精子バンクを利用して子供を作ろうとしているモニカに、
ロス: Look, you can't do this, Mon. All right, if you do this, I'm, I'm gonna, I'm, I'm gonna... (ねぇ、モニカ、そんなことしちゃだめだよ。よし、もしモニカがこんなことをするって言うのなら、僕は、僕は…)
モニカ: You're gonna what? (どうするつもり?)
ロス: I'm gonna tell Mom. (僕は、ママにそのことを言うぞ。)
レイチェル: Honey, I'm sorry, but he's right. I love you, but you're crazy. (ハニー、同情するわ。でも、ロスが正しい。モニカを愛してるけど、クレイジーよ。)
ロス: Crazy. (クレイジーだよ。)
モニカ: What?! Why? Why is this crazy? So this isn't the ideal way to do something... (何が? 何で? どうしてこれがクレイジーなの? それじゃあ、これは何かをするのに理想的な方法じゃないと…)
ロス: (interrupting her) Oh, it's not the ideal way... ([モニカを遮って] あぁ、それは理想的な方法とは言えない…)
モニカは自分の唇を指差しながら、
モニカ: Lips moving, still talking. I mean it may not be ideal, but I'm so ready. No, I-I-I see the way Ben looks at you. It makes me ache, you know? (唇が動いてるの、まだ話してるのよ。私が言いたいのは、理想的ではないかもしれない、でも、私はすっかり覚悟ができているのよ。ベンがあなたを見つめる様子を見ていると、心が痛くなるの。)
クラッカーにジャムをたっぷりつけて、
ジョーイ: Check it out! Jam crackers! (見て見て! ジャム・クラッカーだぜ!)
そんなことをしたら「ママに言いつける」と言うロス。(子供かいっ!…笑)
自分がしゃべっているのに話し始めたロスに対して、モニカは唇を指しながら、Lip moving, still talking. と言っています。
「まだ私の話は終わってないわ。」ということで、母が子供に言うような言い方ですね。
きっとモニカのママもこんな言い方をするのでしょう(笑)。
ready は「用意が整って、準備ができて」ということですが、この場合は精神的なことを言っているようで、「覚悟ができている」という感じでしょうね。
これが一番良い方法ではないことぐらいわかっているけれど、そのことは覚悟の上よ、ということでしょう。
こういう深刻な話をしている時でも、全くマイペースのジョーイ。
子供が欲しいというシリアスな話をしている時に、あぁ、こっちにもちっちゃい子供が一人いてるわぁ…みたいな感じで、呑気と言うか、無邪気と言うか、ねぇ?
モニカ: Okay, all right, how's this? Twenty-seven, Italian-American guy. He's an actor, born in Queens. Wow! Big family, seven sisters, and he's the only...boy. (they all turn and look at Joey) Oh my God! Under personal comments: "New York Knicks rule." (わかったわ。こっちはどう? 27歳。イタリア系アメリカ人。彼は俳優で、クイーンズ生まれ。まぁ! 大家族ね、7人の姉妹がいて、彼は(その中で)ただ一人の…男性。[フレンズたちはみんな振り向いてジョーイを見る] なんてこと! 本人によるコメントのところには、「ニューヨーク・ニックス、最高。」)
ジョーイ: Yeah, the Knicks rule! (あぁ、ニックスは最高だ!)
ここで観客が喝采します。
モニカ: Joey, this is you! (ジョーイ、これってあなたよ!)
ジョーイ: Let me see. (goes over and looks at the form) Oh, right! (見せて。[傍に来て用紙を見る] あぁ、そうだよ!)
モニカは別の候補を挙げます。
イタリア系、と聞いて「おや?」と思い、アクターと聞いたあたりではロスが眉間に皺を寄せて、どこかで聞いたようなプロフィールだなぁ、と思っている様子。
ちょっと観客からも笑い声が聞こえます。
大家族、辺りで全員が気付いたようですね。
Queens はニューヨーク市にあります。
ロングアイランドという島の西側がニューヨーク市で、そこにクイーンズやブルックリンがあるんですね。
Wikipedia 英語版: Queens
rule は他動詞で「…を支配する、統治する」、自動詞で「(…で)支配的である、優勢・有力である」という意味があります。
研究社 新英和中辞典の例文では、
Crime rules in the city. その町では犯罪が支配している。
Baseball rules in the field of sport. スポーツの分野では野球が圧倒的に人気がある。
というのが載っています。
ロングマン現代英英辞典には、
somebody/something rules: (informal) used to say that the team, school, place etc mentioned is better than any other
つまり、「(インフォーマルな表現) 言及されたチーム・学校・場所などが他のどれよりも良い、ということを言う時に使われる」ということで、今回のセリフでの意味はまさにこれですね。
堅苦しく言うと、「ニックスは全てのものに勝る、全てを支配する、ニックスが圧倒的に人気がある」という感じですが、「最高! 一番!」というのがジョーイっぽいかもしれません。
DVDの日本語は「ニックスは王者だ!」となっていました。
ジョーイがニックスのファンだと言うのは、これまでのエピソードに何度か出てきました。
フレンズ1-23その4 でも少し触れているのですが、元々はそのフレンズ1-23 の最初の方で、妊婦のリディアとこんなやり取りがあったんですね。
テレビでニックスを応援しているジョーイを見て、
リディア: Knick fan? (ニックスのファンなの?)
ジョーイ: Oh, yeah. (あぁ、そうだよ。)
リディア: Oh, boy, do they suck! (あらまぁ、ニックスなんか最低よ!)
ジョーイ: Hey, listen, lady...whoa. (おい、なぁ、お姉ちゃん… [その声の主を見ようと顔を向けると、大きなお腹が見えたので] わぁっ。[と驚く])
フレンズ2-20その4 では、ジョーイとチャンドラーがニックスのゲームに誰を誘うか、という話をしていましたよね。
ですから、"New York Knicks rule." というのはジョーイの口癖で、そのコメントから、これはジョーイに間違いない、というのがわかったわけです。
その言葉を耳にしたジョーイは、自分が書いたプロフィールが話題になっているとは知らずに、おうむ返しのように、「その通り、ニックスは最高さ!」と答えているのが笑えるのですね。
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コメントありがとうございます。
私は上で「7人の姉妹がいて、彼は(その中で)ただ一人の…男性。」と書いてしまいましたが、「その中で」というのは明らかに間違いですね。「彼には7人の姉妹がいて、彼だけが男性。」、つまり、「8人きょうだい(漢字は何て書くんだろ?…笑)で、彼以外の7人は全部女性」ってことですよね。
catchさんからのご指摘で改めて気付きましたが、日本語と英語では、兄弟の人数を言う場合に、自分を含めるか含めないか、という違いがあるんですね。
英語では、自分以外にどういう種類の兄弟姉妹がいるか、というのを説明するようで、つまりは、He has seven sisters, and he's the only boy. ということですね。
一方、日本語では、自分を含めた人数で、それも何番目かが結構重要だったりします。「私は3人きょうだいの真ん中です。」みたいに。
ちなみに、「きょうだい」を広辞苑で調べると、
きょうだい(兄弟)=男きょうだいの「兄(あに)弟(おとうと)」を音読した語であるが、姉妹にもいう
と書いてありますねぇ。
日本語って難しいな(笑)。
そう言えば、英語には brother, sister みたいに性別をはっきりさせる必要のない、sibling という単語がありますね。日本語の会話で「私のきょうだいは…」という場合は、この sibling のように性別がない感じですね。それを文字で書くとなると、何らかの漢字をあてないといけなくなるので、一瞬迷ってしまいます。
To yearn painfullyの意味だと思います。
また [No]は「I'm so ready」に対する否定です。
yearn painfully だと「痛いほど渇望する、切望する」という感じですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ache
2. ache to do something, ache for something
: to want to do or have something very much
3. to have a strong unhappy feeling
と出ています。
何かを欲する、望む、という意味の場合は、ache to do や、ache for の形を取るようです。
今回のセリフは、ache だけで止まっていることから、3. の「強く不幸な気持ちを持つ」の方、つまり、「心が痛む」の方かなと思います。
No はよくわかりません。I'm not so ready. ということだと、モニカには覚悟ができていない、ということになってしまいますし。