2007年05月21日

波止場でゲットできるもの フレンズ3-3その20

モニカ: Joey, take your time with that. That's my last batch. (ジョーイ、それをゆっくり味わってね。それが最後の分なのよ。)
ジョーイ: No more jam? (もうジャムはないの?)
レイチェル: Well, what happened to your jam plan? (ねぇ、モニカのジャム計画はどうなったの?)
モニカ: I figured out I need to charge $17 a jar just to break even. So I've got a new plan now. Babies. (収支が合うようにするには、一瓶当たり17ドルの値段をつけないといけないってわかったの。だから、今は(別の)新しい計画があるの。赤ちゃんよ。)
チャンドラー: Well, you're gonna need much bigger jars. (えぇと、それなら、もっとずっと大きな瓶が必要になるよ。)
ロス: What are you talking about? (何を言ってるんだよ。)
モニカ: I'm talking about me having a baby. (私が赤ちゃんを産むって話よ。)
ロス: What? (何だって?)
レイチェル: Are you serious? (本気なの?)

Take your time は「ゆっくり急がずにやる、時間をかけてやる」こと。
フレンズ1-17その2 では、なかなか事情が飲み込めないジョーイに、
ロス: You take your time. (ゆっくり時間をかけていいよ。)
というシーンがありました。
確かにジョーイは他の人より気付くのが遅いことが多いので、ゆっくり考えてね、と言いたくなりますが(笑)。
batch は、フレンズ3-3その4 で説明しています。
break even は「(商売・賭博などで)損得なしになる、収支が合う、とんとんになる、五分五分になる」。
イーブンという言葉はほとんど日本語になっていて、「互角の、対等の、五分五分の」という意味で使いますよね。
ジャムの代わりに赤ちゃんの話を出したので、赤ちゃんを売る(?)つもりなら、そんな小さなジャム瓶には入らないよ、などとヘビーなジョークを言っていますね。


モニカ: Yeah. The great thing about the jam plan was, I was taking control of my life. So I asked myself, what is the most important thing to me in the world and that's when I came up with the baby plan. (えぇ。ジャム計画の素晴らしいところは私の人生を自分でコントロールできる、ってことだった。だから私は自問したのよ。私にとって世界で一番重要なことって何?って。その時に、赤ちゃんの計画を思いついたのよ。)
ロス: Well, aren't you forgetting something? What, what, what is uh, what is that guy's name? Dad! (うーん、モニカは何かを忘れてないかな? 何だっけ、何だっけ、その男の名前は? 父親だよ!)
モニカ: It took me 28 years to find one man that I wanna spend my life with. If I have to wait another 28 years then, I'll be 56 before I can have a baby, and that's just stupid. (一緒に人生を過ごしたいと思える男性を見つけるのに、私は28年もかけてきたのよ。それでもしあと28年待たないといけないのなら、赤ちゃんを産むときには56歳になってるわ。それってただただ愚かなことでしょ。)
チャンドラー: That, that's what's stupid? (愚かなこと、ってそんなこと?)
モニカ: I don't need an actual man, just a couple of his best swimmers. And there, there are places you can go to get that... stuff. (現実の男は必要ないのよ。ただ、彼のベスト・スイマーが2、3個あれば。そして、そういう…モノをゲットできる場所があるでしょ。)
レイチェル: Down at the docks again? (また波止場に行くの?)

赤ちゃんを産むなんて簡単そうに言うけど、必要な人間がいるだろう?ということで Dad という言葉を出したのですが、それを言う前振りとして、what is that guy's name? というのがおかしいですよね。
ただ、If you want to have a baby, you need a man. とか言うのではなくて、ちょっと回りくどく、「「父親」という名前の男が必要だよ。」と言っているのが面白いと思います。

another 「もう一つの」という形容詞について。
これは an other から来た単語なので、後ろは a と同じで単数名詞が来るのですが、今回のように、28 years という複数形を、ひとつのかたまりと考えて単数扱いにして、「28年間をあともう1回分」というニュアンスで使われています。

理想の男性を待っていたら、56歳になってしまって、その頃には子供が産めない、それって愚かなことよね、とモニカは言っています。
それに対してチャンドラーは、「そんなことが愚かなことか?」→「もっと愚かなことがあるだろう」と返事しています。
ひたすら待っていて歳を取ってしまうのは確かに問題かもしれないけど、だからと言って相手の男のことはどうでもいいから、とにかく「子供を持つ」ことだけを考えているっていうのは愚かなことじゃないのか?、とチャンドラーは言いたいのですね。
まぁ、愚かと言ってしまっては語弊がありますが、そんな重大なことをジャム作りの代替案としてあっさり持ち出すというのは、少々軽率じゃないか、と言いたいわけでしょう。
この時点で、モニカがシングルマザーとして子供を持つつもりである、ということがフレンズたちにもわかってきているようです。

swimmer は「泳ぐ人、泳ぎ手」ですが、この場合は、「男性の精子」のことを言っていますね(笑)。
顕微鏡の映像で、その泳いでいる姿を見ることがたまにありますが(笑)、みんなあのイメージを持っているので、swimmer でピンと来るわけでしょう。

モニカがそういう swimmer をゲットできる場所がある、と言っているのは、この時点で「精子バンク」のことを暗に示しているのだと思います。
このレイチェルの答えはわざとしらばっくれているのか、一瞬、精子バンクのことが思い浮かばなかったのか、どちらかはわかりませんが、モニカがジャム作りのために波止場に買出しに言っている、という話が前に出てきたので、「また今度も波止場にそれを仕入れにいくの?」という感じです。
どうして、「波止場」かというと、波止場には船乗りがたくさんいて、海の男、荒くれ者のイメージがありますよね。
ああいう場所ではそういう行きずりの関係に簡単になることができるから、そこで get that stuff できるんじゃない?と言いたいわけです。
フレンズ3-3その1 で、docks という単語が出てきて、「レイチェルは波止場の存在を知らなかった」というジョークそのものはあまり面白くないなぁ(←ごめん)と思って、解説を省こうかと思っていたら、ここのオチに使うための伏線として、出てきていたわけですね。
さすがはフレンズの脚本だなぁ、と思いました。

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posted by Rach at 10:32| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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