではないかなぁ、と思います。
その説明が必ずしも正しいかどうかはわかりませんが、なかなか面白い解釈だと思ったので、以下に紹介してみます。
Urban Dictionary の語義を引用すると、
dingus: another word for a spaz.
NOTE: a dingus is NOT a stupid person, because a dingus is someone who can make you laugh by doing stupid THINGS, but they are not stupid people. a stupid person is an idiot. idiot and dingus are different.
(your friend is rocking back and forth on their chair and it topples over, thus flinging them across the room)
you say "dude, you're such a DINGUS"
訳すと、
dingus=spaz(どんくさい人)の別の言葉。
(注釈) dingus は a stupid person のことではない。なぜなら、dingus は愚かな「こと」をして人を笑わせることのできる人だが、その人は愚かな人ではないからだ。愚かな人は、an idiot であり、idiot と dingus は別物である。
例文) 君の友人が、椅子の上で前後に揺れていて[椅子を前後に揺らしていて]、その椅子がひっくり返る。そして、友人は、部屋の向こう側[あっち側]へ飛ばされる。
君は言う、「おまえ、ばかだねぇ。」
この説明によると、stupid "THINGS" をするヤツだから、「何とかという”もの””こと”」を意味する dingus という単語が使われている、ということのようです。
その人物そのものが「愚か」であるという idiot とは異なり、ここでの dingus はあくまで「バカな”こと”をした人」というニュアンスである、と力説していますね。
もう少し、おまけ(笑)。
上に上げられている例文は、your friend という単数名詞が主語になっていますが、その後、on 'their' chair, flinging 'them' など、複数形の代名詞が使われていますね。
フレンズ2-24その7 でも、someone を they で受ける文章が出てきたように、口語では単数名詞を they で受けることがあります。
上の例文も、「その友人」が男性か女性かを限定しないで済むように、わざと their や them で受けているのだろうと思うので、日本語にする時は、on his chair, flinging him として訳しました。(こういうことしそうなのは男性だと思うので(←偏見?…笑) his, him と書いてあってもいいと思うのですが…)
そして、fling them across the room というのが意外と訳しにくい。
ロングマン現代英英辞典によると、
across: from one side of something to the other
つまり、「あるものの一つの側からもう一つ別の側へ」という感じでしょうか。
日本語で「横切って、渡って、向こう側に」などと訳されているのがこれですね。
「部屋を横切って」と表現すると、「部屋を歩いて通過する」みたいに聞こえてここにはそぐわない気がします。
この場合は、椅子がコケただけなので、「横切る」ほどの距離の移動はないと思われますから、ひっくり返った勢いで、「元々いた場所から、少し離れた別の場所へ」「部屋のこっち側からあっち側へ」飛ばされた、という感じなんだと思うのですが、どうでしょう?
(Rach からのお願い)
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はじめまして。コメントありがとうございます。
貴ブログでこちらにリンクをはって下さっていることは大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
相互リンクに関してなのですが、私のブログでは「相互リンク」というものを行っておりません。
その件に関しましては、サイドバーに「当ブログは、相互リンクは行っておりません。」と書いてあるのですが、どこに書いてあるのかちょっとわかりにくかったかもしれませんね。ごめんなさい。
ブログ、頑張って続けて下さいね。