2007年05月19日

ニュースと天気 フレンズ3-3その18

ジョーイ: (with his mouthful) Hey, I didn't stalk her. I mean... (he sprays Phoebe with crumbs) (口いっぱいに食べ物を入れて) おい、俺は彼女をストーカーしてないぞ。つまり…[ジョーイはパンくずをフィービーに飛ばす])
フィービー: Okay, I asked for the news, not the weather. (わかった。私はニュースを聞きたいと思ったのよ。天気(予報)じゃなくてね。)

フィービーのセリフ、"I asked for the news, not the weather." について。
このフレーズには、どうやら二つの意味があるようです。
あまり自信はないのですが、私の考えをとりあえず述べてみます。

子供向け英語番組だったかと思うのですが、「ニュース番組のパロディーの英語コント」みたいなのを見たことがあります。
キャスターが本番前に原稿がないことに気付いて、何をしゃべったらいいかわからない、と慌てているシーン。
開始時刻になって、キャスターが、"Good evening. Today's headline news is..." と後が続かなくて困った挙句に一言、
"... the weather."

(英語はうろ覚えなので間違ってるかもしれません。英語のニュースをあまり見ないので、決まり文句とかも知らないし…)

つまり、「今日のトップニュースは…お天気です。」みたいな感じになって、それがトップニュースかよ!?と突っ込みを入れたくなるようなジョーク、みたいだったんですよねぇ。
私はそれを見ながら、「でも強い台風とかハリケーンなら、天気の話がトップニュースになることもあるんじゃないの!?」などとテレビに向かって突っ込んでみたりもしたのですが…(笑)。

日本でも天気予報やお天気のお知らせ、というのはニュース番組の最後におまけのように(←失礼)くっついているもので、それほど緊急性を要するものでもないし、お決まりの定型的なことしか言わないというのもありますから、そのフィービーのセリフを聞いて、私はそのコントを思い出したわけです。

ですから、
「あなたがストーカーしてたかどうかが問題じゃなくて、私があなたを助けたかどうかが問題なのよ、そんな見当違いのささいな問題を持ち出さないで、大切なポイント(私があなたを助けてあげたこと)についての意見を述べてよ。」
という感じの意味なんだろうと思います。

が、このシーンを見ていると、このセリフにはもう一つ別の意味もあるように思います。
he sprays Phoebe with crumbs というト書きからわかるように、パンくずを飛ばしてしゃべるジョーイに対してのセリフなので、そのパンくずが顔にかかったことを非難して、
「何か顔にかかったわよ。何か顔に降ってきたわよ。」→「あら雨が降ってきたわよ。」という言い方をしているのかなぁ、と。
「こちらが聞きたいと思っていることをちっとも言ってくれなくて、代わりに雨だけが降ってくる。」みたいな感じで、この少し前のシーンでフィービーが言っていた、"Say it, don't spray it." と同じような表現なんだろうと思うのですが、どうでしょう?
(Say it, don't spray it. については、一昨日の記事 フレンズ3-3その16 で解説しています。)

Yahoo!知恵袋のドイツ版(?)のような、Yahoo! Clever というサイトに以下の質問が載っていました。
What's unattractive about a man that spits while he speaks ?
その回答で、"...asked for the news, not the weather." とほぼ同じフレーズが出てくるものが2つあります。
"a man that spits while he speaks" に関する質問で、news & weather の話が出てくる、ということは、やはりその spit という行為と weather という言葉とに関連性がある、と考えても良いですよね。
上のサイトからも、雨みたいに顔に何かがぴしゃっとかかったことを「天気」になぞらえているという解釈は成り立つと思います。

実は、"Say it, don't spray it" を検索していた時に、ある歌詞がヒットしました。
2Gether というグループの、まさにタイトルが Say It Don't Spray It という歌です。

歌詞の一部は以下の通り。

Girl you've gotta say it
say it
Don't spray it
don't spray it
I want the news
I want the news
not the weather

ということで、say & spray のフレーズと、news & weather のフレーズの両方がでてきますよね。
Wikipedia 英語版: 2ge+her にそのバンドのことが書いてあるのですが、それによると、

このバンドの正式名称は、2ge+her(発音は Together)で、1990年代の男性バンド(New Kids on the Block, *NSYNC, Backstreet Boys など)をパロディーにした「架空の男性バンド(a fictional boy band)」

らしいです。
そのバンドを主人公にしたMTVのTV映画などもあるようですね。

上の歌詞も、女性に対して歌っている歌詞にしては「きったな〜い」感じがするのですが(笑)、架空のバンドなので、わざとそんな”妙な”歌詞にしている、ということもあるのかなぁ?とか…(よくわかりませんが)。

この曲のはっきりしたリリース時期、というのがわからないのですが、ウィキペディアの Discography には2000年という年号が書いてあるので、その辺りなのかな?
2Gether [Soundtrack] [from US] [Import] は、この曲が入っているCDで、発売日は 2000/2/15 とありますね。(上のアマゾンのサイトではこの曲の試聴もできます。)

今回のフレンズのエピソードは1996年放映なので、恐らく、この歌詞の方が後発だと思います。
もし、2Ge+her の歌が1996年より先に発表された、ということであれば、フィービーのセリフは、その歌詞を意識したパロディーということかもしれませんが…。
(洋楽には疎いので、この曲に関する調査はこの辺で打ち切りにします(笑)。詳しい方は教えて下さい。)

…ということで、その歌詞とフィービーのセリフに、say & spray と news & weather のフレーズが両方含まれているのは、どちらが元ネタか?という話ではなく、その2つのフレーズがどちらも「口から物を飛ばしながらしゃべる人」に使うフレーズだから、ということなんでしょうね。

もしくは…
"I asked for the news, not the weather." は元々、最初に挙げた「ささいな話ではなく、重要な話をして。」という意味だったのを、フィービーがここで "Say it, Don't spray it." みたいな意味として使って、それが広まった…という可能性もなきにしもあらず、かな??

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posted by Rach at 09:10| Comment(12) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!
自分が見終わったフレンズの部分を拝見させていただいてます。
本当にすごいですね〜!!!いつごろから台詞の意味を深く読み取れるようになりましたか?私はまだまだリスニングで精一杯な感じで、Rachさんのようにフレンズが見れたらもっともっとおもしろいのになぁと思ってしまいます。

また遊びに来ます!
Posted by proy at 2007年05月20日 00:37
Rachさん、はじめまして!シンと申します。

人気blogランキングから寄らせていただきましたが、すごい情報量ですね〜(笑)。過去のアーカイブもいくつか読ませて頂きましたが、感服しました。
私はオンラインのマンツーマン英会話でスピーキングの練習に力をいれていたのですが、最近、リスニングをもっと鍛える必要がある事を思い知らされました。そこでリスニング強化にシットコムを聞き込もうかなと思っていたのでRachさんのブログは大変に参考になりました。DVDの英語日本語字幕と英語日本語音声の使い分けのステップなど。

ずいぶん前にリスニング用にフレンズのDVDの1巻は買って何回かは観ていましたが、なんだかご無沙汰になってしまって・・・(笑)。またちょっとがんばってみようかと思います。

応援ポチポチポチしておきますね。また寄らせて頂きます。
Posted by シン @自的好奇心★英語勉強日記 at 2007年05月20日 09:43
proyさんへ
また遊びに来て下さってありがとうございます。
「台詞の意味を深く読み取れている」かどうかは甚だ疑問ですが(笑)、こんな風にあれやこれやと解釈を考えるようになったのは、このブログを始めてしばらくしてからです。

私が自分の英語学習の一環としてDVDを見ていた頃は、ひたすらわからない単語を調べているだけでした。そこで日本語字幕や吹替が意訳だとわかると、「実際の英語ではどういう意味のジョークになるんだろう?」と自分なりに考えてはみましたが、正直よくわからない部分がものすごく多かったです。

最初はフレンズで学べる日常表現や単語を説明したくてこのブログを始めたのですが、コメントで解釈について意見を交換するうちに、私も私なりの方法で、セリフの真の意図を読み取る訓練が出来てきたのだと思います。自分一人で学習しているだけだと、調べ物もここまでしつこくは調べないと思いますし(笑)。

読んで下さっている読者の方がいてくださる!と思えることが、何とかこのセリフの意味を読み取りたい、その上で他の方と意見を交換してより英語のセリフの理解を深めたい!と思うことに繋がるんだと思いますね。
自分としては「叩き台」の意見を書いているだけだと思っていて、皆さんが私の間違いを指摘して下さるのをいつも楽しみに待っています(笑)。
また遊びに来て下さいね!
Posted by Rach at 2007年05月20日 10:06
シンさんへ
はじめまして! コメント&ご訪問ありがとうございます。
過去の記事にもいくつか目を通して下さったんですね。本当にありがとうございます。
確かにマイブログは「量」だけはすごいです(笑)。一つのことを説明するのに、説明がぐだぐだと長すぎるんですよねぇ…それが自分の個性だと半ば開き直っておりますが、それを読んで下さる読者の方にはいつも感謝しています。

リスニング強化にシットコムは有効だと思いますね。アメリカの人気ドラマということで、「教材」として作られたものではないわけですから、それが普通に聞き取れるようになる、ということは、素晴らしいことだと思うんですよ(←自画自賛みたいですが…笑)
もちろん、スピーキングの練習も大切だと思います。実際に使ってみないと身に付かない、ということもありますよね。

あ、それから、ポチ×3回(!)の応援クリック、ありがとうございます! とっても励みになります。これからも頑張りますので、またお越し下さいね。
Posted by Rach at 2007年05月20日 10:09
Rachさんへ
訪問者が新語を登録できるサイトhttp://www.urbandictionary.comにNews Not the Weather
が載っていまして、例文から推察すると
話しながら口の中のものを飛ばされた相手が使う流行語のように思えます。
Posted by teruchan at 2011年01月30日 10:05
teruchanさんへ
コメントありがとうございます。

Urban Dictionary は便利で面白いですよね。私もよく使わせていただいています。
この記事の2つ前の記事、
スプレーのように フレンズ3-3その16
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470815.html
では、"Say it, don't spray it." の説明で、Urban Dictionary の語義を紹介させていただいたのですが、"News Not the Weather" という見出しも存在するのですね。貴重な情報、ありがとうございます。

その語義が投稿された日を見ると、2009年2月となっているので、私がこの記事を書いた時(2007年5月)には、まだその語義は Urban Dictionary には載っていなかった、ということみたいですね。
その語義説明でも、spray という動詞が使われていますので、やはり、"Say it, don't spray it." と同じニュアンスで、"I asked for the news, not the weather." が使われた、ということになりそうですよね?

流行語だとすると、誰か最初にそういう言い回しを使った人がいて、それが広まった、ということですよね。フレンズのフィービーのセリフがその発端だった、という可能性はないのかな?とちょっと期待してしまったりしますが、どうなんでしょう?
Urban Dictionary では、有名人のセリフだったり、有名なテレビ番組の決まり文句だったりすると、そのことについて触れてある場合も多いです。今回の "News Not the Weather" は、そのセリフの出所(でどころ)が書いていないのが少し残念なのですが…。

情報ありがとうございました。
Posted by Rach at 2011年01月31日 13:22
お久しぶりです。おんぼろパソコンでDVDが見られなくなったという単純な理由からしばらくフレンズ攻略を中断していましたが、最近また再開しました。

最近はあまり深く考えずに見ていくことにしたんですが、やっぱり少し調べてしまったので…。

上述のI asked for the news, not the weatherですが、
http://allweather.co.cc/2011/03/why-are-people-always-saying-i-asked-for-the-news-not-the-weather/

にyou're spitting all over them while talking
とあったり、

http://www.bookrags.com/tandf/we-asked-for-the-news-not-the-tf/
にも

‘Used when somebody spits as he speaks’ (Levene, 1977) and current since late 1960s. Prompted by ‘It’s spitting with rain’. Cf spray it again, or you can spray that again.

とありました。
1960年代からとあり、どうやらフィービーが発端ではなさそうです。(^^;
Posted by 玲 at 2011年05月30日 23:14
玲さんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

また、I asked for the news, not the weather. について調べていただきありがとうございます。
「1960年代後半から」という記載がありますので、フィービーのセリフが最初ではなかったんですね(残念…笑)。
そうすると、フィービーがこのエピソードで使う前にすでに市民権を得ている表現だった、ということになりますね。

いわゆる辞書に載っているような昔からの慣用句ではないものについては、昔は意味や出典などを調べようがなかったわけですが、ネットの発達でそういうものも見つけられるようになったことは、実に楽しいなと思います。

貴重な情報、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2011年05月31日 11:50
またまたこんにちわ

ここのエピソード、何度観てもピンと来なくて何のこと?と、Rachさんの
解説を読むのを楽しみにしていました。(1日では読めないので何日も
掛かってます・・・) news,not the weatherにそんな意味があったんですね〜 しかもこれが以前のエピソードと繋がっていたなんて!
グリコじゃないけど2度美味しい!(古すぎてスミマセン・・・Rachさん
は判ってくれる?)

ところで、真面目に質問なんですが・・・(笑)
こうやってじっくり解説を読んで、何度も繰り返し観たエピソードって、ビックリするくらい聞き取れるようになるんですが、先日たまたま以前のエピソードを観たら、こうやって勉強したにも関わらず、
バッチリ聞き取れる!とは行きませんでした・・・ エピソードを覚えているということを考えるとかなり減点です。リスニングは小さいことの積み重ねとはいえ、ちょっと情けなかった・・・
Rachさんにお聞きするのもおこがましいんですが、こういう経験って
あるのでしょうか?地道にやっていくことでまた判ってくるものなんでしょうか? ちょっと凹んでしまったので、過去エピソードの
取説?のヒントなどあれば教えていただけると嬉しいです。
Posted by やっちん at 2013年10月12日 19:06
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。
「グリコじゃないけど2度美味しい!」、はい、バッチリわかります^^
こういうのがわかる世代とわからない世代、というのがあって、そういうのも「フレンズの元ネタを知っていて笑えるかどうか」と同じことですよね。

さて、過去エピソードの取説の話ですが、、
そうですね、やはり、学んだばかりのエピソードは記憶も鮮明で、音の流れとして覚えている、みたいなことがあるでしょうね。
時間が経ってしまうと、忘れている部分が増えるため、その部分は初めてリスニングするものと同じ感覚になってしまう、すると、聞こえない部分も出てきてしまう、、ということにもなりそうです。

何度も繰り返したエピソードであっても、やはり時間が経つと忘れてしまうことは避けられないと思います。私は一通り、ファイナルのシーズン10まで見た上で、2回目に見る感じで、このブログを書いているわけですが、やはり、聞き取れないところはあります。というか、時々ネットスクリプトにも間違いがあるくらいで、ネイティブでも聞き間違いをしている、聞き取りにくい部分があるというのも事実ですね。私がブログを書くための下準備として、ネットスクリプトとDVD英語字幕の突合せ、というのをやっているのですが、何回聞いても早すぎて、もしくは不明瞭すぎてよくわからない、という箇所がどうしても出てきます。

生きたセリフということで、ものすごく早口、またはラフに話している部分も多いので、「バッチリ聞き取れなかった」とあまり凹まずに、そこは軽く確認する程度にしておかれても問題ないと思いますよ(^^)
Posted by Rach at 2013年10月14日 15:18
Rachさんへ

いつも優しいフォローありがとうございます。

Rachさんでも聞き取りにくい部分、あるんですね。
そうか、じゃ凹まずに、楽しく学習(=楽習)して行きます。
最近はフレンズで知ったフレーズを結構いろいろなところで見たり
聞いたりすることがよくあって、嬉しくなります。

グリコ、判って貰えて更に嬉しいです♪
Posted by やっちん at 2013年10月15日 14:10
やっちんさんへ
こちらこそ、いつもご丁寧なお返事ありがとうございます。

そうです、「楽習」ですよね^^
フレンズで何度も出てくるようなフレーズは、他の作品でも、そして日常英会話でもやはり頻出するものです。そういうものを蓄積していくことで、言葉のバリエーションを増やし、会話を豊かにしていきたいですね(^^)

はい、グリコはバッチリ☆わかりましたよ♪
Posted by Rach at 2013年10月15日 15:41
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