2007年05月12日

歯医者にせっせと通う妻 フレンズ1-1その3

昨日の記事、フレンズ3-3その14 で、accidentally という単語が出てきました。
フレンズの記念すべき第一話 フレンズ1-1(パイロット版)でも、accidentally という言葉が効果的に使われているシーンがあったので、今日は、その部分をを解説してみたいと思います。(長くなったので、2日に分けます。肝心の accidentally が出てくるのは明日になります…笑)

(CUT TO MONICA AND PAUL EATING IN A RESTAURANT)
モニカはポールという男性とレストランで食事をしています。
ポールには離婚歴があり、その妻が浮気をしていた時のことを話しています。
モニカ: Oh my God! (まぁ、なんてこと!)
ポール: I know, I know, I'm such an idiot. I guess I should have caught on when she started going to the dentist four and five times a week. I mean, how clean can teeth get? (そうなんだよ。僕は何てバカなんだ。妻が1週間に4、5回も歯医者に通い始めた時に、気付くべきだったんだろうね。ほら、(そんなに通ったら)歯がきれいになりすぎちゃうだろ?)
モニカ: My brother's going through that right now, he's such a mess. How did you get through it? (私の兄も、今まさにそういうことを経験しているところなの。兄は本当にボロボロよ。あなたはどうやってそれを乗り切ったの?)

idiot は「ばか、まぬけ」。
自分自身に対して「僕は何てバカなんだ。」と嘆く時に、よくこの "I'm such an idiot." を使いますね。
catch on は「わかる、理解する、…の意味を悟る」。
2日前の記事、フレンズ3-3その13 にも出てきました。

I should have caught on は should+have+過去分詞形で、「…すべきだったのに(実際はしなかった)」ということ。
ポールの奥さんが歯医者さんに毎日のように通っていたとのこと、つまり浮気相手が歯医者さんなのですが、普通はただの治療でそんなに頻繁に通うはずないのに、ということですね。

clean は「きれいな、汚れていない、清潔な、清浄な、病菌のない」。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
clean:
1 a : free from dirt or pollution
b : free from contamination or disease

a は「汚れや汚染がない」、b は「汚染や病気がない」ということです。
日本語で「クリーンな歯」というと、真っ白のきれいな歯、というイメージが浮かびますが、辞書の語義を見ると、Her teeth are clean. という場合、ただ単に歯の見た目がきれいなことを指すだけではなく、虫歯がない、ということも指すのかもしれません(←このへんは、よくわかりません)。

「きれい」だと解釈して、how clean can teeth get? を直訳すると、「歯がどれほどきれいになることができるか?」という感じで、反語的な表現です。
ちょっと下品な大阪弁で言うと、「そんなに毎日のように歯医者に通ってたら、どんだけ歯がきれいになるっちゅーねん! きれいになりすぎてピカピカ光ってもうて、口開いたらまぶしすぎるで!」みたいな感じでしょうか?
この場合は、相手が審美歯科・美容歯科のような歯医者さん、ということですね。
レイチェルの元婚約者バリーは、orthodontist (歯科[列]矯正医)なので、同じグループに入るのでしょうか?

「病原菌のない」→「虫歯のない」と解釈すると、美容系ではない、虫歯を治療するタイプの歯医者さんだとも考えられます。
それだと「歯がどんだけ無菌状態になるっちゅーねん?」みたいな感じですが、やっぱり「虫歯」の場合は clean という漠然とした単語ではなく、もっとはっきりと「虫歯」であることを示唆するようにも思えますね。
例えば、「そんなに治療に時間がかかるなんて、一体どれだけの虫歯があったんだよ?」という感じで、"How many cavities did she have?" とでもなったのかなぁ?(←このへんもよくわかりません)

モニカのセリフの go through と get through の違いについて。
1週間ほど前に、フレンズ3-3その9 のコメント欄 でご指摘いただいたばかりなのですが、この二つにはニュアンスの違いがありますね。

ロングマン現代英英辞典によると、
go through something: to experience a difficult or unpleasant situation, feeling etc
つまり、「困難な、または不愉快な状況、感情などを経験すること」

get through something: to come successfully to the end of an unpleasant experience or period of time
つまり、「不愉快な経験や時期の終わりに、うまく[首尾よく]到達すること」

go の場合はただ単に「経験している」だけですが、get を使うと、successfully に end に到達する、つまりその困難を「乗り切る、切り抜ける」というニュアンスになるわけですね。

明日、accidentally について解説します。

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posted by Rach at 09:29| Comment(4) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
歯科医のオフィスでは歯科衛生士(デンタルハイジェニスト)といって定期的な歯のクリーニングをする人がいます。普通、歯のクリーニングは6ヶ月に一回すすめられますが、週に4,5回とは異常に多いのにそれでも気づかないほど馬鹿だったといっているのだと思います。笑えますよね。
I mean, how clean can teeth get. は、ホント歯をきれいにするにも限度があるよね、といった意味合いでしょうか。
ロスのこの思い出しシーンでしたか、ロスが3Pを提案しキャロルが喜んで賛成したら3人目はスーザンでロスはほっとかれてほとんどスーザンとキャロルの二人で楽しんでいた、ということろすごく笑えたのを思い出します。
Posted by テリトリー at 2007年05月12日 12:08
こんにちわ。
>>「そんなに毎日のように歯医者に通ってたら、どんだけ歯がきれいになるっちゅーねん! きれいになりすぎてピカピカ光ってもうて、口開いたらまぶしすぎるで!」

すごい名訳!!!フレンズ翻訳大阪弁版っていうの作っていただけません?めちゃめちゃおもしろいと思うんですけど。
Posted by YN at 2007年05月12日 22:12
テリトリーさんへ
非常に参考になるコメントありがとうございます。「歯科衛生士が定期的な歯のクリーニングをする」という説明を聞いて、私が昨日、いろいろと勘違いしていたことに気付きました。私の上の記事では、clean の説明が非常に曖昧になっているので、今日、再度、説明し直すことにしました。また何か気になる点があればご指摘下さいませ。

普通は歯のクリーニングは「6ヶ月に一回」なんですね。そのお話を聞いて、アリー my Love のエピソードを思い出しましたので、今日の記事に書いてみました。

「ロスが3Pを提案し…」の話は、フレンズ3-6で回想シーンとして出てきますね。あれは大爆笑のシーンですよね?(ロスには申し訳ないけど…)。多分、このブログも、さすがに 3-6 までは行き着くだろうと思うので(笑)、そのエピソードを解説するのを楽しみにしています。
Posted by Rach at 2007年05月13日 10:38
YNさんへ
名訳と言っていただけて光栄でございます(笑)。
ですが、今日の記事に書いたように、上の記事では、私は「見た目の美しさ」にばかり気を取られていたようで、正確には「そんなに掃除したら、掃除するとこがなくなって、歯そのものが磨り減ってしまうやんけ!」とか、「口の中が無菌室みたいになってしまうで!」みたいな感じなのかもしれません。(←思いつきで書いてますんで、あまり参考にしないで下さい…笑)

大阪弁版を作ると、ただただ下品になるだけで、フレンズの品位を落としてしまいそうな気もするのですが…
ただ、ツッコミに関しては、「それは…だよ!」と言うよりも、「それは…やっちゅーねん!」と言う方が雰囲気が出て良いかなぁ、と思ったりするんですよね。
大阪弁でツッコミを入れているチャンドラーは…やっぱりヘンやっちゅーねん!(爆)。
Posted by Rach at 2007年05月13日 10:40
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