2007年05月22日

英検とTOEICとの比較 1級一次(リスニング編)その1

今日は、英検1級一次試験のリスニングについて書きたいと思います。

リスニングは難しかったですねぇ。
TOEIC のリスニングで満点を取ったことがありますが、やはり TOEIC よりは英検1級の方がずっと難しいです。
それは、ナレーションがより長い、より難しい、というのもあるでしょうが、「質問内容が問題用紙に書いてない!」というのが大きいのかな、と思います。

TOEIC のテクニックとして、「先読み」というのがありますね。
実際にナレーションが流れる前に、どんな質問であるかをあらかじめ読んでおいて、そのことを念頭に置きながらリスニングする、というものです。
問われる内容がわかっていれば、それに関する単語が聞こえてきたときに、「おっ、ここ、ここ!」と思って、そこに神経を集中することができます。
あらかじめ事前に見ておいた選択肢の言い換えが出てきたら、これで間違いなし!と自信を持ってマークすることができるわけですね。

英検では、質問(Question)が書いてあるのは Part 3 のみです。
他のパートは質問が書いていなくて、ただ解答の4つの選択肢が並んでいるだけ。
ナレーションが流れる前に選択肢に目を通していても、その答えだけから想像できることには限りがあります。
で、結局、そのナレーションの内容をある程度、頭に入れた上で、いざ質問になった時に、それを思い出して答えないといけない、ということになるのですね。

リスニングの点数の内訳は以下のとおり。
会話文 (Part 1, Part 4) 9点 (14点満点。合格者平均12点、全体平均9点)
一般文 (Part 2, Part 3) 15点 (20点満点。合格者平均17点、全体平均13点)

実際の試験のパート毎の内訳で言うと、
Part 1 10問中3問間違い
Part 2 10問中3問間違い
Part 3 5問中1問間違い
Part 4 2問中1問間違い

ちょっと間違い多すぎますね(笑)。

旺文社 2007年度版 英検1級全問題集 というのが2007年3月に発売になったのですが、私はそれを購入してしまいました(笑)。
もちろん(?)、合格がわかった後です。
せっかく1級に向けていろいろと対策を立てて勉強したので、それをブログ上で記録に残しておきたいと思い、そうすると、持ち帰った問題用紙だけではリスニングのナレーションの内容がわからないし、解答の解説を読めば自分が何で間違ったかがはっきりするかもしれないし、と思ったからですね。
TOEIC は問題用紙を持ち帰れないので自分で反省して復習する、というのが難しいですが、英検はそれをさせてくれる試験なので、気合を入れて解いた本番の問題でどこを間違ったかをチェックすることは、今後の英語学習において、非常に有益だと思ったからです。(おぉ、我ながらまじめだ…あ、さすがに別売CDまでは買ってません、高いから…笑)

2006年度第3回の英検二次試験が終わった直後に出た本なので、その第3回の問題は載っていないのが残念なのですが、過去6回分(2004年度第3回、2005年度第1〜3回、2006年度第1,2回)の問題が二次面接(の一部)も含めて載っています。

そういえば、私が使った 旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] は、7回分の模擬試験が収録されているのですが、リスニングは6日目、7日目の2回分しかありません。
リスニングテストは形式に慣れることが大事だと思うので、2回分だけではちょっと物足りないような気もします。
そういう意味では、この「全問題集(過去問)とその別売CD」を買っておけば、過去6回分のリスニングテストに挑戦することができたのですね。
我ながら、どうして過去問をやろうと思わなかったのかよくわからないのですが…。
過去問と全く同じものは出ないだろう…と思っていたからかもしれませんが、でも、実際の試験が、形式・難易度など、その試験の内容を一番よく伝えるものであるのは間違いないですよね。

リスニングについては、やはりちょっと練習不足であった、と思います。
ドリルの2回分を一通りやっただけで、後はただそのリスニングテスト部分を iPod に入れて、たまに台所で聞いていた程度ですから、TOEIC で出来上がっている自分のパターンのように、英検リスニングに対する完全な時間配分のできたパターンというのを確立しないまま試験に臨んでしまった、という感じかもしれません。
(英語に堪能な方なら、どんなパターンでも解けるのでしょうが、今の私では、パターンを熟知して初めて最大限の力が発揮できる、という感じなのですよ、悲しいことに…。)

Part 1 は「会話の内容一致選択問題」。
1つの会話に対して選択肢が4つ。その選択肢は問題に印刷されているが、質問は印刷されていない。
最後の2問は会話が長く、3名による会話も含まれる。

会話を聞いて正しい選択肢を選ぶ、という意味では、TOEIC の Part 3 に似ているのですが、決定的な違いは、「質問が印刷されていない」ということです。
最初にも書きましたが、質問がわからない、というのはちょっと辛いですね。
質問があらかじめわかっていると、その質問の「主語」に注目してリスニングすれば、自ずと答えが見えてくるのですが、質問がわからない場合は、そういうピンポイントで聞く、ということが難しくなるように思います。
間違ったNo.4 と No.5 はイディオムを聞き漏らしたようです。
No.10 は3人による会話で、今でもその内容をだいたい覚えていますから、ほとんど内容は聞き取れていたのだと思います。
ただ、質問の主語が「男性は…」だったのに、「女性が」言ったことを選んでしまったみたいです。
内容はわかったつもりでも、いざ答える時になって、「誰がどの意見を言ったか」で迷ってしまう…という感じですね。

Part 2 は「英文の内容一致選択問題」。
200〜250語程度のパッセージが読まれた後、2つの質問があり、4つの選択肢から選ぶ。

ナレーターは一人なので、TOEIC の Part 4 に似ていますが、これまた「質問は印刷されていない」ので、不安になります(笑)。
さらに、TOEIC よりも内容が学術的なものが多く、抽象的で難しいんですよ。
TOEIC のように具体的な場面や情景が頭に思い浮かぶような類のものではないので、イメージするのが難しい気がします。
こういう文は、接続詞などのつなぎ言葉に気をつけて、論理の展開を掴むことが大切なのですが、自分が間違ったところを見てみると、そのナレーションの「主題」が理解できていないようでした。
そのナレーション全体で何を言おうとしているのかが掴みきれていない、という感じです。

TOEIC では、「誰が何をしたか?」「誰がどう思ったか?」「誰がこれからどうする予定か?」などと、ピンポイントで質問してくることが多いので、それを丁寧に打ち返していけばいいのですが、英検の質問はそのナレーションの主題であり重要な部分に当たるところを尋ねることで、本当にこのナレーションを理解できているかを確かめようとしているような気がします。
そして、それをちょこちょこ間違っているということは、聞き取りをするのに精一杯で、「一つの興味深い話」として聞けていない、ということなんだろうなぁ、と思います(反省)。

明日も引き続き、英検リスニングについて語ります。

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posted by Rach at 11:15| Comment(2) | 英検 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつものように英検ネタの時のコメントですみません。

私は聞き取りはまったく自信がなくて、とにかく文法、語彙および読解問題でカバーしようと思っていました。それでも幸運なことに、1次の合格通知をもらったときは、聞き取りの点数は合格者の平均だったように思います。私のように読むことに重点を置いてきた学習者にとっては、英検1級のリスニング問題は読まれる内容が長いのでかえってよかったようです。ところどころ細部を聞き逃しても、理解したところから推測して、内容のエッセンスだけはとらえることができたような気がします。

TOEICの場合は、居合い抜きのようにすばやく短文または会話が読まれるので、最初に聞き逃したらアウト、推測もできません。しかも次から次へと問題が出され、考える時間がない。私のように聞き取り難民世代には、じっくりと考える時間を与えてくれる英検のテストが向いているようです。

TOEICには「先読み」というテクニックがあるのですね。TOEICはこれまで一度だけ、娘と模擬テストをやっただけ(その時は700点ぎりぎりでした)なので、あまり良く知らないのですが、本番を受ける前はいくつかの模擬試験で練習しといたほうがいいですね。

最近は英語の虎さんのもとで、ディクテ、高速読み、シンクロをしています。まだ一ヶ月ですがけっこうCNNなどが聞き取れるようになってきました。秋ころに本番を受けようと思っていますが、もうちょっとスコアーはいいかなと期待しています。
Posted by かいちゃん at 2007年05月22日 19:55
かいちゃんさんへ
いつもコメントありがとうございます。

英検の文章は長いので、全体を通してその意味がわかることの方が大切ですよね。TOEICのリスニングは、あるビジネスシーンを設定した会話やスピーチで、そこから「必要な情報を聞き取る」ことが求められますので、数字や日時などを聞き逃しちゃうと、それでおしまい!みたいに、フォローがききませんよね。

個々の内容を聞き取ることも、内容のエッセンスを掴むことも、どちらも英語を理解するためには必要なことなのかもしれません。ただ、TOEICはあまりにもその情報を拾うことの連続で、どこかでふっと集中力が切れてしまうことがあるんですよねぇ。

英検の一次試験を受けたのが2006年6月でリスニングがこの成績(笑)、その3ヶ月後の2006年9月にTOEICで(何故か)リスニング満点。これでも、ドラマで鍛えたリスニング!ということで、少しはリスニングに自信があったのですが、実はそれも大したことないのかなぁ、と思ったりします(笑)。
TOEICの方はただの「慣れ」ですね。でも、慣れれば点数が上がるテストなのは間違いありません。(私は現在、頭打ち状態ですが…笑)

自分でも、この英検のリスニングの成績は大変「不本意」で、もし一次免除の期間が過ぎて、再度一次試験から受け直さないといけない場合には、ひたすらリスニング対策だけをしていたことでしょう。まだまだ「のびしろ」があるようだから…(笑)。

TOEICの「先読み」というのをやっている人は多いと思いますよ。私はそういうパターンで解くことに慣れてしまっているので、「先読み」できない状況だとどんな点になるのかわかりません。

英語の虎さんが推奨されている訓練法は、リスニングの上達に非常に効果的だと思います。やはりリスニングには、十分な時間をかけた徹底した「訓練」が必要なのは間違いないですよね。聞き取れるようになる部分が増えてくると、もっとリスニングの訓練が楽しくなると思います。
かいちゃんさんは、リスニングの上達を実感されているようですから、きっと良いスコアが期待できますね! 頑張って下さい。応援しています。
Posted by Rach at 2007年05月23日 10:05
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