2007年06月07日

「海外経験なし」とは?

昨日の記事、新しいフレンズ・フレンド に引き続き、デイズさん(Deasさん)のブログ、Rocking in Hakata で、私のブログを紹介して下さった記事、New Friends Friend の英訳について考えてみたいと思います。
(前回と同様、最初に英語で説明し、その下に日本語訳をつけておきます。)

Part 2. 学習歴=curriculum?
It is so hard to translate 学習歴 into English, right?
LONGMAN Dictionary of Contemporary English says this;
curriculum: the subjects that are taught by a school, college etc, or the things that are studied in a particular subject

In my opinion, 学習歴 is like...
"When I was a university student, I successfully passed Grade Pre-1 of the EIKEN Test.
In April of 2001, I restarted to learn English using Friends DVDs.
In January of 2005, I reached 930 points on the TOEIC test..."
Right now, however, I don't know if I can call it 学習歴.

What should I call it? I don't think 学習歴 is 学歴(educational or academic background). It might be 'the history of learning English' or 'English learning experience'? I don't know.

(日本語訳)
「学習歴」って訳しにくいですよね。
デイズさんは、学習歴=curriculum と訳して下さったのですが、ロングマン現代英英辞典では、curriculum=「学校や大学などで教わる教科、または特定の教科で学んだ事柄」とあります。

私の考えでは、「学習歴」とは以下のような感じ。
「大学生の時、英検準1級に合格した。2001年4月、フレンズのDVDを使って、英語学習を再開した。2005年1月、TOEICで930点を取った…」
でも、今考えると、これを「学習歴」と言っていいものかどうかわからないです。

何て言ったらいいんでしょうねぇ?
学習歴は「学歴(どこの学校を卒業したかなど)」とも異なると思うし…。
「英語学習の歴史」または「英語学習経験」かもしれない。よくわかりません。

(おまけ)
「カリキュラム」は日本語になっていて、「(学校の)教育課程、教科課程、履修課程」という意味で使われていますね。
そんな風に日本語化しているので、余計にニュアンスが掴みにくいです。

Part 3. 海外経験なし=I've never been overseas?
「海外経験なし」 is a really tricky expression. As a matter of fact, I HAVE BEEN overseas.
I went to Italy, Greece and France, whose first languages are not English, on my honeymoon trip about a decade ago.

On my site, 海外経験なし means I've never studied abroad, worked abroad, stayed for months or lived abroad.
If you translate 海外経験なし into English literally, it means "no experience overseas". So, strictly speaking, the expression 海外経験なし might be wrong, but nobody has pointed out that inconsistency before.
In short, this is not a matter of traslation, but a matter of vague expression of mine.
Maybe, "I've never studied, worked, lived abroad." is appropriate, I think.
Or, just "I've never lived abroad." might be OK.

(日本語訳)
「海外経験なし」という日本語はトリッキーな表現です。
実は私は海外に行ったことがあります。
10年ほど前に、新婚旅行で、イタリア・ギリシャ・フランス(いずれも第一言語は英語ではないですね)に行きました。(帰りにイギリスのヒースロー空港を経由しましたが…。)
(海外旅行に行った件については、私の英語学習歴(その2) などの過去記事で何度か触れたことがあります。添乗員付きの10日間の旅行でした。)

私のサイトでは、「海外経験なし」というのは、
「海外留学」「海外赴任」「(旅行以外で)海外に数ヶ月滞在、居住」の経験がない、
という意味で使っています。
もし「海外経験なし」という言葉を文字通り英訳すると、no experience overseas になりますね。
ですから、厳密に言うと、「海外経験なし」という言葉は間違いなのですが、これまで誰もその矛盾を指摘した人はいませんでした。
つまり、これは翻訳の問題ではなくて、私のあいまいな日本語の問題なんですね。
多分、「海外で勉強したり、働いたり、住んだりしたことがない。」というのが適切だろうと思います。
または、ただ、「海外に住んだことがない。」でもいいかもしれません。
(海外留学、海外赴任するには、「そこに住む」ことが大前提としてあるわけですから…)

(ここからは日本語の感覚の問題なんですが)
旅行で数週間海外に行ったくらいの経験は「海外経験」とは呼ばない、という認識でよろしいんでしょうかねぇ?
私が行ったのはヨーロッパの、それも英語をメインで使う国ではなかったですし、添乗員もいたため、自分が英語を話すチャンスはほとんどありませんでした。
本当に、海外旅行は10年前のその1回きりで、それ以来、日本を出たことがありません。

これだけ英語が好きだと公言しているのに、英語を使う国に行ったことがない!というのを表現するのには「海外経験なし」という言葉が一番適切でインパクトあるかなぁ、と思って使っているのですが、違和感がある、という方がおられたら、ご指摘下さいませ。

おまけの疑問 (爆)とは?
デイズさんが、私のブログにちょくちょく出てくる、(爆)という表現を見て気に入って下さったようです(笑)。
ふと、これは英語ではどういうニュアンスになるのかなぁ?と思って検索していたら、私の思っている(爆)のニュアンスと一般的に使われている(爆)のニュアンスが違っているかもしれない、ということに気付きました。

ネットで調べると、「(爆)=(爆笑)」の意味として使っておられる方がかなりおられるようなんですが、私はずっと「(爆)=(自爆)」の意味で使ってたんですよねぇ…。

つまり、(爆)を説明すると、「自爆、爆死」(←物騒な言葉ですが…)、「おバカなことを言って申し訳ありません、自分でバカなこと、愚かなことを言ってしまいました」という反省、それを自虐的に認めた表現として使っていたのですが…。
音にすると、「どっか〜ん!、(漫画「うる星やつら」で出てきそうな)ちゅど〜ん!」みたいな感じでしょうか。

大阪人はよく自分の不幸を笑いのネタに使うので(人を笑わすことに命を懸けてるんで…)、そういう自虐的なネタ、自爆ネタの後に使っているんですよね、私は。
それは本来の(爆)という記号とはかけ離れた使い方なのかなぁ??
(爆)=(爆笑)だとすると、(笑)をグレードアップさせた記号ということになりますね?

私の使い方がおかしいせいで、デイズさんが間違った日本語を覚えてしまわれると、非常に申し訳ないので…皆様のご意見、お待ちしております。

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posted by Rach at 12:57| Comment(8) | 英語学習のコツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学習歴は milestones などを使ったらどうでしょう?自分の歴史的になにかをやった、なにかが起こった、ということをカリキュラムに限らず綴ることができるとおもいます。

僕も海外在住?経験なしという感覚で「海外経験なし」というのは理解していましたが、やはり英訳を考えると当てはまらないんですね。

ちなみに僕は「爆」を爆笑の爆として使っています!
Posted by テリトリー at 2007年06月07日 19:11
学習歴と学歴の比較はびみょうですね。

学歴は言ったとおりAcademic Backgroundですね。

学習歴はQualificationsだと思います。例えば、TOEICやEIKENのスコア、そして自分の持っている検定です。

Qualificationsのなかで「600時間英語自習」のような情報も入れられますね。

この区別は正しいですかね。
Posted by Alex at 2007年06月07日 22:42
テリトリーさんへ
参考になるご意見、いつもありがとうございます。

milestone というのは、「石のマイル標、里程標、道しるべ」のことですね。そこから、「(人生・歴史での)画期的[重大]な出来事、事件」も指すんですよね。
ロングマン現代英英辞典には、
milestone: a very important event in the development of something
とあります。

「学習歴」という言葉の”本来の”意味は、おそらく、「これまでどんな学習を、どの時期に、どのくらいの期間してきたか」という「学習内容とそれにかけた時間」を示すものなのでしょうね。
その勉強によって、どういう資格をいつ獲得したか、を付記することで、その学習の効果がわかりやすくなる、ということで、資格内容と獲得時期を盛り込んだものを、私が勝手に「学習歴」と名付けている、ということなのかもしれません。

自分の過去記事のタイトルに「900点超えまでの道のり」というのがあるのですが、その「道のり」という感覚が、milestone に近いと思いますね。「道程(どうてい、みちのり)」の英訳は、distance, journey などと出ていますが、私の「道のり」の記事は、「TOEICの点数の変遷」、つまり「いつ、何点を取ったか」という話になっています。
それがちょうど人生(もしくは英語学習人生)を道に例えると、その道のところどころに、「2006年9月 TOEIC945点」、「2007年3月 英検1級合格」という milestone が立っている、というイメージですね。

「栄光への軌跡」とか「成長の軌跡」などの「軌跡」という言葉もあって、それは英語では track になるようですが、その「軌跡」という日本語も、私が使っている「学習歴」という言葉に近い感じはします。

少し脱線ですが、学習歴の「歴」は「歴史」や「履歴」の歴で、英和で「履歴書」を調べると、フレンズでもよく出てくる a resume のほかに、one's personal history, one's curriculum vitae (略: C.V.) と出ています。
curriculum vitae はラテン語の course of life という意味だそうで、そういう意味では、curriculum という単語も、日本語の「カリキュラム」という言葉のイメージとは違った、「履歴」のようなニュアンスもあるのかもしれない、とも思います。

こうやって改めて考えてみると、私の「学習歴」という言葉の選択が誤っていた気もしますが…(笑)。紛らわしい漠然とした表現を使って、ネイティブの方を惑わせてしまったかもしれません(反省)。

「海外経験なし」というのは、「海外という英語の本場で、英語を学んでいない」「日本で独学で学んだ」ということを表現したかったわけなんですが…。
言い訳がましいことを言うと…。
「海外」という言葉も曲者(くせもの)で、英語を主言語とする国でなければ、そこに何年住んでいたとしても、英語を伸ばすことには繋がりませんよね。また、旅行でも、「3週間、一人でオーストラリアを縦断した」とか言う場合は立派な「海外経験」になると思いますが、添乗員付きのツアーなら、一人ぼっちになることもほとんどないので、ただ外国を自分の目で見てきた、その空気に触れてきた、という程度でしかない気がするのです。

「海外経験なし、って言ってるけど、海外に”行った”経験はあるやんけ!」と突っ込まれたら、「おっしゃる通りでございます。」と謝ろうと思っていたのですが(笑)、日本の読者の皆さんは、「海外経験なし」=「留学、赴任経験なし」と自然に解釈して下さっているようで、そんなささいなことには目くじらは立てないよ、ということだったのだと思います。

でも、英訳を考えると、「海外経験なし」=I've never been overseas となるのは当然で、でも、そのように理解されているとすると、事実と異なってしまうので、気になってしまったんです。これまた、ネイティブの方には、紛らわしい表現で申し訳ありませんでした。

テリトリーさんの(爆)は、(爆笑)なんですね?(笑)。ネットで見ても、そちらの方が大勢(たいせい)を占めるような気もします。私と同じように(自爆)として使っている人もおられるようですが…。これから、使う時に、一瞬躊躇してしまいそうだ…。
Posted by Rach at 2007年06月08日 10:34
Alexさんへ
日本語で丁寧に説明して下さって、ありがとうございます。
本当にその違いは「びみょう(微妙)」なのですが、Alexさんは正しく区別しておられると思います。

「学習歴」と「学歴」は見た目の”感じ”が(”漢字”も)似ているので、外国人の方にはその違いが紛らわしいかもしれない、と思って、比較してみたんですよ。

「学歴」というのは、resume(履歴書)に書く、
「19**年 ○○高校卒業、19**年 △△大学卒業」
19** I graduated from ○○ high school.
19** I graduated from △△ university.
というもののことですね。
これは Adacemic Background ということで問題ないと思います。

Qualifications は「(職につくため、…するための)資格」と日本語に訳されています。
ロングマン英英辞典では、
qualification:
1. if you have a qualification, you have passed an examination or course to show you have a particular level of skill or knowledge in a subject
「qualification を持っている、という場合は、ある科目において、特定のレベルの能力や知識を持っていることを示す試験やコースに合格した(合格している)ということ。」
2. a skill, personal quality, or type of experience that makes you suitable for a particular job or position
「人を、特定の仕事や地位に適したものにする、能力、個人の資質、ある種の経験」

1. は「(試験に合格して得た)資格」ということ。
2. は 1. のような公式に認定された資格に限らず、何かの仕事をするに当たって役に立つ事柄ということですね。「経験」も含まれるということなので、おっしゃるように「600時間英語自習」のような情報も入れられるわけなんですね。(それは知りませんでした。)

I've learned English using Friends DVDs since April, 2001 (or for 6 years).
という情報も Qualificaitons に入れられる、ということであれば、Qualifications という英訳もふさわしいと思います。

私は英語の履歴書を書いたことがないのですが、そう言えば、英語の履歴書には「600時間英語自習」という自分の学習経験を盛り込むことが可能だったような気がしますね。
日本の履歴書には、公に認定されたもの(certification)は書きますが、「自分で何時間勉強した」ということは書かないように思います。

P.S.
If there is something difficult to understand in my comment, feel free to ask me. I'll try to explain it in English.
Posted by Rach at 2007年06月08日 10:44
今さらながら、このエントリーにコメントさせていただきます。
「学習暦」について。

個人的な語感では、"studying history"か"learning history"といった、直訳調の表現が意外と良い線いくんじゃないかと思います。

アルクでも類似表現がのってます:
buying history
購入履歴
dosing history
投与歴
drinking history
飲酒歴
feeding history
授乳歴

こう見ると、learning historyも、意味は通じる気がします。まあ、英語として自然な表現かどうかはわかりませんがf(^^;
Posted by nacca at 2009年06月13日 00:26
naccaさんへ
貴重なご意見ありがとうございます。

おっしゃるように、history という言葉を使う方が、伝わりやすい気がしますね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
history: 4. SOMEBODY'S ACTIONS/EXPERIENCES
all the things that someone has done or experienced
例) The doctor will ask for your medical history.
つまり、「人が(これまでに)やった、または経験したすべてのこと」。
例文は、「医者はあなたの病歴を尋ねるでしょう。」

と出ています。ですから、learning history で通じる気がしますね。一緒に考えて下さってありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年06月14日 07:17
学習歴について私なりの表現を書いてみます。参考にしてください。

My personal record of English studies
http://www8.cs.umu.se/~selander/studies/index.html
My Learning Record
My Learning Achievement
https://nationalcareersservice.direct.gov.uk/tools/learn/Pages/default.aspx

ただもし私がブログで英語歴を書くとすれば「歴」という字に拘らず下のように平易な表現で見出しを作ると思います。
This is how I studied English:
This is the path I've taken in English learning
This is the way I've come:


「海外経験なし」は"No experience of studying or working overseas."とも言えますね。
Posted by 多治見辰弥 at 2013年10月01日 05:55
多治見辰弥さんへ
表現をどうするかについて考えていただいて、ありがとうございます。

record, achievement という単語、しっくりきますね。またおっしゃるように「歴」という字に私は拘り過ぎていたのかもしれません。how を使った形などは特に「英語っぽい、英語らしい」気がして、自然だと思いました。

私のように「旅行で行ったことはあるけれど、働いた、学んだ経験がない」場合は、"No experience of studying or working overseas." とすれば、非常にわかりやすくていいですね。

参考になるご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2013年10月02日 11:14
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